始めに(特徴紹介)
シャ乱Qのリーダーであり、ギタリストとしてバンドのサウンドを支えてきたのが「はたけ」さんです。1990年代のJ-POPシーンを代表するバンドの中で、彼のギタートーンは「ズルい女」や「シングルベッド」といった大ヒット曲を彩りました。
はたけのサウンドの特徴は、ポップでキャッチーなメロディに寄り添いつつも、ロック色を強く残すバッキングとリードのバランスです。クリーンでは透明感あるJC系のトーンを響かせ、歪みではMarshallやMesa/Boogieを想起させる中低域の厚みを生かしています。特に「ズルい女」で聴ける押しの強いディストーションや、「シングルベッド」のクリアで広がるクリーントーンは、当時の若いリスナーにとっても印象的でした。
また、彼が使用するギターは赤×ゴールドの独特なビジュアルを持つBill Lawrence BL-3MSTR(はたけシグネチャーモデル)が有名で、ライブステージでも圧倒的な存在感を放っていました。HSH構成+コイルスプリットにより幅広いジャンルをカバーでき、シャ乱Qの多彩な楽曲に対応するための工夫が詰まった仕様です。
シャ乱Qの楽曲は恋愛をテーマにした歌詞やキャッチーなメロディが多いですが、その裏で支える「ギターの音作り」が作品の厚みを生んでいます。はたけの音はただ派手なだけでなく、楽曲全体のプロデュースを担う視点から「楽曲の世界観に溶け込むような音作り」が徹底されており、これが彼の最大の魅力だと言えるでしょう。
ギタリストとしての技術的なフレーズ以上に、「音の存在感とアンサンブル内での役割」を意識した彼のサウンドは、今もコピーや研究の対象になっています。次の章では、実際に使用している(もしくは想定される)アンプについて詳しく解説していきます。
使用アンプ一覧と特徴【シャ乱Q・はたけ】
はたけがステージやレコーディングで使用してきたアンプは、当時の国内ロック系バンドが採用していた定番モデルと大きく重なります。特に90年代半ばのライブ写真や音作りの傾向から推定されるのが、Marshall JCM800やJCM900といったハイゲイン系のヘッドアンプです。これらはミッドがしっかりと前に出る歪みを特徴とし、「ズルい女」のような力強いリフや、存在感あるソロプレイを支えるトーンを作り出していました。
Marshallに組み合わせるキャビネットは1960シリーズの4×12が定番で、シャ乱Qのステージ写真でも黒金フェイスのヘッドとキャビネットが確認されています。必ずしも機種が特定できるわけではありませんが、この構成がもっとも自然に想定されます。加えて、JCM系アンプの歪みにブースターを加えることで、よりタイトで切れ味のあるサウンドを作っていたと考えられます。
一方で、90年代後期以降のJ-Rockシーンに普及したMesa/Boogie Dual Rectifierも想定されます。低域の量感が豊かで、パワフルなリフや分厚いバッキングに適したモデルで、もしはたけが当時の潮流を取り入れていたなら、スタジオや大型ステージで試していた可能性は高いでしょう。特にDual Rectifierの硬質でタイトなミュートサウンドは、シャ乱Qが展開したバンドサウンドにも十分マッチします。
さらに、バラード曲「シングルベッド」のようなクリアなクリーントーンではRoland JC-120の存在も外せません。JC-120はリハーサルスタジオやライブハウスに常設されていたことから、実用的にクリーンパートで利用されるケースが一般的です。特にコーラスをかけた広がりのあるクリーントーンは、シャ乱Qのしっとりとしたバラードを支える上で欠かせなかったと考えられます。
総じて、はたけのアンプセッティングは「Marshallで骨太なロックの土台」「Mesa/Boogieでのモダンな厚み」「JC-120でのクリーンの透明感」という3つの柱で構成されていたと想定されます。いずれも当時の国内ロックバンドで標準的に使われたモデルであり、音源やライブ映像のトーンと比較しても自然な選択肢だといえるでしょう。実際の使用は写真や証言で完全に断定できるものではありませんが、これらのアンプがはたけサウンドを作り出す核であったと考えられます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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JCM800 | Marshall | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | 代表的なハイゲインアンプ、ライブでの使用が想定 |
JCM900 | Marshall | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | 90年代国内ロックで普及、JCM800の後継機種 |
1960 4×12 キャビネット | Marshall | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | JCM系と組み合わせ、ライブ写真でも確認される |
Dual Rectifier | Mesa/Boogie | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | 90年代以降のモダンロックで普及、厚みあるサウンド |
