始めに(特徴紹介)
スキマスイッチのフロントマンでありギタリストでもある大橋卓弥さんは、シンガーソングライター的な感性を持ちながらも、ライブではバンドアンサンブルを引き立てる繊細かつ力強いギタープレイを特徴としています。代表曲「全力少年」や「奏」では、アコースティックギターの響きを軸にしたクリアで爽やかなサウンドを披露し、ファンに深い印象を残しています。
大橋さんの音作りの根幹には、「歌を最大限に引き立てるためのギター」という哲学があります。そのため派手な歪みや過剰なエフェクトは控えめに、アコースティックの温かさとエレキの奥行きを絶妙に使い分けるのが大きな特徴です。近年のライブでは、佐賀の工房によるオーダーメイドのBEFFNICK NEOを中心に、Provisionオーダーモデル(テレキャスタータイプ)やGibson ES-330を取り入れるなど、本人の個性を色濃く反映したラインナップが並んでいます。
また、アコースティックギターではFishman Matrix Infinityを仕込み、Zoom A3やAura Spectrum DIといったプリアンプ/DIでの補正を徹底。これにより、ライブハウスからホールまで安定した高品位サウンドを届けることができます。さらにエフェクトボードはアコギ用とエレキ用を分けつつ、BOSS ES-5でスイッチングを一元管理することで、ステージ上での操作性も重視されています。
こうした構成は、歌モノに最適化された堅実なスタイルでありながら、職人によるオーダーモデルや独自仕様のギターを多用するなど、「シンプルに見えて実はこだわり抜かれた音作り」であることを物語っています。結果として、リスナーは歌とギターの一体感を強く感じることができるのです。
特に「奏」のようなバラードでは、ガットギター(YAMAHA NTX700)の柔らかい響きが繊細な歌声を支え、「全力少年」ではストローク主体のアコースティックが疾走感を生み出します。このように、曲ごとに適したギターを選択する柔軟さが、大橋さんならではの魅力です。
つまり、大橋卓弥さんのサウンドは「歌を主役にするためのギター」ですが、その裏側には精巧に組まれた機材群と、緻密な音作りの哲学が存在しています。この記事では、そんな彼の機材やセッティングを徹底解説していきます。
使用アンプ一覧と特徴【スキマスイッチ・大橋卓弥】
大橋卓弥さんの音作りにおいて、実は「アンプ」はギターやエフェクターほど前面には出ていません。スキマスイッチの楽曲はアコースティック主体であるため、エレキギターのように真空管アンプを前面に押し出すケースは少なく、ライブやレコーディングではプリアンプやDIを介したライン出力が中心となっています。
アコースティックギターのサウンドは、Fishman Matrix Infinityなどのピックアップを搭載し、Fishman Aura Spectrum DIやZoom A3で整えた上でPAに直接送るのが基本スタイルです。そのため、アコギ用アンプをステージに置くよりも、ライン出力による一貫した音作りを優先していると考えられます。これは、会場規模や音響環境に左右されず、安定したサウンドをリスナーに届けるための選択といえます。
一方で、エレキギター(ProvisionオーダーモデルやGibson ES-330など)を使用する際には、真空管アンプとの組み合わせが確認されています。具体的な常用モデルは明確に公開されていないものの、ライブでの使用写真からはFender系アンプの使用が推測され、クリーンから軽いクランチまで幅広く対応できる特性が大橋さんのスタイルに合致しています。特に、Provisionのテレキャスターシェイプのギターは、ミニハム搭載によりウォームかつ立体感のあるトーンを出せるため、Fender Deluxe ReverbやTwin Reverbのようなアンプと組み合わせると、スキマスイッチのポップス寄りのサウンドに最適といえるでしょう。
また、スタジオやリハーサルではRoland JC-120(ジャズコーラス)を使うケースも考えられます。透明感のあるクリーントーンとステレオコーラス機能は、歌を邪魔しない伴奏サウンドを構築するのに非常に相性が良いのです。特にスキマスイッチの楽曲は、透明感あるアンサンブルが求められるため、このアンプがセッティングに取り入れられている可能性も高いでしょう。
つまり、大橋さんのアンプ構成は「アコギはライン出力中心」「エレキはFender系またはJC-120と組み合わせ」というスタイルが主軸になっていると考えられます。明確な使用モデルはインタビューや機材誌にほとんど登場しないため、確定的な情報ではありませんが、上記のようなラインナップが現場で多用されていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Fishman Aura Spectrum DI | Fishman | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコースティック用DIプリアンプ、ライブでのライン出力に必須 |
Zoom A3 | Zoom | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコースティックプリアンプ/エフェクト、EQ補正に使用 |
