始めに(特徴紹介)
Rush(ラッシュ)のギタリスト、Alex Lifeson(アレックス・ライフソン)は、プログレッシブロックにおける最重要ギタリストの一人として広く知られています。彼のプレイは、複雑な変拍子やシンセサウンドと融合しながらも、独自の空間表現と重厚なコードワークを兼ね備えています。特に「Tom Sawyer」「Limelight」「La Villa Strangiato」といった代表曲では、分厚いコードにディレイやコーラスを絡め、ベースとドラムの隙間を埋めるような音作りを展開しています。
Lifesonのギタートーンは、メロディアスなソロよりも「アンサンブルの中での役割」に重きを置いているのが特徴です。煌びやかで広がりのあるクリーン、MarshallやHughes & Kettnerを駆使した伸びやかなドライブ、そして独特のアルペジオやコード・ボイシングが彼のサウンドの核となっています。そのため、多くのギタリストが「単なるリードギター」ではなく「バンド全体を支えるギタリスト」としてLifesonをリスペクトしてきました。
また、時代ごとに機材の選択も変化しており、70年代にはGibson ESシリーズを中心に、80年代にはHentor StratocasterやPRS、2000年代以降は自身のシグネチャーモデルやHughes & Kettnerのアンプを使用するなど、音楽の変化と共にギター機材の遍歴も色濃く残されています。このように、Lifesonの音作りは「プログレッシブな楽曲展開」に対応するために多彩な工夫が施されており、Rushサウンドを再現するには欠かせない要素となっています。
彼の音が注目される理由は、「単独でも成立する個性的なギターサウンド」でありながら、「トリオ編成のRush全体を支える役割」を担っている点にあります。単なるギターの鳴りではなく、音響的な広がりや残響感を意識したセッティングは、現在でも多くのギタリストに研究されています。
使用アンプ一覧と特徴【Rush・Alex Lifeson】
Alex Lifesonのアンプ遍歴は、Rushの音楽性の変遷とともに進化してきました。70年代には定番のMarshallアンプを中心に、クラシックロック的なドライブサウンドを形成していました。代表的なのがJMP50やJCM800で、これらは「Working Man」や「2112」時代のソリッドかつ力強い音色を支えていました。その一方で、クリーントーンを補うためにRoland JC-120 Jazz Chorusを併用し、空間系エフェクトと組み合わせることでRush特有の広がりあるサウンドを実現していました。
80年代以降は、より洗練されたサウンドを求め、Peavey 5150やMesa/Boogie Markシリーズ、Hiwatt DR103などを試しています。特に「Moving Pictures」「Signals」期には、Marshallと並行してMesa/Boogieのタイトな歪みを導入することで、シンセサイザーと共存するモダンなサウンドを構築しました。この時期は、エフェクトとの組み合わせによる空間的な広がりが特徴的であり、アンプセッティングも従来のロックギタリストより繊細に行われていました。
2000年代以降は、ドイツのHughes & Kettnerとエンドース契約を結び、「Alex Lifeson Triamp MKII Head」を中心としたシステムを使用。これは3系統のプリアンプを持ち、クリーンからハイゲインまで幅広い音作りを可能にするモデルで、Lifesonの幅広い音楽性に対応する理想的な選択でした。また、ライブではTriampとCorebladeを併用し、さらにLerxst OmegaやLerxst Chiといった自身のシグネチャーアンプを導入することで、より一層「Lifesonらしい立体的なサウンド」を強調しています。
ステージではHughes & Kettnerの4×12キャビネットを複数台並べ、左右に配置することでステレオ的な広がりを確保。加えて、Mesa Strategy 400やGallien-Krugerのプリアンプも導入し、システム全体としてマルチアンプ化を図っています。これは、トリオ編成で音の厚みを維持するための工夫といえるでしょう。
こうしたアンプの組み合わせは、時代ごとに進化しつつも「クリーンとディストーションを自在に切り替える柔軟性」と「空間を埋める厚み」を一貫して重視しており、Rushのプログレッシブな楽曲に不可欠な要素を生み出していると考えられます。したがって、現在もステージやスタジオ環境に応じて、複数アンプをブレンドしながら音作りを行っていると、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Hughes & Kettner Alex Lifeson Triamp MKII Head | Hughes & Kettner | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | 2010年代以降のメイン。3系統のプリアンプを持つ多機能アンプ。 |
Hughes & Kettner Coreblade Head | Hughes & Kettner | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | リードブースト用に使用。ライブシステムの一部。 |
Marshall JMP50 / JCM800 / Silver Jubilee 2553 | Marshall | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | 70年代〜80年代のメインアンプ。クラシックロック的歪み。 |
