- 始めに(特徴紹介)
- 使用アンプ一覧と特徴【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
- 使用ギターの種類と特徴【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
- 使用エフェクターとボード構成【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
- 音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
- 比較的安価に音を近づける機材【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
- 総括まとめ【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
- 下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
始めに(特徴紹介)
Bring Me The Horizon(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)のギタリスト、Lee Malia(リー・マリア)は、モダンメタルコア〜オルタナティブロックまで幅広く対応できるサウンドメイカーとして高く評価されています。
彼のプレイスタイルは、超低チューニングのリフに重厚な壁のようなサウンドを作り出す一方で、アンビエントなクリーンや奥行きのあるアルペジオでも存在感を放ちます。
代表的な楽曲として「Shadow Moses」や「Can You Feel My Heart」では、タイトで鋭いリフと深い空間系サウンドが印象的で、ライブやスタジオを問わず一貫した音作りが特徴です。
特にリー・マリアは、ハイゲインアンプにアクティブPUを組み合わせることで、タイトなローとスコープ気味のミッドを作り込み、音が埋もれることなくクリアに響かせます。さらに、マルチエフェクターやMIDI同期によるライブ演出にも積極的で、現代的なギタリスト像を体現しています。
近年ではJacksonから自身のシグネイチャーモデル「LM-87」がリリースされるなど、モダンメタルギタリストとしての地位を確立しています。
彼の音が注目される理由は、単なる重厚さに留まらず、メロディックで情緒的なフレーズやアンビエントな質感も兼ね備えている点です。バンドのサウンドスケープを支える彼の機材選びと音作りは、多くのギタリストが参考にする価値があります。
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使用アンプ一覧と特徴【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
Lee Malia(リー・マリア)のサウンドを形作る上で、アンプ選びは非常に重要な要素となっています。彼はメタルコアやオルタナティブの分厚いサウンドを支えるため、ハイゲインアンプを中心に使用していますが、楽曲によってはクリーン系のアンプやモデリング機材を使い分ける柔軟さも見せています。
代表的なのが「Peavey 6505+」です。これは「Shadow Moses」など初期〜中期の重厚なサウンドでよく使用されており、硬質でタイトなローエンドと高いゲイン量が特徴です。また、Mesa/Boogie 4×12キャビと組み合わせることで、よりタイトで分離感のある音を実現しています。ライブやレコーディングで定番とされるハイゲインリグです。
もう一つの柱が「Marshall JCM800」です。こちらはライブでの主力アンプとして使用され、リフの力強さとパンチを出すのに適しています。特に1960Aキャビと組み合わせることで、バンド全体の中でも埋もれない存在感を発揮します。さらに、真空管の換装を施してチューニングされているとされ、彼独自のカスタマイズが感じられます。
クリーントーンでは「Marshall JTM45」を採用。Soul Foodオーバードライブでプッシュすることで、透明感を保ちながらも温かみのあるクリーンを作り出しています。アンビエントなアルペジオや空間的な演出に欠かせない存在です。
また、「Orange Rockerverb 100/50」や「Orange Thunderverb 200W」といったOrange系アンプも過去に確認されています。特にThunderverbはヘッドルームが広く、ラウドなライブ環境での安定感に貢献しています。さらに「Line 6 Helix」や「Kemper」といったモデリング機材を導入し、ライブではJCM800のパワーアンプと組み合わせることで、複数の音色を再現可能にしています。
このように、Lee Maliaのアンプセッティングは「Peavey 6505+での攻撃的なリフ」「Marshall JCM800での骨太ロックサウンド」「JTM45やモデリングでの繊細なクリーン」といった役割分担がなされており、Bring Me The Horizonの多彩な楽曲世界を支えています。これらは時期やツアーによって変化している部分もあり、完全に固定されたセットではない、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Peavey 6505+ | Peavey | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 「Shadow Moses」などのリフに使用、Mesa 4×12と併用 |
Marshall JCM800 | Marshall | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ライブで主力、1960Aキャビと併用、真空管換装済み |
