アリアプロツー(Aria Pro II)は、日本の楽器界を代表するギター・ベースブランドです。1970年代から続く歴史の中で、多くの著名アーティストに愛用され、初心者からプロまで幅広いニーズに応える楽器を製造してきました。本記事では、音楽機材専門ライターの視点から、アリアプロツーの全貌を詳しく解説いたします。
- アリアプロツー(Aria Pro II)の歴史
- アリアプロツー(Aria Pro II)の特徴・基本性能・サウンド傾向
- アリアプロツー(Aria Pro II)の使用アーティスト
- アリアプロツー(Aria Pro II)の関連ギターブランド
- アリアプロツー(Aria Pro II)ラインナップとおすすめモデル一覧
- アリアプロツー(Aria Pro II)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
- アリアプロツー(Aria Pro II)の新品・中古価格比較と最安値先
- アリアプロツー(Aria Pro II)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
- アリアプロツー(Aria Pro II)まとめ・選び方ガイド
アリアプロツー(Aria Pro II)の歴史
創業者・創業年・発祥地について
アリアプロツーは、名古屋に本社を構える荒井貿易株式会社が展開するブランドです。同社は1955年に創業され、創業者の荒井史郎氏がクラシックギターのプレイヤーだったことから楽器事業をスタートしました。
当初は海外からのギター輸入業務から始まり、1960年代のエレキブーム時代に「Aria」や「Aria Diamond」ブランドでソリッドギターを販売していました。「Aria」という名称は、創業者の姓「荒井(Arai)」のアナグラムであると同時に、音楽用語でもあることから名付けられました。
ブランド名変更の経緯
- 1966年頃:「Aria Diamond」ブランドでエレキギター販売開始
- 1975年:「Aria Pro II」に名称変更
- 変更理由:アコースティックギターとの差別化、プロ指向の完成度高いギター製作への転換
- 「Pro」の意味:より専門的・プロフェッショナル向けの楽器制作
- 「II」の意味:「Aria時代よりも一歩進んだエレキギター作り」への思い
代表的なモデル紹介
アリアプロツーは数々の名機を世に送り出してきました。特に以下のシリーズは楽器史に名を刻む代表作です。
- PEシリーズ(1981年~):レスポールタイプの代表的シリーズ。カーブドメイプルトップ&バック、センターマホガニーの3プライ構造が特徴
- RSシリーズ:スルーネック構造を採用した高級ギターシリーズ
- SBシリーズ(1970年代後半~):エレクトリックベースの代表的シリーズ。スルーネック構造で海外ミュージシャンにも広く愛用
- MACシリーズ:現代的なデザインと機能を兼ね備えたコンポーネントギター
- XXシリーズ:フライングVシェイプの攻撃的なモデル
楽器シーンに与えた影響
アリアプロツーは日本のギター製造業界に革新をもたらしました。1970年代後半、本格的なGibsonやFenderのコピーモデルを低価格で提供することで、「ジャパンヴィンテージ」という概念の先駆者となりました。
当時カタログ価格4万円のLS-400でセットネック、ソリッドボディという本格仕様を実現し、従来の「形だけコピー」から「構造まで忠実に再現」への転換点を作り出しました。これにより、Greco、Fernandesと並ぶ日本三大ギターブランドの地位を確立しています。
アリアプロツー(Aria Pro II)の特徴・基本性能・サウンド傾向
音のキャラクター
アリアプロツーのギターは、バランスの取れた音質で知られています。特にPEシリーズは、メイプルトップ&バックにマホガニーセンターの3プライ構造により、レスポールとは異なる独特のサウンドキャラクターを持ちます。
サウンド特性
- 中域の充実:温かみのある中音域が特徴的
- バランスの良い音域特性:高音から低音まで均等に出力
- サスティン性能:セットネック構造により優れた音の持続性
- 音の分離感:各弦の音が明確に聞き分けられる
- 多様なジャンル対応:ロックからジャズまで幅広く対応
ボディ形状やピックアップの特徴
アリアプロツーは、機能性とデザイン性を両立した楽器設計で評価されています。特に以下の特徴が挙げられます。
