【ヘッドウェイ・エレキギター種類一覧】Headwayのまとめ

創業以来、百瀬氏を中心とした職人たちによって一本一本丁寧に製作されるヘッドウェイのギターは、国内外から高い評価を受けています。現在では百瀬氏のもとで研鑽を積んだ若手職人たちも育ち、飛鳥工房において伝統を受け継ぎながら新しい技術も取り入れた製品開発を続けています。

HJ-523シリーズ
2000年代中盤に製作されたモデルで、人気ソロギタリスト「おさむらいさん」が10年以上メイン機材として使用していることで有名になりました。バランスの良さと音の密度が特徴で、2016年には復刻版、2020年にはシグネチャーモデルが発売されるほど人気の高いモデルです。

桜ギターシリーズ
ヘッドウェイの代名詞とも言える桜材を使用した限定モデル群です。神代桜や朱里桜など、希少な桜材をボディやネックに使用し、桜モチーフの豪華なインレイを施した芸術的なギターです。日本の伝統工芸技術を取り入れた唯一無二の存在として高い評価を得ています。

また、ワンピースネックやアリ溝ジョイント、セミフォワードXブレイシングなど、独自の技術開発によって音質と耐久性を両立させた製品づくりは、他の国産ブランドにも影響を与えています。入門者向けのエントリーモデルから、マスタービルダーが手がけるカスタムショップまで幅広いラインナップを展開することで、多くのギタリストに「一生涯弾き続けられるギター」を提供し続けています。

桜材を使用したモデルでは、特に澄み渡った高音と適度な低音のバランスが特徴的です。雑味のない音色で、クラシックギターのような上品な響きを持ちながらも、鉄弦の力強さを兼ね備えています。倍音が美しくまとめられており、コントロールしやすいため、演奏者の表現力を最大限に引き出すことができます。

ブレーシングの工夫
セミフォワードXブレイシングを標準採用し、スキャロップ加工によって鳴りを強化しています。ブリッジ取り付けの際は接着面の塗装を丁寧に剥がすなど、細部にわたって音質向上のための工夫が施されています。

ワンピースネック
カスタムショップやスタンダードシリーズ以上のグレードでは、ヘッドからヒールまでを一本の角材から削り出すワンピースネックを採用。木材のロスは多くなりますが、ねじれやゆがみに強い信頼性の高いネックが完成します。ネックグリップは日本人の手にフィットするように設計されており、弦高を低く調整できるため演奏性に優れています。

vs Takamine
同じ国産ブランドとしてTakamineが海外市場での評価が高く、エレクトリック機能に強みを持つのに対し、ヘッドウェイは国内市場を中心に、純粋なアコースティックサウンドの追求に重点を置いています。特に和材の使用やワンピースネックなど、伝統的な製法へのこだわりがヘッドウェイの特徴です。

vs Martin/Taylor
アメリカの名門ブランドと比較すると、ヘッドウェイは日本人の体格に合わせた設計と、日本材の活用が大きな違いです。サウンド傾向も、Martinの伝統的でパワフルな音やTaylorの明瞭でモダンな音とは異なる、柔らかく繊細な日本的美学を感じさせる音色を持っています。

おさむらいさん
YouTube、ニコニコ動画などで活動する人気ソロギタリスト。Headway HJ-523を10年以上メイン機材として使用しており、2020年にはシグネチャーモデル「HJ-523 Osamuraisan Edition」、Japan Tune-upシリーズとして「HJ-OSAMURAISAN」「HJ-OSAMURAISAN II」が発売されています。弾きやすさを重視した設計で、初心者から上級者まで幅広く支持されています。

わたなべゆう
実力派ソロギタリストとして活動し、Headwayとのコラボレーションモデル「HOC-KINGFISHER」を監修しています。繊細で表現力豊かな演奏スタイルにヘッドウェイのギターがマッチしており、全国各地でのインストアライブイベントなども開催しています。

有田純弘
アコギ・ソムリエとして知られる有田純弘氏は、バンジョー、マンドリン、ドブロなど多くのルーツ系弦楽器を操るマルチプレイヤーです。1985年ウィンフィールド全米バンジョー・チャンピオンの経歴を持ち、洗足学園音楽大学ワールドミュージックコース客員教授として後進の指導にも努めています。ヘッドウェイのギターについて「バランスの良さ、演奏のしやすさ」を高く評価しています。

