① 始めに(特徴紹介)
A Perfect Circle(APC)のギターサウンドって、「重いのに、空気が澄んでる」っていう矛盾した気配があるんですよね。
その中心にいるのがBilly Howerdel(ビリー・ハワーデル)。リフは低く、質感は濃く、でも”圧”の出し方が暴力じゃなくて設計図っぽい。
いわゆるメタル的なハイゲイン一直線というより、「レイヤーで巨大化させる」「空間系で情緒を作る」タイプの音作りです。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
代表曲の音色で言うと、たとえば「Judith」みたいな硬質で前に出るリフは、C#標準(全弦1音半下げ)の低域を”締めたまま”押し出すのが肝。
逆に「3 Libras」「Orestes」系の浮遊感は、ディレイ/リバーブを”奥に置く”んじゃなくて”音像の周りにまとわせる”感じがAPCらしさです。
ビリー本人も「エフェクト(特にマルチ/ラック)への依存が大きい」ことを語っていて、初期はLexicon MPX G2、近年はFractal Axe-Fxを軸にしてきた流れが見えます。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
プレイ面では、スライド(ガラス製)を混ぜた”歌わせ方”が独特で、同じギターでもチューニング違いで役割分担しているのがポイント。
そして重要なのが「ボリューム操作で音像を作る」思想。実際、メインのLes Paulにはボリュームを絞った時の音痩せ/質感変化を狙うモディファイが語られています(後述)。
つまりAPCサウンドは、”機材の足し算”というより「ルーティング+音量操作+空間設計」で成立している、ちょっとエンジニア寄りのギター観なんです。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
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②使用アンプ一覧と特徴【A Perfect Circle・Billy Howerdel】
ビリーのアンプ観はわりと現実主義で、「真空管アンプの芯」と「デジタル(Fractal)の再現性・安定性」を両取りしてきたタイプです。
近年のメイン核として確認しやすいのは、改造Marshall JMP(1978 Super Lead 100)+Friedman Naked+Gibson GA-15RV、そしてFractal Axe-Fx III。
Premier Guitarの機材紹介では、Marshallが”もはやMarshallではない”レベルで改造され、プリアンプ部がNaylor系の反応を狙った内容が説明されています。ライブで「クリーンを十分大きく出す」必要から、その方向に行ったという文脈も重要。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
そしてFriedman Naked。これ、単に”Friedmanの歪み”というより「ビリーの用途に合わせて成立した実戦アンプ」っぽい位置づけです。
加えてGibson GA-15RV(コンボ)は、クリーン〜クランチの”手触り”を担う役。大規模な壁サウンドでも、実はバックボーンはこの少数精鋭で、巨大化はAxe-Fx由来の空間設計で作る…という構図が見えます。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
Fractal Axe-Fxは「完全クリーン(Fender Twinモデル等)」や、空間系・モジュレーション系をまとめて担う中枢。
実際、Fractalでクリーンを作った話や、過去はLexicon MPX G2が中核だった話が本人発言として残っています。
“ライブ会場やPA環境に左右されない”という意味で、APCみたいに繊細な空間と低域の両方を要求するバンドに合ってるのが大きい。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
ここにVHT 4×12キャビ(Greenback 25WやV30系)を合わせ、ステージ上の音圧とレンジ感を確保する。
なお、初期〜中期のラック時代は、MPX G2/GSP2101/TC G-Forceなど”古強者ラック”が核だったという情報が複数の資料に見られます(時期差があるので備考に明記)。
結論として、ビリーのアンプは「真空管の芯+デジタルで整形・拡張」というハイブリッドで、特に詳細な年代・構成は時期や曲ごとに差がある、と想定されます。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
| 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1978 Marshall JMP Super Lead 100W(Dave Friedmanモディファイ/Naylor系プリアンプ反応) | Marshall | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | Premier Guitarで「1978 Super Lead 100 JMPをNaylor系に寄せて改造」と説明。APC〜ソロ周辺で使用が確認されやすい。:contentReference[oaicite:7]{index=7} |