Marshall JTM45 | Marshall | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | クリーン用、Soul Foodでプッシュして使用 |
Orange Rockerverb 100/50 | Orange | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 過去のツアーで使用、5150系リグと併用 |
Orange Thunderverb 200W | Orange | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 大規模ステージでのラウドな環境で使用 |
Marshall DSL1C | Marshall | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 小規模リハや練習用に使用 |
Line 6 Helix | Line 6 | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ライブ用モデリングリグ、アンプ再現に活用 |
Kemper Profiling Amp | Kemper | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 特殊トーンやエフェクト用途、JCM800パワーアンプと組み合わせ |
Marshall 1960A 4×12 Cabinets | Marshall | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 分割使用、ステージ外設置で音圧確保 |
Orange PPC412-HP 4×12 Cabinet | Orange | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | Orangeアンプと組み合わせて使用 |
Mesa/Boogie 4×12 Cabinet | Mesa/Boogie | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 6505+と併用し、タイトで切れのあるローを実現 |
使用ギターの種類と特徴【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
Lee Malia(リー・マリア)のギターコレクションは、メタルコア特有の重厚さからアンビエントな質感までを網羅するため、非常に多彩です。彼はEpiphoneとの強力なシグネイチャー契約を結んでおり、カスタムモデルをいくつも発表しています。さらに、近年ではJacksonとのシグネイチャーモデル「LM-87」も登場し、バンドのサウンド変化とともに彼のギター選びも進化しています。
初期の頃は「Ibanez」を使用しており、薄くフラットなネックが速いリフやテクニカルなフレーズに適していました。その後、Gibson Les Paul StandardやTraditionalを導入し、ドロップA#やCスタンダードといった低チューニングに対応。特に「There Is a Hell…」期では「First Act Custom Sheena」が使用され、独特のファズ感あるトーンが確認できます。
2014年にはEpiphoneからシグネイチャーモデル「Lee Malia Les Paul Custom」が発表されました。P90ネックPUと独自のインレイが特徴で、メタルのみならずクリーントーンでも表現力を発揮しました。さらに2017年には「Epiphone Custom Explorer Artisan」「Epiphone Custom RD Artisan Outfit」といった、James Hetfieldやクラシックギターにインスパイアされたデザインのモデルも登場。これらはライブの見栄えやサウンドバリエーションに大きく貢献しました。
そして最新の注目機材は「Jackson Pro Series Signature Lee Malia LM-87」です。2025年発表のこのモデルは、サーフキャスターシェイプを基盤に、LM-87 HB+P90という独自のピックアップ構成を採用。これにより、モダンメタルリフからアンビエントなクリーンまで、幅広い音作りが可能になっています。まさに現代的なシグネイチャーモデルと言えるでしょう。
その他、Gretsch Garage Beastのような木目仕上げのダブルカットモデルや、PRSバリトン(「Post Human: Survival Horror」での使用)、ヴィンテージ系の「Gibson Victory MVX」や「Gibson The Paul」などもステージやスタジオで目撃されています。また、共通改造としてDean Rowbotham製ボーンナットやToneProブリッジが施されており、どのギターでも安定したチューニングとサスティンが得られるようになっています。
これらのギターを時期や楽曲に応じて使い分けることで、Lee MaliaはBring Me The Horizonの変幻自在な音楽性を支えてきました。全体として「モダンメタルの低チューニング対応+アンビエントな表現力を両立したギター選び」が特徴であると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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ESP LTD EC-1000 | ESP | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | EMG 81/60またはSeymour DuncanアクティブPU搭載、低チューニング向き |