JC-120 | Roland | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | バラード系クリーンで定番、コーラスとの相性が良い |
使用ギターの種類と特徴【シャ乱Q・はたけ】
はたけといえば、まず真っ赤なボディにゴールドパーツを纏ったシグネチャーモデル「Bill Lawrence BL-3MSTR」が象徴的です。ボディから指板まで赤で統一された派手なルックスは、ステージ上で強烈な存在感を放ち、シャ乱Qのイメージを決定づける要素のひとつでした。ピックアップ構成はHSH(Seymour Duncan SH-6n / SSL-3 / SH-6b)で、マスターボリューム、マスタートーン、5Wayセレクターに加え、ハムバッカーのコイルスプリットSWを搭載しています。これにより、太く歪んだロックサウンドから繊細なシングルコイルのクリーントーンまで、幅広い音色を切り替えることが可能です。
ネックにはハードメイプル、指板もメイプル材を使用し、アルダーボディとの組み合わせで明るく抜けの良いトーンを実現しています。さらにグリップはU〜Vの中間的な形状で、速弾きからコードワークまで対応可能。コンパウンドラジアス(240-305R)指板はローポジションでのコード演奏からハイポジションでのリードまで弾きやすさを確保しており、実用性を非常に重視した設計です。ブリッジはESP Fixed Bridgeを採用し、チューナーはGOTOH SG360-07。ライブでの安定性や耐久性を考慮した堅牢な仕様となっています。
このモデルははたけ本人が長年愛用していることで知られ、ライブ映像や写真でも確認できます。赤×ゴールドというステージ映えするデザインは「見た目から音を引っ張る」ほどのインパクトを持ち、ビジュアル系要素を重視した90年代の音楽シーンとも強くリンクしています。また、フレットは残7割程度で傷や打痕も多く、実戦投入され続けた証として楽器に刻まれています。ミニスイッチを黒からクロームに交換するなど、細部に本人のこだわりも感じられます。
サブとしては「ESP SNAPPER Hatake Custom」が存在しますが、詳細スペックは不明です。SNAPPERシリーズはトラディショナルなストラトタイプをベースにしたモデルであるため、BL-3MSTRに比べるとシンプルな操作性とクリーン寄りの音作りに適していたと考えられます。楽曲のニュアンスやレコーディングでの音色分けに活用されていた可能性が高いでしょう。
総じて、はたけのギターセレクトは「多彩な音色を1本で操れるシグネチャー機」と「サブ的にオーソドックスなストラト系を補う」という棲み分けで構成されていたと考えられます。バンドのリーダーとして楽曲全体をプロデュースする立場だからこそ、ギターも「幅広さと視覚的なインパクト」を両立する方向で選ばれたのだといえるでしょう。使用ギターは主に上記2本であり、時期や用途に応じて使い分けていたと想定されます。
使用エフェクターとボード構成【シャ乱Q・はたけ】
はたけのエフェクターボードは、90年代の国内ロック系ギタリストの典型的な構成を踏襲していると考えられます。実際にライブで使用されている写真が多く残っているわけではありませんが、音の傾向や当時のスタンダードから推定されるペダル類を整理すると、歪み、ワウ、モジュレーション、ディレイの4本柱が基本です。
歪み系ではBOSS SD-1やOD-3をMarshallアンプの前段に置き、ブースターとして利用していたと推測されます。これにより、JCM系アンプの持つ中域の押し出しをさらに強化し、タイトで切れ味のあるディストーションを実現していました。また、BOSS DS-1を単体ディストーションとして使うことで、より荒々しい質感の歪みを作り分けることも可能です。特に「ズルい女」のように押しの強いギターサウンドが必要な場面で有効だったと考えられます。
ワウペダルはDunlop Cry Babyが定番で、ソロのフォルマント強調や時に“踏みっぱなし”によるトーン形成で活用されていたと想定されます。このテクニックは90年代のギタリストに広く見られ、はたけも例外ではなかったでしょう。
モジュレーション系では、BOSS CE-2やCE-5のコーラスが代表的で、Roland JC-120のステレオコーラスと組み合わせることで、バラード曲のクリーントーンに広がりを加えていました。さらにBF-2フランジャーを使うことで、90年代らしい空間的で個性的な音作りも可能です。これらのモジュレーション系エフェクトは、ポップ寄りの楽曲に彩りを添える重要な役割を果たしていました。
空間系ではBOSS DD-3やDD-5といったデジタルディレイを採用していた可能性が高いです。リードソロに300〜400ms程度の薄めのディレイをかけることで、奥行きのある音像を作り出していました。これは「シングルベッド」のようなリードフレーズにも効果的に作用したと考えられます。
加えて、チューナーとしてはBOSS TUシリーズを導入していたことが推定されます。当時のライブ現場ではTU-2が標準的で、ボードに組み込まれている例が数多くありました。安定したチューニング管理はプロの現場では必須であり、はたけのセットアップでも欠かせない存在だったでしょう。
