カナダ・ケベック州で生まれたゴダン(Godin)は、革新的な技術と高品質な木材で世界中のミュージシャンから愛されるギターブランドです。エレガットからフルアコ、エレキギターまで幅広いラインナップを展開し、特にピエゾピックアップとギターシンセサイザー対応で知られています。メタリカのカーク・ハメット、ディープ・パープルのリッチー・ブラックモア、ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズなど、多くの著名アーティストが愛用する理由を詳しく見ていきましょう。
ゴダン(Godin)の歴史
創業者ロベール・ゴダンと会社設立の経緯
ゴダン・ギターズは、1972年にロベール・ゴダン(Robert Godin)によってカナダ・ケベック州ラ・パトリ(La Patrie)で設立されました。ロベール・ゴダンは7歳でギターを始め、15歳で叔母の楽器店でレッスンを教えるほどの音楽への情熱を持っていました。当初は「ラシド(Lasido)」という社名でOEM製造を中心に事業をスタートし、主にクラマー(Kramer)、ペンサ(Pensa)、Mighty Miteなどのブランドの製造を手がけていました。
代表的なモデルの誕生と発展
ゴダンの革新性を象徴するのがマルチアック(Multiac)シリーズです。このエレガットシリーズは、アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターの特性を融合させた画期的な楽器として業界に大きな衝撃を与えました。また、5th Avenueシリーズのフルアコースティック・ギターや、ギターシンセサイザー対応のSAシリーズなど、独創的なモデルを次々と発表しています。
楽器業界への影響とイノベーション
ゴダンが楽器シーンに与えた最大の影響は、ピエゾピックアップ技術の普及とギターシンセサイザー対応楽器の開発です。特にローランドGR-シリーズとの互換性を持つ13ピン出力対応モデルは、現代のギターシンセサイザー市場の発展に大きく貢献しました。また、全製品をカナダ工場で製造するという徹底した品質管理は、北米ギター製造業界の新たなスタンダードを確立しました。
ゴダン(Godin)の特徴・基本性能・サウンド傾向
独特な音のキャラクター
ゴダンの音の特徴は、「高音域の明瞭さ」と「中域の温かみ」の絶妙なバランスにあります。特にエレガットシリーズでは、「ビヨンとした高音成分」と表現される独特な響きが特徴的で、バンドアンサンブルの中でも埋もれることのない存在感を発揮します。アコースティックとエレクトリックの中間的な音色で、ソロ演奏からアンサンブルまで幅広い用途に対応できます。
ボディ形状とピックアップシステム
ゴダンの最大の特徴はデュアルピックアップシステムです。多くのモデルで磁気ピックアップとピエゾピックアップの両方を搭載し、それぞれを独立してコントロールできます。ボディ厚はエレクトリック・ギター並みの薄型設計で、クラシック・ギターからの持ち替えでも違和感が少ないのが特徴です。特にマルチアック・シリーズでは、ネック幅もクラシック(52mm)とエレキの中間(47.6mm)に設定されています。
他ブランドとの違い
ゴダン vs フェンダー:フェンダーの伝統的なエレキサウンドに対し、ゴダンはアコースティックとエレクトリックの融合を追求
ゴダン vs ギブソン:ギブソンの重厚なロックサウンドに対し、ゴダンはより繊細で多彩な音色表現が可能
ゴダン vs マーチン:マーチンの純粋なアコースティックサウンドに対し、ゴダンは電気的増幅とシンセサイザー連携に特化
ゴダン(Godin)の使用アーティスト
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 | 列 1 |
---|---|---|---|---|---|---|
ACS Slim Black | Godin | Amazon最安値 | SIAM SHADE | DAITA | エレガット | アコースティック系楽曲で使用するエレクトリック・クラシックギター |
Godin A6 | Godin | Amazon最安値 | UVERworld | 克哉 | エレアコ | エレキ感覚で弾ける薄胴エレアコ。持ち替えがスムーズ。 |