Jackson Pro Series Signature Lee Malia LM-87 | Jackson | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | シグネイチャーギター | 2025年発表、サーフキャスターシェイプ、LM-87 HB+P90 PU搭載 |
Epiphone Lee Malia Les Paul Custom | Epiphone | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | シグネイチャーギター | 2014年発表、P90ネックPU、独自インレイ |
Epiphone Custom Explorer Artisan | Epiphone | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 2017年発表、James Hetfieldインスパイアモデル |
Epiphone Custom RD Artisan Outfit | Epiphone | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 丸みのあるサウンド、P90+ダミーコイル仕様 |
First Act Custom Sheena | First Act | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 「There Is a Hell…」録音時に使用 |
Gibson Les Paul Standard | Gibson | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | ドロップA#チューニング、スタジオ用 |
Gibson Les Paul Traditional | Gibson | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | Cスタンダードチューニング、Lace PU搭載、ライブ用 |
Gibson Les Paul Supreme | Gibson | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | Bare Knuckle PU搭載、ライブ用 |
Gibson Victory MVX | Gibson | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 1982年製、ヴィンテージモデル |
Gibson The Paul | Gibson | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 1979年製、ナチュラルなトーン |
PRS Baritone | PRS | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | バリトンギター | 「Post Human: Survival Horror」で使用 |
Jackson American Series Soloist Custom | Jackson | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 2022年発表、カスタム仕様 |
Gretsch Garage Beast | Gretsch | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | ダブルカット、木目仕上げ、コイルタップ搭載 |
Fender Stratocaster | Fender | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 中古、シングルコイル+ファズで録音使用 |
Ibanez(初期モデル) | Ibanez | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | エレキギター | 初期使用、薄くフラットなネックが特徴 |
使用エフェクターとボード構成【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
Lee Malia(リー・マリア)のサウンドを支えているのは、膨大な種類のエフェクターと緻密に組まれたボード構成です。彼のスタイルは「重厚なハイゲインリフ+アンビエントな空間系」という二面性があるため、歪み系と空間系の両方を高度に使い分けています。また、ライブ環境ではMIDI制御やマルチエフェクターを導入し、安定した再現性を確保しているのも特徴です。
歪み系では「Ibanez TS9/TS808 Tube Screamer」や「Maxon OD808」を使用し、Peavey 6505+やMarshallアンプのゲインをタイトに引き締めています。加えて「Klon Centaur」やそのクローンペダル、「Fulltone OCD Overdrive」なども導入し、ブースト用やトーンメイクに活用しています。ファズ系では「Electro-Harmonix Big Muff Pi」や「BYOC E.S.V. Fuzz」を駆使し、荒々しいリフやレコーディングでの質感作りに使用。さらに「Earthquaker Devices White Light Overdrive」なども試されており、多層的な歪みを作り分けています。
