始めに(特徴紹介)
ニューヨークを拠点とするポストパンクリバイバルの代表格、Interpol(インターポール)。そのサウンドの中核を担っているのが、ギタリストのDaniel Kessler(ダニエル・ケスラー)です。彼のギタープレイは、切れ味のあるアルペジオ、冷徹ながらも温かみを持つクリーントーン、そして独特なリズム感が大きな特徴となっています。
代表曲『Obstacle 1』『Evil』『Slow Hands』などでは、シンプルながらも耳に残るリフや空間を生かしたクリーンギターの響きが印象的です。ディレイやリバーブを駆使しながら、過剰に歪ませることなく、バンド全体の空気感を支えるサウンドメイキングがDanielの真骨頂といえるでしょう。
また、彼の音作りはギター自体のキャラクターを最大限に生かすセッティングが中心で、セミアコやフルアコを多用することで、ポストパンクの冷たさとクラシックな温もりを両立しています。アンプもクリーンが美しいFender系を中心に選び、エフェクターは必要最小限の歪みと空間系を組み合わせているのが特徴です。
なぜ彼の音が注目されるのか。それは、同ジャンルの多くのギタリストが激しいディストーションやノイズを追求する中で、彼はあくまで「余白のある音」「楽曲に寄り添う透明感」を重視しているからです。Interpolの音楽を聴くと、どの楽器も主張しすぎず、それでいて全体が強烈な存在感を放つ。その中心にDanielのサウンドがあるといえるでしょう。
Interpolの楽曲を深掘りし、彼のサウンドを再現したいギタリストにとって、本記事は大きな参考になるはずです。
以下のリンクからInterpolの公式MVをチェックして、実際の音を確認してみてください。
使用アンプ一覧と特徴【Interpol・Daniel Kessler】
Daniel Kessler(ダニエル・ケスラー)の音作りにおいて、アンプは極めて重要な役割を果たしています。彼が多用するのはFender系アンプであり、そのクリーントーンの美しさと空間系エフェクトとの相性が、Interpol独特の冷たくも温かい質感を支えています。
特に代表的なのはFender Twin Reverbで、これは『Antics』期のツアーで使用が確認されています。大出力でステージを満たす澄んだクリーントーンは、ディレイやリバーブの響きを損なわず、バンド全体の音に広がりを与えます。また、同系統のFender Pro Reverbも使われており、ややミッドに寄った柔らかいクリーンが特徴です。
さらに、録音現場ではFender Princeton(60年代製)が特に重要な存在です。Peter Katisが手掛けた『Antics』のレコーディングでも使用され、その控えめながらも深い響きが作品の質感を決定づけました。近年のライブでもPrincetonを持ち込み、Gibson製アンプやCarr Skylarkとブレンドして使用するケースも見られます。こうしたブレンド手法は、1台のアンプに頼らず、複数の個性を掛け合わせることで音に立体感を与える工夫といえるでしょう。
一方で、アンプを選ぶ際の背景には「クリーンで空間を活かす音作り」が明確にあります。Interpolの楽曲はディレイやリバーブによる残響が命であり、過度に歪むアンプではその魅力が失われてしまいます。Kesslerはあえてクリーン主体のアンプを使い、必要に応じてペダルでゲインを補うというアプローチを徹底しています。
このように、彼のアンプ選びはライブとレコーディングで異なるものを使い分ける柔軟さを持ちながらも、一貫して「クリーンを基盤にした空間系重視の音作り」に根ざしているといえるでしょう。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Fender Twin Reverb | Fender | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | 『Antics』ツアーで使用。澄んだクリーンが特徴。 |
Fender Pro Reverb | Fender | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ややミッド寄りの温かいクリーン。 |
Fender Princeton (60年代製) | Fender | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | 『Antics』レコーディングで使用。近年はライブでも愛用。 |
Gibson製アンプ | Gibson | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | Princetonとブレンド使用。詳細モデルは不明。 |
Carr Skylark | Carr Amplifiers | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | Princetonとのブレンド用として使用。 |
これらのアンプ構成を見ると、ダニエル・ケスラーはあくまでクリーンを中心に据え、複数アンプを組み合わせて音像を広げるスタイルを徹底している、と想定されます。
使用ギターの種類と特徴【Interpol・Daniel Kessler】
