【Albert Hammond Jr.】The Strokes風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

The Strokes(ザ・ストロークス)のギタリスト、Albert Hammond Jr.(アルバート・ハモンド・ジュニア)は、ガレージロック・リバイバルを象徴するサウンドの立役者です。

彼のギターサウンドは、クリーンに近いカッティングの中に独特のドライブ感を漂わせる点が大きな特徴です。楽曲「Last Nite」や「Someday」では、シンプルながら芯のあるストラトキャスターのトーンが際立ち、バンド全体のリズムと絡み合いながらも強烈な存在感を放ちます。

一方で「Under Control」や「Trying Your Luck」のような楽曲では、やや柔らかいニュアンスのサウンドも見せており、ピックアップの切り替えやアンプのセッティングを駆使して多彩なトーンを操っていることが伺えます。

ストロークスのサウンドは「生々しい質感」「ローファイなアプローチ」と評されることが多く、その根底にはアルバートのシンプルかつ直感的なギタープレイが存在しています。彼の音作りはテクニカルな速弾きや複雑なエフェクトの多用ではなく、ピッキングの強弱、ピックアップ選択、アンプ直結のような潔いアプローチにこそ本質があります。

また、Albert Hammond Jr.はソロ活動でもギタートーンにこだわりを見せており、The Strokes時代の音作りをベースにしながらも、より多彩なエフェクトやセッティングを取り入れることもあります。そのため、彼の機材は時期によって変化しており、レコーディングとライブで異なるセッティングが採用されているケースもあります。

本記事では、Albert Hammond Jr.がThe Strokesやソロ活動で実際に使用してきたアンプ・ギター・エフェクターを整理し、さらに音作りの具体的なEQやセッティングについて解説していきます。

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使用アンプ一覧と特徴【The Strokes・Albert Hammond Jr.】

Albert Hammond Jr.のサウンドを語る上で、アンプの選択は非常に重要です。The Strokesの初期作品『Is This It』においては、Fender Hot Rod DeVille 212がレコーディングで使用されたことが知られています。12インチスピーカーを2基搭載したこのアンプは、強力なクリーンヘッドルームと太く抜けの良いサウンドが特徴で、アルバート特有のカッティングやリフの芯を作り上げています。特にクランチ寸前のセッティングでの使用は、ガレージロックの荒削りで生々しいトーンに直結していると言えるでしょう。

ライブシーンでは、Fender Twin Reverbが定番のアンプとして登場します。60年代から続く名機であり、煌びやかで張りのあるクリーントーンは、The Strokesの音像に欠かせない要素です。実際に「高音7 / 中音4 / 低音4」といったセッティング例が推奨されることもあり、アルバートのギターがミックス内でしっかりと抜ける理由を裏付けています。スタジオではDeVille、ステージではTwin Reverb、といった使い分けがあった可能性も高いと考えられます。

さらに、アルバートは一部のツアーやライブでHiwatt Custom 50 Headと専用キャビネットを使用していたことも確認されています。Hiwattはブリティッシュアンプらしい硬質でタイトなトーンを持ち、クリーンながら押し出しの強い中音域が特徴です。これにより、Fender系アンプとはまた違ったアタック感を得ることが可能になります。特に、バンドサウンドが大きな会場向けにスケールアップした時期に導入された可能性があります。

一方で、意外な選択としてPeaveyアンプも登場しています。詳細なモデルは定かではありませんが、Peavey特有のレンジの広さやややモダンな質感が加わることで、アルバートのサウンドの多様性を補完していたと推測されます。Peaveyはコストパフォーマンスの高さからもツアー用の選択肢となりやすいアンプで、補助的な存在だったのではないかと考えられます。

これらを総合すると、アルバート・ハモンド・ジュニアのアンプセレクトは「Fenderの煌びやかでクリーンな基盤」を軸にしつつ、「Hiwattの押し出し感」や「Peaveyの補助的キャラクター」を加えて状況に応じて音を作り分けていた、と言えるでしょう。シンプルながらもロックの王道を行くアンプ選びであり、その中でEQやゲインの細かな調整によって多彩な表現を実現していた、と想定されます。