まるやまたつや
Japan Tune-upシリーズから監修モデル「HOC-NORTHBIRD」が発売されており、ヘッドウェイの音色を活かした演奏を展開しています。

K.Yairi
岐阜県可児市で製作される高品質アコースティックギター。ヘッドウェイと同様に職人による手作業を重視し、ワンピースネックやスキャロップドブレイシングなど伝統的な製法を採用しています。音色はヘッドウェイよりもややクリアでブライトな傾向があり、フィンガーピッキングに適した繊細な表現力を持っています。価格帯もヘッドウェイと近く、国産ハンドメイドギターとして比較検討されることが多いブランドです。

HISTORY
Fujigenが展開するアコースティックギターブランド。エレキギターで培った高い製作技術を活かし、精密な加工と品質管理を実現しています。ヘッドウェイと比較すると、より現代的でモダンなサウンド傾向を持ち、エレアコとしての機能性も充実しています。ミドルレンジの価格帯で高品質なギターを求める方におすすめです。

Takamine
日本を代表するアコースティックギターブランドで、海外アーティストの使用も多い国際的な知名度を持っています。ヘッドウェイが伝統的な製法と純粋なアコースティックサウンドを重視するのに対し、Takamineはエレアコ分野での技術革新に強みがあります。特にプリアンプシステムの評価が高く、ライブパフォーマンスを重視する方に適しています。

デザインの比較
ヘッドウェイは桜材の使用や日本の伝統工芸技術を取り入れた装飾など、「和の美学」を感じさせるデザインが特徴的です。K.Yairiはシンプルで伝統的なデザイン、HISTORYは現代的で洗練されたデザイン、Takamineはエレアコとしての機能美を重視したデザインという違いがあります。

演奏性の比較
ヘッドウェイは日本人の体格に最適化されたネック設計と低弦高セッティングで、弾きやすさに定評があります。他のブランドも演奏性は高いですが、特に初心者や手の小さい方にとっては、ヘッドウェイの細やかな配慮が大きなアドバンテージとなります。Japan Tune-upシリーズのように、出荷前に職人がチューンナップを施すという姿勢も、ヘッドウェイならではの特徴です。

Q2: ヘッドウェイとヤマハ、どちらを選ぶべきですか？
A: 予算と求める音色によります。Yamahaは大量生産による安定した品質とコストパフォーマンスが魅力です。ヘッドウェイは職人による手作業で、より個性的で温かみのある音を求める方に適しています。実際に試奏して、音色やネックの握り心地を比較することをおすすめします。

Q3: 桜材を使ったギターの特徴は？
A: 桜材は芯がタイトで反応が速く、澄んだ音色が特徴です。雑味が少なく、倍音がまとまりやすいため、繊細な表現が可能です。ヘッドウェイの桜ギターシリーズは、音質だけでなく、日本の伝統工芸技術を取り入れた装飾も魅力となっています。

Q4: カスタムショップとAska Team Buildの違いは？
A: カスタムショップは百瀬恭夫氏をはじめとしたマスタービルダーが一本一本手がける最高級ライン（多くはオーダーメイド）です。Aska Team Buildは百瀬氏のもとで研鑽を積んだ飛鳥工房の熟練職人チームが製作する高品質ラインで、カスタムショップに準じる品質を持ちながらも、ある程度のラインナップが用意されています。

Q5: ヘッドウェイのギターはどこで購入できますか？
A: 全国の楽器店で取り扱いがあります。特に国産ギターに力を入れている専門店では充実した在庫があることが多いです。試奏してから購入することを強くおすすめします。

Q6: ワンピースネックのメリットは？
A: ヘッドとヒールを貼り付ける一般的な工法と比べ、木材の収縮率の違いによるねじれやゆがみに強く、長期間安定した演奏性を保つことができます。また、振動の伝達効率が良く、サステインが向上します。

Q7: Japan Tune-upシリーズの「チューンナップ」とは？
A: アジア工場で組み上げたギターを、ヘッドウェイ国内工房の職人が細部にわたって調整・仕上げを行うことです。ナットの調整、フレットの処理、弦高設定など、プロギタリストがリペアマンに依頼するようなセットアップを出荷前に施すことで、高い演奏性を実現しています。