Roland JC-120 Jazz Chorus | Roland | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | クリーントーンの定番。エフェクトとの相性が抜群。 |
Lerxst Omega Amplifier | Lerxst / Mojotone | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | 本人シグネチャーモデル。クリーン&リードチャンネル搭載。 |
Hiwatt DR103 | Hiwatt | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | 1978〜1981年使用。ブリティッシュ系クリーン&ドライブ。 |
使用ギターの種類と特徴【Rush・Alex Lifeson】
Alex Lifesonのサウンドを語るうえで、彼のギター遍歴は非常に重要な要素です。70年代初期には、Gibson ES-335やES-355といったセミアコをメインに使用し、厚みのあるコードワークとクリーントーンを支えていました。特に1976年製のアルパインホワイトのES-355は、長きにわたり彼のメインギターとして活躍し、「A Farewell to Kings」や「Hemispheres」などで確認されています。また、1968年製のES-335タバコバーストは初期の代表的な愛用機材で、1977年までメインギターとして多用されていました。
80年代に入ると、よりモダンで扱いやすいギターへシフト。彼の象徴ともいえる「Hentor Stratocaster(Hentor Sportscaster)」は、カスタム仕様のストラトタイプで、DiMarzioやBill Lawrenceのピックアップを搭載し、ラッシュの複雑なコードとリフを表現するのに最適な一本でした。このギターは1980〜1986年に多用され、特に『Moving Pictures』期のサウンドを支えています。
90年代以降はPRS CE24をメインに使用。24フレット仕様やハムバッカー構成により、幅広い音作りに対応しました。スタジオでもライブでも安定した出力を持つPRSは、Rushの進化したプログレ・サウンドにマッチしていました。その後、2000年代以降にはGibson Customとのシグネチャーモデル開発に取り組み、「Gibson Custom Alex Lifeson Les Paul Axcess」や「Gibson ES-355 Alex Lifeson」といった特注モデルを使用。AxcessシリーズはFloyd Roseやピエゾピックアップを搭載し、クリーンと歪みを自由に切り替えられる仕様となっており、トリオ編成で必要な音の多様性を実現しました。
また、アコースティック楽器の使用も積極的で、「Gibson B-45 12-String」や「Martin 12-String Acoustic」、PRS製のアコースティックなどを取り入れ、ライブではエレクトリックとアコースティックをシームレスに切り替えています。これにより、「Closer to the Heart」「The Trees」などの楽曲で豊かな響きを作り出してきました。さらに、ダブルネックの「Gibson EDS-1275」も重要で、ライブでは12弦と6弦を瞬時に切り替えるパフォーマンス性を発揮しています。
総じて、Lifesonのギターは「多彩なサウンドに対応できる柔軟性」を重視しており、Rushの音楽性の変化に合わせて進化してきました。シグネチャーモデルからカスタム改造品、アコースティックまで幅広く活用し、トリオという制約を逆手に取った豊かなサウンドを実現していると、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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Gibson Custom Alex Lifeson Les Paul Axcess | Gibson | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | レスポール | 2011年以降使用。Floyd Roseとピエゾ搭載で多彩な音色。 |
Gibson ES-355 Alex Lifeson | Gibson | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | セミアコ | 2008年発表のシグネチャー。アルパインホワイト仕様。 |
Hentor Stratocaster “Hentor Sportscaster” | Custom | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ストラトタイプ | 1980〜1986年使用。DiMarzioとBill Lawrenceピックアップ。 |
PRS CE24 | PRS | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ソリッド | 1991〜2013年のメインギター。24フレット仕様。 |
Gibson EDS-1275 Double-Neck | Gibson | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ダブルネック | 12弦/6弦を切り替え可能。代表的ライブ仕様。 |
Martin 12-String Acoustic | Martin | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | アコースティック | 「Closer to the Heart」などで使用。豊かな響き。 |