Fender Twin Reverb(想定) | Fender | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | ProvisionやGibson ES-330使用時に相性が良いと推測される |
Roland JC-120(想定) | Roland | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | クリーントーン重視、歌モノとの相性抜群 |
このように、アコギはDI・プリアンプを中心にラインで出力し、エレキはFenderやRoland系アンプでクリーン〜クランチを作るのが基本構成と想定されます。
使用ギターの種類と特徴【スキマスイッチ・大橋卓弥】
大橋卓弥さんのサウンドの核を担っているのは、やはりアコースティックギターです。特に、佐賀の工房「BEFFNICK BRACE WORK」によるオーダーモデル BEFFNICK NEO は、本人のメインギターとして長年ライブやレコーディングで活躍しています。国産ハンドメイドならではのきめ細やかな作りと、ふくよかでレンジの広い音色が特徴で、ストローク主体の曲でもアルペジオ主体のバラードでも表現力豊かに鳴ってくれます。まさに「歌を支えるアコギ」として大橋さんの音楽性に寄り添っているのです。
また、バラード曲や繊細な場面では YAMAHA NTX700(ガットギター)を使用。ナイロン弦ならではの柔らかい響きは「奏」や「ボクノート」など、優しい歌声を引き立てる楽曲で重宝されています。ステージでも実際に使用されており、アコギとガットを曲ごとに使い分けるのが大橋さんのスタイルです。
加えて、クラシックな響きを持つ Gibson J-50 や Martin OM-28V も使用。どちらも伝統的なアコースティックギターであり、Gibsonは温かみと中域の厚み、Martinは煌びやかでレンジ感のあるサウンドが特徴です。レコーディングや一部のライブで取り入れられ、楽曲ごとに音色を使い分けています。
一方でエレキギターでは、本人オーダーモデルの Provision Guitar VST-TO/BLK が近年のライブで目立ちます。テレキャスターをベースにしたモデルながら、フロントにはミニハムバッカーを搭載し、シングルとハムの中間的なふくよかなトーンを実現。さらに、ボディは佐賀のデザイナー・シオタアヤカ氏によるオリジナルペイントで彩られ、まさに「唯一無二の一本」として存在感を放っています。
加えて、ジャズやブルース色のあるサウンドを必要とする楽曲では Gibson ES-330 を使用。フルアコ構造によるウォームなトーンは、スキマスイッチの楽曲に立体感を与える役割を果たしています。また、Fender製のエレキも使用していることが本人発言で確認されており、詳細モデルは不明ながらクリーントーン重視の場面で用いられていると推測されます。
こうしたラインナップを見ると、大橋卓弥さんは「アコースティックを軸に、場面ごとに適切なギターを選択」していることがよく分かります。BEFFNICKやProvisionといった本人オーダーモデルが中心でありながら、GibsonやMartinなどの名器を楽曲ごとに組み合わせることで、多彩ながらも統一感のある音色を実現しているのです。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
BEFFNICK NEO | BEFFNICK BRACE WORK | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコースティック | 本人オーダーモデル。ライブ・レコーディングともにメイン |
YAMAHA NTX700 | YAMAHA | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | ガットギター | ナイロン弦の柔らかい響き。バラードで使用 |
Gibson J-50 | Gibson | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコースティック | 温かみのあるサウンド。レコーディングで使用 |
Martin OM-28V | Martin | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコースティック | 煌びやかでレンジ広いサウンド |
Provision Guitar VST-TO/BLK | Provision Guitar | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | エレキ | 本人オーダーモデル。ミニハム搭載、独自ペイント仕様 |
Gibson ES-330 | Gibson | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | エレキ | フルアコ構造、ウォームなトーンが特徴 |