Daniel Kessler(ダニエル・ケスラー)の音色の核を形成しているのは、セミアコやフルアコといった独自のチョイスによるギター群です。彼は単にエフェクターに頼るのではなく、ギター本体が持つキャラクターをそのまま活かし、ポストパンクの冷徹さとクラシックな温もりを融合させています。
まず最も象徴的なのはGibson ES-330です。P-90を搭載し、さらにBigsby B-7を備えた個体を愛用しています。特に1968年製を使用することもあり、そのサウンドは「時代を超越した、誠実で感情的、そして傷つきやすい」と評されます。セミホローボディならではの柔らかいトーンが、Interpolの楽曲に漂う切なさを一層強調しています。
次に重要なのがEpiphone Casinoです。彼は1967年製“Casiera”など複数のCasinoを使い分け、初期アルバム『Turn On The Bright Lights』や『Antics』では大活躍しました。最初に使用していたCasinoは盗難に遭いましたが、同年代のモデルを現在も使用しており、その音色はInterpolの初期サウンドに直結しています。Casino特有の軽やかで明瞭な響きは、バンド全体のダークな雰囲気を支える一方で、楽曲に抜けの良さを与えています。
さらにGibson ES-335も使用。鐘のような透明感と温かみのあるクリーンは、スタジオ録音においても安定した存在感を発揮します。また、よりジャングリーで硬質なサウンドを求める場面ではRickenbacker 330 Jetgloを持ち出し、モダンかつ煌びやかなアルペジオを実現しています。
他にもGretsch Anniversary(1960年代製)を使う場面も確認されており、特に1960年製の個体は出力が低いため、エフェクターで補う必要があるものの、豊かなキャラクターを持っています。また、より鋭く切れ味のあるトーンを得たい場合にはFender Jaguar / Jazzmasterも選択肢に入っており、バンドメイトのPaul Banksと共有することもあるようです。
このように、Daniel Kesslerのギター選びは「セミアコやフルアコによる温かみ」と「オフセット系による冷徹な明瞭さ」を巧みに使い分け、Interpolの独自の音像を作り上げています。結果として、彼のギターサウンドは繊細でありながらも芯のある存在感を放ち続けている、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
Gibson ES-330 (P-90, Bigsby B-7搭載) | Gibson | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | セミアコ | 1968年製を使用。誠実で感情的なトーン。 |
Epiphone Casino (1967年製 “Casiera”) | Epiphone | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | フルアコ | 初期アルバムで活躍。盗難後も同年代モデルを使用。 |
Gibson ES-335 | Gibson | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | セミアコ | 鐘のようにクリアで温かみあるトーン。 |
Rickenbacker 330 Jetglo | Rickenbacker | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | セミアコ | 煌びやかなアルペジオ向け。 |
Gretsch Anniversary (1960年代製) | Gretsch | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | フルアコ | 1960年製は出力低めだが豊かなキャラクター。 |
Fender Jaguar / Jazzmaster | Fender | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | オフセット | 代替チューニングや明瞭なトーンで使用。Paul Banksと共有。 |
使用エフェクターとボード構成【Interpol・Daniel Kessler】
Daniel Kessler(ダニエル・ケスラー)のサウンドは、過度に歪ませず、クリーントーンを基盤に空間系エフェクトで深みを加えるのが特徴です。Interpolの楽曲はアルペジオやリフが楽曲の核を担うため、各音が明瞭に響くことが重要であり、そのためのエフェクト選びも実に戦略的です。
代表的なディレイとしてはBOSS DD-5 Digital Delayが長期にわたりツアーで使用され、『Antics』期のサウンドに不可欠とされます。現在はDD-7やDD-8の使用も推測されていますが、基本はシンプルなデジタルディレイでリズムを強調する使い方が主です。さらにEventide TimeFactorも導入され、高品質なリズムディレイを活用しています。空間系では初期型のElectro-Harmonix Holy Grail ReverbがInterpol特有のアンビエント感を支え、近年ではEventide Spaceを組み合わせて多彩なリバーブを表現しています。
