始めに(特徴紹介)
バーナード・サムナー(Bernard Sumner)は、Joy Divisionから派生して誕生した伝説的バンド「New Order」のギタリストであり、同時にボーカリストとしても活躍しています。彼のギターサウンドは、ポストパンクからニューウェーブ、エレクトロニック・ダンスへと変貌していくバンドの進化を支えた重要な要素です。
Joy Division時代には、深いリバーブ感や荒削りなトーンを特徴とする「Unknown Pleasures」の重厚なサウンドを支え、New Orderではコーラスやディレイを駆使し、浮遊感と躍動感を両立させる独自の音作りを確立しました。ギター単体としてはシンプルながら、シンセやリズムマシンと絡み合うことで唯一無二の「サムナー節」とも言えるサウンドが形成されていきます。
代表的な楽曲としては、Joy Division期の「Disorder」や「Shadowplay」、New Order期の「Blue Monday」「Bizarre Love Triangle」「Regret」などが挙げられます。これらの楽曲に共通するのは、過度に歪ませずにクリアで空間的広がりを持たせたサウンドです。ギターが全面に出ることは少なく、むしろバンド全体のトラックの中でリズムやメロディを補強するような存在感を放っています。
サムナーのギターサウンドは、現代のポストパンク・リバイバルやシンセポップ・バンドにも大きな影響を与え続けています。特に、ディレイとコーラスを組み合わせて作る「透明感のあるギターリフ」は、彼のスタイルを模倣する上で欠かせない要素となっています。
以下では、彼が実際に使用したアンプやギター、エフェクターを中心に、その音作りの秘密を徹底解説していきます。
まずはNew Orderの公式映像をチェックして、実際のサウンドを体感してみてください。
使用アンプ一覧と特徴【New Order・Bernard Sumner】
バーナード・サムナーのアンプ選びは、Joy Division時代からNew Order初期にかけて独自の実験的アプローチが見られます。彼のギターサウンドは、エフェクターに頼るよりもアンプそのものの特性やセッティングに大きく依存しており、荒々しさと透明感の両立が特徴です。
まず特筆すべきは、デビュー作『Unknown Pleasures』で使用されたVox UL730です。このアンプはビートルズのジョージ・ハリスンやジョン・レノンも愛用したモデルで、ソリッドステートのプリアンプと真空管パワーアンプを組み合わせたハイブリッド仕様が特徴です。トランジスタのシャープさと真空管の温かみを併せ持ち、ポストパンクに必要な硬質感を提供しています。レコーディングではUL730が主に用いられ、ギターサウンドに独特の中域の張りと鋭さを加えました。
ライブでは、Altair PW-5 Power Attenuatorが組み合わせられました。これは大音量をコントロールするためのアッテネーターで、UL730の持つポテンシャルをステージ上でも活かすために重要な役割を果たしました。大きな会場での演奏においても、オーバードライブ感を保ちつつ音量を整える工夫がなされていたことがわかります。
また、New Order期に入るとエレクトロニック要素の比重が増し、ギターが前面に出る機会は減りましたが、その分アンプは「クリーンで扱いやすいトーン」を意識したものが多くなりました。確定情報は限られるものの、ソリッドステートアンプやトランジスタ系のクリーンアンプを使用していた可能性が高いと考えられます。写真や一部記事ではFender系のコンボアンプやRoland JC-120(ジャズコーラス)を使用していたという証言も見られます。
総じて、バーナードのアンプ選びは「音を歪ませる」のではなく「透明感を持たせつつエフェクトを活かす」方向性であり、これはシンセやリズムマシンとのアンサンブルを考慮したサウンドメイキングと言えます。現代的に再現するなら、ハイブリッド仕様のVoxアンプ、もしくはクリーンが得意なRoland JC-120系が最適に近い選択肢となるでしょう。
以下はバーナード・サムナーが使用した、または使用が推定されるアンプの一覧です。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Vox UL730 head | Vox | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | 『Unknown Pleasures』のレコーディングで使用。ソリッドステート+チューブのハイブリッド構造。 |
Altair PW-5 Power Attenuator | Altair | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | Vox UL730の大音量を抑えるためライブで使用。 |
Roland JC-120 | Roland | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | 使用確定情報は少ないが、New Order期にクリーンアンプとして使用した可能性が高い。 |
Fender Twin Reverb(推定) | Fender | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | 1980年代のライブ・スタジオで使用したとの証言あり。透明感のあるクリーンが特徴。 |