Godin Multiac Nylon Fretless SA | Godin | Amazon最安値 | Mahavishnu Orchestra | John McLaughlin | フレットレス・ナイロン弦 | 最近の実験的プロジェクトで使用。シンセアクセス搭載。 |
Godin Multiac Nylon SA | Godin | Amazon最安値 | Return to Forever | Al Di Meola | エレガットギター | MIDI対応、Rolandシンセと併用。 |
Godin Multiac Steel Duet Ambiance | Godin | Amazon最安値 | Racer X | ポール・ギルバート | エレアコ | ハウリング対策。ポジションマークを貼り替え。 |
著名な使用アーティスト一覧
ゴダンは世界中の一流ミュージシャンに愛用されています:
- カーク・ハメット(Kirk Hammett) – メタリカのリードギタリスト
- リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore) – ディープ・パープル、レインボー
- ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters) – ピンク・フロイド
- ブライアン・メイ(Brian May) – クイーン
- スティーブ・スティーブンス(Steve Stevens) – ビリー・アイドル
- アル・ディメオラ(Al Di Meola) – フュージョンギタリスト
- トニー・アイオミ(Tony Iommi) – ブラック・サバス
アーティスト × モデル対応表
アーティスト | 使用モデル | ジャンル | 特徴 |
---|---|---|---|
カーク・ハメット | Exit 22 | メタル | 高出力ハムバッカー |
アル・ディメオラ | Multiac Nylon SA | フュージョン | ナイロン弦+シンセ対応 |
スティーブ・スティーブンス | 5th Avenue CW | ロック | フルアコ+P90ピックアップ |
ジョン・ギャリソン | 5th Avenue Kingpin P90 | ポップ・ロック | アコースティックセット用 |
ゴダン(Godin)の関連ギターブランド
ゴダングループの姉妹ブランド
ゴダン・ギターズは、価格帯と用途に応じて複数のブランドを展開しています:
- シーガル(Seagull):初中級向けソリッドウッド・アコースティック
- サイモン&パトリック(Simon & Patrick):中高級スチール弦アコースティック
- ノルマン(Norman):初中級モデル
- アート&ルテリー(Art & Lutherie):初級・低価格帯モデル
- ラ・パトリ(La Patrie):クラシックギター専門
競合・同ランクブランド
テイラー(Taylor):アコースティック分野での直接的ライバル
オベーション(Ovation):エレアコ分野での老舗競合
パーカー(Parker):ハイブリッド楽器分野での競合(現在は製造終了)
PRS(Paul Reed Smith):プレミアム・エレキギター分野での競合
ゴダン(Godin)ラインナップとおすすめモデル一覧
モデル名 | 特徴 | 価格帯 | 使用アーティスト | おすすめ用途 |
---|---|---|---|---|
Multiac Nylon SA | ナイロン弦エレガット、MIDI対応 | 25-35万円 | アル・ディメオラ | フュージョン、クラシック |
5th Avenue CW Kingpin | フルアコ、P90ピックアップ | 15-25万円 | スティーブ・スティーブンス | ジャズ、ブルース |
A6 Ultra | ハムバッカー+ピエゾ | 20-30万円 | リック・エメット | ロック、フュージョン |
Multiac Steel SA | スチール弦エレガット、MIDI対応 | 25-35万円 | – | フォーク、ポップス |
Session | スタジオ録音特化モデル | 15-20万円 | セッションプレイヤー多数 | レコーディング |
ゴダン(Godin)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
