【Paul Waggoner(ポール・ワゴナー)・Between the Buried and Me(ビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・ミー)】風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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① 始めに(特徴紹介)

Between the Buried and Me(BTBAM)のリードギタリスト、Paul Waggoner(ポール・ワゴナー)は、現代プログレッシブ・メタルシーンにおいて最も多才で、かつテクニカルなプレイヤーの一人です。
彼のサウンドの最大の特徴は、狂暴なデスメタル的リフから、ジャズ、カントリー、美しいアンビエント・クリーントーンまでを一瞬で切り替える圧倒的な表現力にあります。

BTBAMの楽曲は非常に複雑で、1曲の中で激しい歪みと透き通るようなクリーンが目まぐるしく入れ替わります。
そのため、ポールの音作りは「高解像度な歪み」と「奥行きのある空間系」の両立が徹底されており、特に近年はFractal AudioのAxe-FxやKemperといったハイエンドなデジタル機材を駆使し、緻密に構築されたプリセットでその多種多様なサウンドを再現しています。

スイープ・ピッキングや高速なオルタネイト・フレーズでも音が潰れず、1音1音がはっきりと聴こえる分離感の良さは、彼の卓越したピッキングニュアンスと、徹底して計算された機材セッティングの賜物です。
プログレ・メタル・フォロワーのみならず、全てのギタリストにとって、彼の「システムとしての音作り」は非常に参考になるはずです。

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②使用アンプ一覧と特徴【Between the Buried and Me・Paul Waggoner】

ポールのキャリアを通じて、核となっているのはMesa/Boogieのアンプサウンドです。初期から中期にかけてはDual RectifierやMark Vを愛用し、あの分厚くもタイトな「アメリカン・ハイゲイン」を鳴らしていました。
特に『Parallax II』のレコーディングでは、実機のアンプとデジタルシミュレーターを巧みに併用し、モダンな質感を追求しています。

また、BTBAMのサウンドに欠かせないのが「クリーン専用アンプ」の存在です。激しい歪みの中に突然現れるジャジーなパートや美しいアルペジオを表現するために、Roland JC-120を導入していた時期もあり、歪みとクリーンの系統を完全に分ける「A/Bシステム」が彼のサウンドの土台となっています。

近年では機材のポータビリティと音色の再現性を重視し、Kemper ProfilerやAxe-Fxといったプロファイリング・アンプへ移行。ライブではこれらをMesaのSimul-Class 2:90などのパワーアンプで増幅し、Port Cityのキャビネットから鳴らすスタイルが定着しています。これにより、スタジオクオリティの複雑なエフェクト処理をステージで完璧に再現することが可能になっています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
Mark V Mesa Boogie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 『Parallax II』で使用。多機能なサウンドの要。
Dual Rectifier Rackmount Mesa Boogie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 1997年頃から過去に使用。初期の激しい歪みを作る。
JC-120 Jazz Chorus Roland 検索 検索 検索 検索 検索 検索 クリーントーン用として導入。
Kemper Profiler Kemper 検索 検索 検索 検索 検索 検索 最新のライブ・配信セットアップの核。
Standard Recto 4×12 cab Mesa Boogie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 レコーディング等で使用される定番キャビネット。
2×12 cabs Port City 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ステレオ環境で使用。レンジの広さが特徴。
PPC Cabs Orange 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ライブツアー等で使用歴あり。
Stereo 2 Fifty Mesa Boogie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 バックアップ用パワーアンプ。
Simul-Class 2:90 Mesa Boogie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Axe-Fxと組み合わせてライブメインで使用。
Fullrange Monitor ISP 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Kemperのモニター用。フルレンジ再生が可能。

と、想定されます。特にMesaのアンプシミュレーションをいかにリアルに鳴らすかが、ポールのセットアップの鍵となっています。

③使用ギターの種類と特徴【Between the Buried and Me・Paul Waggoner】

[Image of Ibanez S Series guitar]

ポール・ワゴナーのギターの歴史は、大きく分けて「Ibanez期」と「PRS使用期」、そして現在の「Ibanezシグネチャー期」に分類できます。キャリア初期から中期の『Alaska』や『Colors』といった名盤では、IbanezのSシリーズをメインに使用していました。
Sシリーズの薄く軽量なマホガニーボディは、テクニカルなプレイをサポートするだけでなく、EMGピックアップとの組み合わせで非常にタイトかつアグレッシブなハイゲインサウンドを生み出していました。

