始めに(特徴紹介)
NUMBER GIRLのフロントマンであり、ギタリスト兼ボーカルの向井秀徳は、90年代後半から2000年代初頭の日本ロックシーンを牽引した存在です。彼のギターサウンドは、乾いたカッティングから爆発的なノイズまで幅広く、攻撃的でありながら繊細さも兼ね備えています。特に代表曲「透明少女」や「I don’t know」では、ディストーションの荒々しさとコードワークの複雑さが絶妙に融合しています。
向井のプレイスタイルは、オルタナティブ・パンク的な切り裂くようなストロークと、轟音ノイズの中にも歌心を残す絶妙なコントロールに特徴があります。彼のギターは単なる伴奏ではなく、NUMBER GIRLというバンドの音の中核を担い、独自の存在感を放っています。
また、ライブにおいてはギターとボーカルを同時に操るため、機材の安定感や操作性が非常に重要視されています。そのため、向井の音作りは「シンプルながらも即戦力になる音」を重視しており、サウンド全体を引っ張る力強さを常に維持しています。
このページでは、向井秀徳(NUMBER GIRL)の使用ギター、アンプ、エフェクター、シグナルチェーンを整理しつつ、音作りのポイントを深掘りして解説していきます。特に彼の轟音と繊細さを両立させるEQやエフェクトの使い方に注目してみてください。
ファンやギタリストが再現を目指す際に役立つ情報を体系的にまとめ、初心者から中級者まで幅広く参考になる構成にしました。
以下からNUMBER GIRL公式MVの検索リンクもチェックできます。
使用アンプ一覧と特徴【NUMBER GIRL・向井秀徳】
向井秀徳(NUMBER GIRL)がライブやレコーディングで使用していたアンプは、ドイツ製の高品質ブランドHughes & Kettnerを中心としています。特に、荒々しいディストーションと繊細なクリーントーンを自在に操るため、チャンネル切り替えや細かい音作りの自由度が高いモデルを選んでいるのが特徴です。
メインとして使用されていたのは「CORE BLADE」で、これは4チャンネル構成でクリーンからハイゲインまで幅広く対応可能。パワー管に6L6を採用し、エッジの効いたサウンドとパワフルなドライブ感を両立しています。ライブでの音圧を支える屋台骨ともいえるアンプで、NUMBER GIRLの轟音サウンドを支えてきました。
さらに、ライブハウスや小規模ステージでは「GrandMeister 36」を使用。こちらは小型ながらチューブアンプ特有の温かみがあり、クリーンやクランチサウンドに適しています。繊細なアルペジオやカッティングを生かした楽曲では、このアンプのクリアさが活躍していたと考えられます。
また、自宅録音やサイレントレコーディング用として「Tube Meister 5」も導入されていました。ヘッドフォンアウトやレコーディング出力が便利で、深夜やスタジオワークでの使用に重宝されたと推測されます。
これらのアンプは、ライブ規模や楽曲の方向性に応じて使い分けられており、結果として「NUMBER GIRLらしいノイジーで荒削りながらも、緻密な音像」を作り上げています。特にCORE BLADEの存在感は大きく、向井の音作りの中核を担っていたことは間違いありません。
以下に、使用アンプの一覧表を整理しました。
これらのアンプ選びは、NUMBER GIRLのサウンドにおける「硬質なアタック感」と「重厚な音圧」を生み出すための要素といえます。特にCORE BLADEは、当時の邦楽オルタナ・パンクの中でも突出した存在感を放ち、向井秀徳の音を象徴する機材だったと想定されます。
使用ギターの種類と特徴【NUMBER GIRL・向井秀徳】
向井秀徳(NUMBER GIRL)のギターサウンドを支えているのは、主にSCHECTER製の多弦ギターやカスタムモデルです。彼の音はパンク/オルタナに基盤を置きながらも、轟音の重低音や緻密なコード感を両立しており、その背景には多弦ギターや特殊ピックアップ構成を備えたモデルの存在があります。
まず代表的なのは、彼のシグネイチャーモデルであるSCHECTER Spacious AC-KZです。H-S-H配列(フロント:サスティニアック、センター:SSL-5、リア:SH-4)にコイルタップを搭載しており、単音の鋭さと分厚いリフの両立が可能。NUMBER GIRLの象徴的なサウンドを作るための中核となったギターといえるでしょう。
さらに、7弦モデルの使用も特徴的です。Hellraiser C-7 FRやCUSTOM C-7 FRでは、EMG 707-TWピックアップを採用し、深く重たいサウンドを表現可能にしています。特にライブでの低音リフの迫力や、ノイズ混じりのハイゲインサウンドには欠かせない存在でした。
Vシェイプの7弦モデルであるHellraiser V-7 FRや、さらに拡張した8弦モデルHellraiser V-8も導入されています。8弦では最低音F#までカバーでき、実験的なアプローチや重低音を強調したアレンジに使用されたと考えられます。