以上のように、確定されている機材はVox UL730とAltair PW-5が中心ですが、New Order期にはRoland JC-120やFender系のクリーンアンプが用いられていたと想定されます。
使用ギターの種類と特徴【New Order・Bernard Sumner】
バーナード・サムナーの音作りにおいて最も重要な要素のひとつが、彼が選んできたギターです。Joy DivisionからNew Orderへの過渡期においても、ギターの選択はサウンドの変化を強く反映しています。以下では、実際に使用されたギターとその特徴をまとめます。
まずJoy Division期を代表するのがShergold Masqueraderです。このギターはイギリス製で、当時としては非常にユニークな仕様を持っていました。サムナーはこのギターのピックアップをカスタマイズしており、ブリッジ側にはDiMarzio Super Distortion、ネック側にはDiMarzio PAFを搭載。さらにコイルスプリットやフェイズリバース機能も残していたため、幅広い音作りが可能でした。アルバム『Unknown Pleasures』の録音ではこのギターが中心となり、独特の硬質で厚みのあるサウンドを生み出しています。
同じくJoy Division時代に使用されたのがGibson SG(60年代製)です。シンプルながら鋭いトーンが特徴で、ライブやレコーディングでShergoldと使い分けられていました。特に「Disorder」や「Shadowplay」のようなラウドでドライブ感のあるリフではSGの存在感が感じられます。
また、バンド仲間であるイアン・カーティスから受け継いだVox Phantom Special VIも象徴的です。このギターは独特な多角形ボディを持ち、さらにファズ、トレモロ、パーカッションといった内蔵エフェクトを搭載。サムナーはこれをライブでも活用し、Joy Divisionの荒々しいライブサウンドに独特の色を加えました。
New Order期に入ると、ギター選びはより多様化していきます。1980年代にはGibson ES-335のようなセミアコが導入され、クリーンで奥行きのあるサウンドを実現。また、SGタイプを含む「ダブルカット」系のギターも使用され、よりエレクトロニックな楽曲との相性を考慮した選択が見られます。ES-335は「Bizarre Love Triangle」や「Temptation」のような浮遊感あるフレーズに適しており、サムナーの音作りの幅を広げました。
このように、サムナーのギター選びは「荒々しいポストパンク」から「空間的なニューウェーブ」への変遷を反映しています。特定の1本にこだわるのではなく、楽曲や時期に応じて最適なギターを柔軟に選ぶスタイルこそが、彼の音作りの大きな特徴だと言えるでしょう。まとめると、Shergold MasqueraderとGibson SGがJoy Division時代を象徴し、New Order期にはES-335や多様なダブルカットモデルが重要な役割を果たした、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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Shergold Masquerader | Shergold | Amazonで探す | Joy Division / New Order | Bernard Sumner | ソリッド | 『Unknown Pleasures』で使用。DiMarzioピックアップに改造済み。コイルスプリットやフェイズリバース搭載。 |
Gibson SG(60年代製) | Gibson | Amazonで探す | Joy Division / New Order | Bernard Sumner | ソリッド(ダブルカット) | 『Unknown Pleasures』期のレコーディングやライブで使用。荒々しいトーンが特徴。 |
Vox Phantom Special VI | Vox | Amazonで探す | Joy Division | Bernard Sumner | ソリッド | イアン・カーティスから引き継いだギター。内蔵エフェクト搭載。ライブでも使用。 |
Gibson ES-335 | Gibson | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | セミアコ | 1980年代に使用。空間的で豊かなクリーントーンを提供。 |
Double cut guitar(モデル不明) | 不明(Gibson系など推定) | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | ソリッド(ダブルカット) | 1980年代に使用。SGタイプなどが含まれる可能性あり。詳細不明。 |
使用エフェクターとボード構成【New Order・Bernard Sumner】
バーナード・サムナーのエフェクター選びは、Joy Division期とNew Order期で大きく変化しました。Joy Division時代はほとんどエフェクトを使わず、アンプやギターの素の音を基盤にした荒々しいトーンが特徴でしたが、New Orderに入ってからはシンセやリズムマシンと融合させるために、空間系やモジュレーション系のエフェクトを多用するようになりました。