- ヒールレスカット:ハイフレットへのアクセス性向上
- ボディコンター:演奏時の身体へのフィット感向上
- フェイズスイッチ:PEシリーズに搭載されたサウンドバリエーション機能
- 高品質ピックアップ:DiMarzio社製やオリジナル設計の高性能ピックアップ
- 安定したハードウェア:Gotoh製ペグやブリッジなど信頼性の高いパーツ採用
他ブランドとの違い
アリアプロツーと他の主要ブランドとの比較では、以下の違いが明確です。
比較項目 | アリアプロツー | Gibson | Fender |
---|---|---|---|
価格帯 | 3万円~25万円 | 15万円~100万円 | 8万円~80万円 |
製造国 | 日本・韓国・中国 | アメリカ・韓国 | アメリカ・メキシコ・韓国 |
特徴 | コストパフォーマンス重視 | 伝統とブランド力 | 革新性と多様性 |
サウンド | バランス型 | パワフル・温かい | クリアー・切れ味 |
アリアプロツー(Aria Pro II)の使用アーティスト
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 | 列 1 |
---|---|---|---|---|---|---|
TA-JAIL (“DROP BURST”) | Aria Pro II | Amazon最安値 | 聖飢魔II | ジェイル大橋代官 | セミアコースティック | コイルタップ搭載。歪ませて使用可能なセミアコ。赤黒白のバースト |
アリアプロツーは多くの著名アーティストに愛用され、その実力を証明してきました。国内外問わず、様々なジャンルのミュージシャンが使用しています。
アーティスト名 | 使用モデル | ジャンル | 特記事項 |
---|---|---|---|
ニール・ショーン (Journey) |
PE特注モデル | ハードロック | 海外での知名度向上に貢献 |
渡辺香津美 | RS・PE・シグネチャーモデル | フュージョン・ジャズ | PE-K200など専用モデル制作 |
松原正樹 (パラシュート) |
PE-R80 | フュージョン・ポップス | 1980年代の代表的使用者 |
福山雅治 | PEシリーズ | ポップス・ロック | 一般認知度向上に寄与 |
イングヴェイ・マルムスティーン | XX(フライングV)特注 | ネオクラシカルメタル | アルカトラス時代に使用 |
その他の著名使用者
- 大橋隆志:PE-Jail、RS-Jail等シグネチャーモデル
- 石原慎一郎(EARTHSHAKER):PE、XX、RSシグネチャーモデル
- 五十嵐美貴(SHOW-YA):デビュー当時PEを使用
- 浅井健一(BLANKEY JET CITY):デビュー当時PEを愛用
- マーカス・ミラー(ベース):SBシリーズを長年愛用
- ジャック・ブルース(ベース):SBシリーズのエンドーサー
アリアプロツー(Aria Pro II)の関連ギターブランド
姉妹ブランド・廉価版
荒井貿易は、価格帯別に複数のブランドを展開し、幅広いニーズに対応しています。
- Legend:低価格帯コピーモデル中心。初心者向けエントリーモデル
- Blitz:Legend同様の低価格帯。エントリーレベルのギター・ベース
- AP II:最上位ブランド。高品質素材と先進的デザインが特徴
- Aria Sinsonido:消音ギター専門ブランド
- Aria Dreadnought:アコースティックギター専門
ライバル・同ランクブランド
アリアプロツーと同等の位置づけにある日本のギターブランドとしては、以下が挙げられます。
- Greco(グレコ):神田商会のブランド。1970年代コピーモデル戦争のライバル
- Fernandes(フェルナンデス):同時代の日本三大ブランドの一角
- Tokai(東海楽器):高品質コピーモデルで知られる
- Bacchus(バッカス):国産高級ギターメーカー
- Fujigen(フジゲン):OEM製造からオリジナルブランド展開
アリアプロツー(Aria Pro II)ラインナップとおすすめモデル一覧
シリーズ名 | 特徴 | 価格帯 | おすすめ度 | 主な使用者 |
---|---|---|---|---|
PE-R80/100 | カーブドメイプル3プライ構造 フェイズスイッチ搭載 |