その後、PRS(Paul Reed Smith)のCustom 24やCE 24などを導入。PRS特有の明瞭なサスティンと美しいクリーントーンは、BTBAMの音楽性がよりプログレッシブに深化していく過程で重要な役割を果たしました。特にライブ映像『Colors_LIVE』などで見られるPRSの姿は、ファンにとっても印象深いものです。

現在はIbanezから自身のシグネチャーモデル「PWM」シリーズが発売されています。これはSシリーズをベースにしつつも、ボディをより厚みのあるアッシュ材に変更し、独自のMojotone製ピックアップ「PW Hornet」を搭載したもの。アッシュ材による輪郭のハッキリした低域と、セラミックマグネットによる高出力かつクリアなリードトーンが、現在のBTBAMサウンドの核となっています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス ギターの種類 備考
PWM100 Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッドギター 現行シグネチャー。アッシュ厚胴。
PWM10 Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッドギター 初期シグネチャーモデル。
PWM20 Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッドギター PWM10のホワイトモデル。
Custom 24 PRS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッドギター 一時期メインで使用。BKピックアップ搭載例あり。
S1625TKS Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッドギター 『Alaska』レコーディングで使用。EMG搭載。
S2170FB Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ソリッドギター 『Colors』レコーディングで使用。

と、想定されます。テクニカルなプレイを追求するならIbanez、よりレンジの広いプログレ感を出すならPRSという使い分けが見て取れます。

④使用エフェクターとボード構成【Between the Buried and Me・Paul Waggoner】

ポールのエフェクターシステムは、時代と共に「コンパクトエフェクター主体」から「Fractal Audio Axe-Fxを中心とした完全制御システム」へと進化しました。初期はBoss NS-2やTU-2、IbanezのWeeping Demonワウといった定番を並べていましたが、楽曲の複雑化に伴い、MIDIによる一括制御が必要不可欠となりました。

Axe-Fx II導入以降、彼はアンプシミュレーションだけでなく、膨大なディレイやリバーブのパッチを作成しています。BTBAM特有の「空間がねじ曲がるようなアンビエント」は、Strymon BigSkyのIceモードや、Wamplerのモジュレーション・ディレイなどによって作られています。特にStrymon BigSkyは、メタル・サウンドの中に幻想的なレイヤーを加えるポールの音作りを象徴する機材です。

一方で、ドライブ感の微調整にはこだわりがあり、Axe-Fx内部でもIbanez TS808(チューブスクリーマー)のモデルをリズムトーンのブーストに使用しています。これはハイゲインアンプの低域をタイトにし、リードでのサスティンを稼ぐためのメタル界における鉄板の手法です。足元にはMission Expression Pedalsを2台置き、ワウとボリューム(またはエフェクトのパラメーター)をリアルタイムでコントロールしています。

機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス エフェクターの種類 備考
Axe-FX II Fractal Audio 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ギター用マルチエフェクター システムの中核。パッチ管理に使用。
BigSky Strymon 検索 検索 検索 検索 検索 検索 リバーブ 「Ice」設定でシマーサウンドを生成。
WD7 Weeping Demon Ibanez 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ワウペダル ポールお気に入りの多機能ワウ。
Faux Tape Echo Wampler 検索 検索 検索 検索 検索 検索 エコー モジュレーションの効いたディレイ。
Leviathan Wampler 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ファズ 特徴的なソロ等で使用。
NS-2 Boss 検索 検索 検索 検索 検索 検索 ノイズリダクション ハイゲイン時のノイズ対策。

と、想定されます。複雑なルーティングをAxe-Fxで完結させつつ、味付けに特定のペダルを混ぜるのが彼の流儀です。

⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Between the Buried and Me・Paul Waggoner】

ポール・ワゴナーの音作りにおける最大の課題は、「デスボイスを伴う重厚なリフ」と「繊細なクリーントーン」、そして「テクニカルなソロ」を同一のミックス内で成立させることです。彼のEQセッティングは、典型的な「ドンシャリ」ではなく、中音域(Mid)をしっかりと残した芯のあるサウンドが基本です。これにより、バンド全体の中でベースやドラムのキックと衝突せず、ギターの存在感を際立たせています。