オーバードライブはVox V810 Valve Tone Overdriveがレコーディングとライブで重宝され、また伝説的なKlon Centaur(もしくはクローンペダル)がオーバードライブ用途で言及されています。歪みを強めたい場合にはProCo Rat 2 Distortionを用いる場面もありましたが、基本的にはクリーンに軽いドライブを乗せる程度にとどめています。
ブースター系としてはMXR M-133 Micro AmpやZvex Super-Duper 2-in-1 Boost、さらにZvex Super Hard On (SHO)を使用。これらはクリーンの音量を持ち上げたり、アンプに軽くドライブ感を加えるための重要な役割を担っています。またKeeley Fuzz Headは過去Diaz Texas Rangerと混同されていましたが、現在はこちらが有力とされ、Interpolの歪み系サウンドを支えています。
モジュレーションではBOSS TR-2 Tremolo(緑筐体の3ノブ仕様)が推定され、さらにMXR Phase 90が単音フレーズに動きを与える用途で使われています。加えてLine 6 DL4 Delay Modelerも一時期使用しており、ループや実験的なサウンドメイキングにも挑戦していました。
最後に、ペダルボード全体の電源供給にはVoodoo Lab Pedal Power 2+を2台使用しているとされます。電源の安定性を確保することで、ライブでもスタジオでも信頼性の高いセッティングが実現されています。
こうした構成から見えてくるのは「空間系とブースターを中心に据え、オーバードライブは控えめに」という一貫した哲学であり、Daniel Kesslerの音作りが常にバンド全体の音像を優先している点です。Interpolの冷たくもドラマチックなサウンドは、これらのエフェクター群によって緻密に形作られている、と想定されます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
MXR M-133 Micro Amp | MXR | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ブースター | クリーンの音量アップに使用。 |
BOSS DD-5 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ディレイ | 『Antics』期に使用。長期にわたる定番。 |
Vox V810 Valve Tone Overdrive | Vox | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | オーバードライブ | 『Antics』レコーディングでも使用。現役。 |
Electro-Harmonix Holy Grail Reverb (初期型) | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | リバーブ | Interpol特有のアンビエント感を支える。 |
Eventide Space | Eventide | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | リバーブ | スプリングやプレートを多用。 |
Eventide TimeFactor | Eventide | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ディレイ | 高品質なリズムディレイに使用。 |
Zvex Super-Duper 2-in-1 Boost | Zvex | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ブースター | クリーンの持ち上げや音圧強化に使用。 |
Zvex Super Hard On (SHO) | Zvex | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ブースター | 透明感あるクリーンブースト。 |
ProCo Rat 2 Distortion | ProCo | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ディストーション | 初期に使用。定番の歪み。 |
Keeley Fuzz Head | Keeley | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ファズ | Diaz Texas Rangerとの混同から修正。現在有力。 |
BOSS TR-2 Tremolo | BOSS | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | トレモロ | 緑筐体3ノブ仕様。推定使用。 |
MXR Phase 90 | MXR | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | フェイザー | 単音フレーズに動きを付加。 |
Line 6 DL4 Delay Modeler | Line 6 | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | ディレイ/ルーパー | ループ機能や実験的ディレイ用。 |