Fender(モデル不明) | Fender | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | エレキ | 本人が使用を公言。詳細モデル不明 |
このように、大橋さんのギター群は「オーダーモデルを中核に、定番の名器を織り交ぜる」というスタイルで構成されていると想定されます。
使用エフェクターとボード構成【スキマスイッチ・大橋卓弥】
大橋卓弥さんのエフェクターボードは、アコースティック用とエレキ用で明確に分けられているのが特徴です。楽曲の大半をアコースティックギターで演奏するため、アコギの音作りを最適化するプリアンプやDIを中心に据えつつ、エレキ用にはオーバードライブやリバーブなど必要最低限のペダルを揃えてシンプルかつ堅実な構成にしています。
まずアコースティック用では、ピックアップに Fishman Matrix Infinity を搭載し、その信号を Zoom A3 や Fishman Aura Spectrum DI に通してEQ補正やマイクシミュレーションを行います。その後、FREE THE TONEの10バンドEQ「PA-1QA」を通すことで、会場ごとに違う響きを細かく調整。最終的にはDIからPAに直接送られるため、ホールやライブハウスでも安定した音質が得られるのです。
さらに、チューナーとして BOSS TU-2 を2台所有し、アコギとエレキで兼用。電源供給には CUSTOM AUDIO JAPAN ACDC STATION を使用しており、ノイズレスで安定した電源管理を徹底しています。こうした堅実な組み合わせは「歌を邪魔しないアコギサウンド」を目指す大橋さんらしいセッティングです。
エレキ用では、ProvisionオーダーモデルやGibson ES-330の特性を活かすため、過度な歪みは避けつつニュアンス重視のペダルを使用。例えば BamBasic Soul Stone や One Control Persian Green Screamer は軽めのオーバードライブとして使われ、クリーンに近いトーンから心地よいクランチまでをカバーします。
空間系では FREE THE TONE AS-1R AMBI SPACE(リバーブ)、BOSS MD-500(モジュレーション)が主力。特にMD-500はコーラスやフランジャーなど多彩なモジュレーションを搭載しており、曲に合わせて幅広い音色を生み出せます。スイッチャーには BOSS ES-5 を導入し、複数のエフェクターを効率よく切り替え可能にしています。その他、A/B BOXやラインセレクターも使用され、ステージ上での楽器持ち替えやライン切り替えがスムーズに行えるよう工夫されています。
このように、大橋さんのエフェクターボードは「アコギはプリアンプとEQで補正」「エレキはオーバードライブ+空間系+スイッチャーで整理」という二本柱の構成になっています。派手さはないものの、楽曲や歌に寄り添う音作りを徹底した堅実かつ実用的なセッティングであるといえるでしょう。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Fishman Matrix Infinity | Fishman | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコースティック用エフェクター | アコギ用ピックアップ。BEFFNICKなどに搭載 |
Zoom A3 | Zoom | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | プリアンプ/アンプシミュレーター | アコギ用プリアンプ/EQ補正に使用 |
Fishman Aura Spectrum DI | Fishman | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | ダイレクトボックス | アコギ用DI。ライン直結で安定した音作り |
FREE THE TONE PA-1QA | FREE THE TONE | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | イコライザー | 10バンドEQ。会場ごとにアコギの音を調整 |
BOSS TU-2 | BOSS | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | チューナー | アコギ・エレキ兼用。2台所有 |
CUSTOM AUDIO JAPAN ACDC STATION | CAJ | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | パワーサプライ | エフェクターボードの電源供給 |
BamBasic Soul Stone | BamBasic | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | オーバードライブ | クリーン〜軽いクランチをサポート |
One Control Persian Green Screamer | One Control | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | オーバードライブ | チューブスクリーマー系。透明感ある歪み |
