始めに(特徴紹介)
Stereophonics(ステレオフォニックス)のフロントマンであり、ギタリスト/ボーカリストとしてバンドの核を担うのがKelly Jones(ケリー・ジョーンズ)です。
彼のサウンドの特徴は、シンプルながらも力強いリフワークとメロディセンスにあり、UKロックらしい骨太さとアメリカンロックの広がりを併せ持っています。
代表的な楽曲では「Dakota」「Have A Nice Day」「Maybe Tomorrow」などがあり、それぞれで異なるギターの表情を見せています。例えば「Dakota」ではストレートなロックサウンドを、「Maybe Tomorrow」では柔らかいクリーンとアコースティックを、「Bartender And The Thief」では荒々しい歪みを聴かせています。
特に彼のギターの鳴らし方は、過度に複雑なエフェクトに頼らず、アンプの特性とギターそのもののトーンを活かすスタイルが中心です。そのため、ライブではラフなセッティングでありながら、常にフロントに抜けてくる音を実現しています。
また、彼の機材遍歴を見ると、長年使い込んで修理を重ねたGibson SGや、スタジオでのGretsch使用など、プレイヤーの「実用主義」が色濃く反映されています。つまり、ケリー・ジョーンズの音作りは「必要な場面に必要なギターを選ぶ」ことが最大の特徴とも言えるでしょう。
そんな彼の機材と音作りを理解することで、ステレオフォニックスらしいロックサウンドを再現できるヒントを掴めるはずです。
以下に、アンプ・ギター・エフェクターの使用例をまとめながら、セッティングやサウンドの方向性を詳しく解説していきます。
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使用アンプ一覧と特徴【Stereophonics・Kelly Jones】
ケリー・ジョーンズの音作りにおいてアンプの選択は非常に重要です。彼はシンプルなアンプを基盤に据え、ギター本来の鳴りを活かす方向性をとってきました。そのためライブやレコーディングでは、ブリティッシュロックの伝統を受け継ぐアンプと、アメリカ製の堅実なコンボアンプを併用しているのが特徴です。
まず、初期のStereophonicsではPeavey Bandit(通称PV Bandit)が使用されていたことが確認されています。1stアルバム制作時にレコーディングで用いられ、その後ライブでも確認されています。小型でありながら音圧がしっかりしており、箱の上に置いて高さを稼ぐなど実用的な使い方をしていました。
その後の代表的なアンプとしては、Matchless C-30が挙げられます。Vox AC30をベースに設計されたこのアンプは、クリーンからクランチまで幅広くカバーでき、ステレオフォニックスのトーンの基盤となっています。特に中域の太さがケリーの声と自然にブレンドされるため、バンド全体の音を支える役割を果たしています。
Marshall系の機材も重要です。スタジオではMarshall 50Wヘッドとキャビネットを組み合わせてメインに使うことが多く、いわゆる王道のUKロックサウンドを生み出しています。これによって荒々しいロックナンバーでは存在感のある歪みが得られています。
さらに、キャリア中期にはFender Hot Rod Deluxeも使用しており、シンプルでクリーンなアンプらしいサウンドを提供しています。ブルース寄りの温かみをプラスすることで、柔らかいアレンジにも対応していました。
近年ではBad Cat Cougar 50が使用されており、50W Class ABのコンボアンプとして現代的なバランスと信頼性を兼ね備えています。これにより、ライブでの安定した鳴りと、力強さを両立していると考えられます。
総じて言えば、ケリー・ジョーンズはライブではシンプルかつ頑丈で抜けの良いアンプを選び、スタジオではMarshallやMatchlessといった伝統的なUKアンプを基盤に使うスタイルを貫いています。これらの機材が彼のロックらしい音を形作っていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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Bad Cat Cougar 50 | Bad Cat | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | 50WクラスABコンボ。近年のライブで使用。 |
Matchless C-30 | Matchless | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | AC30系設計。バンドサウンドの基盤。 |
Peavey Bandit | Peavey | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | 1stアルバム時に使用。ライブでも確認。 |
Fender Hot Rod Deluxe | Fender | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | キャリア中期に使用。クリーン〜クランチが特徴。 |
Marshall 50W Head | Marshall | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | スタジオのメインアンプ。王道UKロックサウンド。 |
Marshall Cabinet | Marshall | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | 上記ヘッドと組み合わせて使用。 |