空間系では「Boss DD-7」「Boss DD-20」「Strymon Timeline/ディレイ2基」や「Electro-Harmonix Cathedral Stereo Reverb」などを使用。リバーブでは「Boss RV-5」や「EHX Holy Grail」系を組み合わせ、広がりを持たせています。アンビエントな楽曲では「Boss Tera Echo」や「Electro-Harmonix Stereo Memory Man With Hazarai」が効果的に用いられ、幻想的な響きを演出しています。
特殊系では「Electro-Harmonix POG2(オクターブ)」や「Synth9(シンセ系)」を採用し、シンフォニックな層を付加。さらに「Digitech Drop Pedal」でドロップチューニングを瞬時に再現、「Line 6 M9」や「Free The Tone ARC-03 Audio Controller」で全体の制御を一括化しています。ワイヤレスは「Sennheiser EW100 G3」を導入し、ライブでの自由度を確保。
パワーサプライには「MXR CAE MC403」「Voodoo Lab Pedal Power」、スイッチングには「GCX Audio Switcher」や「Ground Control Pro」を使用。これらにより安定した電源供給とシームレスな音色切り替えを実現しています。ライブでは特に、ペダル群をMIDI同期させ、ステージ外キャビネットとの組み合わせで音を支える仕組みが確立されています。
このようにLee Maliaのボードは、ハイゲインリフからクリーン、アンビエントまで瞬時に切り替えられる「マルチエフェクト・制御志向型」の設計が特徴です。これは彼の音楽性の広さをそのまま体現しており、時期ごとの変遷はあっても基本理念は一貫している、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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Boss NS-2 Noise Suppressor | BOSS | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ノイズリダクション | ハイゲイン環境での必須ペダル |
Ibanez TS9 / TS808 Tube Screamer | Ibanez | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | オーバードライブ | Peavey 6505+の前段でゲイン引き締め |
Maxon OD808 | Maxon | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | オーバードライブ | Tube Screamer系の定番代替 |
Klon Centaur | Klon | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ブースター | スタジオ用、本番ではクローンペダルを使用 |
Fulltone OCD Overdrive | Fulltone | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | オーバードライブ | Klon代替ペダル |
Digitech Drop Pedal | Digitech | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ピッチシフター | 瞬時にドロップチューニング切替可能 |
Boss DD-7 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ディレイ | RV-5と組み合わせ、FS-5Uでテンポ同期 |
Boss RV-5 Digital Reverb | BOSS | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | リバーブ | クリーンやアンビエントに使用 |
Strymon Timeline / BigSky | Strymon | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 空間系マルチエフェクター | ディレイ×2+リバーブをMIDI制御 |
Electro-Harmonix Cathedral | EHX | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | リバーブ | ステレオ広がりのある空間系 |
Electro-Harmonix POG2 | EHX | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | オクターブ | MIDI対応改造で使用 |
Electro-Harmonix Synth9 | EHX | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ギターシンセサイザー | シンセ系サウンドを追加 |
Line 6 M9 | Line 6 | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | マルチエフェクター | チューナー・ルーパー搭載、ライブ制御用 |
Free The Tone ARC-03 | Free The Tone | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | スイッチングシステム | MIDI制御ボードの中心 |
