始めに(特徴紹介)
EGO-WRAPPIN’のギタリスト、森雅樹はジャズ、ブルース、スウィング、ロカビリー、さらには歌謡曲のエッセンスを融合させた独自のギタープレイで知られています。
代表曲「色彩のブルース」におけるクリーンで粘りのあるフレーズや、ライブでの即興的なコードワークは、バンド全体の音像を一層豊かにしています。
彼のサウンドの大きな特徴は「クリーン主体」「減衰と倍音を活かしたコード感」「ホーンセクションと溶け合うトーン設計」にあります。
過剰な歪みや派手なエフェクトを避け、アコースティック的なダイナミクスを重視している点が、EGO-WRAPPIN’のヴィンテージ志向の世界観と強く結びついています。
実際に2025年7月12日の日比谷野音「Dance, Dance, Dance」公演では、冒頭の「Egyptian Reggae」でバンジョーを使用し、同曲の異国情緒とダンスグルーヴを強調しました。
また、インタビューでは震災以降「音数を減らし、生楽器で鳴らす」という意識を強めていると語っており、バンドの方向性にも表れています。
このように森雅樹のプレイは、ギター単体というよりアンサンブル全体を設計する視点に立っており、ブルースからジャズ、スカ、ロカビリーまで、幅広い音楽的要素をギターで有機的に結びつけています。
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使用アンプ一覧と特徴【EGO-WRAPPIN’・森雅樹】
森雅樹の音作りを支える重要な要素のひとつがアンプの選択です。EGO-WRAPPIN’のサウンドはホーンやウッドベースなどを含む大編成を想定しているため、ギターが突出しすぎずに全体に溶け込みながらも存在感を保つ必要があります。
そのため、クリーン主体でヘッドルームの広いアンプが合理的に選ばれてきたと考えられます。
まず最も有力視されるのがFender系のクリーンアンプです。Twin ReverbやDeluxe Reverbといったブラックフェイス/シルバーフェイス期のアンプは、広いヘッドルームとリッチなスプリングリバーブを備えており、ブルースからジャズ、歌謡曲に至るまで万能に対応します。
特にクリーンの透明感はEGO-WRAPPIN’の代表曲「色彩のブルース」におけるアルペジオやコードワークに非常に適しているといえます。
次に考えられるのがVOX ACシリーズ(AC30/AC10など)です。中域に特徴があり、チャイム感のあるトーンがホロウボディやP-90搭載ギターと好相性です。
特にレゲエやスカのリズムセクションを取り入れた楽曲では、AC30特有の軽いブレイクアップによる心地よい歪みがアンサンブルに彩りを与えています。実際、近年のライブ評でも「ダブめいた音作り」が言及されており、VOX系の特性と整合します。
また、録音現場ではスタジオ常設のアンプ(Fender Deluxe ReverbやRoland JC-120など)を活用するケースも考えられます。JC-120のクリーンはやや硬質ですが、空間系エフェクトとの組み合わせでエゴらしいモダンな質感を付与できます。
ただし、彼の発言やライブでの傾向からは「アコースティック的意識」「減衰や生鳴りを活かす」という姿勢が確認されており、過度にハイゲインなアンプは選択肢から外れていると考えるのが妥当です。
総じて、森雅樹が使用しているアンプは「Fender系のクリーンアンプを中心に、場合によってはVOX ACシリーズを補助的に用いる」スタイルが濃厚です。ジャズからスカ、ブルースまで幅広く対応できるこれらのアンプは、EGO-WRAPPIN’の多彩な音楽性と整合していると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Fender Twin Reverb | Fender | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | 大編成でも埋もれないヘッドルームとスプリングリバーブ。代表曲のクリーン基盤に適合。 |
Fender Deluxe Reverb | Fender | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | 中規模会場でのバランスに優れる。スタジオ利用も現実的。 |
VOX AC30 | VOX | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | 中域の押し出しとチャイム感でスカやロカビリーに適合。軽いブレイクアップが特色。 |
Roland JC-120 | Roland | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | 硬質なクリーンとステレオコーラス。スタジオ常設利用が想定される。 |
使用ギターの種類と特徴【EGO-WRAPPIN’・森雅樹】
森雅樹のサウンドを形作る最大の要素は、使用するギターの選択にあります。彼はギターを単なる伴奏楽器としてではなく、バンド全体の音像をコントロールする「色彩的なツール」として活用しているのが特徴です。
特にクリーン主体の演奏では、減衰やニュアンスのコントロールが重要で、選ばれるギターもその方向性を反映しています。