初期の段階ではSCHECTER Damien 7も使用されており、後にピックアップを換装して独自の仕様へとカスタマイズしていました。この頃からすでに「低音重視+ノイズを制御しながら扱う」スタイルが見えており、後のシグネイチャーモデルにつながる方向性が垣間見えます。
全体を通して、向井のギター選びは「荒々しい爆発力と緻密な制御の両立」を重視していることがわかります。轟音の中でもコード感やメロディをクリアに聴かせるため、ピックアップ選びや多弦化が進められたと推測されます。
以下に、使用ギターの一覧を表形式でまとめます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Spacious AC-KZ | SCHECTER | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | シグネイチャー | H-S-H配列/コイルタップ対応。メインギター。 |
Hellraiser C-7 FR | SCHECTER | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 7弦ギター | EMG 707-TW搭載。サスティニアック併用。 |
CUSTOM C-7 FR | SCHECTER | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 7弦ギター | EMG 707-TW×2。本人カスタム仕様。 |
Hellraiser V-7 FR | SCHECTER | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 7弦Vシェイプ | EMG 707-TW×2。ライブでの重厚リフに使用。 |
Hellraiser V-8 | SCHECTER | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 8弦ギター | 最低音F#までカバー。実験的な楽曲に採用。 |
Damien 7 | SCHECTER | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 7弦ギター | 初期使用。後にピックアップ換装。 |
向井秀徳のギターは、NUMBER GIRLの爆発的なライブ感を支えると同時に、彼自身の音楽的探求心を反映しています。低音の迫力とハイゲインのノイズを同居させつつも、歌心のあるフレーズを失わない設計がなされている点が特徴的です。これらはすべて、「NUMBER GIRLサウンドの核を成すギター」と想定されます。
使用エフェクターとボード構成【NUMBER GIRL・向井秀徳】
向井秀徳(NUMBER GIRL)のギターサウンドは、シンプルに見えて非常に緻密に組まれたエフェクターボードによって支えられています。彼のプレイは「轟音」と「繊細さ」を行き来するため、エフェクターの選択もそれを反映したものになっています。ライブやレコーディングで確認されているエフェクターは以下の通りです。
ワウ系ではMorley Bad Horsie IIを使用。スイッチレス仕様のため、踏み込むだけでワウがオンになり、演奏中の瞬発力を重視しています。さらに、より精細なトーンコントロールが可能なJim Dunlop Cry Baby 535Qも併用され、楽曲に応じてワウサウンドを使い分けていました。
ボリュームコントロールにはMorley Little Alligatorを導入。ライブ中のダイナミクス調整に欠かせないペダルで、轟音から一気に静寂へ切り替える場面で活躍しました。
音程変化を伴うエフェクトとしては、Digitech Whammy DTが確認されています。ピッチシフターとして半音下げチューニングの代用やハーモニクス的なフレーズを作り出し、独特の浮遊感あるサウンドを演出しました。
空間系では、Eventide PitchFactorを採用。ハーモナイズやディチューン効果によって、単音フレーズを厚みのある広がりへ変換しています。また、Carl Martin Compressor/Limiterは音量の均一化とアタック感強調に使用され、リフの力強さを支えました。
モジュレーションでは、Carl Martin Classic Flangerをコーラス的に使用。浮遊感を持たせつつも、轟音リフの奥行きを増す役割を果たしていました。
さらに、EQの調整用にMXR KFK 10-Band EQを導入。不要な低域をカットし、バンドアンサンブル内で抜ける中高域を強調することで、NUMBER GIRL特有のザクザクしたリフを際立たせています。
これらのエフェクター群を統括するのが、プログラマブル・スイッチャーのProvidence PEC-2です。各ペダルを自由にルーティング・切り替えでき、ライブでの瞬時の音色変更を可能にしました。
以下に、使用エフェクターの一覧を表として整理します。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Providence PEC-2 | Providence | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | スイッチングシステム | プログラマブルスイッチャー。ライブでの音色切替を担当。 |