MXR CAE MC403 Power System | MXR | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | パワーサプライ | 大型ボードの電源供給 |
Voodoo Lab Pedal Power | Voodoo Lab | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | パワーサプライ | 安定した電源供給 |
Sennheiser EW100 G3 Wireless | Sennheiser | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | ワイヤレスシステム | ライブでの自由なパフォーマンスを確保 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
Lee Malia(リー・マリア)の音作りは、単なるハイゲインではなく、低チューニング特有のローをいかにタイトにまとめ、バンド全体のミックスの中で存在感を維持するかに重点が置かれています。特にBring Me The Horizonは電子音やシンセとのレイヤーが多く、ギターが埋もれることを防ぐためのEQやゲイン調整が欠かせません。
まずアンプ側のセッティングについて。代表的な「Peavey 6505+」を使用する際は、ゲインを意外と控えめにし、ブースター(TS9やOD808)でミッドを持ち上げるのが定番です。これにより、低音のダブつきを抑えつつ、ピッキングニュアンスを前に出せます。EQはローを10〜11時、ミドルを1〜2時、トレブルを12時前後に設定することが多いとされます。プレゼンスは控えめにし、ミックスの中でシンセやボーカルを邪魔しないようバランスをとっています。
Marshall JCM800を使う場合は、ゲインが低めなため、前段にTube ScreamerやKlonを置いて音を押し出します。特にライブでは、JCM800の中域の太さを活かすことで、観客の耳に届く「骨太なリフ感」を演出しています。一方でクリーンやアンビエントパートは、Marshall JTM45やLine 6 Helixのクリーンアンプモデルを活用。ここではEQのローを削り、リバーブやディレイを深めにかけ、浮遊感のある音像を構築します。
エフェクターの役割分担も工夫されています。リフ部分ではノイズサプレッサー(Boss NS-2)が必須で、低チューニング特有のノイズをカットし、タイトなアタックを維持します。空間系(StrymonやDD-7)は曲ごとにプリセットを切り替え、テンポ同期を行うことで、シンセやドラムマシンと正確に噛み合うよう調整されています。特に「Can You Feel My Heart」のような楽曲では、リバーブの残響がボーカルと溶け合い、ギターが背景のサウンドスケープを支える役割を果たします。
スタジオ録音では、マイキングとミックスの工夫もポイントです。Peavey 6505++Mesa 4×12をSM57でオンマイクし、さらに部屋鳴りをコンデンサーマイクで補強することで、タイトさと空気感を両立。ダブルトラッキングやクアッドトラッキングを駆使して左右に厚みを出し、さらにシンセと重なる帯域をEQで抑えることで、全体の密度を保ちながらも分離感を維持します。ローエンドはベースと住み分け、ギターは100〜250Hzをカット気味に処理し、代わりに1kHz〜3kHzを持ち上げてアタックを強調する傾向があります。
また、低チューニング対応のため、弦は.080ゲージのErnie Ballカスタムを採用。これによりドロップAやCスタンダードでもテンションを確保し、タイトな響きを維持しています。さらに共通改造としてボーンナットやToneProsブリッジを導入することで、チューニング安定性とサスティンを強化。これらの工夫はライブの過酷な環境でも音を崩さないための重要な要素です。
総じて、Lee Maliaの音作りは「ハイゲインを削りすぎないバランス感覚」「ローを整理しつつミドルを押し出すEQ」「空間系での世界観構築」に集約されます。Bring Me The Horizonの楽曲ごとに音作りは微調整されていますが、常に「重厚だが埋もれない音」を目指したアプローチであると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Bring Me The Horizon・Lee Malia】
Lee Maliaの機材はシグネイチャーモデルやプロ仕様アンプが多く、すべてを揃えるのは現実的に難しい部分があります。しかし、初心者や中級者でも比較的安価に彼のサウンドに近づけることができる代替機材は数多く存在します。ここでは1万円〜5万円程度で手に入る実用的な機材を中心に紹介していきます。
まず歪み系では「BOSS SD-1 Super OverDrive」や「BOSS OD-3」がオススメです。Leeが実際に使用するTube ScreamerやKlonは価格が高騰していますが、SD-1は中域の押し出し感が強く、ハイゲインアンプの前段に置けば十分に似たタイト感を得られます。さらに「Joyo Vintage Overdrive」や「Mooer Green Mile」といった安価なクローン系ペダルも選択肢となります。
ディレイやリバーブの空間系については、「BOSS DD-8 Digital Delay」と「BOSS RV-6 Reverb」が非常にコストパフォーマンスに優れています。DD-8はタップテンポ対応でライブでも同期しやすく、RV-6はアンビエントな残響も得られるため、Bring Me The Horizonのクリーントーンや壮大な雰囲気を再現可能です。Strymon系を揃えるのは難しいですが、この組み合わせで十分に近い効果を狙えます。