FREE THE TONE AS-1R AMBI SPACE | FREE THE TONE | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | リバーブ | 自然で上品なリバーブ。バラード向き |
BOSS MD-500 | BOSS | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | モジュレーション系 | コーラス、フランジャー等をカバー |
BOSS ES-5 | BOSS | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | スイッチングシステム | 複数エフェクターを効率管理 |
このように、大橋卓弥さんのエフェクターは「必要なものだけを精選し、シンプルにまとめる」スタイルが徹底されています。結果として、楽曲の雰囲気を壊さず、歌声を最大限に引き立てるギターサウンドが構築されていると想定されます。
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【スキマスイッチ・大橋卓弥】
大橋卓弥さんの音作りの最大の特徴は「歌を主役にするギターサウンド」にあります。そのため、エフェクターやアンプの設定は派手な変化を狙うものではなく、アコースティックの自然な響きやエレキのクリーン〜クランチを最大限に活かす方向で調整されています。
アコースティックギターのセッティングでは、まずピックアップに搭載した Fishman Matrix Infinity からの信号を Zoom A3 や Fishman Aura Spectrum DI に通し、マイクシミュレーションとEQで補正します。EQのセッティング例としては、低域(80Hz以下)を軽くカットしてハウリングを防ぎ、中域(500Hz〜1kHz付近)を少し持ち上げることで歌声とぶつからない帯域に整えています。高域(10kHz付近)はほんのりブーストすることで、アコギ特有の「ジャリン」としたアタック感を出しています。
さらに、会場によって響きが異なるため、FREE THE TONE PA-1QA の10バンドEQで微調整を行います。例えばホールのように残響が強い環境では高域を抑え、ライブハウスのように音が詰まりやすい環境では中低域を削って抜けを良くするなど、PAエンジニアと連携しながら音作りを最適化していると考えられます。
エレキギターのセッティングでは、ProvisionオーダーモデルやGibson ES-330を用いる場面が多く、オーバードライブは軽めの設定に留めています。BamBasic Soul Stone や Persian Green Screamer をゲイン20〜30%程度に設定し、あくまで「温かみと太さを加える」程度。トーンはやや絞り気味にし、中域を豊かにすることでボーカルの下支えとなる音色を実現しています。
空間系エフェクトでは、FREE THE TONE AS-1R AMBI SPACE を用いてリバーブを控えめに設定。Decayは短め(ホール系で1.5〜2.0秒程度)、Mixも20%程度と抑えめにし、楽曲全体を包むような自然な響きを演出しています。バラードではやや深めに設定して情緒を引き出し、アップテンポ曲では短めにしてリズムの切れを重視する、といった曲ごとの調整が行われています。
モジュレーションに関しては BOSS MD-500 を中心に、コーラスを軽くかけて厚みを出す程度が基本。例えば「全力少年」のようにストローク主体の楽曲ではコーラスを軽く加え、バッキングの広がりを作る一方で、シンプルなアルペジオ曲ではコーラスを切って生音に近い響きを活かす、といった柔軟な運用をしています。
PAやミックスでの工夫も見逃せません。スキマスイッチはピアノとギターを中心としたアンサンブルであるため、PAではボーカルとピアノを最前面に置き、ギターはその下支えとなるような定位に設定されることが多いです。パンニングではギターをややサイド寄りに配置し、ピアノの広がりを中央に保ちつつ、ステレオ感を出す工夫がされています。
レコーディングでは、アコースティックはDIとマイク録りをブレンドする手法が用いられていると推測されます。DIで芯を取りつつ、マイクで空気感を収録することで、温かみと解像度の両立を図っているのです。エレキではアンプ録り+ラインを併用し、クリーントーンの透明感とコンプ感をバランス良く収めている可能性が高いです。
総じて、大橋卓弥さんの音作りは「ボーカルを引き立てるための堅実なセッティング」であり、EQ・リバーブ・モジュレーションのいずれも極端な設定ではなく、あくまでナチュラルさを重視しています。その結果、どの楽曲でもギターが主張しすぎず、歌を中心に据えたサウンドが成立していると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【スキマスイッチ・大橋卓弥】