まず確認できる実使用ギターはバンジョーです。2025年7月12日の日比谷野音「Dance, Dance, Dance」で演奏された「Egyptian Reggae」では、バンジョーを手にし、楽曲に独特の色彩感を付与しました。
これは鍵盤ハーモニカとの持ち替えによる編成上の工夫であり、EGO-WRAPPIN’のステージにおける「音色の演出家」としての森の役割を象徴しています。
また、推定されるメインギターはGretsch系フルアコースティック(6120系/Country Club系)です。
ホーンセクションを含むスウィングやロカビリー寄りの楽曲において、グレッチの大箱ホロウの張りと減衰特性は理想的です。Bigsbyアームのビブラート感は、EGO-WRAPPIN’のレトロでジャジーな雰囲気に合致します。
さらに、P-90系フルホロウ(Gibson ES-330やEpiphone Casino系)の採用も考えられます。特に代表曲「色彩のブルース」のように、軽い飽和感を伴ったクリーンで中域に張りを持たせる場合、CasinoやES-330の特性が極めてマッチします。
濁りの少ないコード感と色気のあるトーンは、歌謡的でブルージーな楽曲におけるEGO-WRAPPIN’の世界観と整合します。
また、時折見られるのがシングルコイル搭載のソリッドギター(TelecasterやStratocaster)です。スカやロックステディ、ニューウェイヴ寄りのアレンジにおいて、鋭いアタックとミックス内での帯域整理のしやすさを活かせるため、ソリッドタイプも選択肢として存在していると推測されます。
総合すると、森雅樹は「バンジョーなど特殊楽器を含めた多彩な持ち替え」「フルアコ主体のクリーン」「場面に応じたソリッドの採用」という柔軟なスタイルを持っているといえます。これにより、EGO-WRAPPIN’のジャズ〜スウィング〜スカ〜歌謡といった幅広いレパートリーに対応していると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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バンジョー | 不明 | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | バンジョー | 2025/7/12 日比谷野音「Egyptian Reggae」で使用確認済。持ち替え編成用。 |
Gretsch 6120 / Country Club系 | Gretsch | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | フルアコ | ロカビリー〜ジャズ対応。Bigsbyアームのビブラート感が特徴。想定利用。 |
Gibson ES-330 / Epiphone Casino | Gibson / Epiphone | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | フルホロウ(P-90) | 「色彩のブルース」などでのクリーン〜軽い飽和に適合。濁りの少ないコード感。 |
Fender Telecaster / Stratocaster | Fender | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | ソリッド(シングルコイル) | スカやニューウェイヴで鋭いアタックを活かす用途。想定利用。 |
使用エフェクターとボード構成【EGO-WRAPPIN’・森雅樹】
森雅樹のギタープレイは、エフェクターを多用するタイプではなく、あくまで楽曲のアンサンブルと調和する範囲で選ばれているのが特徴です。
EGO-WRAPPIN’の音楽はブルース、ジャズ、スカ、ロカビリー、歌謡といった幅広いジャンルを横断しており、そこに必要とされるのは「派手さ」よりも「色合いのコントロール」です。
まず確実に使われていると考えられるのはトレモロです。BOSS TR-2のような定番ペダルや、Fenderアンプ内蔵のトレモロを利用するケースが想定されます。
ブルースや歌謡的なバラードで周期的に揺らぎを加えることで、楽曲にレトロ感や温かみを加えています。
次にスプリング・リバーブです。これはペダル単体ではなく、ほぼアンプ内蔵のスプリングリバーブを使用していると考えられます。ホロウボディの減衰と組み合わせることで、アンサンブル全体に奥行きと艶を与え、EGO-WRAPPIN’独特のヴィンテージ感を強調しています。
さらに、近年のライブ評では「ダブめいたサウンドメイク」という言及も見られます。ここで想定されるのがアナログ/テープ系ディレイ(BOSS DM-2WやStrymon El Capistanなど)です。短いリピートやロングディレイで空間処理を行い、スカやロックステディにおける奥行き表現を担っている可能性が高いです。
加えて、編成が大規模なため、クリーンブースターやコンプレッサーも補助的に使われていると考えられます。これは音量やニュアンスを微調整し、ホーンや鍵盤と混ざり合った際にギターが埋もれすぎないようにするための処置です。