アンプシミュレーターでは「Line 6 POD Go」や「NUX MG-30」が比較的手頃でありながら、6505+やJCM800系のサウンドを再現できます。特にPOD Goはライブでも即戦力となる仕様で、MIDI制御やIR対応も備えているため、Helixを簡易化した選択肢として最適です。
ギター本体では、Epiphone Les Paul StandardやEpiphone Explorerといった廉価帯モデルにアクティブPUを搭載すれば、Leeの低チューニングリフに近いサウンドを得られます。特にEMG 81/60セットは定番であり、初心者にも扱いやすい組み合わせです。また、弦は必ず太め(.060〜.080程度)を選ぶことで、チューニング安定性と音のタイトさを確保できます。
初心者がまず真似すべきは「アンプシミュレーター+オーバードライブ+ディレイ/リバーブ」の3点セットです。これだけでも「Shadow Moses」や「Drown」などの楽曲に近い質感を得られ、練習やコピーをする上で大きな満足感を得られるでしょう。フルセットを揃えるのは難しくても、再現性の高い代替機材を組み合わせることで十分にLee Malia風のサウンドを作り出すことができます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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オーバードライブ | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | Tube Screamer系の代替として安価で入手しやすい |
オーバードライブ | Joyo Vintage Overdrive | Joyo | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | TS808系の安価なクローン |
ディレイ | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | タップテンポ対応、アンビエント表現に適応 |
リバーブ | BOSS RV-6 Reverb | BOSS | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | アンビエントに必須、RV-5の代替として最適 |
マルチエフェクター | Line 6 POD Go | Line 6 | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | Helixの廉価版、6505+やJCM800を再現可能 |
マルチエフェクター | NUX MG-30 | NUX | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | 安価ながらIR対応でプロ向きにも使用可能 |
ギター | Epiphone Les Paul Standard | Epiphone | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | アクティブPUへ換装すればシグネイチャーモデルに近い音色に |
ピックアップ | EMG 81/60 セット | EMG | Amazonで探す | Bring Me The Horizon | Lee Malia | タイトな低音と高い解像度を実現、低チューニングに必須 |
総括まとめ【Bring Me The Horizon・Lee Malia】

Lee Malia(リー・マリア)の音作りを振り返ると、その本質は「モダンメタルの重量感とオルタナティブロックの空間性の両立」にあります。彼はPeavey 6505+やMarshall JCM800といった伝統的なハイゲインアンプを基盤にしながらも、ブースターやEQでタイトに整え、シンセやボーカルの中で埋もれない音作りを徹底しています。さらにディレイやリバーブを駆使して広がりを持たせることで、Bring Me The Horizon特有の壮大なサウンドスケープを演出しています。
ギターに関しては、EpiphoneやJacksonのシグネイチャーモデルを中心に、低チューニング対応を意識した設計やカスタムを施しています。特に太い弦(.080ゲージ)やアクティブPUの採用は、彼のタイトなローエンドを支える重要な要素です。ライブではワイヤレスやMIDI同期を活用し、安定感と再現性の高いパフォーマンスを実現。これは単なる機材の豪華さではなく、「再現性」「安定性」「表現力」の三位一体を重視している点にこそ、Lee Maliaの哲学があります。
また、スタジオとライブでのアプローチの違いも特徴的です。スタジオでは複数のアンプやエフェクトをレイヤーし、丁寧にEQ調整やトラッキングを重ねることで分厚い壁のようなギターを作成。一方ライブではLine 6 HelixやKemperなどを駆使して、限られた環境で最大限にスタジオ音源を再現しています。この「場に応じた機材選択と音作りの最適化」こそが、彼の音が常に安定している理由でしょう。
総じて、Lee Maliaを真似るために必要なのは、高価なシグネイチャーモデルをすべて揃えることではなく、「低チューニングに耐えられるギター」「タイトさを補うオーバードライブ」「空間系エフェクトの巧みな使い分け」を押さえることです。これらを意識するだけでも、Bring Me The Horizon風のサウンドにかなり近づけるはずです。
つまり、彼の音作りの本質とは「必要な帯域を整理し、余分な要素を削ぎ落とした上で、表現すべき部分を強調する」ことにあります。その結果として、どんなにシンセやエフェクトが重なっても埋もれず、バンド全体の中でギターが確固たる存在感を放つのです。これはすべてのギタリストにとって学ぶべきアプローチであり、リー・マリアの音作りは単なる機材リスト以上の価値を持つと言えるでしょう。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