| Friedman Naked | Friedman | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | Premier Guitarの機材リストに掲載。Marshall改造の文脈とも繋がる”ビリー基準の歪み核”。:contentReference[oaicite:8]{index=8} |
| Gibson GA-15RV(1×12コンボ) | Gibson | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | Premier Guitarで「スタジオ/ライブの骨格」として言及。クリーン〜クランチの手触り担当。:contentReference[oaicite:9]{index=9} |
| Fractal Audio Axe-Fx III / II | Fractal Audio Systems | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | Premier Guitarで「完全クリーンはFender Twinモデル」と説明。本人発言でも”現在の核”。:contentReference[oaicite:10]{index=10} |
| VHT 4×12 キャビネット(Greenback 25W / Vintage 30) | VHT | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 指定機材。ステージ上のレンジと音圧を担う”現場用の器”。年代・仕様はセットにより変動の可能性。未確定だが、ラック時代の文脈とも相性が良い。:contentReference[oaicite:11]{index=11} |
③使用ギターの種類と特徴【A Perfect Circle・Billy Howerdel】

ビリーのギター選びって、派手さより「同じ個体で世界を作る」執念が強いです。象徴が”Cinnaburst”こと、1991年製の1960 Les Paul Classic Reissue(メイン)。
Premier GuitarのRig Rundown(動画ページ)では、このLes PaulがNIN(Nine Inch Nails)でテックをしていた時代に破損した複数個体を組み合わせて再生された背景、そしてTom Anderson H3(ブリッジ)/H1(ネック)に換装されている点まで明記されています。
チューニングもC#標準で、まさにAPCの低域リフを成立させる”土台の木材”です。:contentReference[oaicite:12]{index=12}
さらにこのギター、ボリュームを絞った時に音が細くなる(低域が削れる)ようキャパシタを追加するモディファイが施されている、という指定情報があります。
一般的な”treble bleed(高域保持)”とは逆方向の思想で、「音量を下げる=レンジも痩せる」という”ミックスに入る形”をギター側で作ってしまう狙いだと解釈できます。
ビリーは音量操作で役割を切り替えるタイプなので、こういう”減衰の設計”が理にかなってるんですよね(しかもC#の低域は暴れやすいので、引いた時に整理されるのは強い)。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
サブとして確認しやすいのがGibson ES-175。Premier Guitarの機材欄で、ソロ作品『What Normal Was』で多用したと明記されています。
APCの文脈でも、楽曲によってはギターが前に出過ぎない方が世界観に合うので、箱モノの丸いアタックや”空気の鳴り”を選ぶのはかなり納得。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
またYamaha AES 1500も同じく機材リストに載り、特定のレコーディング/ライブで使われた可能性が高い。
そして初期のB.C. Rich ST3は、アーミングや多彩なサウンドを求めて…という流れで語られがちですが、写真や本人一次ソースの強さは弱めになりやすいので、ここは「未確定だが候補」として扱うのが安全です。
総合すると、Les Paul(低域リフの核)+箱モノ(質感と空気)+状況対応のサブ、という構図で、時期によって入れ替わりがある、と想定されます。:contentReference[oaicite:15]{index=15}
| 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1960 Gibson Les Paul Classic Reissue(1991年製/通称Cinnaburst) | Gibson | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | レスポール | NINテック時代の破損個体を組み合わせた背景が紹介。Tom Anderson H3/H1、C#標準も明記。:contentReference[oaicite:16]{index=16} |