Joy Division時代に最も特徴的だったのは、Vox Phantom Special VIに内蔵されたエフェクトです。ファズ、トレモロ、パーカッションといった内蔵エフェクトを活かし、ライブではアナログ的で独特なサウンドを演出していました。特にファズはシンプルながらも荒削りなトーンを作り出し、楽曲全体のダークな雰囲気を支えています。
New Order期に入ると、ディレイとコーラスが彼の音作りの中心となります。透明感のあるギターリフはディレイによる反復効果とコーラスの揺らぎによって実現され、楽曲に独特の浮遊感を与えました。「Bizarre Love Triangle」や「Age of Consent」といった楽曲で顕著にその効果が感じられます。リバーブも組み合わせることで、広がりのあるサウンドスケープを作り出していました。
また、一部楽曲やライブではフランジャーを使用していた可能性も指摘されています。特定のインタビューや音源を分析すると、ギターのモジュレーションがフランジャー特有の位相効果を持っている場合があり、完全に断定はできないものの、ステージで試されていたと考えられます。
歪み系に関しては、オーバードライブではなくソリッドステート系ディストーションを愛用していた点が特徴的です。特にRATペダルのような粒立ちの荒いディストーションはサムナーのトーンに近いとされ、現在でも再現を試みるギタリストにとって有力な選択肢となっています。彼は極端に歪ませず、エフェクトの空間処理とバランスさせることで、バンド全体のサウンドに埋もれないギターを作り出していました。
総合すると、Joy Division期は最小限のファズとトレモロ、New Order期はディレイ・コーラス・リバーブを基盤にした音作りが主流であり、時にフランジャーやディストーションを補助的に使用した、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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Vox Phantom Special VI 内蔵ファズ | Vox | Amazonで探す | Joy Division | Bernard Sumner | ファズ | 内蔵エフェクト。荒々しい歪みを再現。 |
Vox Phantom Special VI 内蔵トレモロ | Vox | Amazonで探す | Joy Division | Bernard Sumner | トレモロ | ライブで使用。リズム感に揺らぎを加える。 |
Vox Phantom Special VI 内蔵パーカッション | Vox | Amazonで探す | Joy Division | Bernard Sumner | リズムマシン・メトロノーム | ギター単体でリズミックな効果を付与可能。 |
Delay Pedal(モデル不明、推定BOSS/DDシリーズなど) | BOSS 他 | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | ディレイ | 代表曲の透明感あるフレーズに必須。 |
Chorus Pedal(推定BOSS CE-2等) | BOSS | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | コーラス | 浮遊感あるサウンドを演出。New Order期の音の柱。 |
Reverb Unit(推定、スタジオ常設機材含む) | 不明 | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | リバーブ | 空間的広がりを演出するために使用。 |
Flanger Pedal(モデル不明、推定Electro-Harmonix等) | Electro-Harmonix 他 | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | フランジャー | 一部楽曲で使用した可能性あり。位相の揺らぎ効果。 |
ProCo RAT(推定) | ProCo | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | ディストーション | ソリッドステート系ディストーションの代表格。サムナーのトーンに近いとされる。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【New Order・Bernard Sumner】
バーナード・サムナーの音作りは、ギター単体の歪みや派手なソロプレイに依存するのではなく、バンド全体のアンサンブルの中でどのようにギターを配置するか、というミックス的視点に強く影響されています。そのため、彼のセッティングを再現するには単純に「アンプとエフェクターを同じにする」だけでは不十分で、EQやミックスの工夫も欠かせません。
まずアンプのセッティングについて。『Unknown Pleasures』期に使用されたVox UL730は、ミッドレンジが特徴的に強調されるアンプです。サムナーはこの特性を活かし、Bassをややカットし、TrebleとMidを押し出すことで「硬質で切り裂くようなリフ」を作り出していました。具体的には、Bassを3〜4程度、Midを6〜7程度、Trebleを5〜6程度に設定するのが参考になります。これにより、ベースとドラムが支配的なJoy Divisionの楽曲の中でも、ギターが埋もれず存在感を保つことができます。