和材の活用と伝統工芸技術の融合
ヘッドウェイの代名詞とも言える桜ギターシリーズは、毎年新しいバリエーションが発表されています。2025年には「四季桜」をモチーフとした限定モデルが登場するなど、日本の四季や文化を表現したギター製作が続いています。また、漆塗りを施したモデルや金沢箔を使用したモデルなど、日本の伝統工芸技術とギター製作を融合させる試みも進んでいます。

エントリーモデルの品質向上
Japan Tune-upシリーズを中心に、エントリー～ミドルレンジのモデルにおいても、アリ溝ジョイントやネックの後仕込みなど、従来は高級機にのみ採用されていた技術が導入されています。これにより、手の届きやすい価格帯でも「一生涯弾き続けられる品質」を実現しようとする姿勢が明確になっています。

サステナビリティへの取り組み
震災復興支援として石川県七尾市産の桜材を使用したモデルを製作するなど、社会貢献活動にも積極的です。また、国産材や地域材の活用を通じて、持続可能なギター製作を目指す動きも見られます。

国産ギターとしての地位確立
海外の有名ブランドと比較しても遜色ない品質と、日本人の体格や感性に合わせた独自の設計により、国産ギターの代表格としての地位を確立しています。特に「和材の活用」という独自性は、グローバル市場においても差別化要因となる可能性があります。

コミュニティの形成
YouTubeなどで活躍するアーティストとのコラボレーションにより、若い世代のギタリストにもブランドが浸透しつつあります。おさむらいさんモデルの成功は、デジタルネイティブ世代へのアプローチとして効果的であり、今後のブランド拡大の基盤となっています。

投資価値
カスタムショップやAska Team Buildの限定モデル、特に桜ギターシリーズは製作本数が限られており、コレクターズアイテムとしての価値も高まっています。百瀬恭夫氏の製作した個体は「信州の名工」の作品として、将来的にさらに評価が高まる可能性があります。

課題と展望
国内市場での知名度は高いものの、海外市場での認知度向上が今後の課題です。ただし、TakamineやYamahaのように大量生産・大量販売を目指すのではなく、少量生産の高品質ギターという独自のポジショニングを維持することで、確実な成長が期待できます。

中級者の方
Aska Team Buildシリーズや復刻HJ-523など、ミドル～ハイレンジのモデルがおすすめです。表現力豊かなサウンドと高い演奏性により、技術の向上とともに音楽性を深めていくことができます。セカンドギターとしても品質を妥協したくない方にも適しています。

プロ・上級者の方
カスタムショップやAska Team Buildの最上位モデル、桜ギターシリーズなど、最高品質のギターが揃っています。一本一本職人が手がける楽器は、演奏者の感性と技術を最大限に引き出します。オーダーメイドにも対応しているため、自分だけの理想のギターを手に入れることも可能です。

ジャンル別のおすすめ
フィンガースタイル・ソロギター：ヘッドウェイのバランスの良い音色と優れた演奏性は、フィンガースタイルに最適です。特に桜材を使用したモデルは倍音の美しさが際立ちます。
弾き語り：HD-115シリーズなど、力強く骨太な鳴りを持つモデルが歌声を支えます。
アンサンブル：セミフォワードXブレイシングによる柔らかく温かみのある音色は、他の楽器とのブレンドも良好です。
レコーディング：雑味のない音色とコントロールのしやすさは、レコーディングでも真価を発揮します。

こんな方に特におすすめ
・日本製の高品質なギターを求めている方
・弾きやすさを重視したい方
・温かみのある音色を好む方
・一生涯使い続けられるギターを探している方
・日本の伝統美を感じさせるギターに惹かれる方
・有名ブランドではない「掘り出し物」を見つけたい方

最後に

ヘッドウェイは、1977年の創業以来、「一生涯を掛けて弾き続けて頂けるギターを作る」という信念を貫いてきました。マスタービルダー百瀬恭夫氏の技術と精神を受け継ぐ職人たちが、今日も長野県松本市の飛鳥工房で一本一本丁寧にギターを製作しています。

海外の有名ブランドと比較して知名度は高くないかもしれませんが、その品質と音色は決して劣るものではありません。むしろ、日本人の体格や感性に合わせた独自の設計により、多くのギタリストにとって「最高の相棒」となる可能性を秘めています。

ぜひ一度、楽器店でヘッドウェイのギターを手に取ってみてください。その音色と弾きやすさに、きっと驚かれることでしょう。あなたにとっての「一生涯のギター」が、ヘッドウェイの中に見つかるかもしれません。