Morley Bad Horsie II | Morley | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | ワウペダル | スイッチレスワウ。瞬時に踏み込んで使用可能。 |
Morley Little Alligator | Morley | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | ボリュームペダル | 演奏中の音量調整に使用。静と動の切り替えに重要。 |
Jim Dunlop Cry Baby 535Q | Jim Dunlop | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | ワウペダル | クローム仕様。可変幅調整が可能な多機能ワウ。 |
Digitech Whammy DT | Digitech | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | ピッチシフター | 半音ダウンやハーモナイズ。独特の浮遊感を演出。 |
Carl Martin Compressor/Limiter | Carl Martin | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | コンプレッサー | 音量の均一化とリフのアタック感強調に使用。 |
Carl Martin Classic Flanger | Carl Martin | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | フランジャー | コーラス的に使用。空間の広がりを付加。 |
MXR KFK 10-Band EQ | MXR | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | イコライザー | 不要な低域をカットし、中高域を強調。 |
Eventide PitchFactor | Eventide | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 空間系マルチエフェクター | ハーモナイザー/ディチューンで厚みを加える。 |
これらのエフェクターは「シンプルに見せかけた複雑なコントロール」を実現するための構成です。轟音と静寂を行き来し、NUMBER GIRLの楽曲を劇的に彩る音色の変化を可能にしていたと想定されます。
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【NUMBER GIRL・向井秀徳】
向井秀徳(NUMBER GIRL)の音作りは、一見荒削りで爆発的に聞こえますが、実際には緻密に調整されたEQとエフェクトの組み合わせによって成立しています。彼のギターサウンドは「轟音の壁」でありながら、ボーカルや他の楽器を埋もれさせずに存在感を放つ点が大きな特徴です。
まず、アンプセッティングについて。Hughes & Kettner CORE BLADEをメインとする場合、クリーンチャンネルはほぼフラットに近い設定で、カッティングやアルペジオ時の透明感を確保していたと考えられます。一方、ディストーションチャンネルでは、低域を抑え、中域を強調。これは、バンド全体のアンサンブルでベースやドラムに干渉せず、ギターが抜けるための工夫です。
EQ設定の具体例としては、MXR KFK 10-Band EQで以下のような傾向が見られます。
- 31.25Hz~62.5Hz:ほぼカット(不要な低域の濁りを排除)
- 125Hz~250Hz:軽く抑える(ベースとの分離を確保)
- 500Hz~1kHz:ややブースト(ギターの存在感を前に出す)
- 2kHz~4kHz:強めにブースト(カッティングやリフのアタックを際立たせる)
- 8kHz~16kHz:軽くブースト(倍音感と空気感を付加)
この設定により、轟音リフでも音が団子にならず、抜けの良いサウンドを実現していました。また、コンプレッサー(Carl Martin Compressor/Limiter)をかけることで、リフ時のアタックを均一化し、音圧を安定させていました。
楽曲ごとの音色の使い分けも重要です。例えば「透明少女」では比較的クリーン寄りのクランチサウンドを使用し、繊細なリフとボーカルを両立。一方、「鉄風 鋭くなって」や「I don’t know」では深いディストーションを主体にし、ノイズ混じりの荒々しいギターを強調しています。この「曲によるチャンネル切り替え」が、ライブパフォーマンスでの緩急を生み出していました。
レコーディングにおいては、sE Electronics X1 R(リボンマイク)とguitaRF(リフレクションフィルター)を組み合わせ、アンプの生々しい質感を収音。さらにAvid Eleven Rackを併用して、ライン録りによる補助トラックを加えることで、分厚い壁のようなギターサウンドを構築していたと推測されます。