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Fender Hot Rod DeVille 212FenderAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.『Is This It』のレコーディングで使用。初期サウンドを形成。
Fender Twin ReverbFenderAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ライブ定番。高音域が際立つ。推奨設定例あり。
Hiwatt Custom 50 HeadHiwattAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ライブで使用。硬質で押し出しのあるクリーントーン。
Hiwatt CabinetHiwattAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.Custom 50と併用。ブリティッシュ系らしい音抜けを補強。
Peavey AmpPeaveyAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.詳細モデルは不明。補助的用途と想定。

使用ギターの種類と特徴【The Strokes・Albert Hammond Jr.】

a person playing a guitar

Albert Hammond Jr.のサウンドを象徴する最大の要素は、やはりギターの選択です。ストロークス結成当初から、彼の手に馴染んでいたのがFender Stratocaster系のモデルであり、その中でも特に有名なのが「1972年製ストラトキャスター(通称Hot Rod)」です。このギターはアルバートのメイン機材として数々の名曲を支え、後にシグネチャーモデルであるFender/Mexico Albert Hammond Jr. Signature Stratocaster (Olympic White)として2018年に発売されました。7.25インチRのローズ指板、ヴィンテージスタイルのトレモロをボディにフラットマウントした仕様など、本人の好みを忠実に再現しています。

実際の使用では、アルバートはミドルピックアップを常用しており、楽曲「Trying Your Luck」ではネックピックアップも用いて柔らかさを出しています。これにより、ストラトキャスターらしい煌びやかさと芯のあるサウンドを同時に実現しています。

また、彼はストラトだけに留まらず、複数のギターを使い分けています。たとえば、Gibson Les Paul Specialは太く荒々しいトーンが魅力で、「Last Nite」などのガレージ色の強い楽曲にマッチしています。さらに、グリッタリーで独特な存在感を持つGretsch White Penguinもライブで使用されることがあり、煌びやかで太いトーンを得る手段として取り入れられています。

クラシックなロックンロールの影響を感じさせるのがRickenbacker 325。ジョン・レノン愛用のモデルとして知られるギターですが、アルバートも一部楽曲や撮影で使用しており、煌びやかなアルペジオやコードストロークを支える役割を果たしています。

アコースティックギターとしては、Guild AcousticMartin Acousticを使用しており、ソロ作品やストロークスの一部楽曲で繊細な表現を担っています。特にMartinは深みのある倍音と豊かなサスティンで、バンドのサウンドに温かみを与えています。

アルバートのギター選びには「楽曲に最適なキャラクターを持つ個体を選び、必要に応じて使い分ける」という姿勢が見られます。ストラトを軸にしながらも、レスポールやグレッチ、リッケンバッカーを使い分けることで幅広い表現を可能にしているのです。これはストロークスの「シンプルだが多彩なバンドサウンド」に直結しており、彼のプレイスタイルの柔軟さを物語っています。以上を総合すると、Albert Hammond Jr.のギターは「ストラトを核にした多彩な選択肢」と言えるでしょう。

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Fender StratocasterFenderAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.エレキギター1972年製「Hot Rod」がメイン。ミドルPUを常用。
Fender/Mexico Albert Hammond Jr. Signature Stratocaster (Olympic White)FenderAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.エレキギター2018年発売のシグネチャー。本人の仕様を再現。
Gibson Les Paul SpecialGibsonAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.エレキギター荒々しく太いトーン。ガレージロック向き。
Gretsch White PenguinGretschAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.エレキギター煌びやかでグリッタリーなトーン。ライブで使用。
Rickenbacker 325RickenbackerAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.エレキギタージョン・レノン愛用モデル。アルペジオで活用。
Guild AcousticGuildAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.アコースティックギターソロや一部楽曲で使用。繊細なトーン。
Martin AcousticMartinAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.アコースティックギター豊かなサスティンと倍音。温かみを加える。