15-20万円 | ★★★★★ | ニール・ショーン 渡辺香津美 |
MAC-STD | 24フレット、SSH配置 現代的設計 |
5-8万円 | ★★★★☆ | – |
MAC-DLX | サーモ処理材使用 軽量化・安定性向上 |
8-12万円 | ★★★★☆ | – |
Jet | 独特シェイプ、P90×2 ミディアムスケール |
3-5万円 | ★★★☆☆ | – |
714-AE200 | 3PU同時出力可能 テレキャスタータイプ |
4-6万円 | ★★★★☆ | – |
価格帯別おすすめ
- 初心者向け(3-6万円):MAC-STD、Jetシリーズ
- 中級者向け(8-15万円):MAC-DLX、PE-480シリーズ
- 上級者・プロ向け(15万円以上):PE-R80/100、AP IIシリーズ
アリアプロツー(Aria Pro II)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
ポジティブ意見
- 音質面:「中域のバランスが良く、どんなジャンルにも対応できる」
- デザイン:「独特のシェイプと美しい木目が魅力的」
- コストパフォーマンス:「この価格でこの品質は驚異的」
- 演奏性:「ネックが握りやすく、長時間の演奏でも疲れにくい」
- 耐久性:「日本製は特に作りがしっかりしている」
ネガティブ意見
- 重量:「PEシリーズは重く、立奏時に負担を感じる」
- 価格:「上位モデルは他ブランドと変わらない価格」
- 調整の難しさ:「フェイズスイッチなど独特機能の習得に時間要」
- ブランドイメージ:「初心者向けのイメージが根強い」
- リセールバリュー:「中古市場での評価にばらつき」
総評コメント(AI要約)
アリアプロツーは、コストパフォーマンスに優れた信頼性の高いギターブランドとして評価されています。特に中価格帯での品質の高さは多くのユーザーから支持されており、初心者の最初の一本から、プロの現場使用まで幅広く対応できる実力を持っています。一方で、ブランドイメージの向上や、更なる独自性の追求が今後の課題として挙げられています。
アリアプロツー(Aria Pro II)の新品・中古価格比較と最安値先
アリアプロツー(Aria Pro II)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
アリアプロツーと同価格帯・同等の特徴を持つギターをご紹介します。購入を検討される際の参考にしてください。
同価格帯おすすめ代替ギター3選
1. Epiphone Les Paul Standard(エピフォン レスポール スタンダード)
価格帯:8-12万円
- 特徴:Gibson傘下ブランドによる正統派レスポール、ProBuckerピックアップ搭載
- 音質:伝統的なレスポールサウンド、パワフルで温かみのある音色
- デザイン:フレイムメイプルトップの美しい木目、ギブソン譲りの上品な外観
- 製造:中国製、品質管理徹底で安定した仕上がり
2. Greco EG-800(グレコ EG-800)
価格帯:7-11万円
- 特徴:日本のジャパンヴィンテージ三大ブランドの一角、精密なコピーモデル
- 音質:ヴィンテージレスポールを忠実に再現したサウンド
- デザイン:1970年代の黄金期を再現した伝統的スタイル
- 製造:韓国・日本製、長年のノウハウによる高い完成度
3. Bacchus BLS-1R(バッカス BLS-1R)
価格帯:8-13万円
- 特徴:国産高級ブランド、細部までこだわった職人仕上げ
- 音質:日本人好みにチューニングされたバランス重視のサウンド
- デザイン:モダンで洗練された外観、多彩なカラーバリエーション
- 製造:国産(長野県)、ハンドメイドによる高品質
比較項目 | アリアプロツーPE-R80 | Epiphone Les Paul Standard | Greco EG-800 | Bacchus BLS-1R |
---|---|---|---|---|
価格 | 15-20万円 | 8-12万円 | 7-11万円 | 8-13万円 |
音の特徴 | バランス重視 3プライ構造独特の音 |
伝統的レスポール パワフルで温かい |
ヴィンテージ再現 クラシックな音色 |
現代的バランス 日本人好み |
デザイン | 独自機能重視 ヒールレスカット |
正統派レスポール 美しい木目 |
ヴィンテージ仕様 伝統的スタイル |