使用ギターの種類と特徴【Stereophonics・Kelly Jones】
ケリー・ジョーンズのギターコレクションは多岐にわたり、彼のキャリアとともに進化してきました。ステージやスタジオごとに適切なギターを選び、曲ごとの質感を大切にするプレイヤーであることが、使用機材の履歴からもよく分かります。
もっとも象徴的なギターは1990年代に購入したGibson SGです。彼にとって「#1」とも言える存在で、1996年から現在に至るまでメインギターの座を守っています。何度も修理を重ね、フレット交換やヘッド折れ修復を経験しつつも現役で使われ続けており、Rotosound 10–46弦が張られています。このギターは「The Bartender And The Thief」など代表曲で聴けるラウドで切れのあるサウンドを支えています。
スタジオにおいてはGretsch Country Gent(オレンジ)が重要な役割を果たしました。過去3作のほぼ全曲に使われたと言われるほどで、弦交換をせず数年使い続けるなど、ケリーの独特なこだわりが見られます。Gretschらしいジャングリーな響きは、ステレオフォニックスのアンサンブルに独自の空気感を加えています。
また、12弦モデルのGretsch G5422DC-12や、Gibson ES-339 Flamed Maple Top、Gretsch 6120N New Nashvilleといったギターもステージで確認されており、楽曲のレンジに応じて使い分けていることが分かります。特に12弦は「Dakota」のように広がりのあるサウンドで威力を発揮します。
アルバム『Language. Sex. Violence. Other?』期にはFender MustangやFender Vintage Jaguar (Seafoam Green) が用いられています。ジャガーはアルバムのアートワークにも登場し、その時代を象徴する一本です。フェンダー特有の軽快さと独自のトーンが、バンドのサウンドに新たな表情を与えています。
近年はGibson Custom CS-336 Plain Topをよく使用しており、Adam Zindani加入以降はSGやLPの代替機として汎用性高く活躍。さらにアコースティック面ではGibson J-150 Acousticがライブやレコーディングで重宝され、大音量の中でも埋もれにくい特性を持っています。
特筆すべきは£20で購入したピンクやブラウンのナイロン弦ギターです。これは娘のために買ったものですが、実際に最新作の作曲で多く使われており、「What’s All The Fuss About」のようなスパニッシュ調のアルペジオ曲で聴けます。こうした遊び心や実験的な選択も、ケリーの音楽性の一部です。
サブとしてFender Telecasterも用意されており、アダム・ジンダーニのTexas Specials搭載テレキャスとのバランスを取る役割を担っています。
このようにケリー・ジョーンズのギター選びは、その時期のサウンドコンセプトや編成に応じて柔軟に変化してきました。スタジオではGretsch、ライブではSGやCS-336を主軸とし、状況に応じて幅広く対応するスタイルが一貫しています。彼の音作りは「ギターのキャラクターを曲に合わせて選ぶ」ことに尽きると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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Gibson SG (1990年代製) | Gibson | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | エレキ | 1996年購入。#1。修理歴多数。Rotosound 10–46弦使用。 |
Gretsch Country Gent (オレンジ) | Gretsch | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | エレキ(セミアコ) | スタジオでのメイン。過去3作ほぼ全曲に使用。 |
Gretsch G5422DC-12 Electromatic | Gretsch | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | 12弦エレキ | 広がりあるサウンドで使用。 |
Gibson ES-339 Flamed Maple Top | Gibson | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | セミアコ | ライブやスタジオで使用。バランスの良いモデル。 |
Gretsch 6120N New Nashville | Gretsch | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | フルアコ | ジャングリーなサウンドを提供。 |
Fender Mustang | Fender | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | エレキ | 『Language. Sex. Violence. Other?』期に使用。 |
Fender Vintage Jaguar (Seafoam Green) | Fender | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | エレキ | 同アルバムのアートワークにも登場。 |