Voodoo Lab Pedal Power 2+ | Voodoo Lab | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | パワーサプライ | ペダルボード電源として2台使用。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【Interpol・Daniel Kessler】
Daniel Kessler(ダニエル・ケスラー)の音作りは「ギターそのもののキャラクターを活かすこと」と「空間系エフェクトを駆使した残響感」が大きな軸となっています。彼のギターサウンドはシンプルながら緻密で、PAやレコーディングエンジニアの立場から見ても非常に計算されたものです。
まずアンプのセッティングに関しては、Fender系アンプのクリーントーンを最大限に活かすため、ゲインやボリュームは抑えめに設定する傾向があります。Twin ReverbやPro Reverbを使う場合、Trebleをやや上げ(6〜7程度)、Bassを控えめ(3〜4程度)、Middleをフラット〜少し持ち上げる(5〜6程度)ことで、空間系エフェクトが濁らない透明感のある音を実現しています。Princetonなど小型アンプを使う際は、少しVolumeを上げて自然なコンプレッションを得ることも多いと推測されます。
エフェクターの使い方においては、ディレイとリバーブが最重要です。BOSS DD-5やEventide TimeFactorを用いたディレイでは、ディレイタイムをリズムに同期させることでアルペジオやリフが立体的に広がります。特に『Obstacle 1』や『Evil』といった楽曲では、16分や8分のディレイがうっすらと重なり、シンプルなリフに奥行きを加えています。リバーブはElectro-Harmonix Holy GrailやEventide Spaceでプレートやホールタイプを選び、ドライ音を邪魔しない程度にブレンドするのがポイントです。
歪みについては過激に使うことは少なく、Vox V810やKlonタイプのオーバードライブで軽いドライブ感を足す程度です。これはアルペジオやコードストロークを濁らせないためであり、ProCo Rat 2などを使う場合もあくまで部分的なアクセントに留まっています。ブースター類(MXR Micro Amp、Zvex Super-Duperなど)はクリーンを押し出す用途で用いられ、曲のダイナミクスを演出する重要な役割を果たしています。
スタジオ録音における工夫としては、アンプを2台ブレンドする方法が多用されています。例えばPrincetonの小型で繊細なクリーンと、Gibson製アンプの厚みをブレンドすることで、単一アンプでは得られない立体的な音像を作り出しています。レコーディングエンジニアPeter Katisも、このブレンド手法を『Antics』で積極的に取り入れたとされています。
EQ処理では、ギターがミックス全体で埋もれないように2〜4kHz帯域を軽く持ち上げ、逆にローエンドは100Hz以下をカットしてベースと干渉しないように処理されます。空間系エフェクトを多用するため、リバーブリターンやディレイリターンのEQも重要で、高域をやや落として耳障りを防ぎ、中域を残して存在感を維持しています。結果として「冷たさと温もりが同居する」Interpol特有のサウンドが成立しています。
ライブでは曲ごとにペダルの組み合わせを変えるよりも、基本のセッティングを維持しつつブースターやディレイのON/OFFでダイナミクスをつける手法をとっています。例えば『Slow Hands』では比較的ドライなクリーントーンを強調し、『NYC』や『Leif Erikson』ではリバーブとディレイを深めに設定してアンビエント感を増幅しています。
まとめると、Daniel Kesslerの音作りは「アンプのクリーンを基盤に、EQで明瞭さを確保し、空間系で広がりを演出する」スタイルに一貫しています。歪みやモジュレーションはあくまで控えめで、バンド全体の音像を邪魔しないように配置されています。エンジニア的視点から見ても、非常にバランス感覚に優れたサウンドデザインであり、Interpolの世界観を決定づける要素となっている、と想定されます。
比較的安価に音を近づける機材【Interpol・Daniel Kessler】
Daniel Kessler(ダニエル・ケスラー)のサウンドを完全に再現するには、ヴィンテージのGibsonやEpiphone、さらに高価なEventideエフェクターを揃える必要があります。しかし、初心者や中級者が手軽に彼の音に近づくには、比較的安価で入手しやすい代替機材を選ぶことが現実的です。ここでは、BOSSやMXRなど定番ブランドを中心に「手軽にInterpol風サウンドを再現できるアイテム」を紹介します。
まずクリーン主体のアンプを再現するには、小型ながらもFender系のトーンを持つFender Champion 40やBoss Katana 50 MkIIがおすすめです。前者はFender特有のクリーンが得られ、後者はコストパフォーマンスに優れ多彩なエフェクトも内蔵しています。ライブや練習でも十分対応可能で、Kesslerのアンプ構成を簡易的に体験できます。
ディレイについては、BOSS DD-8やDD-7を選べば間違いありません。Interpolのリズミカルなアルペジオを支えるディレイサウンドを直感的に再現できます。Holy Grail Reverbの代替には、より安価なElectro-Harmonix Holy Grail NanoやTC Electronic Hall of Fame 2が最適です。豊かな空間系を追加するだけで、サウンドの広がりは一気にInterpolらしくなります。