| Tom Anderson H3(ブリッジ)/H1(ネック) | Tom Anderson | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ピックアップ | メインLes Paulの換装先として言及。低域が濁らず、倍音の輪郭が残るのがAPC向き。:contentReference[oaicite:17]{index=17} |
| Gibson ES-175 | Gibson | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | フルアコ | 『What Normal Was』で多用と明記。音像を”前に出し過ぎない”用途に強い。:contentReference[oaicite:18]{index=18} |
| Yamaha AES 1500 | Yamaha | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | レスポール系 | Premier Guitarの機材リストに掲載。時期・用途は限定的の可能性(録音/ライブの一部)。:contentReference[oaicite:19]{index=19} |
| B.C. Rich ST3 | B.C. Rich | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | スーパーST系 | 指定機材。初期に”アーミングや多彩さ”目的で候補に挙がることが多いが、一次ソース裏付けは弱めのため未確定扱い推奨。:contentReference[oaicite:20]{index=20} |
④使用エフェクターとボード構成【A Perfect Circle・Billy Howerdel】

ビリーは自分で「アンプよりもエフェクト派」寄りの発想を語っていて、ここがAPCの”音がデカいのに、空間が壊れない”理由のひとつです。
初期APC(Mer de Noms〜)の核として、Lexicon MPX G2が本人発言で挙げられています。さらにDigiTech GSP 2101も使い続けていて、MusicRadarでは「今もライブで特定曲(Thinking of You)に使う。Pitch shiftが”最悪に下手で最高”」みたいなニュアンスで語ってるのが面白い。
つまり”最新の正確さ”ではなく、”あの曲のあの不安定さ”を機材ごと再現しているタイプです。:contentReference[oaicite:21]{index=21}
近年はFractal Axe-Fx IIIが中枢で、空間系(ディレイ/リバーブ/モジュレーション)から、クリーンアンプモデルまで一気に担う。
Premier Guitarの機材欄でも、Axe-Fx IIIが「エフェクト用途+完全クリーンはFender Twinモデル」と説明されており、ハイゲインの主役というより”巨大な音像の制御装置”として入っているのがポイント。:contentReference[oaicite:22]{index=22}
コンパクトで象徴的なのがPrescription Electronics Experience。MusicRadarで「APCのレコーディングで使った数少ないペダル」と本人が断言していて、オクターブファズ的な質感やスウェル的な扱いで、あの”上に乗る倍音の影”を作る役だと考えると分かりやすい。:contentReference[oaicite:23]{index=23}
さらにStrymon(Timeline, BigSky等)系は、現代のライブでの再現性を上げる”現場の正解”として理にかなっています。
加えてDigiTech XP-100 Whammy-Wahは、ピッチとフィルターを足元で暴れさせる用途。Electro-Harmonix MEL9はメロトロン系の質感を足せるので、APCの”神秘系アンサンブル”に刺さる(ただし曲は選ぶ)。:contentReference[oaicite:24]{index=24}
ルーティング/制御は、Voodoo Lab Ground Control Proとスイッチャー系(CAE含む)で一括管理、という”ラック脳”の構造が相性抜群。
このへんは時期によってGCXなどの構成差が出やすく、資料によってはCAEのラインミキサー/トランス等まで挙がるので、断定は避けつつ「ラック時代の標準的構成として高確度」と置くのが実用的です。
総合すると、ビリーのボード(というかシステム)は「マルチ/ラックで空間を設計し、少数の象徴ペダルで”曲の署名”を入れる」方向で、時期差を踏まえるとこのように想定されます。:contentReference[oaicite:25]{index=25}
| 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | エフェクターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Lexicon MPX G2 | Lexicon | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | マルチエフェクター | 初期APCの要として本人発言。空間設計の”中枢”になりやすい。:contentReference[oaicite:26]{index=26} |