Gibson Custom CS-336 Plain Top | Gibson | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | セミアコ | 近年よく使用。汎用性が高い。 |
Gibson J-150 Acoustic | Gibson | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | アコースティック | 大音量でも埋もれにくい。堅牢なモデル。 |
Gibson Les Paul Standard | Gibson | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | エレキ | 「Bartender And The Thief」のドロップチューニングで使用。 |
Gibson Custom 1957 Les Paul Goldtop Reissue | Gibson | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | エレキ | 近年のライブや録音で使用確認あり。 |
ピンクのナイロン弦ギター (£20) | Unknown | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | クラシックギター | 娘のため購入。最新作の作曲で使用。 |
ブラウンのナイロン弦ギター (£20) | Unknown | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | クラシックギター | スパニッシュ調アルペジオ曲に使用。 |
Fender Telecaster | Fender | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | エレキ | Adam Zindaniのテレキャスとサウンド調整用。 |
使用エフェクターとボード構成【Stereophonics・Kelly Jones】
ケリー・ジョーンズのエフェクターボードは、派手さよりも実用性を重視した構成が特徴です。彼のサウンドはギターとアンプそのものに依存する部分が大きく、エフェクターは必要最低限にとどめています。ただし、ライブや特定の楽曲ではしっかりと個性を加えるためのエフェクトを使い分けているのもポイントです。
もっとも代表的に使用されるのがWahペダルです。「More Life in a Tramp Vest」や「Bartender and the Thief」のソロではローファイで攻撃的な質感を生み出し、ライブでは片方のアンプのみをワウに通すセッティングで立体感を演出しています。ワウはケリーのサウンドアイデンティティのひとつと言えるでしょう。
ブーストや音量調整の要としてはBoss GE-7 Graphic Equalizerが使用されています。オーバードライブを2台併用すると音痩せが発生するため、その代替としてボリュームを少し上げ、トーンをフラットに保つ用途で活躍しています。シンプルながら的確な仕事をするペダルです。
歪み系としてはMXR Doubleshot Distortionが使用され、力強いドライブサウンドを生み出します。加えてDistortion Pedal(モデル不明)の存在も語られており、時期によっては導入されていたと考えられます。ただしステレオフォニックスのサウンドはアンプ由来の歪みに依存しているため、これらは補助的な役割が大きいです。
また、Boss PH-3 Phaserも重要な存在です。「Rooftop」で使用されており、Stage 10 / Reso 11–12時 / Depth 10時という細かいセッティングが確認されています。フェイザーを駆使することで、シンプルなコードワークにも揺らぎと奥行きを加えています。
ライブで複数アンプを切り替える際にはPete Cornish Amp Selectorが導入されており、「Looks Like Chaplain」などで確認されています。こうした実用的な機材選びは、ケリーのステージにおける安定感を裏付けています。
加えて、Xotic EP Boosterも所有していることが確認されています。これはエコープレックスのプリアンプサウンドを再現する人気ブースターで、温かみと存在感を音に与えることができます。ライブやスタジオ問わず、ニュアンスの補強に活用されていると推測されます。
過去にはMarshall Blues Breakerを2台使用していたこともありましたが、2台のオーバードライブを併用すると音痩せしてしまうため、現在は非使用とされています。こうした試行錯誤の経緯からも、彼が常に実用性を追求してきたことが伺えます。
総じてケリー・ジョーンズのエフェクト構成は、ワウとブースター、イコライザー、フェイザーを中心としたシンプルな組み合わせです。歪みはアンプ主体に任せつつ、必要に応じて補助的に使う方針で、これが彼の骨太でナチュラルなサウンドを支えていると想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
MXR M-151 Doubleshot Distortion | MXR | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | ディストーション | ライブやスタジオでの歪み補強に使用。 |
Pete Cornish Amp Selector | Pete Cornish | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | スイッチングシステム | ライブでのアンプ切替用。 |
