アメリカンビザールギターの代名詞として知られるダンエレクトロ(Danelectro)。独特なデザインと唯一無二のサウンドで、多くのミュージシャンを魅了し続けています。本記事では、ダンエレクトロの歴史から特徴、使用アーティスト、おすすめモデルまで徹底解説します。
- ダンエレクトロ(Danelectro)の歴史
- ダンエレクトロ(Danelectro)の特徴・基本性能・サウンド傾向
- ダンエレクトロ(Danelectro)の使用アーティスト
- ダンエレクトロ(Danelectro)の関連ギターブランド
- ダンエレクトロ(Danelectro)ラインナップとおすすめモデル一覧
- ダンエレクトロ(Danelectro)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
- ダンエレクトロ(Danelectro)の新品・中古価格比較と最安値先
- ダンエレクトロ(Danelectro)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
- ダンエレクトロ(Danelectro)まとめ・選び方(初心者向け、プロ向け?)
ダンエレクトロ(Danelectro)の歴史
創業者ネイサン・ダニエルと1947年の設立
ダンエレクトロは、エンジニア出身のネイサン・ダニエル(Nathan Daniel)によって1947年にニュージャージー州レッドバンクで設立されました。ダニエルは元々ニューヨークでギターアンプを独自開発しており、世界初のプッシュプル回路を発明した革新的なエンジニアでした。1934年から1946年まではエピフォンの下請けとしてアンプ製造を手がけていましたが、独立への強い想いからダンエレクトロを立ち上げました。
代表的なモデルの誕生
1954年から本格的にエレキギターの製造を開始し、独創的なモデルを次々と発表しました。初期の代表モデルには以下があります:
- ダンエレクトロC(1954-1955年):ソリッドボディ構造のピーナッツ型ギター
- Uシリーズ(1956-1958年):U1(シングル)、U2(デュアル)、U3(トリプル)ピックアップモデル
- 59シリーズ(1959年~):現在も愛される代表的なダブルカッタウェイデザイン
- ロングホーン・ショートホーン(1958年~):極端なカッタウェイデザインのモデル
楽器シーンへの影響と革新
ダンエレクトロは「より良いギターをより安く」という理念のもと、大胆なコストダウンと革新的な材料選択で楽器業界に大きな影響を与えました。メゾナイト(硬質繊維板)を使用したホロウボディ構造や、口紅ケースを利用したリップスティックピックアップなど、従来の常識を覆すアイデアで低価格でありながら独特のサウンドを実現。シアーズやモンゴメリー・ウォードなど大手百貨店での販売により、多くの若者が手にする「ファーストギター」として親しまれました。
ダンエレクトロ(Danelectro)の特徴・基本性能・サウンド傾向
独特な音のキャラクター
ダンエレクトロのサウンドは「ベルのような」「軽くチープだが不思議とギターらしい音」と表現されます。リップスティックピックアップの低出力(4.75kΩ)設計により、一般的なシングルコイルより控えめな出力で、ローエンドが少なく中高域に特徴的な響きを持ちます。メゾナイト構造のホロウボディにより、空気感を含んだ独特の鳴り方と軽やかな音色を実現しています。
ボディ形状とピックアップの特徴
メゾナイト構造:外周を木材で組み、トップとバックに硬質繊維板「メゾナイト」を使用したセミホロウ構造。軽量でありながら独特の空気感のある鳴りを実現。
リップスティックピックアップ:実際の口紅ケースを利用したクロームメッキの筒状ピックアップ。アルニコマグネットを使用し、4.75kΩの低い抵抗値でダンエレクトロ独特のベルトーンを生み出します。
その他の特徴:
- ボリューム・トーンが一体化したスタックノブ
- アシカ型の特徴的なピックガード
- 木製サドル使用のブリッジ
- トラスロッドなしの2本アルミバー補強ネック
他ブランドとの違い
フェンダーやギブソンが木材や金属を主体とした「高級路線」を目指す中、ダンエレクトロは建材や合成素材を積極活用した「合理的美学」を追求。これにより他社の1/4程度の価格を実現しながら、独自のサウンドキャラクターを確立しました。見た目の可愛らしさと音の個性により、「小柄な女性に似合う」「ガールズロック向き」とも評されます。