New Order期においては、アンプそのものを強く歪ませるよりも、クリーントーンをベースにして空間系エフェクトで彩る方向性が重視されました。Roland JC-120やFender Twin Reverbなどのアンプを使用した際は、EQは比較的フラットに近い設定にし、過剰なローやハイを避けるのがポイントです。ギターがシンセやシーケンサーと共存するため、ギター単体での「抜け」よりも「全体に馴染む透明感」が優先されています。
エフェクターのセッティングとしては、ディレイはショートディレイ(300〜400ms程度)を使い、フィードバックは浅めに設定するのが特徴です。これにより、フレーズのリズム感が失われず、楽曲のテンポ感を崩さない効果が得られます。代表曲「Age of Consent」では、ディレイがギターリフを跳ね返すことで、まるでシーケンスのような躍動感を演出しています。
コーラスは深めにかけるのではなく、速めのRate・浅めのDepthを組み合わせて使用することが多かったと推測されます。これにより、シンセと溶け合うような「揺れ感」を出しつつ、輪郭を失わないギタートーンが形成されます。リバーブはライブやスタジオで自然に付与される残響に任せる部分も大きく、深すぎず空間の広がりを強調する程度に抑えられていました。
また、歪みの使い方も独特です。オーバードライブ的な自然なブーストではなく、RATのようなトランジスタ系ディストーションを薄く重ねることで、ざらついた質感を加えていました。これは単純なリードサウンドというより、「機械的で無機質なトーン」を狙ったものと考えられます。特に「Ceremony」などの初期New Orderの楽曲ではこの要素が色濃く出ています。
ミックス面では、ギターは決して前に出しすぎず、ステレオの片側にパンニングされることが多いです。シンセやベース、ドラムマシンと干渉しない帯域を狙い、エンジニアはギターのローを大胆に削り、2kHz〜4kHzあたりを持ち上げて「歯切れの良さ」を演出していました。これにより、ギターはあくまでリズムとメロディを補助する役割を担いつつも、しっかりと存在感を放ちます。
まとめると、バーナード・サムナーの音作りは「硬質でミッドレンジを重視したEQ」「クリーンを基調とした空間系エフェクト」「ミックスでの帯域コントロール」の3点に集約されます。個別の機材よりも、このバランス感覚こそが彼の音を再現するカギとなる、と想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【New Order・Bernard Sumner】
バーナード・サムナーのギターサウンドは、特殊なヴィンテージ機材や改造ギターを中心に構築されているため、完全に同じ機材を揃えるのは現実的には難しい部分があります。しかし、現代の市販機材をうまく組み合わせれば、比較的安価に彼のサウンドに近づけることが可能です。ここでは初心者から中級者でも手に入れやすい製品を中心に紹介します。
まずアンプに関しては、サムナーが実際に使用したVox UL730は極めてレアですが、代替としてRoland JC-22やBoss Katanaシリーズがおすすめです。Roland JCはNew Order期のクリーンで煌びやかなサウンドを再現するのに適しており、コーラスも内蔵されています。Boss Katanaはマルチなアンプモデリングを備えており、ソリッドステート風の硬質なトーンを作り出せます。
エフェクターでは、彼の音作りに欠かせないディレイとコーラスが最重要です。BOSS DD-8は扱いやすく多機能なディレイペダルで、300ms前後のショートディレイ設定で「Age of Consent」のようなリズミカルなリフを再現可能です。コーラスにはBOSS CE-2W(Waza Craft版)や安価なCE-5も選択肢になります。リバーブについてはBOSS RV-6のように多彩なリバーブモードを搭載した製品を使うと、スタジオ録音風の奥行きを手軽に再現できます。
歪みに関しては、ProCo RATが代表的ですが高価な場合もあるため、廉価版の「Mooer Black Secret」などのミニペダルが代用可能です。これらはサムナー的なソリッドステート風ディストーションのざらつき感を再現するのに向いています。歪みをかけすぎず、うっすらと混ぜるように設定するのがポイントです。
また、オールインワンでまとめたい場合は、Line 6 HX StompやBOSS GT-1000 Coreといったマルチエフェクターも有効です。アンプシミュレーションと空間系エフェクトをバランスよく組み合わせれば、バーナード・サムナーのサウンドをトータルで再現できます。初心者にとってはコストパフォーマンスが高く、ライブでも宅録でも活用可能です。
総じて「クリーンアンプ+空間系エフェクト(ディレイ・コーラス・リバーブ)+控えめなディストーション」を意識すれば、5万円前後の予算でも十分にNew Order風のサウンドに近づけることが可能です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | Roland JC-22 | Roland | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | JCシリーズはNew Order期のクリーントーンを再現可能。小型で扱いやすい。 |
アンプ | BOSS Katana 50 MkII | BOSS | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | 多機能アンプ。クリーンから歪みまで幅広く対応し、初心者にも最適。 |