これらの構成を総合すると、「歪みのブースト+定番ディストーション」「Cry Babyでの表現力」「コーラスやフランジャーでの広がり」「薄めのディレイでリード補強」という4本柱でボードが形成されていたと考えられます。実際のペダル配置は断定できませんが、当時のロックシーンで王道とされる組み合わせを踏襲していたと想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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SD-1 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | オーバードライブ | Marshallブースト用に想定される定番ペダル |
OD-3 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | オーバードライブ | よりナチュラルなドライブサウンドの選択肢 |
DS-1 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | ディストーション | 単体で荒々しい歪みを作る用途で想定 |
Cry Baby | Dunlop | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | ワウペダル | ソロや音色変化に活用。踏みっぱなし成形も可能 |
CE-2 / CE-5 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | コーラス | クリーンやバラード曲での広がりを演出 |
BF-2 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | フランジャー | 90年代らしいモジュレーションサウンドを追加 |
DD-3 / DD-5 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | ディレイ | 300〜400msの薄め設定でリードに奥行きを追加 |
TUシリーズ | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | チューナー | ライブ現場定番。安定したチューニングを支える |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【シャ乱Q・はたけ】
はたけの音作りは、単なる派手なルックスやギターだけでなく、バンド全体のアンサンブルを意識した非常に実用的なセッティングが特徴です。彼はリーダーとして楽曲の方向性を決定する立場にあったため、ギターは常に「曲を支える」役割を担い、音作りにもその思想が色濃く反映されていました。
代表的な歪みセッティングでは、Marshall JCM800/900をベースに、ゲインは5〜6程度に抑え、中域を強調することでミッドレンジが前に出るサウンドを作っていたと考えられます。ここにBOSS SD-1を前段ブーストで組み合わせることで、アタック感が増し、粒立ちの良いディストーションに仕上がります。「ズルい女」のような楽曲では、このミッドの押し出しによってギターがボーカルの背後から厚みを与えつつも、埋もれない存在感を確保していました。
EQの調整は、低域を過剰に出さず、ローは控えめに設定していたと想定されます。これはベースやドラムとの棲み分けを意識した結果であり、ギターの役割をミッド〜ハイに集中させることで、バンド全体の音がクリアにまとまります。トレブルは5〜6程度、プレゼンスはやや控えめにすることで耳に痛くない抜け感を実現していました。
クリーントーンにおいては、Roland JC-120の特性を活かし、アンプ自体のフラットなセッティングにコーラスを薄く加えることで、広がりと透明感を演出しました。特に「シングルベッド」では、ギターが単なる伴奏を超え、楽曲全体の雰囲気を決定づける重要な役割を果たしています。この際、ディレイを300ms前後でごく薄く加えることで、余韻が自然に広がり、歌声との一体感を高めていました。
ソロプレイでは、Cry Babyワウを部分的に踏み込んでフォルマントを強調することが多かったと推定されます。これにより、歌心あるリードラインを際立たせ、ボーカルとの掛け合い的な効果を生んでいました。また、ディレイのフィードバックを短く、ミックスを控えめに設定することで、ソロが前に出つつも混ざりやすい音像を意識していたと考えられます。
スタジオ録音においては、ギターの定位を左右に広げ、2本録りで厚みを出す手法が採用されていた可能性が高いです。片側には歪みを強めたギター、もう片側にはミッドが強調されたややクリーン寄りのギターを配置することで、ミックス全体が立体的に広がり、シャ乱Q特有のキャッチーなポップロックサウンドを支えていました。バラードの場合はシングルコイルを活用し、アコースティック楽器やシンセと調和するようにミックスされたと推測されます。