歪みに関しては、Vox V810 Valve Tone Overdriveの代替としてBoss SD-1 Super OverDriveやMXR GT-ODを選ぶとよいでしょう。軽めのオーバードライブで、クリーントーンに自然な歪みを加えるアプローチはKesslerの音作りの核心です。また、Rat 2の代わりとして使えるBoss DS-1やMooer Black Secretもコストを抑えつつ近いキャラクターを再現できます。
ブースター類に関しては、Zvex Super Hard Onの代替として定番のTC Electronic Spark Mini Boosterがおすすめです。コンパクトで安価ながら、クリーンブーストとして非常に優秀です。さらに電源供給にはVoodoo Labの代わりにOne Control Distroなどを使えば、安定したボード運用が可能です。
つまり、初心者が「Interpol風の音」に挑戦する際には、必ずしも高額なヴィンテージ機材を揃える必要はありません。手頃な価格帯で十分に再現性の高いサウンドが得られるため、まずはこれらの代替機材から始めてみるとよいでしょう。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
アンプ | Fender Champion 40 | Fender | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | 手頃な価格でFenderクリーンを再現。 |
アンプ | BOSS Katana 50 MkII | BOSS | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | 多機能で練習からライブまで対応。 |
ディレイ | BOSS DD-8 Digital Delay | BOSS | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | DD-5の後継。Interpol風リズムディレイに最適。 |
リバーブ | Electro-Harmonix Holy Grail Nano | Electro-Harmonix | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | 初期型Holy Grailの代替に最適。 |
オーバードライブ | BOSS SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | 軽めのドライブでCasinoやES-330と好相性。 |
ディストーション | BOSS DS-1 Distortion | BOSS | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | Rat 2の代替として手軽に使用可能。 |
ブースター | TC Electronic Spark Mini Booster | TC Electronic | Amazonで探す | Interpol | Daniel Kessler | Zvex SHOの代替に最適。クリーンブースト向け。 |
総括まとめ【Interpol・Daniel Kessler】

Daniel Kessler(ダニエル・ケスラー)の音作りを振り返ると、Interpolというバンドの持つ独特の世界観を支える「余白のあるサウンドデザイン」に一貫していることが分かります。彼は激しい歪みや過剰なエフェクトを避け、あくまでクリーンを主体にした透明感あるギターサウンドを軸に構築してきました。これこそが、ポストパンクリバイバルの中でInterpolが一線を画す理由のひとつです。
使用するギターはGibson ES-330やEpiphone Casinoといったセミアコ・フルアコを中心に、温かみと脆さを併せ持つサウンドを特徴づけています。そしてアンプはFender PrincetonやTwin Reverbなどクリーン特化のものを選び、歪みは必要最小限に抑える。さらに、ディレイやリバーブを巧みに操ることで、曲に奥行きと冷たさを共存させています。こうした選択の積み重ねが、Interpolの「冷徹で美しいサウンドスケープ」を形作っているのです。
また、音作りのアプローチは常に「バンド全体の音像を優先する」という点にあります。Danielのギターは主張しすぎず、それでいて聴き手の耳に強く残ります。これは単に機材の選択だけでなく、演奏の間合いやアレンジへの意識の高さによっても支えられており、ギタリストとしての成熟した姿勢を示しています。
総括すると、Interpol風サウンドを再現するために重要なのは「クリーン基調のセミアコ/フルアコを選ぶこと」「Fender系アンプで透明感を維持すること」「ディレイとリバーブを空間を意識して調整すること」の3点です。これらを意識すれば、高額なヴィンテージ機材がなくても十分にDaniel Kesslerの音に近づけるでしょう。
Interpolの音作りは、単なるギターサウンドの再現を超え、「空間」「余白」「質感」をどのように楽曲に落とし込むかという哲学に基づいています。その核心を理解することこそ、彼のサウンドを自分のプレイに取り入れる第一歩なのです。
下記恐らく使用(所持)している機材のまとめです。参考までに!