Xotic EP Booster | Xotic | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | ブースター | エコープレックス風トーンを補強。 |
Boss GE-7 Graphic Equalizer | Boss | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | イコライザー | 音量ブーストとトーン調整に使用。 |
Wah Pedal | Vox / Dunlop 等 | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | ワウペダル | 代表曲のソロで多用。ライブでは片アンプのみ通す設定も。 |
Boss PH-3 Phaser | Boss | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | フェイザー | 「Rooftop」で使用。Stage10などセッティング確認済み。 |
Distortion Pedal(モデル不明) | 不明 | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | ディストーション | 使用言及あり。必須ではないとされる。 |
Marshall Blues Breaker | Marshall | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | オーバードライブ | 過去に2台使用。現在は非使用。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Stereophonics・Kelly Jones】
ケリー・ジョーンズの音作りは「ギターとアンプの組み合わせを中心に、エフェクターは必要最低限」というスタイルが貫かれています。そのため、EQやアンプセッティングは非常に重要で、彼のラウドかつ抜けの良いサウンドはここに秘密があります。
まずアンプの基本セッティングですが、Matchless C-30やMarshall 50W Headを使う場合、トーンの方向性は中域を強調したセッティングが中心です。ベースは12時前後、ミドルはやや上げ気味(1〜2時)、トレブルは控えめ(11時前後)といったバランスが多く見られます。これはケリーの声が中音域にしっかり存在しているため、ギターも同じ帯域で競合せずに溶け合うよう調整されていると考えられます。
クリーントーンを求める場面ではFender Hot Rod DeluxeやGibson J-150 Acousticが用いられますが、EQの調整はフラット寄りで、アコースティックでも中域が抜けるよう工夫されます。特に大音量の中でも埋もれにくいJ-150は、ステレオフォニックスのライブの要とも言える存在です。
歪みの使い方については、基本的にアンプ由来のオーバードライブを主体とし、エフェクターは補助的です。例えばMXR Doubleshot Distortionは深い歪みを補強するために使用されますが、音痩せを避けるためBoss GE-7でトーンと音量を整える工夫が見られます。これにより分厚い壁のようなギターサウンドを保ちながら、楽曲中でのダイナミクスを確保しています。
ワウペダルのセッティングは楽曲ごとに微妙に異なり、「Bartender and the Thief」では深く踏み込み荒々しいカッティング感を出し、「More Life in a Tramp Vest」ではローファイな質感を狙って浅めのレンジで使用しています。さらに、ライブでは片方のアンプのみにワウを通すセッティングを採用することで、音場に立体感と奥行きを作り出しています。
フェイザー(Boss PH-3)の場合は具体的な設定値が残されており、「Rooftop」で使用されたStage 10、Reso 11〜12時、Depth 10時の設定は、浮遊感を持ちつつも過剰にならない絶妙な揺らぎを生み出しています。シンプルなコード進行に動きを与え、リスナーに印象的な空間を提供する工夫です。
PAやミックス面では、ケリーのギターはボーカルと同じ帯域に位置するため、エンジニアはバッキングとリードを明確に分けて処理することが多いです。リズムギターにはコンプレッションを軽めにかけ、リードはミドルを強調し前に出す。ディレイやリバーブは極力抑え、ドライでストレートな音像を保つのが特徴です。
また、ライブにおいては二人目のギタリスト(アダム・ジンダーニ)との役割分担も重要です。テレキャスターを用いたカッティングやクリーンと、ケリーのSGやレスポールによる力強いバッキングを組み合わせることで、ステレオフォニックス特有の厚みあるサウンドが完成します。このバランスが整うよう、EQやアンプのCH切替が曲ごとに工夫されています。
結論として、ケリー・ジョーンズの音作りは「中域重視」「アンプドライブ主体」「必要最小限のエフェクトで立体感を付加」という三本柱で構成されているとまとめられます。これは本人のプレイスタイルに直結しており、彼のラフで骨太なギタープレイを最も自然に響かせるための必然のセッティングであると想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Stereophonics・Kelly Jones】
