Marshallアンプでの音作り:JCM2000とDSL100の設定とサウンドメイクのポイント
Marshallのアンプは、ロックからメタルまで幅広いジャンルで人気を集める名機。特にJCM2000シリーズのTSLとDSL100は、柔軟な音作りと力強いサウンドで多くのギタリストから愛されています。ここでは、JCM2000(TSL)とDSL100の2機種で理想のトーンを作り出すための設定やポイントについて詳しくご紹介します。
音作りの基本:理想のクリーンをベースにエフェクターで色付け
音作りの基本は、アンプ自体のクリーンサウンドをしっかり整え、エフェクターでさらに音色を強調することです。まずはアンプのEQを調整し、理想のクリーントーンを作り出すことから始めましょう。その後、エフェクターで必要に応じてディストーションやモジュレーションを加えると、まとまりのあるサウンドになります。
JCM2000(TSL)の音作り設定
1パターン目:バランスの取れたクリーントーン
- イコライザーの基本設定
- 3バンドEQ(Bass、Middle、Treble)をそれぞれ「12時」または「9時」に設定。
- トレブルとベースは控えめにし、音の抜けを重視したバランスを取ります。
- ミドルの調整
- 音抜けの良いポイントを探るため、ミドルを重点的に調整します。ミドルがしっかりしていることで、サウンドに厚みが加わります。
- プレゼンスの活用
- 最後にプレゼンスで倍音を追加し、全体のサウンドに輝きを持たせます。DEEPスイッチやTONEスイッチは使用せず、シンプルなクリーントーンを目指します。
- ゲインとボリュームの調整
- ゲインを「9時」に設定して軽い歪みを持たせます。必要に応じて「8時」に下げたり、ギター側のボリュームで調整し、柔らかいクリーントーンを維持します。
セッティング例
- TREBLE: 1時、BASS: 9時半、MIDDLE: 12時半、GAIN: 8時半、PRESENCE: 10時、REVERB: 1時
この設定で、リアピックアップを使用した軽快なアルペジオやファンキーなカッティングが楽しめます。
2パターン目:クランチサウンドの追求
JCM2000のクランチチャンネルで、中音域を強調した豊かなクランチトーンを作りましょう。
- クランチチャンネル選択
- CHANNEL AのCRUNCHモードを使用します。マーシャルらしい力強いクランチトーンが得られます。
- VOLUMEとGAINの設定
- ボリュームを「フルテン」にし、その後ゲインで歪み具合を調整。マスターボリュームを少し下げてからゲインを上げると、音に豊かさが加わります。
- エフェクターの活用
- クランチ自体の歪みは控えめに設定し、外部エフェクターでさらに歪みを追加すると、ふくよかなサウンドが作れます。
セッティング例
- Gain: 8〜11、Volume: 14
補足
- JCM2000は、トレブルを上げすぎると「耳が痛い」サウンドに、ベースを上げすぎると「輪郭がぼやけた」サウンドになりがちです。特にDEEPスイッチ(超低音域ブースト)やTONEスイッチ(中音域カット)は、ハードロックやヘヴィメタル向けに適しているため、ジャンルに応じて使い分けると良いでしょう。
DSL100の音作り設定
DSL100は、TONE SHIFTボタンとDEEPスイッチによって、音のカスタマイズが柔軟に行えます。クリーンで歪みが少ないサウンドから、ドンシャリのハードサウンドまで、幅広いサウンドメイキングが可能です。
- TONE SHIFTスイッチ
- TONE SHIFTをオンにすると中音域が若干凹み、ドンシャリサウンドが得られます。ハードロックやメタル向けのサウンドが欲しい場合に効果的です。
- DEEPスイッチ
- DEEPスイッチをオンにすることで超低音域がブーストされ、さらに迫力あるサウンドになります。ジャンルに合わせて使い分けましょう。
- リードチャンネルでクランチ設定
- リードチャンネルを使って軽いクランチを作り、足元のエフェクターでブーストすると、表情豊かな音が得られます。EQの設定は、最初に全て「12時」に合わせ、調整を加えながら微調整するのがオススメです。
まとめ
Marshall JCM2000とDSL100は、どちらも個性豊かなサウンドが特徴で、しっかりとしたクリーントーンから迫力のクランチトーンまで、幅広い音作りが可能です。エフェクターを上手に組み合わせ、各スイッチやEQを使いこなすことで、理想的なサウンドを追求してみてください。
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