シャーベル(Charvel)の歴史
シャーベルの創業者、創業年、発祥地について
シャーベル(Charvel)の歴史は1974年、フェンダーを退社したウェイン・シャーベル氏が南カリフォルニア州サンディマスにリペアショップを開店したことに始まります。当初ウェイン・シャーベルは看板屋のスプレーペインターとして働いていましたが、ギターの修理と再仕上げに興味を持つようになりました。
1970年代初頭にフェンダーで3年ほど働いた経験を活かし、カリフォルニア州サンディマスに「シャーベル・ギター・リペア(Charvel’s Guitar Repair)」を設立。最初は木材を削ってネックとボディを作る技術力と装備がなかったため、ブギー・ボディズ(後のワーモス)のフェンダーライセンス部品を使用して完成品ギターを製作・販売していました。
1978年には従業員のグローヴァー・ジャクソン氏が$40,000で会社を買収し、ウェイン・シャーベル氏は別の道を歩むことになります。その後グローヴァー・ジャクソンが経営権を引き継ぎ、現在のシャーベル・ブランドの基礎を築きました。
シャーベルの代表的なモデル紹介
シャーベルの代表的なモデルには以下があります:
- San Dimasシリーズ:クラシックなシャーベル・サウンドの代名詞
- So-Calシリーズ:ヴィンテージ・スタイルを現代的に解釈
- DK24シリーズ:24フレット仕様のモダン・デザイン
- Pro-Modシリーズ:コストパフォーマンスと機能性を両立
シャーベルが楽器シーンに与えた影響
シャーベルは「スーパーストラト」の歴史を作ったブランドとして知られています。ストラトキャスターにハムバッカー・ピックアップとフロイドローズを搭載したスーパーストラトの歴史は、まさにシャーベルから始まりました。
特にエドワード・ヴァン・ヘイレンが自身のギター「フランケンストラット」をシャーベルのパーツで作っていたことが注目を集め、1980年代のLAメタル・シーンの隆盛とともに「シャーベルと言えばハードロック向け」というイメージが定着しました。
シャーベル(Charvel)の特徴・基本性能・サウンド傾向
シャーベルの音のキャラクター
シャーベルの基本音色は明るいアタックとタイトな低域が特徴で、歪ませても粒立ちが保たれます。ブリッジ側ハムバッカーが標準装備されており、ハードロックやモダンメタルに強いのが持ち味です。
アルダーやバスウッド主体のボディは中域の押し出しが良く、ミックスで抜けやすい特性を持っています。結果的にロック全般からポップス、ファンクまで守備範囲が広く、一本で現場対応しやすいギターと評価されています。
シャーベルのボディ形状やピックアップの特徴
シャーベルの設計思想は「速く、正確に、ラクに」の三拍子で、細部の工作がプレイを後押しします:
- ネック:12〜16インチのコンパウンドラディアスで、ローは握りやすくハイはチョーキングに強い
- ピックアップ:Seymour Duncan JBと’59の王道HH構成、またはHSS/HSH構成でコイルスプリットにも対応
- ブリッジ:Floyd Rose系やGotoh 510の2点支持など、チューニング安定と操作性を両立
- 電装:ノーロードトーンやプッシュ/プル分割など、直感的な音色切り替えが可能
他ブランドとの違い(シャーベル vs 他社)
兄弟ブランドのジャクソンとの比較では:
観点 | シャーベル | ジャクソン |
---|---|---|
基本テイスト | レトロ系スーパーStratの直球サウンド | メタル直球で速弾き/ダウンチューニングに強い |
見た目 | Fender系ヘッドで「馴染む」ルックス | 尖ったシェイプとロゴで舞台映え |
用途 | 万能に使える | 徹底して攻める |
シャーベル(Charvel)の使用アーティスト
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 | 列 1 |
---|---|---|---|---|---|---|
Charvel Desolation Skatecaster SK-1 | Charvel | Amazon最安値 | Evanescence | Terry Balsamo | エレクトリックギター | ライブで使用され、特徴的なデザインとサウンドが特徴。 |