使用エフェクターとボード構成【The Strokes・Albert Hammond Jr.】

Albert Hammond Jr.のエフェクターボードは、シンプルながらも楽曲ごとに的確なキャラクターを与える構成が特徴です。特に初期ストロークスのサウンドにおいて大きな役割を果たしたのが、Visual Sound V1 Jekyll & Hyde Ultimate Overdriveです。このペダルはオーバードライブとディストーションを切り替えられる2チャンネル仕様で、アルバートは「Is This It」の大部分でこのペダルを使用したと言われています。セッティングはトーンを8〜9時、ゲインを11〜12時に設定することで、クリーンに近いが少し荒れたガレージ風味のサウンドを実現しています。

また、彼の足元に欠かせないのがBoss DS-1 Distortion。このシンプルなディストーションは「Last Nite」や「Someday」といった代表曲で使用され、アルバートのトレードマーク的サウンドを支えています。さらにクリーンブーストとしてMXR M-133 Micro Ampを常用しており、ソロやアルペジオで音量を引き上げる用途に使われています。

空間系エフェクトも複数使用しており、特に重要なのがElectro-Harmonix Holy Grail ReverbElectro-Harmonix Memory Manです。前者は「Is This It」で確認され、クリーントーンに深みを与えるリバーブとして大きな役割を果たしました。後者は「Under Control」「Barely Legal」などで使われ、温かみのあるアナログディレイがバンドのローファイ感を強調しています。

その後のライブやソロ活動ではエフェクターボードに変化が見られ、Mad Professor Deep Blue DelayElectro-Harmonix Memory Boy、さらにBogner WessexMenatone Shut Up & Driveといったブティック系ペダルも使用されています。特に2015年頃のツアー写真では、複数のオーバードライブとディレイが並んでいるのが確認されており、初期のシンプルな構成からより多彩なアプローチへと拡張していることが分かります。

また、チューニング用の定番としてBoss TU-2 Chromatic Tunerも常設されています。これはプロの現場では定番中の定番であり、シグナルチェーンの入り口を支える必須アイテムです。その他、Stone Deaf PDF-1のようなパラメトリックEQ/ドライブペダルも確認されており、音作りに細かな調整を加えるための選択肢として採用されていたと考えられます。

総合すると、Albert Hammond Jr.のエフェクト選びは「シンプルで直感的だが、楽曲に合わせて確実に役割を果たすもの」を徹底しており、特にオーバードライブとディレイ系の使い分けが重要なポイントです。以上を踏まえると、彼のエフェクターボードは時期によって変化しつつも、「初期は最小限、後期は多彩さを加える」という構成の変遷を辿っていると想定されます。

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Visual Sound V1 Jekyll & Hyde Ultimate OverdriveVisual SoundAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.オーバードライブ『Is This It』の要。2台使用のライブ写真も確認。
MXR M-133 Micro AmpMXRAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ブースタークリーンブーストとして必須。音量補強に使用。
Boss DS-1 DistortionBOSSAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ディストーション「Last Nite」「Someday」で使用。代表的ペダル。
Boss DD-3 Digital DelayBOSSAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ディレイデジタルディレイとしてライブ補助。
Boss TU-2 Chromatic TunerBOSSAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.チューナーシグナルチェーン入り口。定番アイテム。
Mad Professor Deep Blue DelayMad ProfessorAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ディレイソロ活動やライブで使用。温かみのあるディレイ。
Menatone Shut Up & DriveMenatoneAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.オーバードライブ2010年代のライブで確認。
Bogner WessexBognerAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.オーバードライブ2015年頃のライブで使用。
Electro-Harmonix Memory BoyElectro-HarmonixAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ディレイ2015年ライブで確認。アナログ感のあるサウンド。
Electro-Harmonix Memory ManElectro-HarmonixAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ディレイ「Under Control」「Barely Legal」で使用。
Electro-Harmonix Holy Grail ReverbElectro-HarmonixAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.リバーブ『Is This It』で使用。シンプルなリバーブ。
Stone Deaf PDF-1Stone DeafAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.イコライザーパラメトリックEQ/ドライブ。細かい調整用。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【The Strokes・Albert Hammond Jr.】

Guitar and amplifiers ready for some music.