| DigiTech GSP 2101 | DigiTech | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | プリアンプ/アンプシミュレーター | 本人が「今も特定曲で使用」と言及。狙って”追従が悪いピッチ”を使う思想がAPC的。:contentReference[oaicite:27]{index=27} |
| TC Electronic G-Force | TC Electronic | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 空間系マルチエフェクター | 2000年代ラック構成で候補に挙がる定番。時期情報は資料差があるため未確定だが有力。:contentReference[oaicite:28]{index=28} |
| Prescription Electronics Experience | Prescription Electronics | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ファズ | 本人が「APCで使った数少ないペダル」と断言。オクターブ的倍音で”影”を作る役。:contentReference[oaicite:29]{index=29} |
| Strymon Timeline | Strymon | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ディレイ | 本人発言でStrymon系使用が語られる。APCの”拍の奥行き”を作る現代定番。:contentReference[oaicite:30]{index=30} |
| Strymon BigSky | Strymon | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | リバーブ | ディレイと並ぶ”空間の絵の具”。APCの神秘感を過剰にせず作れる。:contentReference[oaicite:31]{index=31} |
| DigiTech XP-100 Whammy-Wah | DigiTech | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ピッチシフター | 指定機材。ピッチ+フィルター+ワウを足元で暴れさせられる。ライブ向き。:contentReference[oaicite:32]{index=32} |
| Electro-Harmonix MEL9 | Electro-Harmonix | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ギターシンセサイザー | Premier Guitarの機材リストに掲載。APCの”神秘寄り”曲で色を足す用途。:contentReference[oaicite:33]{index=33} |
| Voodoo Lab Ground Control Pro | Voodoo Lab | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | スイッチングシステム | 指定機材。ラック機材の一括制御に強い。2000年代ラック運用の文脈とも整合。:contentReference[oaicite:34]{index=34} |
| Custom Audio Electronics(CAE)スイッチャー/ルーティング | Custom Audio Electronics | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | スイッチングシステム | ラック構成の資料でCAEラインミキサー等が挙がる。個体はカスタム前提なので断定は避け、ラック時代の有力候補として記載。:contentReference[oaicite:35]{index=35} |
| Fractal Audio Axe-Fx III(エフェクト+アンプモデル) | Fractal Audio Systems | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | ギター用マルチエフェクター | Premier Guitarで使用が明記。クリーンのFender Twinモデル等、運用思想が具体的。:contentReference[oaicite:36]{index=36} |
⑤音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【A Perfect Circle・Billy Howerdel】
APCの音作りを”それっぽく”するコツは、機材の銘柄よりも「帯域の役割分担」と「空間の置き方」を先に決めることです。
ビリーのサウンドは、低いチューニング(C#標準)でリフを作りつつ、空間系で”壁を巨大化”していく。なので失敗パターンもハッキリしていて、低域を出しすぎると一瞬で濁ります。