森雅樹のエフェクトボードは決して派手ではなく、必要最小限のツールで「減らすことによって活きる音作り」をしているのが特徴です。つまり、彼のボード構成は「アンプ内蔵機能+トレモロ+ディレイ(+必要に応じてブースター)」というシンプルなセットアップに集約されると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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BOSS TR-2 Tremolo | BOSS | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | トレモロ | 歌謡曲やブルース調楽曲で周期的な揺れを演出。アンプ内蔵と併用想定。 |
Fender Reverb(アンプ内蔵) | Fender | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | リバーブ | クリーン主体のトーンに必須。ホロウボディとの組み合わせで自然な残響を実現。 |
BOSS DM-2W | BOSS | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | ディレイ | ダブ的な奥行き表現やリズム感を補強。ライブ評での「ダブめいた音作り」に対応。 |
Strymon El Capistan | Strymon | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | ディレイ | テープエコー風ディレイでロカビリーやスカ的な空間感を演出。推定機材。 |
Xotic EP Booster | Xotic | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | ブースター | 大編成での音量微調整。クリーントーン維持を目的とした補助的使用が想定。 |
MXR Dyna Comp | MXR | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | コンプレッサー | 細やかなニュアンスを整え、クリーンの粒立ちを維持する役割を担うと想定。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【EGO-WRAPPIN’・森雅樹】
森雅樹の音作りは「派手さ」よりも「自然さ」と「減衰の美しさ」に重点が置かれています。彼のギターはバンド全体のアンサンブルに寄り添い、ホーンやウッドベース、ボーカルの中で過不足なく響くことを意識した調整がなされています。
そのため、アンプの設定からEQ、さらにはPAやレコーディングでのミックス処理に至るまで、一貫して「クリーンを活かす」姿勢が貫かれているといえます。
アンプのセッティングとしては、Fender Twin ReverbやDeluxe Reverbを使う場合、Volumeを3〜4程度に抑え、クリーンヘッドルームを最大限に活かす傾向が想定されます。Trebleはやや控えめの4〜5、Middleは5〜6で自然な押し出しを確保、Bassは会場によって3〜5程度に調整して低域が暴れすぎないようにすることが多いと考えられます。
VOX AC30を使う場合は、Volumeを5前後に設定し、軽くブレイクアップするポイントを狙い、中域のチャイム感を活かすような運用が自然です。
エフェクターに関しては、トレモロは深さを浅め(Depth 30〜40%)に、スピードは曲のテンポに合わせて調整する程度。リバーブはアンプ内蔵のスプリングを2〜3程度に控えめにかけ、ホロウボディの自然な減衰を邪魔しない設定が理想です。ディレイに関しては、ショートディレイ(200ms前後、フィードバック2〜3回)で空間を広げる、あるいはレゲエ/スカではロングディレイ(400〜500ms)でダブ感を強調することが考えられます。
スタジオ録音やPAでのミックスにおいては、森のギターはあえて「前に出す」よりも「バンドに馴染ませる」処理がされる傾向があります。EQ処理では2〜3kHz付近を少しだけ持ち上げ、カッティングのアタックを明瞭にしつつ、200Hz以下は軽くカットしてウッドベースやキックドラムの領域を避ける工夫がされています。
リバーブ処理も過剰にはせず、ナチュラルリバーブを少量足すことで、ステージやホールの響きをそのまま活かす形を取るのが特徴です。
また、震災以降に本人が語った「アコースティック的な意識」に基づき、過度なコンプレッションや過剰な音圧は避けられています。音数を減らし、1音ごとのニュアンスや減衰の表情を大切にすることで、EGO-WRAPPIN’の楽曲に漂う「余白」や「間」を演出しているのです。
総括すると、森雅樹のセッティングは「クリーン主体」「中域重視」「減衰を殺さないリバーブ」「揺らぎを演出するトレモロ」「空間を彩るディレイ」を軸に組み立てられており、最小限の操作で最大限の情緒を表現していると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【EGO-WRAPPIN’・森雅樹】