モダン・洗練 多彩なカラー |
製造国・品質 | 日本製(上位機種) 高い完成度 |
中国製 安定した品質 |
韓国・日本製 伝統的技術 |
日本製 職人の手作業 |
コスパ評価 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
音質・価格・デザインの詳細比較
【音質比較】
- アリアプロツー:メイプル-マホガニー-メイプルの3プライ構造により、レスポールよりもバランスの良い音域特性。フェイズスイッチでサウンドバリエーション豊富
- エピフォン:ギブソン直系の伝統的レスポールサウンド。ProBuckerピックアップによる力強い中低域とサスティンが特徴
- グレコ:1970年代のヴィンテージレスポールを忠実に再現。クラシックロックに最適な枯れた音色
- バッカス:日本人の音楽的嗜好に合わせてチューニングされた現代的サウンド。クリーンからハイゲインまで対応
【価格比較】
- 最高コスパ:エピフォン(正統派レスポールが10万円以下)
- バランス型:グレコ、バッカス(10万円前後で高品質)
- プレミアム:アリアプロツー(国産上位機種、機能性重視)
【デザイン比較】
- 機能性重視:アリアプロツー(ヒールレスカット、フェイズスイッチ等)
- 伝統美重視:エピフォン、グレコ(クラシックなレスポールデザイン)
- 現代的洗練:バッカス(スタイリッシュで多彩なカラー展開)
どれを選ぶべき?用途別おすすめ
- 初心者・コスパ重視 → エピフォン レスポール スタンダード
- ヴィンテージ志向 → グレコ EG-800
- 国産品質重視 → バッカス BLS-1R
- 独自性・機能性重視 → アリアプロツー PE-R80
アリアプロツー(Aria Pro II)まとめ・選び方ガイド
【結論】アリアプロツーはこんな人におすすめ
コストパフォーマンスを重視し、確実な品質を求める全てのギタリストに最適
レベル別・ジャンル別おすすめ
🔰 初心者の方
- おすすめモデル:MAC-STD、Jetシリーズ
- 理由:手頃な価格で高品質、24フレット仕様で将来的にも対応
- 注意点:重量を確認して購入前に試奏推奨
🎸 中級者の方
- おすすめモデル:MAC-DLX、PE-480シリーズ
- 理由:サーモ処理材など先進技術採用、演奏性と音質のバランス良好
- 活用シーン:バンド活動、ライブ演奏、レコーディング
🎵 プロ・上級者の方
- おすすめモデル:PE-R80/100、AP IIシリーズ
- 理由:プロ仕様の音質と機能、ステージでの信頼性
- 特徴:フェイズスイッチによる音作りの幅広さ
ジャンル別適性
ジャンル | 適性度 | おすすめモデル | 理由 |
---|---|---|---|
ロック・ハードロック | ★★★★★ | PEシリーズ | パワフルなサウンド 優れたサスティン |
ジャズ・フュージョン | ★★★★☆ | RSシリーズ | クリーンサウンド スルーネック構造 |
ポップス | ★★★★★ | MACシリーズ | バランス良好 多様な音作り |
メタル | ★★★★☆ | XXシリーズ | 攻撃的サウンド ハイゲイン対応 |
購入時の重要チェックポイント
- 製造国確認:日本製 > 韓国製 > 中国・インドネシア製の順で品質差
- 試奏必須:重量感、ネックの握り心地、音質を必ず確認
- 年代確認:1980年代のジャパンヴィンテージは特に価値が高い
- パーツ確認:オリジナルパーツか改造品かをチェック
- メンテナンス状況:フレット・ナットの状態、電気系統の動作確認
最終的な選択指針
アリアプロツー(Aria Pro II)は、日本が誇る優秀なギターブランドです。初心者には手頃で高品質な入門機として、プロには信頼できる現場対応機として、幅広いニーズに応える実力を持っています。
特にコストパフォーマンスの高さと確実な品質は他ブランドを凌駕する魅力があり、長く愛用できるギターをお探しの方に強くおすすめします。
購入前には必ず試奏し、ご自身の音楽スタイルや体格に合うかを確認することで、最適な一本を見つけることができるでしょう。
- 公式サイト:アリアプロツー 公式
- 販売サイト:
本記事はアリアプロツー(Aria Pro II)の公式情報および主要販売サイトを参考にしています。
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