使用エフェクターとボード構成【Rush・Alex Lifeson】
Alex Lifesonの音作りにおいて、エフェクターの存在は欠かせません。トリオ編成のRushでは、ギターが空間を埋める役割を担うため、彼はディレイ、コーラス、フランジャー、ワウなどを駆使して立体的なサウンドを作り上げてきました。特に70年代後半から80年代にかけては、Maestro EchoplexやElectro-Harmonix Electric Mistressを活用し、幻想的で奥行きのあるトーンを確立しました。これらは「Xanadu」「La Villa Strangiato」といった楽曲で強く印象づけられています。
80年代以降はラックシステムを積極的に導入し、TC Electronic 2290 DelayやTC Electronic 1210、Loft Modular Devices Series 440 Flangerなどを組み合わせ、ライブでもスタジオでも精密にコントロールできる環境を構築しました。また、ノイズリダクションやパワーコンディショナーも導入し、システム全体の安定性を確保することにも注力していました。特に「Signals」期以降は、シンセサイザーとの共存が重要になったため、ギターエフェクトもステレオ的な広がりを意識してセットされています。
2000年代以降は、Fractal Audio Axe-Fx IIを中心にデジタルマルチエフェクターを導入。従来のラックシステムや個別ペダルをまとめ、シンプルながら強力な音作りを可能にしました。加えて、Dunlop Crybaby Rack WahやMorely/Ernie Ballのボリュームペダルを併用し、演奏中にダイナミックな音量・フィルター操作を行えるようにしています。さらに、Moog Taurus Bass Pedalも重要な要素で、Rushのサウンドに欠かせない低音を足元で補完していました。
ライブでは、エフェクトボードというよりもラックシステム+MIDIフットコントローラー(例:Axess Electronics FX1)を軸にした切り替えが中心で、複雑な曲構成に対応できるよう工夫されています。そのため「音色を切り替える」というより「システムを切り替える」イメージが強く、通常のギタリストよりもシンセ的なアプローチが見られます。
このように、Alex Lifesonのエフェクター構成は時代ごとに進化しながらも、「空間の広がり」「アンサンブルの厚み」を最優先に設計されています。トリオ編成において音数が不足しないよう、ステレオディレイやコーラスを駆使してサウンドを補完してきたのです。その結果、ギター単体ではなく「Rush全体の音」を支えるエフェクトシステムが確立されたと、想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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Fractal Audio Systems Axe-Fx II | Fractal Audio | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ギター用マルチエフェクター | 2000年代以降の中心的デジタルマルチ。ライブとスタジオで使用。 |
TC Electronic 2290 Delay | TC Electronic | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ディレイ | ラックディレイの定番。80年代以降に導入。 |
Dunlop Crybaby DCR-1SR Rackmount Wah | Dunlop | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ワウペダル | ラック式ワウ。ライブでの表現力強化に使用。 |
Electro-Harmonix Electric Mistress | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | フランジャー | 「Xanadu」などで使用。幻想的な広がりを付与。 |
Moog Taurus Bass Pedal | Moog | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ギターシンセサイザー | 足元で低音を補完。トリオ編成に不可欠。 |
Boss CE-1 Chorus | BOSS | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | コーラス | 初期の代表的なアナログコーラス。空間系の要。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Rush・Alex Lifeson】
Alex Lifesonの音作りは「Rushのトリオ編成で不足しがちな中域と空間を補う」という目的のもとに進化してきました。ギターが単独で突出するのではなく、ベース(Geddy Lee)とドラム(Neil Peart)の間を埋める立ち位置であるため、EQやエフェクトの工夫は徹底されています。ここではアンプセッティング、EQの使い方、曲ごとのアプローチ、さらにはPAやスタジオでの処理について整理します。
