クレイマー(Kramer)の歴史
創業者、創業年、発祥地について
クレイマー(Kramer)は、1970年代後期にカリフォルニア州でゲイリー・クレイマー(Gary Kramer)とデニス・ベラルディ(Dennis Berardi)によって設立されたアメリカのギターメーカーです。ゲイリー・クレイマーは以前、アルミニウムネックで有名なトラヴィス・ビーン(Travis Bean)と共にTravis Bean Guitar Companyを立ち上げていましたが、ビジネス上の意見の相違から袂を分かちました。
1975年、クレイマーはニューヨーク出身の友人デニス・ベラルディと共にBKインターナショナルを設立。投資家としてヘンリー・ヴァッカロ(Henry Vaccaro)と、Gibson Guitar Corporationの親会社であるNorlinの副社長だったピーター・ラプラカ(Peter LaPlaca)が参加しました。1976年にニュージャージー州ネプチューンに工場を開設し、本格的な楽器製造を開始しました。
代表的なモデル紹介
Baretta(バレッタ)
1ハムバッカー仕様のクレイマーの代名詞的モデル。エディ・ヴァン・ヘイレンが使用したことで一躍有名になった。
Pacer(ペイサー)
クレイマー初期の木製ネックモデル。ストラトタイプの3ピックアップ構成が特徴的。
Voyager(ボイジャー)
斬新なボディシェイプが特徴的なモデル。現在も人気の高いデザイン。
NightSwan(ナイトスワン)
ホワイトスネイクのヴィヴィアン・キャンベルが使用したことで知られる黒を基調としたモデル。
楽器シーンに与えた影響
クレイマーは1980年代のハードロック・ヘヴィメタルシーンにおいて革命的な影響を与えました。1985年と1986年に全米ベストセラーギターブランドとなり、エディ・ヴァン・ヘイレンとの提携により「シュレッドギター」の代名詞となりました。
クレイマー(Kramer)の特徴・基本性能・サウンド傾向
音のキャラクター
クレイマーギターは「攻撃的で突き抜けるようなサウンド」が特徴です。特にハイゲインアンプとの相性が抜群で、エディ・ヴァン・ヘイレンが追求した「ブラウンサウンド」の再現に適しています。
- 高域の明瞭さ:シャープで切れ味の良いトーン
- サスティーンの良さ:フロイドローズシステムとの組み合わせで長いサスティーン
- パワフルな中低域:ヘヴィリフに最適な重厚感
- レスポンスの良さ:ピッキングニュアンスを忠実に再現
ボディ形状やピックアップの特徴
ボディ形状:
- 多くのモデルでアルダーやマホガニーを使用
- エッジの効いたアグレッシブなデザイン
- 軽量で演奏しやすいバランス設計
ピックアップ:
- 1980年代中期以降はセイモア・ダンカン(Seymour Duncan)製を標準採用
- 初期はシャラー(Schaller)やディマジオ(DiMarzio)製を使用
- 現行モデルではクレイマー純正ピックアップも展開
他ブランドとの違い
項目 | クレイマー | フェンダー | ギブソン |
---|---|---|---|
サウンド傾向 | 攻撃的・ハイゲイン向け | クリーンからクランチ | 温かみのあるヴィンテージトーン |
主要ジャンル | ハードロック・メタル | ブルース・ポップス | ブルース・ハードロック |
価格帯 | 15万~40万円 | 10万~100万円 | 20万~200万円 |
特徴的装備 | フロイドローズ標準 | シンクロナイズドトレモロ | チューンオマチック |
クレイマー(Kramer)の使用アーティスト
有名使用アーティスト
エディ・ヴァン・ヘイレン
Van Halen – 1980年代のクレイマーの象徴的存在。5150やBarettaを愛用。
リッチー・サンボラ
Bon Jovi – Jersey Starモデルのシグネチャーアーティスト。
ヴィヴィアン・キャンベル
Whitesnake/Def Leppard – NightSwanモデルで知られる。
ミック・マーズ
Mötley Crüe – エディから譲り受けたクレイマーを愛用。
ジョー・ペリー
Aerosmith – 1980年代に多数のクレイマーを使用。
モデル × アーティスト対応表
モデル名 | 主要使用アーティスト | 使用楽曲・アルバム | 特徴 |
---|---|---|---|
Baretta | エディ・ヴァン・ヘイレン | 1984、5150 | 1ハムバッカー、フロイドローズ |
Jersey Star | リッチー・サンボラ | Slippery When Wet | スターシェイプ、3ハムバッカー |