ミックス段階では、ギターの定位を左右に大きく振り、ダブルトラッキングで厚みを確保。その際、片方をEQで中域寄り、もう片方を高域寄りに調整することで、左右に広がりながらも中央にボーカルがしっかり存在できる空間を作っていました。
また、空間系エフェクトのEventide PitchFactorを使用して、ハーモナイザーや軽いディチューンを加えることで、轟音の中に立体感を付与。これにより、NUMBER GIRL特有の「ノイジーだが整合性のある音像」が完成していたと考えられます。
まとめると、向井秀徳の音作りは以下のポイントに集約されます。
- 低域を大胆にカットし、中高域を前に出すEQ設計
- コンプレッサーで音圧を均一化し、ライブでの安定感を確保
- 楽曲ごとにクリーン/ディストーションを切り替える運用
- マイキングとライン録りを併用し、ミックスで立体感を強調
一見すると「爆音パンク」として捉えられがちですが、実際には綿密な音作りの積み重ねがあってこそ実現できるサウンドです。NUMBER GIRLの楽曲をコピーする際には、単に歪ませるのではなく、EQやダイナミクスを意識することが再現への近道だと想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【NUMBER GIRL・向井秀徳】
向井秀徳(NUMBER GIRL)の音作りは、Schecterのシグネイチャーや多弦ギター、Hughes & Kettnerの高級チューブアンプなど、本格的な機材で構成されています。しかし、初心者や予算を抑えたいギタリストでも、手に入れやすい市販品で近いサウンドを再現することが可能です。ここでは1万円〜5万円程度(上限10万円)の中から、再現性が高い機材を紹介します。
まず、アンプシミュレーションやマルチエフェクター系は、向井の多彩な音をまとめて再現するのに適しています。特にBOSSやLine 6のマルチは、ハイゲインからクリーンまで幅広く対応でき、EQやコンプも同時に扱えるため、NUMBER GIRL風の緩急あるサウンド作りが可能です。
EQやダイナミクスをしっかり意識することが重要なので、安価な10バンドEQやコンプレッサーを追加で導入すると、より「切り裂くような中域」と「暴れすぎない轟音」に近づけます。
以下に、比較的安価で再現度が高い代替機材を表としてまとめます。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター用マルチエフェクター | BOSS GT-1 | BOSS | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 歪み・EQ・コンプ・空間系をまとめて搭載。ライブ用に最適。 |
ギター用マルチエフェクター | Line 6 POD Go | Line 6 | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | アンプモデリングが優秀。Hughes & Kettner系のシミュも再現可能。 |
イコライザー | MXR 10 Band EQ | MXR | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 低域カット・中高域ブーストに必須。KFK版より安価で導入しやすい。 |
コンプレッサー | BOSS CS-3 Compression Sustainer | BOSS | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | アタックを強調し、音量を整える。轟音でも粒立ちが明確になる。 |
ワウペダル | Jim Dunlop Cry Baby GCB95 | Jim Dunlop | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 535Qの廉価版。基本的なワウサウンドは十分再現可能。 |
ピッチシフター | DigiTech Whammy Ricochet | DigiTech | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | Whammy DTの簡易版。小型で安価ながらピッチシフト効果は近い。 |
アンプシミュレーター | NUX MG-300 | NUX | Amazonで探す | NUMBER GIRL | 向井秀徳 | 安価ながら多彩なアンプモデルと空間系を搭載。入門用に最適。 |
特におすすめは「BOSS GT-1」や「Line 6 POD Go」で、EQとコンプを組み合わせれば、向井の中高域が強調されたザクザク感にかなり近づけます。さらにワウやWhammy系を導入すれば、ライブでのアグレッシブなサウンド変化も再現可能です。
本格的なSchecterの7弦・8弦を導入せずとも、スタンダードな6弦+マルチエフェクター+EQ調整で「NUMBER GIRLらしい荒削りと緻密さを両立した音」に近づけることは十分可能といえます。
総括まとめ【NUMBER GIRL・向井秀徳】