大橋卓弥さんの機材は、オーダーメイドのギターや高品位なエフェクターが中心ですが、初心者やアマチュアギタリストでも比較的安価に近いサウンドを再現することは可能です。ここでは、1〜5万円程度(上限10万円まで)の市販機材を使って「スキマスイッチ風の音」に近づける方法を紹介します。
アコースティックギターでは、本人使用のBEFFNICK NEOはオーダーメイドのため手に入りませんが、YAMAHAのアコースティックはコストパフォーマンスに優れ、特に「YAMAHA FG/FSシリーズ」や「NTX系統」は初心者にも扱いやすいです。NTX700は廃盤ですが、後継機種の「NTX1」「NTX3」でナイロン弦の柔らかいトーンを再現できます。
プリアンプ/DIについては、Fishman Aura Spectrum DIは高価ですが、より安価に導入できる選択肢として「BOSS AD-2 Acoustic Preamp」や「Zoom AC-2 Acoustic Creator」があります。これらはライブや宅録に十分対応可能で、アコギのライン直結でも自然な響きを補正してくれます。
エフェクターに関しては、大橋さんが使用しているFREE THE TONE製品は高額ですが、同等の役割を果たすリーズナブルな代替品が存在します。例えば、10バンドEQは「BOSS GE-7」を使用すれば十分再現可能です。リバーブに関しては「BOSS RV-6」、モジュレーションでは「BOSS CH-1 Super Chorus」などが候補になります。これらはいずれも定番かつ入手しやすいペダルで、価格も手頃です。
オーバードライブについても、BamBasicやOne Controlはプロ仕様ですが、代わりに「BOSS SD-1」や「Ibanez TS9 Tube Screamer」を導入すれば、同様のクリーンブーストや軽い歪みを得ることができます。特にSD-1は安価ながらもクリーン寄りのサウンド作りに適しており、大橋さんの透明感のあるトーンを目指す上で有効です。
スイッチングシステムは必須ではありませんが、複数のエフェクターを効率的に管理したい場合は「Mooer L6」や「Valeton GP-200」などの安価なマルチエフェクターを使えば、一通りの音作りがカバーできます。特にValetonは空間系やEQも搭載されているため、コストを抑えつつ大橋さんのセットに近づける便利な選択肢です。
こうした機材を組み合わせることで、オーダーモデルや高級機材を揃えなくても、「歌を引き立てる堅実なアコギ主体の音作り」を十分に再現することができます。重要なのは「派手さよりもナチュラルさを優先する姿勢」であり、これを意識することで大橋卓弥さんらしいサウンドに近づけることが可能です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アコースティックギター | YAMAHA NTX1 | YAMAHA | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | NTX700の後継機。ナイロン弦サウンドを再現 |
プリアンプ | BOSS AD-2 Acoustic Preamp | BOSS | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコギ用プリアンプ。DI的に使用可能 |
プリアンプ | Zoom AC-2 Acoustic Creator | Zoom | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | アコギ用プリアンプ。低価格ながら多機能 |
イコライザー | BOSS GE-7 | BOSS | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | 7バンドEQ。FREE THE TONE PA-1QAの代替 |
リバーブ | BOSS RV-6 | BOSS | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | 多機能リバーブ。AMBI SPACEの代替 |
オーバードライブ | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | 安価で透明感あるドライブ。Soul Stoneの代替 |
オーバードライブ | Ibanez TS9 Tube Screamer | Ibanez | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | 定番オーバードライブ。Persian Green Screamerの代替 |
マルチエフェクター | Valeton GP-200 | Valeton | Amazonで探す | スキマスイッチ | 大橋卓弥 | EQ・空間系・歪みを1台で再現可能 |
このように、定番のBOSSやIbanezのエフェクター、YAMAHAのアコギを中心に揃えれば、大橋卓弥さんの音作りを手軽に模倣できます。重要なのは「派手な音作りではなく、歌を支えるためのナチュラルなトーン」を目指すことです。
総括まとめ【スキマスイッチ・大橋卓弥】