まずアンプ設定について。70年代のMarshall JMP50やJCM800では、ゲインは中程度に抑え、トレブルはやや強め(5〜6)、ミドルはカット気味(3〜4)、ベースは厚みを持たせるために6前後というセッティングが多かったと考えられます。これにより、リフやコードは明瞭に聞こえつつ、Geddyのベースラインを邪魔しない帯域バランスが保たれました。クリーンに関してはRoland JC-120を使用し、トレブルを少し抑えたセッティングにすることで、ディレイやコーラスが自然に広がる空間を確保していました。
80年代以降は、Mesa/BoogieやHiwattを導入することで、よりレンジが広くタイトな歪みを獲得。Mesa Markシリーズでは、ミドルを持ち上げてシンセサウンドとの相性を調整し、リードプレイでも存在感を維持しました。特に「YYZ」や「Limelight」のようにギターリフが楽曲を主導する場合は、ハイミッドを強調し、スネアとベースに負けないアタック感を意識した音作りがされていたと考えられます。
2000年代以降のHughes & Kettner Triamp MKIIやLerxst Omegaでは、チャンネル切り替えによって「クリーン」「クランチ」「リード」を明確に分けています。クリーンはピエゾ搭載ギターと組み合わせ、アコースティック的なニュアンスを持たせることが可能。クランチではコードワークを支えるために低域を厚めに設定し、リードではハイを強調しつつコンプレッションを効かせることで、シンセと混ざりやすいサステインを作り出しています。
エフェクトの使い方も極めて緻密です。コーラスやフランジャーはステレオで広がりを演出し、特に「The Spirit of Radio」ではリフの立ち上がりをシャープにするために軽いコーラスを使用。ディレイは2290のステレオ設定で、左右に異なるディレイタイムを振る「マルチタップ」的なセッティングが確認されており、これはRushのライブでの圧倒的な音像の広がりに直結しています。ソロでは400ms前後のシングルディレイ、アルペジオでは600ms程度のロングディレイを使い分けるのが定番でした。
さらに、PAやレコーディングでの工夫として、ギターの音を完全にセンターに置くのではなく、左右に広げたディレイやコーラスをブレンドし、ベースとドラムがセンターを占有するようなミックスがされています。これにより、3ピースながらも5人以上で演奏しているかのような迫力を生み出していました。また、リバーブは控えめに使用し、空間的な広がりはディレイやモジュレーションで作るのがLifeson流の手法でした。
まとめると、Alex LifesonのEQとセッティングの工夫は「帯域の整理」「ステレオの広がり」「曲ごとの切り替え」の3点に集約されます。これらは本人の演奏スタイルだけでなく、PAエンジニアやミキシングとの連携によって完成されるサウンドであり、Rushのライブを唯一無二のものにしてきました。よって、Lifesonをコピーする際には、単にアンプのつまみを真似るのではなく、ベースとドラムを含めた全体のミックスを意識することが不可欠だと、想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Rush・Alex Lifeson】
Alex Lifesonの複雑なサウンドを完全に再現するには高価なシグネチャーモデルやラックシステムが必要ですが、入門者やコストを抑えたいプレイヤーにとっては現実的ではありません。そこで、比較的手の届きやすい市販機材を活用し、「Rushらしい立体的な音」に近づける方法を紹介します。ポイントは「クリーントーンの空間処理」「適度なクランチ」「ディレイとコーラスによる広がり」の3つです。
まずアンプに関しては、Hughes & KettnerやMarshallは高額になりがちですが、代替としてBOSS Katanaシリーズが非常に有効です。クリーン、クランチ、リードを切り替えられるプリセットとエフェクト内蔵機能が備わっており、Lifesonの幅広い音色を一本である程度カバーできます。加えて、家庭練習でも扱いやすい出力コントロール機能も魅力です。
エフェクターでは、BOSS CE-2W ChorusやTC Electronic Corona Chorusなど、定番のコーラスペダルが最適。特にCE-2Wは、Lifesonが多用したアナログコーラス(CE-1)を踏襲しており、ステレオ空間を再現するのに適しています。ディレイはBOSS DD-8 Digital Delayが万能で、ショートディレイからロングディレイまで幅広く対応し、2290風のステレオディレイ効果を再現できます。
歪みに関しては、Lifesonはアンプドライブを中心にしていましたが、代替としてElectro-Harmonix Soul FoodやBOSS OD-3といったローゲインオーバードライブが有効です。コードワークに濁りが少なく、アルペジオでもクリアさを保ちつつ厚みを加えることができます。また、もう少しモダンなドライブが欲しい場合はLine 6 HX Stompなどのコンパクトマルチを導入すれば、アンプシミュレーションと複数の空間系エフェクトを同時に活用でき、ステージや自宅でも十分対応可能です。
アコースティック面を補うには、ピエゾ付きのエレアコやYAMAHA APXシリーズ、あるいはFishman Aura Spectrum DIのようなアコースティックシミュレーターが効果的です。Lifesonは「Closer to the Heart」などでアコースティックを多用していましたが、これらを導入することで実機を持たずとも近い響きを得られます。
総じて、Lifeson風の音を再現するには「クリーンにコーラス+ディレイをかける」「歪みはローゲインでミドルを抑える」「空間の広がりを意識する」という3点を押さえることが重要です。高価な機材を揃えなくても、これらの入門向け機材を組み合わせれば、Rushの楽曲に必要な厚みと広がりを実感できるでしょう。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプシミュレーター | BOSS Katana-50 MkII | BOSS | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | クリーンからリードまで対応可能。家庭練習〜ライブ対応。 |