ダンエレクトロ(Danelectro)の使用アーティスト
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 | 列 1 |
---|---|---|---|---|---|---|
Danelectro Dano Pro | Danelectro | Amazon最安値 | 緑黄色社会 | 長屋晴子 | ソリッドボディ | 蝶ネクタイのような独特デザイン。個性的な中域。 |
Danelectro Double-Neck | Danelectro | Amazon最安値 | 浜崎あゆみ | 野村義男 | ダブルネックギター | 12弦+6弦を使い分け可能。ライブで多彩な表現に対応。 |
Danelectro 3021 Shorthorn | Danelectro | Amazon最安値 | Led Zeppelin | Jimmy Page | エレキギター | 「White Summer」「Kashmir」で使用。 |
Danelectro Longhorn(星柄) | Danelectro | Amazon最安値 | ギターウルフ | セイジ | ロングホーン | Link Wray影響、ノイズユニット「ジェットヒミコ」で使用。 |
Danelectro 59M N.O.S.+ KEEN GREEN | Danelectro | Amazon最安値 | DISH// | 北村匠海 | ヴィンテージ系 | 写真で確認。ライブやレコーディングで個性的なルックスとサウンドを演出。 |
Danelectro 59 DC | Danelectro | Amazon最安値 | Dire Straits | Mark Knopfler | エレクトリックギター | オープンCチューニングでスライドギターとして使用 |
著名な使用アーティスト
- ジョー・ペリー(エアロスミス):59DCを愛用し、ダンエレクトロを代表する使用者
- エリック・クラプトン:レコーディングで度々使用
- エルビス・コステロ:独特のポップサウンドで活用
- ピート・タウンゼント(ザ・フー):ロックサウンドでの使用例
- ゲイリー・タレント(Eストリート・バンド):ベースモデルを使用
国内使用アーティスト
- まゆ(DaizyStripper):ヴィジュアル系バンドでの使用
- オオムラテッペイ(Nagakumo):ロングホーンベースを使用
- 福田真一朗:エンドース契約アーティスト
ダンエレクトロ(Danelectro)の関連ギターブランド
姉妹ブランド・同系列
- シルバートーン(Silvertone):シアーズ向けのハウスブランド、ダンエレクトロと同一構造で栗色のヴィニールカバー
- エアライン(Airline):モンゴメリー・ウォード向けブランド
- コーラル(Coral):1967年からのMCA傘下ブランド、エレクトリックシタールで有名
ライバル・同ランクブランド
- ジェリー・ジョーンズ(Jerry Jones):1980年代後半から2011年まで高品質なダンエレクトロコピーを製造
- イーストウッド(Eastwood):ビザールギター復刻専門ブランド
- エピフォン・カジノ:同価格帯のホロウボディギター
ダンエレクトロ(Danelectro)ラインナップとおすすめモデル一覧
モデル名 | 特徴 | 価格帯 | 使用アーティスト | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
59 DC | ダブルカッタウェイ、リップスティックピックアップ×2 | 6-8万円 | ジョー・ペリー | ★★★★★ |
59 O | オリジナル仕様再現、シングルカッタウェイ | 5-7万円 | – | ★★★★☆ |
59M NOS | ヴィンテージピックアップ使用、限定カラー | 7-9万円 | – | ★★★★☆ |
Longhorn Bass | 極端なカッタウェイデザインベース | 8-10万円 | オオムラテッペイ | ★★★☆☆ |
Pro 1 | エントリーモデル、シンプル仕様 | 3-5万円 | – | ★★★☆☆ |