ギター
Gibson ES-330 (P-90, Bigsby B-7搭載)
1968年製も使用。「時代を超越した、誠実で感情的、そして傷つきやすい」サウンドを追求。
Epiphone Casino
1967年製“Casiera”などを使用。初期アルバム『Turn On The Bright Lights』『Antics』で活躍。初号機は盗難に遭ったが、同年代のモデルを現在も使用。
Gibson ES-335
クリアで温かい鐘のようなトーンを持つセミホローボディ。
Rickenbacker 330 Jetglo
Gretsch Anniversary
1960年代製。特に1960年製は出力が低いため、ペダル補強が必要だが豊かなキャラクターを持つ。
Fender Jaguar / Jazzmaster
代替チューニングやオフセット特有の明瞭さのために使用。Paul Banksと共有する場合もあり。
アンプ
Fender Twin Reverb
クリーントーンが特徴。『Antics』ツアーでライブ使用。
Fender Pro Reverb
Fender Princeton (60年代製)
Peter Katisとのレコーディングで愛用。『Antics』レコーディングでも重要。近年はライブでも使用。
Gibson製アンプ
Fender Princetonとブレンドして使用。
Carr Skylark
Fender Princetonとのブレンド用途で使用。
エフェクター
MXR M-133 Micro Amp
BOSS DD-5 Digital Delay
ツアーで長期使用。『Antics』のサウンドに不可欠。DD-7やDD-8の可能性も。
Tech 21 Comptortion(ディスコンだが使用)
Vox V810 Valve Tone Overdrive
『Antics』レコーディングにも使用。現在も常用。
BOSS TR-2 Tremolo
緑筐体の3ノブ仕様。使用情報は推測ベース。
BOSS TU-2 Chromatic Tuner
定番チューナー。Polytuneの可能性も。
ProCo Rat 2 Distortion
かつての定番ディストーション。
Zvex Super-Duper 2-in-1 Boost
Zvex Super Hard On (SHO)
Electro-Harmonix Holy Grail Reverb (初期型)
Interpol特有のアンビエント・リバーブに不可欠。
Roger Mayer Concorde + Treble Booster
過去使用。現在はKeeley Fuzz Headに置換の可能性。
MXR Carbon Copy Delay
一時期、セカンダリのDD-5代替として使用。
Diaz Texas Ranger Treble Boost
過去推測されたが、実際はKeeley Fuzz Headである可能性が高い。
Keeley Fuzz Head
Diaz Texas Rangerと混同されていたが、現在はこちらが有力。
Eventide Space
リバーブ用。スプリング/プレート/ホールを駆使。
Eventide TimeFactor
高品質ディレイ。リズムエコーやリードに使用。
BOSS DD-6 Digital Delay
初期ディレイの一つ。テンポ同期に使用。
MXR Phase 90
単音フレーズに動きと深みを付加。
Line 6 DL4 Delay Modeler
ループ機能や実験的ディレイで使用。
Klon Centaur / クローンの可能性
高価でツアー使用は疑問視されるが、オーバードライブ用途として言及。
Voodoo Lab Pedal Power 2+
ペダルボード電源として2台使用。
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