ポジティブな評価
音質面:「バンドで埋もれない存在感のある音」「ソロでも美しく響く音色」「ピエゾとマグネティックの切り替えで多彩な表現が可能」
デザイン・作り:「ギブソンより精度が高い」「パーツや作りが綺麗」「エレキギターと同じ感覚で弾ける薄いボディ」
使いやすさ:「弦高が低く弾きやすい」「エレキからの持ち替えでも違和感なし」「軽量で長時間の演奏でも疲れにくい」
ネガティブな評価
音色面:「購入当初は物足りなさを感じた」「アコースティック感が薄い」「特徴的な高音が好みを分ける」
価格面:「10万円クラスでは価格なりの音」「高級モデルは30万円超で高価」
その他:「試奏できる店舗が少ない」「メンテナンスできる楽器店が限られる」
総評(AI要約)
ゴダンは「一周回って好きになる」タイプのギターブランドと評価されています。初回試奏では物足りなさを感じても、実際にバンドやレコーディングで使用すると、その真価を発揮する楽器です。特にアンサンブルでの存在感と多機能性が高く評価されており、プロのセッションプレイヤーやマルチプレイヤーから絶大な支持を得ています。
ゴダン(Godin)の新品・中古価格比較と最安値先
価格帯別モデル分類
- エントリークラス(10-15万円):5th Avenue、Sessionシリーズ
- ミドルクラス(15-25万円):A6、Freeway、LGシリーズ
- ハイエンドクラス(25万円以上):Multiac SA、Exit 22シリーズ
ゴダン(Godin)の類似・代替案おすすめギター紹介
同価格帯・同系統のおすすめギター
1. テイラー T5z Classic(25万円前後)
類似点:マグネティックとピエゾのデュアルピックアップ
違い:よりアコースティック寄りの音色、テイラー独特のクリアなサウンド
おすすめ:よりアコースティックらしい響きを求める方
2. ヤマハ SLG200S(15万円前後)
類似点:サイレント機能、エレガットコンセプト
違い:より手軽な価格、練習用途に特化
おすすめ:自宅練習重視の初心者
3. オベーション Elite Plus(20万円前後)
類似点:エレアコの老舗、独特な音色
違い:ラウンドバック構造、より伝統的なエレアコサウンド
おすすめ:ライブでの大音量使用重視
比較ポイント
項目 | ゴダン | テイラー T5z | ヤマハ SLG200S |
---|---|---|---|
音色 | 個性的・現代的 | 自然・クリア | 練習向け・シンプル |
価格 | 25万円〜 | 25万円〜 | 15万円〜 |
多機能性 | ◎(MIDI対応) | ○(5Way切替) | ○(サイレント) |
ゴダン(Godin)まとめ・選び方ガイド
どんな人におすすめか
初心者向け
おすすめ度:△
エレキギター経験者なら◎。完全初心者には特殊すぎる可能性あり。
推奨モデル:Sessionシリーズ、5th Avenue
中級者向け
おすすめ度:◎
複数ジャンルを演奏する方、バンド活動をする方に最適。
推奨モデル:A6 Ultra、Multiac Steel
プロフェッショナル向け
おすすめ度:◎
スタジオワーク、ライブ演奏で真価を発揮。多くのプロが愛用。
推奨モデル:Multiac Nylon SA、Exit 22
ジャンル別適性
- ジャズ:◎ 5th Avenueシリーズが特におすすめ
- フュージョン:◎ Multiacシリーズの独壇場
- ロック:○ Exit 22、A6シリーズが対応
- クラシック:○ La Patrieブランドがおすすめ
- フォーク・ポップス:◎ 幅広いモデルが対応
最終的な選び方のポイント
ゴダンを選ぶべき方は、「一本で多彩な表現をしたい」「バンドで埋もれない音が欲しい」「革新的な技術に興味がある」という方です。逆に、伝統的なギターサウンドを求める方や、シンプルな楽器を好む方には向かない場合があります。
購入前は必ず試奏し、特にピエゾピックアップの音色やMIDI機能の必要性を確認することが重要です。また、メンテナンス体制も考慮して、正規代理店での購入をおすすめします。
本記事はゴダン(Godin)の公式情報および主要販売サイトを参考にしています。
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