Albert Hammond Jr.の音作りは、一見すると非常にシンプルですが、その裏には緻密なセッティングとEQバランスがあります。まず重要なのは、アンプの基本セッティングです。ライブでよく用いられるFender Twin Reverbでは、「高音7 / 中音4 / 低音4」といった設定が推奨されるケースが多く、この数値からも分かるように高音域を強調して抜けを確保しつつ、ローをタイトに抑えてバンド全体での混ざり方を調整しています。Fender系アンプ特有のクリアで広がるトーンをベースに、エフェクターで必要最低限のドライブ感やリバーブを加えるのが基本スタイルです。

『Is This It』のレコーディングではFender Hot Rod DeVille 212が使用されました。このアンプは太めのクリーントーンが特徴で、アルバートはそこにVisual Sound Jekyll & HydeBoss DS-1を組み合わせて、軽く歪んだローファイなサウンドを作り出しました。エフェクターのゲインは上げすぎず、あくまでクリーン寄りのトーンを崩す程度にとどめています。この「クランチ寸前」のニュアンスこそが、ストロークスらしい生々しいギタートーンの秘訣です。

楽曲ごとにセッティングも変化しています。「Last Nite」や「Someday」ではDS-1によるストレートなディストーションが軸となり、ややミドルを抑えてジャングリーな響きを強調。一方「Trying Your Luck」や「Under Control」では、ストラトのネックピックアップやミドルピックアップを活用し、やや柔らかいトーンを演出。ここではHoly Grail ReverbMemory Manといった空間系が活躍し、温かみと奥行きを加えています。

Albert Hammond Jr.のEQバランスは、基本的にローを削り、ハイを持ち上げる傾向があります。これは、ツインギター編成であるThe Strokesにおいて、Nick ValensiのGibson系ギターが厚みのある中低域を担当するため、アルバートの役割は「カッティングとリフの抜け」を担うからです。つまり、ミックス全体での分業が前提になっており、単体で聴くと薄めに感じるセッティングでも、バンド全体では完璧に機能するよう調整されているのです。

また、ライブにおけるPAやミックス処理でも工夫が施されています。ストロークスのサウンドは「生っぽさ」「荒さ」を強調するため、リバーブやコンプレッサー処理は控えめで、マイク録りされたアンプの音をほぼそのまま出すことが多いとされています。ギターはSM57などの定番マイクで収録され、中域をやや持ち上げるEQで前に出すのがセオリーです。アルバートのギターは左右の定位にパンニングされ、ジュリアン・カサブランカスのボーカルを中心に据えるバランス設計が取られています。

ソロ活動や2010年代以降のライブでは、より多彩なエフェクターを導入してサウンドに変化を与えています。Bogner WessexMenatone Shut Up & Driveによって異なる質感のオーバードライブを使い分け、さらにDeep Blue DelayMemory Boyなどを併用して奥行きを増しています。それでも基本哲学は変わらず、「音を足す」というより「必要なキャラクターを切り替える」という感覚で用いられています。

総合的に見ると、Albert Hammond Jr.の音作りは「アンプ直のクリアな基音を大切にし、その上で最小限のエフェクトとEQでキャラクターを付与する」という考え方に集約されます。これはバンド全体のアンサンブルを重視する彼ならではのアプローチであり、単なる機材選びではなくミックスの中でどう聞こえるかを第一に考えている、と想定されます。

比較的安価に音を近づける機材【The Strokes・Albert Hammond Jr.】

Albert Hammond Jr.のサウンドを忠実に再現するには、シグネチャーのストラトキャスターやFenderアンプ、ブティック系エフェクターを揃えるのが理想です。しかし、それらは総額で数十万円を超えてしまうことも珍しくありません。そこで、初心者や中級者でも手に入れやすい価格帯(1〜5万円程度、最大でも10万円以下)で「近い音」を目指すための代替機材を紹介します。