向井秀徳(NUMBER GIRL)の音作りを振り返ると、その本質は「轟音の中にある繊細さ」といえます。Schecter製のシグネイチャーや多弦ギターを駆使し、Hughes & Kettnerのチューブアンプで爆発的な音圧を作りながらも、EQやコンプレッサーを巧みに使ってサウンドのバランスを保っていました。これにより、単なるノイズではなく「音楽として成立する荒々しさ」を具現化しているのです。
また、ワウやWhammy、ハーモナイザーといったエフェクターの導入は、NUMBER GIRLの楽曲にダイナミックな表情を与えました。轟音のリフに突然差し込むワウペダルの存在感や、空間を切り裂くようなピッチシフト効果は、ライブでの緊張感をさらに高めています。向井のサウンドは「シンプルに見えて実は複雑」であり、その緻密さがリスナーに強烈な印象を残しているのです。
音作りのポイントを整理すると、以下の3点に集約されます。
- EQで中高域を際立たせ、低域はカットすることで、バンドアンサンブルの中でも抜ける音を実現
- コンプレッサーやEQを活用し、轟音を制御して粒立ちを整える
- ワウやWhammyなど瞬発力あるエフェクトを組み込み、楽曲にダイナミズムを付与
このように、向井秀徳の音作りは「荒々しいパンクスピリット」と「緻密なサウンドデザイン」の二面性に支えられています。ファンやギタリストがコピーを試みる際には、ただ歪ませるだけではなく、EQやダイナミクス処理を意識することが重要です。
そして何より大切なのは「ライブでの熱量」です。NUMBER GIRLのサウンドはスタジオ音源だけでなく、観客と向き合うステージで初めて完成するもの。ギターが爆発するような音圧を放ちつつも、ボーカルと一体となって迫ってくる向井のプレイこそが、唯一無二の存在感を生み出しています。
総じて、向井秀徳の音作りは「ロックの原点的な衝動」と「職人的な音響設計」の融合であり、それがNUMBER GIRLの伝説的なサウンドを作り上げているといえるでしょう。彼のアプローチを理解し、自分の演奏に取り入れることで、単なるコピーを超えた「表現」としてのギターサウンドに近づけるはずです。
“`
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
SCHECTER Spacious AC-KZ シグネイチャー/H-S-H配列/コイルタップ対応
SCHECTER Hellraiser C-7 FR 7弦/サスティニアック+EMG 707-TW
SCHECTER CUSTOM C-7 FR 7弦/EMG 707-TW×2
SCHECTER Hellraiser V-7 FR 7弦Vシェイプ/EMG 707-TW×2
SCHECTER Hellraiser V-8 8弦/最低音F#
SCHECTER Damien 7 初期使用/後にPU換装
アンプ Hughes & Kettner CORE BLADE メイン/4ch構成/6L6パワー管
Hughes & Kettner GrandMeister 36 小型/クリーン&クランチ担当
Hughes & Kettner Tube Meister 5 サイレントレコーディング対応
エフェクター Providence PEC-2 プログラマブル・スイッチャー
Morley Bad Horsie II スイッチレスワウ
Morley Little Alligator ボリュームペダル
Jim Dunlop Cry Baby 535Q ワウ/クローム仕様
Digitech Whammy DT ピッチシフター
Carl Martin Compressor/Limiter コンプレッサー
Carl Martin Classic Flanger コーラス的使用
MXR KFK 10-Band EQ EQ調整/低域カット
Eventide PitchFactor ハーモナイザー
レコーディング sE Electronics guitaRF リフレクションフィルター
sE Electronics X1 R リボンマイク
Avid Eleven Rack アンプシミュレーター
ケーブル EX-PRO FAシリーズ ライブ/歪みバッキング用
EX-PRO FLシリーズ リード/クリーン用
シグナルチェーン(ライブ想定)
ギター
→ Morley Bad Horsie II(ワウ)
→ Morley Little Alligator(ボリューム)
→ Digitech Whammy DT(ピッチシフト)
→ Carl Martin Compressor/Limiter(コンプ)
→ Carl Martin Classic Flanger(モジュレーション)
→ MXR KFK 10-Band EQ(EQ補正)
→ Eventide PitchFactor(ハーモナイザー)
→ Providence PEC-2(スイッチング&ルーティング)
→ Hughes & Kettner CORE BLADE(アンプ)
→ キャビネット
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