Charvel USA Custom Shop Jim Root Signature | Charvel | Amazon最安値 | Slipknot | Jim Root | エレキギター | Daemonum PU搭載、2021年以降ライブ用 |
Charvel Custom Guitars | Charvel | Amazon最安値 | Thin Lizzy | Gary Moore | スーパー・ストラト | 1980年代後半、EMG 81/85搭載、キース・ペイジ改造。 |
Charvel San Dimas Custom | Charvel | Amazon最安値 | Blue Murder | John Sykes | エレキギター | 1987年Whitesnakeアルバムでトレモロ曲に使用。カスタムショップ製。 |
Charvel(カスタムペイント) | Charvel | Amazon最安値 | Korn | Brian Welch | エレキギター | ティーン時代に所有。ジョージ・リンチ風タイガーストライプ塗装。現在は使用されていない。 |
Charvel San Dimas (Black) | Charvel | Amazon最安値 | UFO | Adrian Smith | スーパーST系 | 1986年「Wasted Years」MVで使用。 |
Charvel EVH Art Series Guitar | Charvel | Amazon最安値 | Love Psychedelico | Naoki | ソリッド | Eddie Van Halenモデル。趣味的に使用。 |
Charvel Model 6 | Charvel | Amazon最安値 | 初期活動 | Michael Amott | スーパーStrat系 | 80年代的なハードロックサウンド。 |
シャーベルを使用する有名アーティスト
シャーベルは多くの著名ギタリストに愛用されています:
- ウォーレン・デ・マルティーニ(Ratt):USA Signature San Dimasモデルでグラムメタルの切れ味を再現
- ジェイク・E・リー(元Ozzy Osbourne):So-CalベースのSignatureモデルで80sサウンドを表現
- Satchel(Steel Panther):Pro-Mod DK22 HH FRでモダンな表現力を発揮
- Angel Vivaldi:Pro-Mod DK24 Novaでテクニカルなプレイを支える
- アラン・ホールズワース:ジャズ・フュージョン分野での使用で話題
シャーベル × モデル × アーティスト対応表
アーティスト | 使用モデル | 特徴 |
---|---|---|
ウォーレン・デ・マルティーニ | Warren DeMartini Signature | スネークスキン・グラフィック |
ジェイク・E・リー | Jake E Lee Signature | パールホワイト、HSS配列 |
Satchel | Pro-Mod DK22 HH FR | Fishman Fluence搭載 |
シャーベル(Charvel)の関連ギターブランド
シャーベルの姉妹ブランド・廉価版
ジャクソン(Jackson)がシャーベルの姉妹ブランドとして位置づけられています。現在は同じフェンダー傘下のJackson Charvel Musical Instrumentsが両ブランドを運営しています。
歴史的には、1980年にランディ・ローズのために作ったギターがシャーベルのイメージとかけ離れていたため、新ブランド「Jackson」として誕生した経緯があります。
シャーベルのライバル・同ランクブランド
- Ibanez:Wizard系の極薄高速ネックでテクニカル系に強い
- ESP/E-II:ハイグレード仕様と堅牢性で定評
- Dean:個性派シェイプで攻撃的なサウンド
- Schecter:モダン寄りの実用性を重視
シャーベル(Charvel)ラインナップとおすすめモデル一覧
モデル名 | 特徴 | 価格帯 | 使用アーティスト |
---|---|---|---|
Pro-Mod San Dimas | JB/’59とFR1000、HSS/HT選択可 | 15〜20万円台 | 初心者〜プロまで |
Pro-Mod DK24 | 24F・Gotoh510・多彩な配線 | 15〜20万円台 | Angel Vivaldi |
MJ Series | 日本製精度と耐久の両立 | 21〜25万円台 | プロユース |