ケリー・ジョーンズのサウンドは、Gibson SGやMatchless、Marshallといった高価な機材に支えられていますが、初心者や中級者がすべてを揃えるのは現実的ではありません。ここでは、比較的安価で手に入る市販機材を活用し、ステレオフォニックス風の音に近づけるための代替案を紹介します。価格帯は1万〜5万円程度を目安にしています。
まずギターに関しては、Epiphone SG Standardが最適な選択肢です。ケリーの象徴ともいえるGibson SGは高額ですが、エピフォン版であれば5万円前後で購入可能です。中域が前に出る骨太なサウンドは本家に近く、ライブや練習でも十分に対応できます。さらに12弦サウンドを求める場合は、安価なAriaやDanelectroの12弦モデルも候補になります。これにより「Dakota」のような広がりを体感できます。
アンプについては、Marshall Code 50やBoss Katana 50 MkIIがコストパフォーマンスに優れています。Marshall Codeはクラシックなマーシャルサウンドをモデリングで再現でき、クランチからドライブまで対応可能。Boss Katanaはクリーンから歪みまで万能で、さらにエフェクト内蔵型なので追加ペダルを揃えなくてもケリー風の音作りが可能です。
エフェクターでは、ワウペダルはDunlop Cry Baby Standard GCB95が定番です。1万円台で手に入り、ケリーが使用するローファイで攻撃的な質感を簡単に再現できます。さらに歪み系ではBoss DS-1 DistortionやBoss SD-1 Super OverDriveが有効。特にSD-1はアンプドライブをプッシュする用途に適しており、MarshallやKatanaと組み合わせれば分厚いサウンドを作れます。
ブーストやEQ用途では、Boss GE-7の代替としてMooer Graphic Gが安価で使いやすいです。音量の微調整やトーン補正に役立ち、ケリーが意識している「音痩せ防止」を体験できます。加えて、Xotic EP Boosterは本家と同様の温かみを得られますがやや高額なので、代替としてTC Electronic Spark Boosterがコスト的におすすめです。
空間系のエフェクトを補うなら、Boss PH-3 Phaserをそのまま導入してもよいですが、より安価に試すならBehringer VP1 Vintage Phaserなども候補です。「Rooftop」で聴ける浮遊感あるサウンドを再現するのに十分な性能を持っています。
これらの機材を組み合わせれば、数万円の投資でケリー・ジョーンズらしいサウンドにかなり近づけることが可能です。大切なのは「中域を意識したアンプセッティング」「ワウやフェイザーで曲に表情を付ける」「EQで音痩せを防ぐ」という3つのポイントを押さえることです。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
ギター | Epiphone SG Standard | Epiphone | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | Gibson SGの廉価版。5万円前後で入手可能。 |
アンプ | Boss Katana 50 MkII | BOSS | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | クリーンから歪みまで幅広く再現可能。初心者にも扱いやすい。 |
アンプ | Marshall Code 50 | Marshall | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | モデリングアンプ。マーシャル系サウンドを安価に体験可能。 |
エフェクター | Dunlop Cry Baby GCB95 | Dunlop | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | ワウペダルの定番。ケリーの代表曲ソロの再現に最適。 |
エフェクター | Boss SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | アンプをブーストして厚みを加えるのに有効。 |
エフェクター | Boss GE-7 Graphic Equalizer | BOSS | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | 音痩せを防ぎ、ブースター用途として使える。 |
エフェクター | Behringer VP1 Vintage Phaser | Behringer | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | 安価で導入可能なフェイザー。空間的な揺らぎを付与可能。 |
エフェクター | TC Electronic Spark Booster | TC Electronic | Amazonで探す | Stereophonics | Kelly Jones | Xotic EP Boosterの代替に最適。温かみのあるブーストが可能。 |
総括まとめ【Stereophonics・Kelly Jones】

ケリー・ジョーンズの音作りを総合的に振り返ると、そこには「シンプルさと実用性」という一貫した美学が貫かれていることが分かります。彼はギターやアンプそのものが持つ個性を重視し、必要最低限のエフェクトで彩りを加えるだけ。その潔さがステレオフォニックスらしい骨太でラフなサウンドを支えているのです。