ESP LTD EC-1000(EMG 81/60またはSeymour DuncanアクティブPU搭載、低チューニング向き)
Jackson Pro Series Signature Lee Malia LM-87(2025年発表、Surfcasterシェイプ、LM-87 HB+P90 PU)
Epiphone Lee Malia Les Paul Custom(2014年発表、P90ネックPU、独自インレイ)
Epiphone Custom Explorer Artisan(2017年発表、James Hetfieldインスパイア)
Epiphone Custom RD Artisan Outfit(丸みのあるサウンド、P90+ダミーコイル仕様)
First Act Custom Sheena(「There Is a Hell…」録音時に使用)
Gibson Les Paul Standard(ドロップA#チューニング、スタジオ用)
Gibson Les Paul Traditional(Cスタンダードチューニング、Lace PU搭載、ライブ用)
Gibson Les Paul Supreme(Bare Knuckle PU搭載、ライブ用)
Gibson Victory MVX(1982年製)
Gibson The Paul(1979年製)
PRS Baritone(「Post Human: Survival Horror」録音で使用)
Jackson American Series Soloist Custom(2022年発表)
Gretsch Garage Beast(ダブルカット、木目仕上げ、コイルタップ、ライブ使用)
Fender Stratocaster(中古、シングルコイル+ファズでレコーディング)
Ibanez(初期使用、薄くフラットなネック)
共通改造:Dean Rowbotham製ボーンナット、ToneProブリッジ(グラファイト/ボーンサドル)
アンプ
Peavey 6505+(「Shadow Moses」トーン推奨、定番ハイゲイン)
Marshall JCM800(ライブ主力リフ用、真空管換装済み、1960Aキャビと併用)
Marshall JTM45(クリーン用、Soul Foodでプッシュ)
Orange Rockerverb 100/50(過去クリーンや5150リグ併用)
Orange Thunderverb 200W
Marshall DSL1C
Line 6 Helix(ライブ用、アンプモデリング再現)
Kemper(特殊トーンやエフェクト用途、JCM800パワーアンプと組み合わせ使用)
Marshall 1960A 4×12 Cabinets(分割使用、ステージ外設置)
Orange PPC412-HP 4×12 Cabinet
Mesa/Boogie 4×12 Cabinet(6505+と併用、タイトなロー)
エフェクター
Boss NS-2 Noise Suppressor
Ibanez TS9 / TS808 Tube Screamer(Maxon OD808も使用)
EQペダル(Boss GE-7など)
Strymon(ディレイ×2+リバーブ、MIDI制御)
Boss DD-7 Digital Delay(RV-5と組み合わせ、FS-5Uでテンポ同期)
Boss RV-5 Digital Reverb
Electro-Harmonix Cathedral Stereo Reverb
Klon Centaur(スタジオ用/ライブはクローン使用)
Fulltone OCD Overdrive(Klon代替)
Digitech Drop Pedal
Line 6 M9 Multi-effects(チューナー・ルーパー搭載)
Boss Adaptive Distortion
Boss DD-20 Giga Delay
Boss Tera Echo
Boss FS-5U Tap Delay Footswitch
Electro-Harmonix POG2(MIDI対応改造)
Electro-Harmonix Synth9
Electro-Harmonix Soul Food
J Rockett Audio Designs Chicken Soup Overdrive
TC Electronic PolyTune
Free The Tone ARC-03 Audio Controller
MXR CAE MC403 Power System
Electro-Harmonix Big Muff Pi
Electro-Harmonix Stereo Memory Man With Hazarai
Voodoo Lab Pedal Power, Ground Control Pro Foot Controller, GCX Audio Switcher
BYOC E.S.V. Fuzz
Earthquaker Devices White Light Overdrive
Sennheiser EW100 G3 Wireless
備考
弦:Ernie Ball カスタム.080ゲージ(Cスタンダード、ドロップAなど超低チューニング用)
ピックアップ:EMG 81/60などアクティブPUでタイトな低音・明瞭さを追求
トーン哲学:ハイゲイン+ミッドスコープ+タイトロー、ノートをリングさせ重厚感を演出
ライブ設定:MIDI同期のペダルボード、インイヤーモニター、キャビネットはステージ外設置
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