ライブでは、アンプのチャンネル切り替えを駆使して、クリーンと歪みを瞬時に使い分けていたと考えられます。HSHピックアップ構成+コイルスプリットを組み合わせることで、1本のギターで幅広い音色をカバーし、転換の早い楽曲構成に対応していました。この柔軟性は、ギタリスト個人というより「バンドリーダーとしての責任」を体現した選択だったといえるでしょう。
まとめると、はたけの音作りの本質は「バンド全体のバランスを意識したEQ」と「楽曲ごとに適切なトーンを選択できる柔軟性」にあります。決してギターだけが前に出るのではなく、ボーカルを支え、リズム隊を活かしつつ、自身の存在感を保つ。そのバランス感覚こそが、シャ乱Qのサウンドを特徴づけた大きな要因だといえます。これらのセッティングは、完全な再現こそ難しいものの、アンプのEQやエフェクトの組み合わせを丁寧に調整することで、近い音像を得られると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【シャ乱Q・はたけ】
はたけのギターサウンドを完全に再現するには、シグネチャーモデルのBL-3MSTRやMarshallの大型アンプが理想ですが、初心者やコストを抑えたいギタリストにとっては現実的ではありません。ここでは、1〜5万円台(上限10万円程度)で購入可能な市販製品を活用し、比較的簡単に「シャ乱Q・はたけ風の音」を作るための選択肢を紹介します。
まず、ギターの代替としてはYamaha Pacificaシリーズが非常におすすめです。特にHSSやHSH構成のモデルは、はたけのBL-3MSTRと同様に多彩な音色を作り分けることができます。コイルタップ機能付きモデルを選べば、クリーンと歪みの切り替えも容易で、「シングルベッド」のような透明感のある音から「ズルい女」のようなロックサウンドまで対応可能です。
アンプについては、大型のMarshallやMesa/Boogieを用意するのは難しいため、モデリングアンプやアンプシミュレーターが現実的です。特にBOSS Katanaシリーズは、JCM800風のブリティッシュドライブから、JC-120風のクリーンまで幅広くカバーでき、価格帯も初心者に優しい設定になっています。練習用からライブまで幅広く使えるため、コストパフォーマンスは抜群です。
エフェクターについては、はたけが想定していた構成を1台でまとめられるマルチエフェクターが便利です。例えばBOSS GT-1は1〜2万円台で購入でき、オーバードライブ、ディストーション、コーラス、フランジャー、ディレイなど、必要な要素を網羅しています。Cry Babyの代替としては、マルチ内蔵のワウで十分対応可能です。もし単体ペダルで揃えたい場合は、BOSS SD-1やDS-1といった王道エフェクターを中心に組み合わせると良いでしょう。
また、バラード曲でのクリーントーンを再現するにはRoland JC-22といった小型コンボアンプも選択肢となります。JC-120直系のコーラスと透明感のあるクリーントーンを家庭用サイズで楽しめるため、はたけのクリーンの魅力を気軽に味わうことができます。
総じて、「はたけ風サウンド」を手に入れるためには、①HSH構成のギター(またはコイルタップ付きモデル)、②モデリングアンプ(BOSS KatanaやRoland JC系)、③マルチエフェクター(GT-1など)が最も効率的な組み合わせといえるでしょう。これらを揃えることで、初心者でも比較的安価にシャ乱Qらしい音像に近づけると考えられます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター | Pacifica 612VⅡ | Yamaha | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | HSH構成+コイルタップ搭載。シグネチャーモデルの代替として適正 |
アンプ | Katana 50 MkII | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | MarshallやJC系の音を再現可能なモデリングアンプ |
アンプ | JC-22 | Roland | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | クリーントーンの再現に適した小型アンプ。家庭用にも最適 |
マルチエフェクター | GT-1 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | オーバードライブ、ディレイ、モジュレーション、ワウを網羅 |
コンパクトエフェクター | SD-1 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | 前段ブーストとして実機に近いセッティングが可能 |
コンパクトエフェクター | DS-1 | BOSS | Amazonで探す | シャ乱Q | はたけ | 王道ディストーション。単体でもリードに迫力を与える |
総括まとめ【シャ乱Q・はたけ】