具体的には、長年愛用してきたGibson SGやスタジオで活躍したGretsch Country Gentなど、ギターのキャラクターを曲ごとに選び抜く姿勢が特徴的です。MarshallやMatchlessといった王道アンプを軸に、中域を強調したEQバランスでセッティングし、バンド全体の音と自然に溶け合う工夫をしています。これは「Dakota」のような力強いロックナンバーから、「Maybe Tomorrow」のようなメロウな楽曲まで幅広く対応するために必須のアプローチです。
エフェクターに関しても、ワウやフェイザー、イコライザーといった数台に厳選されており、必要な場面でのみ活用。過度に頼ることなく、むしろギターの生音を前に出す姿勢が強く見られます。アンプ切替のためのセレクターやブースターも導入されていますが、それもあくまで実用性と安定性を求めた結果です。
初心者や中級者が音を再現する場合でも、この考え方は大いに参考になります。高価なSGやMatchlessを用意できなくても、「中域重視のセッティング」「ワウやフェイザーで曲ごとに表情を変える」「EQで音痩せを防ぐ」といった工夫を取り入れるだけで、ケリー風のサウンドに近づけることが可能です。Epiphone SGやBoss Katanaなどの代替機材を組み合わせれば、コストを抑えつつ実践的なロックサウンドを得られます。
総括すると、ケリー・ジョーンズの音作りの本質は「ラフに見えて緻密」「シンプルでありながら存在感がある」という点にあります。彼のプレイは常に曲に寄り添い、バンド全体の音像を支えるための選択をしてきました。その姿勢を理解すれば、ギタリストとしてのサウンドメイキングにおいて重要なヒントを得られるでしょう。ステレオフォニックスを聴き込み、自分の機材で実践しながら調整することこそ、彼のサウンドに近づく第一歩なのです。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
🎸 ギター
Gibson ES-339 Flamed Maple Top
Gretsch G5422DC-12 Electromatic Hollow Body 12-String
Gretsch 6120N New Nashville
Gibson Custom 1957 Les Paul Goldtop Reissue
Fender Mustang
『Language. Sex. Violence. Other?』制作に使用。
Fender Vintage Jaguar (Seafoam Green)
同アルバムのアートワークにも登場。制作にも使用。
Gibson Custom CS-336 Plain Top
近年よく使用。汎用性が高く、Adam Zindani加入以降はSGやLPの代替に。
Gibson J-150 Acoustic
大音量の中でも埋もれにくい。弾きにくいが頑丈。
Gibson SG (1990年代製)
彼の“#1”。1996年購入。フレット交換済み。ヘッド折れ2回修理。Rotosound 10–46弦使用。
Gibson Les Paul Standard
Manny’sで購入。ピックアップカバーなし仕様を気に入り、「Bartender And The Thief」のドロップチューニングなどで使用。
Gretsch Country Gent (オレンジ)
スタジオでのメインギター。過去3作ほぼ全曲に使用。弦交換せず数年使い込んだことも。
ピンクのナイロン弦ギター(£20)
娘のために購入。最新作の多くを作曲。スパニッシュなアルペジオ曲(例:「What’s All The Fuss About」)で使用。
ブラウンのナイロン弦ギター(£20)
上記と同用途。
Fender Telecaster
Adam ZindaniのテレキャスはTexas Specials搭載。Kellyとのサウンドバランス調整用。
🔊 アンプ
Bad Cat Cougar 50 (50W Class AB Combo)
Matchless C-30
AC30ベースの設計で、彼のトーンの基盤。
PV Bandit
1stアルバム制作時に使用。ライブでも確認。アンプを箱に乗せて高さを稼ぐことも。
Fender / Hot Rod Deluxe
キャリア中期に使用。
Marshall 50W Head
スタジオでのメイン。
Marshall Cabinet
上記ヘッドと組み合わせ使用。
🎛️ エフェクター
MXR M-151 Doubleshot Distortion
Pete Cornish Amp Selector
ライブでアンプ切替用(例:「Looks Like Chaplain」@カーディフ城)。
Xotic EP Booster
所有が確認されている。
Boss GE-7 Graphic Equalizer
ブースター用途。音量を少し上げ、トーンをフラットに保つ。オーバードライブ2台併用で音痩せするための代替。
Wah Pedal
「More Life in a Tramp Vest」(ローファイな質感)や「Looks Like Chapman」「Roll Up and Shine」「Bartender and the Thief」のソロで使用。片方のアンプのみワウに通すセッティングも。
Boss PH-3 Phaser
「Rooftop」で使用。セッティング=Stage 10 / Reso 11–12時 / Depth 10時。
Distortion Pedal(モデル不明)
使用の言及あり。ただしStereophonicsのサウンドには必須ではないと評される。
Marshall Blues Breaker
過去に2台使用。2OD同時使用で音痩せのため現在は非使用。
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