まず前提として、C#標準は(C# F# B E G# C#)で、低域がギターの”主旋律”になる。つまりベースとぶつかりやすいので、ギター側は「ローは出すけど、居座らない」セッティングが必須です。:contentReference[oaicite:37]{index=37}
具体的なEQの目安(ギター単体)
・ロー(80Hz以下):基本カット。ここはベース/キックに譲る。
・ロー〜ローミッド(100〜200Hz):出しすぎると”箱鳴りの濁り”。C#のリフはここが暴れやすいので、必要なら少し削る。
・ミッド(700Hz〜1.2kHz):リフの”顔”。APCはここを抜くと一気に存在感が消えるので、削りすぎない。
・ハイミッド(2〜4kHz):ピッキングの硬さ。痛いなら少し落とすが、落としすぎると”前に出ない”。
・プレゼンス(6kHz以上):空間系と喧嘩しやすいので、歪みがザラつくなら軽く抑える。
アンプ(歪み)の作り方:JMP/Naked側の思想
ビリーのMarshallは改造前提で、Naylor系の反応を狙った説明があるので、イメージとしては「歪みはあるけど、分離が良い」方向。:contentReference[oaicite:38]{index=38}
実践的には、ゲインは上げすぎず”ミッドの密度”で太くするのが近道です。
・ゲイン:6〜7割(上げ切らない)
・ミドル:しっかり(6〜8)
・ベース:控えめ(3〜5)※C#で暴れるので低域はアンプで盛らない
・トレブル/プレゼンス:曲と会場次第(痛い帯域を削る)
Fractal(Axe-Fx)の使い分け:クリーンと空間の”制御装置”
Premier Guitarでは「完全クリーンはFender Twinモデル」と明記されています。ここが重要で、APCのクリーンは”キラキラのクリーン”というより「情報量が多いのに破綻しないクリーン」。:contentReference[oaicite:39]{index=39}
Fractal内でのポイントは、空間系を”気持ちよく深く”しないこと。深くすると美しいけど、APCは”怖い余白”が欲しい。なので、
・ディレイ:フィードバック控えめ、ミックスは20〜30%程度から(曲で調整)
・ディレイのローカット/ハイカット:ローカットは上げて濁り防止、ハイは少し落として耳に刺さらない影にする
・リバーブ:プレート〜ホール系でも、プリディレイを使って”奥に引きすぎない”
・モジュレーション:かけっぱなしより、特定フレーズで薄く(APCは薄塗りが効く)
曲ごとの使い分け(実務的)
・「Judith」系:低域リフの押し出し重視。空間は浅めでアタックを残す。
・「3 Libras」「Orestes」系:歪み量を落とし、ディレイ/リバーブの”反射”で世界観を作る。
・「The Hollow」系:ロー〜ローミッドの管理が命。ギターの100〜200Hzが過多だと全部が濁る。
CH切り替え/ルーティング発想(PA・エンジニア目線)
ビリーのシステムはラック制御(Ground Control Pro等)で一括切替の思想と相性が良いです。
ライブの現場で重要なのは「音色の切替」より「帯域の切替」。同じ歪みでも、サビで広げるなら空間のミックス量を上げ、Aメロはドライ寄りにして”歌が乗る場所”を作る。
PA的には、ギターは常に”巨大”である必要はなく、「巨大に見える瞬間」を作ればAPCっぽくなる。つまり、
・Aメロ:ドライ寄り(センターの情報量を稼ぐ)
・Bメロ:ディレイで奥行き(左右を薄く広げる)
・サビ:ディレイ+リバーブのレベルアップ(ただし低域は増やさない)
ミックス処理のコツ(録音・DAW想定)
ビリーは”レイヤーで重くする”発想を語っているので、録音再現では「同じリフを2〜4回、微妙に違う質感で重ねる」方が近いです。:contentReference[oaicite:40]{index=40}
・L/R:メイン歪みをダブル
・センター寄り:薄いクリーン(または軽い歪み)を小さく足す
・空間:センドで共通のリバーブを薄く(楽曲の”部屋”を統一)
そして最重要が、ギターのローを整理してベースと棲み分けること。ギターの”重さ”は、実は100Hz以下じゃなく、ミッドの密度と空間の反射で作れます。
以上を踏まえると、ビリーの音作りは「C#低域を締めて出し、空間は設計し、曲ごとに帯域の役割を切り替える」という運用で成立している、と想定されます。:contentReference[oaicite:41]{index=41}
⑥比較的安価に音を近づける機材【A Perfect Circle・Billy Howerdel】
APCの再現って、正直「Les Paul+改造Marshall+Axe-Fx」が揃ったら早いんですが、現実はそうはいかない。
でも安心してください。ビリーの音の”本質”は、(1)C#低域の管理、(2)空間系の設計、(3)音量操作と帯域の切替、ここにあります。
つまり高級機材がなくても、再現性の高い”考え方に合う道具”を選べばかなり寄せられます。
ここでは「1万円〜5万円程度(上限10万円)」「初心者でも市販で入手しやすい」「再現性が高い」を優先し、APCの核である”空間設計”に強い機材を中心にします。