まず、ギターに関してはアルバートの核となるストラトキャスターが最重要です。本家シグネチャーモデルはやや高価ですが、代替としておすすめなのはSquier Classic Vibe 70s Stratocasterです。価格を抑えつつも、ローズ指板やビンテージ風の仕様でアルバートの音に近づけやすい一本です。ピックアップの出力も控えめで、軽くドライブさせた時に「クランチ寸前の質感」を再現しやすい点も魅力です。

アンプに関しては、Fender Twin ReverbやHot Rod DeVilleの代替としてFender Champion 40Boss Katana 50 MkIIが候補になります。Champion 40はFenderらしいクリーントーンを持ち、EQ調整によって「高音を強め・低音を控えめ」にすることでアルバートの音作りに近づけられます。Katanaは多機能ですが、クリーンチャンネルに絞って使用し、軽いブーストを加えることで、ライブでも十分対応可能なサウンドを得られます。

エフェクターでは、まずBOSS DS-1 Distortionが外せません。価格も手頃で、アルバートの代表曲「Last Nite」「Someday」のディストーションサウンドを即座に再現可能です。さらにブースター用途にはMXR Micro Ampが定番ですが、より安価に近い機能を求めるならBOSS GE-7 Equalizerをブースター代わりに使うのも手です。ミドルを少し持ち上げてレベルを上げれば、似たようなクリーンブースト感を得られます。

空間系エフェクトについては、BOSS DD-8 Digital Delayが汎用性の高さからおすすめです。アナログモードを選べばMemory Man風の温かみを再現できますし、モダンな設定でDeep Blue Delayに近い質感も狙えます。リバーブに関しては、BOSS RV-6Electro-Harmonix Holy Grail Nanoが候補。特にHoly Grail NanoはAlbertが実際に使用したHoly Grailの廉価版であり、再現度の高さという意味で最も手軽な選択肢と言えるでしょう。

これらの組み合わせを使うことで、「ストラト+クリーンアンプ+DS-1+シンプルなリバーブ/ディレイ」というAlbert Hammond Jr.らしい音作りを安価に再現することが可能になります。ポイントは「歪みすぎない」「クリーンを基盤にする」「高音を抜けさせる」こと。この3つを意識すれば、高価なシグネチャーモデルを持たなくても、十分にストロークスらしいサウンドに迫ることができます。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
ギターSquier Classic Vibe 70s StratocasterSquierAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.シグネチャーモデルより安価。ビンテージ風仕様で再現性が高い。
アンプFender Champion 40FenderAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.Fender系クリーンを安価に再現可能。高音を強めに設定すると良い。
アンプBOSS Katana 50 MkIIBOSSAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.多機能アンプだが、クリーンチャンネルで十分再現可能。
ディストーションBOSS DS-1 DistortionBOSSAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.「Last Nite」「Someday」の音を再現可能。初心者にも最適。
ブースター/イコライザーBOSS GE-7 EqualizerBOSSAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.ブースター代用としても使用可能。ミドルを持ち上げると効果的。
ディレイBOSS DD-8 Digital DelayBOSSAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.アナログモードでMemory Man風、標準モードで現代的にも対応。
リバーブElectro-Harmonix Holy Grail NanoElectro-HarmonixAmazonで探すThe StrokesAlbert Hammond Jr.本人使用のHoly Grailを簡易に再現。コンパクトで扱いやすい。

総括まとめ【The Strokes・Albert Hammond Jr.】

まとめイメージ

Albert Hammond Jr.のサウンドは、一言で言えば「シンプルなのに抜群に個性的」です。彼のプレイスタイルは派手なテクニックに頼るものではなく、ピックアップの選択やピッキングの強弱、アンプの微妙なセッティングによって独特のニュアンスを生み出しています。これはThe Strokesというバンド全体のコンセプトにも直結しており、「ローファイで荒々しいが、絶妙にバランスの取れた音像」を作り上げる上で欠かせない要素となっています。