コーラス | BOSS CE-2W Chorus | BOSS | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | CE-1を再現した定番アナログコーラス。空間表現に必須。 |
ディレイ | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | 2290風のステレオディレイを再現可能。多機能でコスパ高。 |
オーバードライブ | Electro-Harmonix Soul Food | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | ローゲインでクリア。コードワークやアルペジオに最適。 |
マルチエフェクター | Line 6 HX Stomp | Line 6 | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | アンプ&エフェクトを網羅。ステージでも使える小型マルチ。 |
アコースティックシミュレーター | Fishman Aura Spectrum DI | Fishman | Amazonで探す | Rush | Alex Lifeson | アコースティックの響きを再現。「Closer to the Heart」向け。 |
総括まとめ【Rush・Alex Lifeson】

Alex Lifesonの音作りを総合すると、単に「ギタリストのサウンド」ではなく「Rushというトリオ編成を完成させるための音響デザイン」であることが浮かび上がります。Neil Peartの緻密なドラムとGeddy Leeの強力なベース&シンセをつなぎ、時には前に出てリードをとり、時には空間を満たす背景として機能する。その役割を果たすために、Lifesonはギターの機材、アンプ、エフェクトを選び抜いてきました。
ギター選びにおいては、初期のGibson ESシリーズやES-355の温かみを基盤とし、80年代にはHentor Stratocasterでモダンなアタック感を取り入れ、90年代にはPRSで安定した出力とレンジを確保。2000年代以降は、自身のシグネチャーモデルであるLes Paul Axcessを用い、Floyd Roseやピエゾといった多機能性を駆使することで、Rushの後期サウンドを支えました。これは単なる「好きなギターを使う」のではなく、時代や楽曲ごとの必要性を反映させた選択であり、音作りに対する彼の真摯な姿勢を物語っています。
アンプとエフェクトの組み合わせもまた、Lifesonのサウンドの核です。Marshallで作り出した骨太なロックサウンド、Roland JC-120での澄んだクリーン、Hughes & Kettner TriampやLerxst Omegaによるモダンかつ多彩なトーン。さらにTC ElectronicやFractal Axe-Fxによるディレイ/モジュレーション効果で、ステレオ的な広がりを持たせています。これにより、ギターが一本であることを忘れるほどの音像を作り出し、Rushの楽曲をシンフォニックに彩ってきました。
総じて、Alex Lifesonの音作りの本質は「バンド全体のバランスを支えるためにギターをどう鳴らすか」という視点にあります。多くのギタリストがソロやリフの派手さに注目する中、彼はあえて「裏方的な音の設計」に力を注ぎました。そのため、コピーを目指す際には単なる機材の真似だけでなく、「どうやってバンドの音を補完するか」という視点を持つことが最も重要です。
初心者でも、クリーンにコーラスとディレイを加え、中域を整理しつつローゲインのオーバードライブを使えば、十分にLifesonらしい響きを作ることができます。逆に高額な機材を揃えても、この「音楽的な役割」を理解しなければ本質的な再現には至りません。つまり、Lifesonのサウンドを追求することは、ギターの技術以上に「音作りの哲学」を学ぶことにつながるのです。
Rushの音は複雑でありながらも、根底には「3人でオーケストラのように鳴らす」という思想があります。その中でLifesonが築き上げたサウンドは、今なお多くのギタリストにとっての指針となっており、単なるプログレギターの枠を超えた音響芸術とも言えるでしょう。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
Gibson Custom Alex Lifeson Les Paul Axcess
◦ 2011年〜現在使用。Axcessネック、496R/498Tハムバッカー、Floyd Roseトレモロ、ピエゾ内蔵でマグネティックと別出力可能。
Gibson ES-355 Alex Lifeson
◦ 2008年発表のシグネチャーモデル。アルパインホワイト、Alnico IIピックアップ、Maestro Long Vibrola。
Gibson ES-355
◦ 1976年製アルパインホワイト。メインギターとして長年使用。
Gibson ES-175
Gibson ES-345
Gibson Les Paul Custom
Gibson Les Paul Goldtop
Gibson Les Paul Standard
◦ 1974年製サンバースト。ピエゾ改造あり。
Gibson Les Paul Axcess Standard