ディレイ | BOSS DD-8 | BOSS | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | ショートディレイでリズミカルなサウンドを再現可能。 |
コーラス | BOSS CE-2W | BOSS | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | 代表的なコーラスペダル。浮遊感のあるサウンドを再現。 |
リバーブ | BOSS RV-6 | BOSS | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | 多彩なリバーブモード搭載。空間的な広がりを演出。 |
ディストーション | Mooer Black Secret | Mooer | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | ProCo RAT系サウンドを小型で再現可能。低価格帯でおすすめ。 |
マルチエフェクター | Line 6 HX Stomp | Line 6 | Amazonで探す | New Order | Bernard Sumner | アンプ&エフェクトシミュレーションを内蔵。1台で完結できる万能機材。 |
総括まとめ【New Order・Bernard Sumner】

バーナード・サムナーの音作りを振り返ると、その本質は「ギターを主役にしすぎないこと」にあります。Joy Division期には荒々しいファズやトレモロを最小限に使いながら、無機質で冷たい音像を作り出しました。一方でNew Order期には、ディレイやコーラスを中心とした空間系エフェクトを駆使し、シンセサイザーやリズムマシンと絡み合う浮遊感のあるサウンドを実現しました。つまり、常に「楽曲全体の中でのギターの役割」を意識していたことが、彼のスタイルを唯一無二のものにしています。
また、サムナーのサウンドは決して「ギターヒーロー的な派手さ」ではなく、シンプルで機械的とも言えるプレイにこそ魅力があります。彼のギターは楽曲の隙間を埋めるように鳴り、時にはリズムを補強し、時にはメロディを引き立てる存在でした。そのため、彼の音作りを真似する場合には、単純に同じ機材を揃えるだけではなく、「どうバンドサウンドに溶け込ませるか」という視点を持つことが最も重要です。
現代のギタリストが彼の音を再現するためには、クリーンアンプをベースにして、ディレイやコーラス、リバーブといった空間系を的確に組み合わせることがカギとなります。歪みは必要最低限に留め、音の透明感や揺らぎを大切にすることが、New Orderらしさにつながります。また、録音やライブの際にはEQで中域を強調しつつ、低域を整理することで、彼のミックス的なアプローチを取り入れることができます。
最後に強調したいのは、バーナード・サムナーのギターサウンドは「孤立した個の音」ではなく「全体の中で機能する音」であるということです。だからこそ、彼の音作りを追求することは単なる機材探しではなく、バンド全体の音像を意識することにつながります。もしあなたがバンドでNew Order風のサウンドを目指すなら、ギター単体で完結させるのではなく、ベースやシンセとの関係性を考えながら音作りを行うのが理想です。
まとめると、サムナーの音作りの核心は「クリーン基調+空間系エフェクト+ミックスバランス」であり、それを理解すれば高価なヴィンテージ機材がなくても十分に再現可能です。彼の音に近づけるためには、機材以上に「音の置き方」や「余白を活かす姿勢」を学ぶことが大切だと言えるでしょう。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
Shergold Masquerader
Joy Division『Unknown Pleasures』で主に使用。DiMarzio Super Distortion(ブリッジ)、DiMarzio PAF(ネック)へ交換。コイルスプリットやフェイズリバースも維持。
Gibson SG
60年代製。『Unknown Pleasures』のレコーディングやNew Orderライブで使用。
Vox Phantom Special VI
内蔵エフェクト(ファズ、トレモロ、パーカッション)搭載。イアン・カーティス使用後、サムナーが引き継ぎライブなどで使用。
Gibson ES-335
1980年代に使用。
Double cut guitar
1980年代に使用(具体的モデル名不明。SGタイプなどを含む)。
アンプ
Vox UL730 head
『Unknown Pleasures』のギター録音で使用。ソリッドステートプリ+チューブパワーのハイブリッド仕様。
Altair PW-5 Power Attenuator
Vox UL730の大音量を抑えるためライブで併用。
エフェクター
Vox Phantom Special VI内蔵エフェクト
ファズ
トレモロ
パーカッション
ディレイ
Joy Division時代は最小限、New Orderで使用。音作りに重要。
コーラス
New Orderでのサウンドに利用。
リバーブ
サウンドの空間的広がりに使用。
フランジャー
New Orderで使用可能性あり。
ソリッドステート・ディストーション
バーナードの特徴的トーン。RATペダルなどが近いサウンドを再現可能とされる。
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