森雅樹の音作りは、決して高価なヴィンテージ機材だけで再現できるものではなく、「クリーン主体」「減衰や余白の美しさ」「アンサンブルに寄り添う音色」を意識すれば、市販の比較的安価な機材でも十分に近づけることが可能です。ここでは初心者や中級者でも導入しやすい価格帯(1万〜5万円程度)の機材を紹介します。
まず、アンプの再現にはFender Champion 40やFender Mustang LT25といった小型アンプが有効です。Champion 40はシンプルな操作性でクリーントーンが得意であり、EGO-WRAPPIN’のジャズやスウィングのカッティングに十分対応可能です。Mustang LT25はモデリング機能を備え、VOX系のサウンドも再現できるため、多彩なジャンルに柔軟に対応できます。
エフェクターに関しては、BOSS TR-2 Tremoloは1万円台で入手でき、森が多用する揺らぎのあるトーンを簡単に再現できます。また、リバーブに関してはTC Electronic Hall of Fame Miniが安価かつ高品質で、アンプにスプリングリバーブがない場合の補完に適しています。
ディレイについては、BOSS DM-2Wは少し高価ですが、より安価な選択肢としてTC Electronic Flashback Miniが挙げられます。これによりダブ的な奥行きや空間演出をシンプルに再現できます。さらにブースター用途としてはXotic EP Boosterの廉価版的な立ち位置にあるTC Electronic Spark Mini Boosterが使いやすくおすすめです。
ギターに関しては、フルアコをいきなり導入するのはハードルが高いため、Epiphone CasinoやEpiphone DOTといったモデルが有力な選択肢です。これらは5万円前後で入手でき、ホロウ/セミホロウ特有の減衰やエアー感を体感できます。
また、より手軽に試すならSquier Telecasterを導入し、シングルコイルの鋭いアタックを活かすのも有効です。スカやロカビリー寄りの楽曲において十分活躍できます。
総じて「安価なクリーンアンプ+リバーブ+トレモロ+ディレイ+廉価版フルアコやシングルコイルギター」という構成で、森雅樹の音色のエッセンスを再現可能です。重要なのは「音を足す」のではなく「音を減らし、空間を活かす」という彼の美学を意識することにあります。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | Fender Champion 40 | Fender | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | クリーントーン主体。小規模ライブや自宅練習に最適。 |
アンプ | Fender Mustang LT25 | Fender | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | モデリング対応でVOX系サウンドも再現可能。 |
エフェクター | BOSS TR-2 Tremolo | BOSS | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | 安価に揺らぎを演出。アンプ内蔵トレモロの代替として有効。 |
エフェクター | TC Electronic Hall of Fame Mini | TC Electronic | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | リバーブ補完用。スプリングやホールの自然な響きを再現。 |
エフェクター | TC Electronic Flashback Mini | TC Electronic | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | ダブ的なディレイ演出に適合。BOSS DM-2Wの代替に。 |
エフェクター | TC Electronic Spark Mini Booster | TC Electronic | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | ブースターの廉価版。大編成での音量補正に最適。 |
ギター | Epiphone Casino | Epiphone | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | フルホロウで減衰とエアー感を再現。P-90搭載で中域の張りを体感可能。 |
ギター | Squier Telecaster | Fender/Squier | Amazonで探す | EGO-WRAPPIN’ | 森雅樹 | 安価にシングルコイルの鋭いアタックを体感可能。スカやロカビリーに対応。 |
総括まとめ【EGO-WRAPPIN’・森雅樹】

森雅樹の音作りを振り返ると、その核心は「生楽器の響きをどう活かすか」という姿勢に尽きます。ギターを単独で目立たせるのではなく、ホーン、ウッドベース、ピアノ、ドラム、そして中納良恵の歌声と一体となるように設計されたサウンド。これがEGO-WRAPPIN’というバンドの唯一無二の音像を支えています。