USA Select | 最高素材と選別工程 | 30万円台後半〜 | プロ・コレクター |
シャーベル(Charvel)を実際に使用した人の声【レビュー要約+評判口コミ】
ポジティブ意見:シャーベルの音質・デザイン・使いやすさ
- ネックの握り心地とサテンの滑りが高評価を獲得
- 上位互換な配線で現場対応力が高いとプロから支持
- 軽量で取り回しが良い個体が多いと初心者にも好評
- 12〜16インチのコンパウンド指板でコードも速弾きも対応可能
- 弾きやすさ優先の設計で長時間演奏でも疲れにくい
ネガティブ意見:シャーベルの重量・価格・調整の難しさ
- 出荷時の弦高やPU高さが合わず、微調整を要する場合がある
- 個体差による当たり外れが指摘されることがある
- PUのキャラクターがモダン寄りで、温かいヴィンテージ感を求める層とは相性が分かれる
- フロイドローズ系の整備コストが発生する場合がある
総評コメント(AI要約)
シャーベルは「即戦力の作業ギター」としての信頼性が最大の評価ポイントです。適切なセッティングにより、クリーンからハイゲインまで幅広く対応でき、特に現場での安定性と演奏性のバランスが優秀と評価されています。価格帯に対して得られる仕様が濃く、初心者からプロまで長期間使用できるコストパフォーマンスの高さも魅力として挙げられています。
シャーベル(Charvel)の新品・中古価格比較と最安値先
シャーベル(Charvel)の類似・代替案おすすめギター紹介(比較付き)
シャーベルと同価格帯や特徴が近いギター2〜3本紹介
- Ibanez RG Series:超薄ネックとジャンボフレットでテクニカル演奏に特化
- ESP E-II ST-1:ハイエンド仕様とモダンなサウンドでプロ使用に対応
- PRS SE Custom 24:ヴァーサタイルなサウンドと上質な仕上げが魅力
音・価格・デザインの比較ポイント(シャーベル vs 他ブランド)
ブランド | 音の特徴 | 価格 | デザイン |
---|---|---|---|
シャーベル | 明るくタイトな抜けの良さ | 15〜30万円台 | クラシックで馴染みやすい |
Ibanez RG | クリアで分離の良いサウンド | 10〜25万円台 | モダンで機能的 |
ESP E-II | パワフルで現代的なトーン | 20〜40万円台 | エッジの効いた攻撃的なルックス |
シャーベル(Charvel)まとめ・選び方(初心者向け、プロ向け?)
シャーベルがどんな人に向いているか(初心者/プロ/ジャンル別)
初心者にとってのシャーベルは、弾きやすさを重視した設計により上達をサポートする理想的な選択肢です。特にPro-Mod San DimasやDK24は、コンパウンドラディアス指板とロールドエッジにより、コードワークから速弾きまでスムーズに移行できます。
中級者〜上級者には、MJ SeriesやUSA Selectが表現力と耐久性を両立し、ライブやレコーディングでの信頼性を提供します。特に現場での安定性と多様な音色切り替えが重要なプロフェッショナルに支持されています。
ジャンル別適性:
- ハードロック・メタル:元々の設計コンセプト通り、最も得意とする分野
- フュージョン・プログレ:速いフレーズでも音が埋もれにくい特性を活用
- ポップス・ファンク:コイルスプリット機能により幅広い音色に対応
- ブルース・ジャズ:モダン寄りの音色のため、ヴィンテージ志向には不向き
シャーベル購入時の選び方ポイント
シャーベルを選ぶ際の重要なポイント:
- ブリッジの種類:固定ブリッジ(安定性重視)か、フロイドローズ(表現力重視)か
- ピックアップ配列:HH(パワー重視)、HSS(汎用性重視)、HSH(多彩な音色)
- フレット数:22フレット(伝統的)か24フレット(モダン)か
- 予算とグレード:Pro-Mod(15〜20万円)、MJ(21〜25万円)、USA Select(30万円〜)
- ネックの握り心地:実際の試奏による手への馴染み具合
最終的な判断基準は、「弾きやすさ×音の好み×予算」のバランスです。シャーベルは「即戦力の作業ギター」として設計されているため、長期間使用することを前提とした選択をおすすめします。
- 公式サイト:シャーベル 公式
- 販売サイト:
本記事はシャーベル(Charvel)の公式情報および主要販売サイトを参考にしています。
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