ポイントは、歪みペダルを増やすより、ディレイ/リバーブ/アンプシムの質を上げること。ビリーはラック/マルチ中心で構築してきた人なので、こちらの方が思想的に近いです。:contentReference[oaicite:42]{index=42}
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon | 楽天 | Yahoo! | メルカリ | 石橋楽器 | サウンドハウス | 備考 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ギター用マルチエフェクター | BOSS GT-1 | BOSS | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | APCは”空間設計”が重要。GT-1はディレイ/リバーブ/EQをまとめて組めて、初心者でも再現が速い(想定機材)。 | |
| ギター用マルチエフェクター | Zoom G1X FOUR | Zoom | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 低予算で”空間+ピッチ+EQ”まで一式組める。C#運用でもノイズ管理しやすい(想定機材)。 | |
| ギター用マルチエフェクター | NUX MG-30 | NUX | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | アンプシム+IRで”芯”を作りやすい。APCは空間が大事なので、土台が整うと一気に近づく(想定機材)。 | |
| ディストーション | BOSS DS-1 | BOSS | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 単体歪みで”壁”は作りにくいが、マルチの前段で輪郭付けに使える(想定機材)。ミッドは削りすぎないのがコツ。 | |
| ディレイ | BOSS DD-8 | BOSS | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | APCの”奥行きの拍”を作る主役。ローカット/ハイカット意識で濁りを回避(想定機材)。 | |
| リバーブ | BOSS RV-6 | BOSS | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | 検索 | “神秘”を作るなら深さより”質感”。プリディレイ感覚で前に残す(想定機材)。 |
この代替案は、ビリー本人のラック/マルチ中心の思想(MPX G2→Fractal、GSP2101の継続使用など)と方向性が近いので、再現性が高いと考えられます。:contentReference[oaicite:43]{index=43}
⑦総括まとめ【A Perfect Circle・Billy Howerdel】

Billy Howerdelの音作りって、いちばん大事なのは「何を買うか」より「何を設計するか」です。
APCのギターは、低いチューニングで”地面”を作りつつ、空間系で”空気の建築”をする。だから”音が巨大なのに、輪郭が残る”。
この矛盾を解く鍵は、(1)ローの管理、(2)ミッドの密度、(3)空間の配置、の3つです。
機材面の本質を一言で言うなら、
「真空管の芯(改造Marshall/Naked/GA-15RV)+デジタルの制御(Axe-Fx)+ラック脳のルーティング」。
これで”壁サウンド”を作っている。Premier Guitarでも、少数のアンプが骨格で、巨大化はAxe-Fx由来の空間と制御、という構図が見えます。:contentReference[oaicite:44]{index=44}
ギターは、メインLes Paul(Cinnaburst)が中心。NIN時代の破損個体を組み合わせた背景や、Tom Anderson H3/H1、C#標準まで具体的に語られていて、ここはかなり確度が高い。:contentReference[oaicite:45]{index=45}
ここにES-175のような箱モノを混ぜて、曲の空気を変える。これが”APCの陰影”に直結します。:contentReference[oaicite:46]{index=46}
そしてエフェクト。MPX G2やGSP2101みたいな”古いけど性格が強い機材”を、曲のために残しているのがビリーらしさです。
最新が正義じゃなくて、「その曲の気持ち悪さ/不安定さ」を機材で保管している。ここが職人っぽい。:contentReference[oaicite:47]{index=47}
再現の実務アドバイスとしては、まずC#標準で弾いてみて、ローを出しすぎて濁るポイントを体感する。
次に、ディレイ/リバーブを深くしすぎず、ローカット/ハイカットで”影”にする。
最後に、音量操作でレンジや存在感を変える(ギター側のモディファイ思想もここに繋がる)。
この3ステップができると、機材が完全一致しなくてもAPCの輪郭は出ます。
まとめると、ビリーの音作りの本質は「低域を制御し、空間を設計し、曲ごとに役割を切り替える」ことにあり、機材構成もその思想に沿って変遷している、と想定されます。:contentReference[oaicite:48]{index=48}