特に「色彩のブルース」に代表されるように、ギターは時にリードし、時に溶け込み、時に空間を埋める役割を果たす。その柔軟さが森の音楽観を物語っています。
機材面では、Gretsch系フルアコやEpiphone Casinoなどのホロウ/セミホロウを基盤とし、アンプはFender系やVOX ACシリーズといったクリーン主体のモデルを中心に組み合わせる。エフェクターは必要最小限で、トレモロ、リバーブ、ディレイといった空間系を補助的に使用するのみ。
これらの選択から見えるのは「引き算の美学」であり、余白を残すことで音楽に奥行きを生み出しているのです。
さらに注目すべきは、震災以降の「アコースティック的な意識」の強まりです。本人の発言からも、過度なエフェクトやハイゲインに頼らず、1音1音のニュアンスを重視していることがわかります。これは単なる技術論ではなく、バンドの表現姿勢そのものに直結しており、リスナーに「余韻」や「間」を感じさせる重要な要素になっています。
森雅樹の音作りを真似したい場合、高価なヴィンテージ機材を揃える必要はありません。むしろ、クリーンなセッティング、控えめなリバーブ、浅いトレモロ、そして場面に応じたディレイ。この基本さえ押さえれば、彼のエッセンスを取り入れることが可能です。
大切なのは「音を鳴らす」のではなく「音を響かせる」意識。そこに彼の音作りの本質があります。
総じて、森雅樹のギターはEGO-WRAPPIN’の音楽を支える「空間の設計者」であり、彼の音作りを学ぶことは、単に機材選びの参考になるだけでなく、音楽における「余白」や「調和」の重要性を再認識させてくれます。
再現を試みる際は、機材よりもまず「バンド全体をどう響かせたいか」という視点を持つことが何より大切だといえるでしょう。
“`
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
(確認)バンジョー
2025/7/12 日比谷野音「Dance, Dance, Dance」冒頭「Egyptian Reggae」で使用。写真・本文記載あり。
ナタリー
Real Sound|リアルサウンド
備考: キーボードハーモニカとの持ち替え編成に合わせた色付け用。
(想定)Gretsch系フルアコ(例:6120系/Country Club系、Bigsby付)
根拠: エゴの50’s~60’s由来のスウィング/ロカビリー~ジャズ/歌謡の音像、ホーン大編成でのクリーンの張り、ステージでの大箱ホロウの採用が合理的。中~低ゲインでのカッティングと甘い和音の減衰特性が同バンドのアレンジと整合。
(想定)P-90系フルホロウ(例:Gibson ES-330/Epiphone Casino系)
根拠: 「色彩のブルース」などのクリーン~軽い飽和での中域の張り・エアー感に合致。ジャズ~歌謡のコードワークで濁りが少なく、かつ色気の乗る設計が必要。
(想定)シングルコイルのソリッド(Tele/Strat系)
根拠: スカ/ロックステディやニューウェイヴ寄りアレンジでの鋭いアタック、ミックス内での帯域整理上の有利さ。
参考姿勢(機材選択の文脈)
震災後以降の制作/ライブで「アコースティック的な意識」を強めた旨の発言があり、過度なハイゲイン志向よりも生鳴り・減衰を活かす設計が中心であることがうかがえます。
ハイヒューマン
アンプ
(想定)Fender系クリーン(Twin Reverb/Deluxe Reverbなど、ブラック/シルバーフェイス)
根拠: ホーンを含む大編成下でのヘッドルーム確保、スプリングリバーブ/ビルトイン・トレモロの活用、クリーン主体の音作りとの親和性。
(想定)VOX ACシリーズ(AC30/AC10)
根拠: 中域の押し出しとチャイム感で、ホロウ/シングルのカッティングやレゲエ/スカの刻みに適合。クリーン~軽いブレイクアップのレンジが広い。
エフェクター
(想定)トレモロ(BOSS TR-2 など、またはアンプ内蔵)
根拠: ブルース/歌謡/ヴィンテージ風テクスチャでの周期揺れ処理の多用。アンプ内蔵トレモロで十分賄えるアレンジが多い構成。
(想定)スプリング・リバーブ(アンプ内蔵中心)
根拠: クリーン主体+ホロウボディの減衰を活かす音像に必須。
(想定)アナログ/テープ系ディレイ(例:DM-2W、El Capistan相当)
根拠: ライブでのダブ/ロックステディ処理や空間の奥行き付与(近年のライブ評でも“ダブめいたサウンドメイク”の描写あり)。
Real Sound|リアルサウンド
(想定)クリーンブースター/コンプレッサー(最小限)
根拠: 大編成での音量/ニュアンスの微調整、クリーン維持のためのレベル整形。
補足(確認できた事実)
編成上の持ち替え:上記バンジョーのほか、同公演レポではエレクトリック・ギターをボサノヴァのフィールで弾く曲間ブロックの描写があり、クリーン主体の運用が中心。
Real Sound|リアルサウンド
制作/志向:2013年インタビューで、震災以降“アコースティック的な意識”や「音数を減らし生楽器で鳴らす」志向を示唆。過度なエフェクトよりアーティキュレーションとダイナミクスを重視する設計が読み取れます。
ハイヒューマン
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