シャ乱Qのギタリスト・はたけの音作りを総括すると、「バンド全体を支えるための実用的で多彩なトーンコントロール」と「ステージ映えする個性的なルックス」が大きな特徴だといえます。赤いボディにゴールドパーツを纏ったBL-3MSTRは、視覚的なインパクトだけでなく、HSHピックアップ構成やコイルタップ機能を通じて、幅広いジャンルに対応する柔軟なサウンドを実現していました。これは、シャ乱Qのようにポップスからロック、さらにはバラードまで多彩な楽曲を演奏するバンドにおいて、非常に理にかなった選択だったといえるでしょう。
アンプやエフェクターの選択においても、はたけは「自分の音を主張する」というより、「楽曲とボーカルを引き立てる」方向性を意識していました。Marshall JCM系アンプでの中域を強調した歪みは、ボーカルを支えつつ曲の芯を作り、Roland JC-120での透明感あるクリーンは、バラードを感動的に演出しました。さらに、Cry Babyでのワウ操作や、BOSSの定番エフェクターを組み合わせることで、場面に応じたメリハリのある表現を可能にしていたと考えられます。
音作りの本質は「引き算の美学」にもあります。低域を過度に出さず、ミッドレンジを重視したセッティングは、アンサンブル全体をクリアにし、バンドサウンドを最大限に活かす役割を果たしました。ソロにおいても過剰なエフェクトは控えめにし、ワウやディレイを適度に取り入れることで、リスナーに印象的なフレーズを届けています。このバランス感覚こそが、はたけのギタリストとしての最大の強みであり、プロデューサー的視点を持つ彼ならではのアプローチです。
また、90年代という時代背景も見逃せません。当時はCDセールス全盛期で、バンドの音作りには「テレビやラジオでどう聴こえるか」という点も重要視されました。はたけのサウンドは、その中でも「誰が聴いてもわかりやすいロックギター」でありながら、ポップスに溶け込む普遍性を持っていました。だからこそ、シャ乱Qの楽曲は幅広い世代に受け入れられ、今もなお語り継がれているのです。
初心者がはたけ風サウンドを目指す場合、シグネチャーモデルを入手するのは難しくても、HSH構成のギターやモデリングアンプ、定番のBOSSエフェクターを組み合わせれば十分に近い雰囲気を再現できます。大切なのは機材そのものよりも、「音の役割を理解して設定すること」です。はたけの音作りを研究することで、単にコピーにとどまらず、「バンド全体をどう支えるか」という視点を学べる点も非常に大きいでしょう。
総じて、はたけの音作りは「派手さ」と「実用性」を両立させた、90年代J-POPロックの象徴的なスタイルだといえます。彼のギタートーンを追求することは、単なる機材研究にとどまらず、「楽曲に寄り添うギターの在り方」を知る学びにもつながります。シャ乱Qの楽曲をコピーする際には、ぜひその本質に注目して音作りを試みてみてください。
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下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
Bill Lawrence BL-3MSTR(はたけシグネチャーモデル)
カラー:ボディ〜指板まで赤で統一、ゴールドパーツ仕様
ピックアップ構成:HSH(Seymour Duncan SH-6n / SSL-3 / SH-6b)
コントロール:マスターボリューム、マスタートーン、5Wayセレクター、ハムバッカーコイルスプリットSW
特徴:ハードメイプルネック&指板、アルダーボディ、U〜Vグリップ形状、コンパウンドラジアス(240-305R)
ブリッジ:ESP Fixed Bridge
その他:ミニスイッチは黒からクロームに交換、フレット残7割程度、傷・打痕・塗装剥がれあり
チューナー:GOTOH SG360-07
ESP SNAPPER Hatake Custom(詳細スペック不明)
アンプ想定
Marshall JCM800/900系 + 1960 4×12
当時の国内ロック系標準。SH-6の出力と相性が良く、「ズルい女」等のミッド押し歪みに合致。ステージ写真でも黒金フェイスのヘッド/キャビが散見されるが、機種断定は不可。〔想定〕
Mesa/Boogie Dual Rectifier(並行期)
90年代中~後期のJ-Rockで普及。低域の量感とタイトなミュートに強み。〔想定〕
Roland JC-120(クリーン/コーラス)
バラード系(「シングルベッド」)のクリア+空間系での採用が一般的。現場常設のため“クリーン用の実用解”。〔想定〕
ペダル(またはラック)想定
歪み/ブースト:BOSS SD-1 / OD-3(Marshallの前段ブースト)、DS-1(単体ディストーション)〔想定〕
ワウ:Dunlop Cry Baby(ソロのフォルマント強調、時に“踏みっぱなし”のトーン成形)〔想定〕
モジュレーション:BOSS CE-2/CE-5(コーラス)、BF-2(フランジャー)〔想定〕
ディレイ:BOSS DD-3/5(リードに300–400ms、ミックス薄め)〔想定〕
チューナー:BOSS TUシリーズ〔想定〕
📝 備考
シャ乱Qのリーダーであり、バンドの楽曲を特徴づけるギタープレイを支えるモデル。
HSH構成+コイルタップにより多彩な音色が可能で、ロック〜ポップスまで幅広く対応。
赤×ゴールドの派手なルックスはステージ映えを意識したデザイン。
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