ここまで見てきたように、大橋卓弥さんの音作りは「歌を最優先に考えた堅実かつ繊細なスタイル」であることが明らかです。彼のギターは単にコードを鳴らすだけではなく、スキマスイッチの音楽全体を支える「屋台骨」として機能しています。アコースティックを基盤に据えつつ、ProvisionオーダーモデルやES-330といった個性的なエレキを楽曲ごとに選び、最小限のエフェクトで彩る。これが大橋さん流の哲学です。
アコースティックでは、BEFFNICK NEOやYAMAHA NTX700といったギターにFishman Matrix Infinityを搭載し、プリアンプやEQで徹底的に整音。これにより、会場が変わっても安定した音を届けることが可能になります。エレキに関しても、歪みは控えめで、オーバードライブ+リバーブ+モジュレーション程度。音を「前に出す」よりも「歌に寄り添う」方向へ舵を切っているのが大橋さんらしい特徴です。
さらに、BOSS ES-5を用いたスイッチングやパワーサプライの徹底管理など、ライブ現場での運用性も非常に高いレベルにあります。これは派手さはないものの、長年の経験から「どんな環境でも安定して同じ音を出す」というプロとしての確かな工夫の表れといえるでしょう。
また、音作りの本質は機材そのものではなく「どの帯域を生かし、どの帯域を抑えるか」というバランス感覚にあります。大橋さんはEQやリバーブのセッティングを繊細に行い、歌声のレンジを侵食しないよう配慮しているのです。これはギタリストとしてだけでなく「シンガーとしての自覚」が強く反映された音作りといえるでしょう。
これから大橋さんのサウンドを目指す方にとって重要なのは、まず「歌を邪魔しない音」を意識することです。高価な機材がなくても、アコギ+シンプルなプリアンプ、エレキ+軽いオーバードライブとリバーブ、この基本を押さえれば十分に雰囲気を再現できます。さらに余裕があればEQやスイッチャーを導入することで、よりライブに適した実用的なセッティングに近づけるでしょう。
つまり、大橋卓弥さんの音作りの本質は「職人気質のこだわりを持ちつつも、最終的には歌を輝かせるためのシンプルな哲学」にあります。アコギの温もりとエレキの奥行き、両方をシーンに応じて使い分けることで、スキマスイッチの楽曲は唯一無二の存在感を放っているのです。
読者の皆さんも、まずは身近なギターと定番のエフェクターから始め、ナチュラルさを追求してみてください。そうすることで、大橋卓弥さんの「歌とギターが一体となったサウンド」に一歩近づけるはずです。
“`
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
アコースティック
BEFFNICK(ベフニック)NEO
→ 佐賀の工房「BEFFNICK BRACE WORK」によるオーダーモデル。本人のメインアコギ。
YAMAHA NTX700(ガットギター)
→ ライブやレコーディングで使用。
Gibson J-50
Martin OM-28V
エレキ
Provision Guitar VST-TO/BLK(本人オーダーモデル)
→ テレキャスターシェイプ、フロントにミニハム搭載、ボディペイントは佐賀のデザイナー・シオタアヤカ氏によるデザイン。
Gibson ES-330
Fender(詳細モデル不明だが使用を公言)
🎚️ ピックアップ/プリアンプ
Fishman Matrix Infinity(アコギ用ピックアップ)
Zoom A3(アコギ用プリアンプ/エフェクト)
Fishman Aura Spectrum DI(アコギ用DIプリアンプ)
🎛️ エフェクター
アコースティック用
FREE THE TONE PA-1QA(10バンドEQ)
BOSS TU-2(チューナー/2台所有、アコギ・エレキ共用)
CUSTOM AUDIO JAPAN ACDC STATION(パワーサプライ)
エレキ用
BamBasic Soul Stone(オーバードライブ)
One Control Persian Green Screamer(オーバードライブ)
FREE THE TONE AS-1R AMBI SPACE(デジタルリバーブ)
BOSS MD-500(モジュレーション)
BOSS ES-5(スイッチャー)
その他、A/B BOXやラインセレクターを併用。
✅ まとめ
大橋卓弥さんは、アコギ中心のシンガーソングライター的スタイルを基盤にしつつ、ProvisionオーダーモデルやES-330などのエレキも駆使してライブを展開しています。
アコースティックでは BEFFNICK NEO と YAMAHA NTX700 がメイン、ピックアップは Fishman Matrix Infinity。
プリアンプ/DIは Zoom A3 や Aura Spectrum DI を愛用。
エレキでは、Provisionオーダーモデル(テレキャスター+ミニハム仕様)が特徴的で、近年のライブでも使用。
エフェクトはアコギ用とエレキ用を分けつつ、BOSS ES-5で管理する堅実なボード構成。
→ 全体的に「歌モノに最適化された堅実かつ高品位なシステム」で、本人オーダーモデルや職人製作のギターが多く、こだわりが強いのが特徴です。
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