ダンエレクトロ(Danelectro)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
ポジティブ意見
- 音質:「不思議とギターらしい音がする」「独特のベルトーンが魅力的」「レコーディングで個性を発揮」
- デザイン:「とにかく見た目がカッコいい」「レトロで可愛い雰囲気」「所有欲を満たすアメリカンデザイン」
- 使いやすさ:「軽量でエアギター並み」「小柄な女性にも似合う」「弾いていて楽しい」
ネガティブ意見
- 作りの甘さ:「オクターブチューニングが何となくしか合わない」「ストラップピンの位置が不便」「木製サドルの作りが雑」
- 調整の難しさ:「ネックハイ起きしやすい」「トラスロッドがないため調整に限界」「セットアップが重要」
- 限定的用途:「ジャンルを選ぶ」「大きな音には向かない」「ノイズが多い」
総評コメント(AI要約)
ダンエレクトロは「作りの甘さ」と「独特の魅力」が共存する唯一無二のギターです。完璧な楽器を求める方には向きませんが、個性的なサウンドとデザインを重視する方、レコーディングでの音色の差別化を図りたい方には最適。「手抜きの美学」とも称される合理的な設計思想により、他では得られない音楽体験を提供します。
ダンエレクトロ(Danelectro)の新品・中古価格比較と最安値先
ダンエレクトロ(Danelectro)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
同価格帯・類似特徴ギター
1. エピフォン・カジノ
- 類似点:ホロウボディ、ヴィンテージ感
- 相違点:木材使用、P-90ピックアップ、より温かみのあるサウンド
- 価格:6-8万円
2. グレッチ・エレクトロマティック
- 類似点:レトロデザイン、独特なサウンド
- 相違点:フィルタートロン・ピックアップ、よりロカビリー向け
- 価格:7-10万円
3. リッケンバッカー330
- 類似点:独特なサウンド、個性的デザイン
- 相違点:高価格帯、よりジャングリーなサウンド
- 価格:15-20万円
比較ポイント
項目 | ダンエレクトロ | エピフォン・カジノ | グレッチ |
---|---|---|---|
サウンド | ベルトーン、軽やか | 温かみ、ブルージー | ジャングリー、明るい |
価格 | 5-8万円 | 6-8万円 | 7-10万円 |
デザイン | ビザール、個性的 | クラシック | エレガント |
ダンエレクトロ(Danelectro)まとめ・選び方(初心者向け、プロ向け?)
こんな人におすすめ
初心者向け
- 個性的なデザインを重視する方
- 軽量で扱いやすいギターを求める方
- ガレージロック、インディーポップに興味がある方
- 予算5-8万円でユニークなギターが欲しい方
プロ・セミプロ向け
- レコーディングで音色の差別化を図りたい方
- ヴィンテージサウンドを手軽に得たい方
- 複数ギター所有でサブ機として使いたい方
- ライブでの視覚的インパクトを重視する方
避けた方が良い方
- 完璧な楽器を求める方
- メタル、ハードロック専門の方
- 大音量でのライブ使用がメインの方
- 楽器としての精度を最重視する方
ジャンル別適性
- 最適:ガレージロック、インディーポップ、サーフロック、レトロポップ
- 適している:ブルース、カントリー、オルタナティブロック
- 工夫が必要:ジャズ、フュージョン、プログレッシブロック
- 不向き:ヘヴィメタル、デスメタル、ハードコア
購入時のチェックポイント
- ネックの状態:ハイ起きしていないか確認
- ピックアップ:リップスティックPUの取り付け状態
- ブリッジ:木製サドルの状態と調整具合
- 電装系:スタックノブの動作確認
- 全体:メゾナイトの剥がれや損傷がないか
結論:ダンエレクトロは「完璧さ」より「個性」を重視するギターです。独特のサウンドとデザインに魅力を感じ、作りの甘さを含めて愛せる方には最高の相棒となるでしょう。音楽の多様性を求める現代において、ダンエレクトロの「手抜きの美学」は新たな音楽表現の可能性を開いてくれます。
- 公式サイト:ダンエレクトロ 公式
- 販売サイト:
本記事はダンエレクトロ(Danelectro)の公式情報および主要販売サイトを参考にしています。
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