Gibson Howard Roberts Fusion (HRF)
◦ 1981〜1987年使用。タバコバースト、ホロウボディ風レスポール。
Gibson EDS-1275 Double-Neck
◦ チェリーレッド/ホワイト。12弦/6弦、コイルスプリッター改造あり。
Fender Telecaster
◦ 1952年リイシューモデル、バタースコッチ。主要作曲用。
Gibson B-45 12-String Acoustic
Gibson J-150 Acoustic
Garrison G25-12 12-String Acoustic
Martin 12-String Acoustic
PRS Stock Alex Lifeson Acoustic
Gibson 1968 ES-335
◦ タバコバースト。1977年までメインギター。
Hentor Stratocaster “Hentor Sportscaster”
◦ 1980〜1986年使用。DiMarzio + Bill Lawrence L-500ピックアップ。
Signature Aurora
◦ 1987年〜不明期間。Signature Guitar Company製。
PRS CE24
◦ 1991〜2013年使用。24フレット、ダブルカッタウェイ、ハムバッカー。
Garrison OM-20 Mandolin
◦ 2007年〜現在。オクターブマンドリン。
Kent Acoustic
◦ 初期ギター。1966年〜使用不明。
Canora Unnamed Electric Guitar
◦ 1967年使用。Gretsch風形状。
Lerxst Limelight Guitar
◦ Godinと共同設計、Hentor Sportscasterベース。
Epiphone Alex Lifeson Les Paul Custom Axcess
◦ Floyd Roseトレモロあり、ピエゾブリッジはモデルによる。
アンプ
Hughes & Kettner Alex Lifeson Triamp MKII Head
◦ 100Wチューブ、3プリアンプ・2チャンネル。
Hughes & Kettner Coreblade Head
◦ リードブースト用。
Hughes & Kettner 4×12 Cabinet / 2×12 cabinets
◦ 2010年〜現在使用。ステージで3台使用。
Marshall JMP50 / Silver Jubilee 2553 / 1987X Plexi / 4140 Combo / JCM800 Head / Club & Country Combos / JCM900 Dual Reverb
Peavey 5150 Head
Hiwatt DR103
◦ 1978〜1981年使用。
Mesa/Boogie Mark V Head
Roland JC-120 Jazz Chorus
Fender Super Reverb / J.B.L. Twin Reverb
Gallien-Kruger CPL2000 preamp
Mesa Strategy 400 power amp
Lerxst Omega amplifier
◦ Mojotone製カスタム、クリーン&リードチャンネル。
Lerxst Chi amplifier
◦ 30W小型モデル。
エフェクター
Fractal Audio Systems Axe-Fx II
Behringer Ultralink MX-662 Spliter/Mixer
Dunlop Crybaby DCR-1SR Rackmount Wah Wah
TC Electronic G-Force
Behringer XR4400 Multigate Pro
Voodoo Lab GCX Switcher
Palmer PDI 03 Speaker Simulator
Loft Modular Devices Series 440 Delay Line Flanger
TC Electronic 1210 (ラック式コーラス/フランジャー)
Furman PL-8 Power Conditioner
Audio Technica AEW-5200 Wireless / AEW-DA6600
Linksys Ethernet Cable/DSL Router
Whirlwind Selector A/B Box
Fishman Aura Sixteen Programmable Imaging
Hughes & Kettner Tube Rotosphere MKII
DLS Versa Vibe
RJM Effect Gizmo
Mesa/Boogie High Gain Amplifier Switch
Axess Electronics FX1 Midi Footcontroller
Roland GR-500 Guitar Synthesizer
Morely Volume Pedal / Ernie Ball Stereo 25K Ohm Volume Pedal
Boss CE-1 Chorus
Piezo Switcher
Moog Taurus Bass Pedal
Maestro PS-1A Phase Shift
Maestro Echoplex
Electro-Harmonix Electric Mistress
TC Electronic 2290 Delay
Loft digital delay unit
DeltaLab HarmoniCom-puter harmonizer
Lerxst By-Tor Signature Overdrive
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