NightSwan | ヴィヴィアン・キャンベル | Slip of the Tongue | 黒ボディ、2ハムバッカー |
Pacer | 複数アーティスト | – | ストラトタイプ、3ピックアップ |
クレイマー(Kramer)の関連ギターブランド
姉妹ブランド・廉価版
- Gibson – 1997年にクレイマーを買収した親会社
- Epiphone – 1990年代後期から2000年代にかけてクレイマーブランドで製品を展開
- Focus シリーズ – クレイマーの廉価版ライン(1980年代後期)
ライバル・同ランクブランド
- Jackson – 同時期のハードロック・メタル向けブランド
- Charvel – カスタムショップ系の高品質ブランド
- ESP – 日本発のメタル向けブランド
- B.C. Rich – エクストリームなボディシェイプで有名
- Dean – ヘヴィメタル向けの個性的なデザイン
クレイマー(Kramer)ラインナップとおすすめモデル一覧
モデル名 | 特徴 | 価格帯 | 使用アーティスト | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
Baretta Special | エントリーモデル、クレイマーサウンドの入門機 | 15万~20万円 | エディ・ヴァン・ヘイレン | ★★★★☆ |
The 84 | 1984年モデルの復刻、バナナヘッド仕様 | 25万~35万円 | エディ・ヴァン・ヘイレン | ★★★★★ |
Jersey Star | リッチー・サンボラシグネチャー | 30万~40万円 | リッチー・サンボラ | ★★★★☆ |
Pacer Vintage | クラシックなストラトタイプ | 20万~30万円 | – | ★★★☆☆ |
NightSwan | ヴィヴィアン・キャンベルモデル | 25万~35万円 | ヴィヴィアン・キャンベル | ★★★★☆ |
SM-1 | ハイエンドモデル、セイモアダンカンPU搭載 | 35万~45万円 | – | ★★★★★ |
Assault 220 | 現代的なモダンロック向け | 20万~30万円 | – | ★★★☆☆ |
コレクターにおすすめ:The 84
プロ仕様:SM-1、Jersey Star
クレイマー(Kramer)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
ポジティブ意見
- 音質:「ハイゲインサウンドが素晴らしい。特にリードトーンが際立つ」
- デザイン:「80年代らしいアグレッシブなルックスがカッコいい」
- 演奏性:「ネックが薄く、早弾きがしやすい。フロイドローズの安定性も抜群」
- サスティーン:「音の伸びが良く、ソロプレイに最適」
- 希少性:「ヴィンテージモデルの価値が高く、コレクション性がある」
ネガティブ意見
- 重量:「ボディが重く、長時間の演奏では疲れる」
- 価格:「ヴィンテージモデルは非常に高価で手が出しにくい」
- 調整:「フロイドローズの調整が複雑で、初心者には難しい」
- 汎用性:「ハードロック以外のジャンルでは使いにくい」
- メンテナンス:「専用の知識が必要で、一般的な楽器店では対応できない場合がある」
総評コメント(AI要約)
クレイマー(Kramer)の新品・中古価格比較と最安値先
価格相場(2024年9月時点)
モデル | 新品価格 | 中古価格 | ヴィンテージ価格 |
---|---|---|---|
Baretta Special | 15万~20万円 | 8万~15万円 | 30万~80万円(1980年代) |
The 84 | 25万~35万円 | 20万~30万円 | 100万~300万円(オリジナル) |
Jersey Star | 30万~40万円 | 25万~35万円 | 80万~200万円(1980年代) |
クレイマー(Kramer)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
同価格帯・同特徴のギター
Jackson Soloist
価格:20万~40万円
特徴:スルーネック構造、優秀なサスティーン
音色:クレイマーより若干マイルド
Charvel Pro-Mod
価格:15万~35万円
特徴:カスタムショップ品質、高い完成度
音色:クレイマーに近いアグ
- 公式サイト:クレイマー 公式
- 販売サイト:
本記事はクレイマー(Kramer)の公式情報および主要販売サイトを参考にしています。
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