具体的なEQ設定例とアンプの挙動:
リズムトーンでは、Mesa系の歪みに対し、Lowを出しすぎない(4〜5程度)のがコツです。超低域はベースに任せ、ギターは100Hz〜200Hz付近の「タイトなパンチ感」に集中させます。一方でHighは明瞭さを出すために上げますが、耳に痛くないようPresenceで調整。そして最も重要なのはチューブスクリーマー(TS808等)を「Gain 0 / Level Max」で前段に置くことです。これで低域がスリムになり、複雑なコード感も損なわれない高解像度な歪みが完成します。

クリーントーンの工夫:
ポールのクリーンは、単なる「歪みのない音」ではありません。コンプレッサー(Boss CS-3等)を薄くかけ、音の粒立ちを均一にした後、深めのディレイとリバーブを加えます。BTBAMの楽曲では、クリーンパートで「シマー(Shimmer)」リバーブ(BigSky等)を多用し、ギター1本でシンセサイザーのような広がりを演出するのが特徴です。これにより、3ピースや4ピースの編成でも埋まらない、壮大なスケール感を生み出しています。

ミックスと切り替えの美学:
ライブでは、FractalやKemperの「シーン(Scene)」機能をフル活用しています。曲のセクションに合わせてEQの微調整やディレイのフィードバック量を瞬時に切り替えることで、音量差を感じさせずに音色だけをドラマチックに変化させます。PAエンジニアにとっても、ポールの出力は常に整理されており、ミックスしやすい「完成された音」として提供されているのが強みです。

と、想定されます。彼の音作りは「足し算」だけでなく、帯域を整理する「引き算」の思考が非常に強く反映されています。

⑥比較的安価に音を近づける機材【Between the Buried and Me・Paul Waggoner】

ポールの本物のシステム(Axe-Fxやシグネチャーギター)を揃えるには数百万円単位の予算が必要ですが、その「エッセンス」を取り出すことで、5万円〜10万円程度の予算でもかなり近いニュアンスを再現可能です。
鍵となるのは「Mesa系の歪み」「チューブスクリーマー系のブースト」「高品位な空間系」の3点です。

種類 機材名 メーカー Amazon 楽天 Yahoo! メルカリ 石橋楽器 サウンドハウス 備考
ギター SE Custom 24 PRS 検索 検索 検索 検索 検索 検索 コスパ最強。ポールも過去Colorsで使用。
プリアンプ Throttle Box Mesa Boogie 検索 検索 検索 検索 検索 検索 Mesaの歪みをペダルで再現。
マルチ POD GO Line 6 検索 検索 検索 検索 検索 検索 これ一台でBTBAMの複雑なルーティングが可能。

なぜ似ているか:
PRS SE Custom 24は、ポールが実際に使用していたモデルの下位互換ですが、24フレット仕様とクリアなピックアップにより、テクニカルなプレイへの対応力は抜群です。
Mesa Boogie Throttle Boxは、彼が長年愛用するRectifierのサウンドをシミュレートしたペダルであり、これをクリーンアンプに繋ぐだけで、あの独特の粘りがあるハイゲインが手に入ります。
また、BTBAMの音作りはディレイやリバーブの「質」が重要です。POD GOのような現代のマルチエフェクターなら、Strymonに近い高品位な空間系やシマー・リバーブが搭載されており、スナップショット機能を使えばポールのような劇的な音色切り替えも再現可能です。

⑦総括まとめ【Between the Buried and Me・Paul Waggoner】

ポール・ワゴナーの音作りの本質は、「カオスの中にある秩序」です。Between the Buried and Meの音楽は、一見すると支離滅裂なほど多様なジャンルが混ざり合っていますが、ポールのギターサウンドが一本の太い芯として通っているからこそ、楽曲として成立しています。

彼のような音を目指す際、最も重要なのは「各パートにおける自分の役割を理解すること」です。激しいリフの時はベースと一体化するためのタイトな歪みを、美しいアルペジオの時はバンドの隙間を埋めるための広大な空間を、ソロの時は歌声を追い越すような艶やかなリードを。これらを瞬時に切り替えるための「システム」を構築することが、再現への第一歩となります。

機材面では、まずMesa/Boogie系のサウンド(またはそのシミュレーター)を手に入れ、そこにチューブスクリーマーを組み合わせて「タイトさ」を追求してください。そして、最後に良質なリバーブで「奥行き」を加える。この3ステップを意識するだけで、あなたのギターからはBTBAMの香りが漂い始めるはずです。技術的な難易度は高いですが、その音へのこだわりをトレースすることは、あなたのギタリストとしての視点を一段階引き上げてくれるでしょう。

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