特に注目すべきは、アルバートの役割が「ギター単体の存在感」ではなく「バンド全体での音の抜け」を意識している点です。彼のセッティングは単体で聴くとやや硬質でドライに感じることもありますが、Nick Valensiの厚みあるギブソンサウンドやJulian Casablancasのボーカルと合わさることで、初めて完成するように設計されています。つまり、彼の音作りはアンサンブル全体の設計図の中に存在しているのです。

また、使用機材にも「本質を突いた選択」が見られます。Fender Stratocasterをメインに据えることで、クリーンとクランチの中間領域を巧みに操り、必要に応じてDS-1やJekyll & Hydeでドライブを加える。その上でリバーブやディレイを最小限に活用することで、荒々しくも奥行きのあるトーンを形成しています。この「最小限の道具で最大限の個性を出す」という姿勢は、多くのギタリストにとって再現のヒントになるでしょう。

さらにソロ活動以降は、ブティック系のペダルを取り入れるなど、より多彩な音作りへと発展していますが、それでも核となる思想は変わりません。それは「クリーンを基盤に、ほんの少しの歪みで彩る」という哲学です。この考え方さえ押さえておけば、必ずしも全く同じ機材を揃えなくても、アルバートらしい音に近づけることが可能です。

まとめると、Albert Hammond Jr.の音作りの本質は「クリーンとクランチの絶妙なバランス」「バンド全体を見据えたサウンド設計」「最小限のエフェクトで最大限の効果」にあります。機材に頼るよりも、まずはピッキングのニュアンスやアンプのEQ調整を重視し、音を「削る」発想でアンサンブルを作ることが、ストロークスらしいサウンドを再現する最大の鍵です。

あなたがもしストロークスの楽曲をカバーしたり、アルバートのようなギターサウンドを目指すなら、「シンプルな機材で、必要最小限の工夫を加える」ことを意識してみてください。高価な機材を揃えるのも楽しいですが、本質はもっと根本的な部分にあります。Albert Hammond Jr.が証明しているのは、音楽において「余白」や「引き算」がいかに強力な武器になるかということなのです。

下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!

🎸 ギター

Fender Stratocaster

Fender/Mexico Albert Hammond Jr. Signature Stratocaster (Olympic White)
2018年発売。1972年製ストラト「Hot Rod」に基づくシグネチャーモデル。3基のカスタムセラミックシングルコイル、7.25インチRのローズ指板、21フレット、ヴィンテージトレモロをボディにフラット設置。通常はミドルPUを使用、「Trying Your Luck」ではネックPUも使用。

Gibson Les Paul Special

Gretsch White Penguin

Rickenbacker 325

Guild Acoustic

Martin Acoustic

🔊 アンプ

Fender Hot Rod DeVille 212
『Is This It』のレコーディングで使用。彼の初期サウンド形成に重要。

Fender Twin Reverb
ライブや再現用に定番。推奨設定例:高音7 / 中音4 / 低音4。

Hiwatt Custom 50 Head

Hiwatt Cabinet(Custom 50と併用)

Peavey Amp

🎛️ エフェクター

Visual Sound V1 Jekyll & Hyde Ultimate Overdrive
初期ストロークスのサウンドの鍵。『Is This It』の多くはこのペダル由来とも言われる。2015年のライブでは2台確認。設定目安:トーン8〜9時 / ゲイン11〜12時。

MXR M-133 Micro Amp
クリーンブーストとして不可欠。

Boss DS-1 Distortion
トレードマーク的ペダル。「Last Nite」「Someday」などで使用。

Boss DD-3 Digital Delay

Boss TU-2 Chromatic Tuner

Mad Professor Deep Blue Delay

Menatone Shut Up & Drive

Bogner Wessex
2015年のライブで使用。

Electro-Harmonix Memory Boy
2015年のライブで確認。

Electro-Harmonix Memory Man
「Under Control」「Barely Legal」などで使用。豊かなアナログディレイ。

Electro-Harmonix Holy Grail Reverb
クリーントーンに深みを加えるシンプルなリバーブ。『Is This It』で使用。

Stone Deaf PDF-1
大型筐体のパラメトリックEQ/ドライブペダル。

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