今回は、ケンパーのアンプの項目を私なりに研究して、説明書も含めた形で、解説をしていきたいと思います。
音作りの参考になれば幸いです。
アンプセクション箇所の項目について
Definition:ディフィニション
「意味」・「定義」などの意味?
動作
- 上げる:音の重心が上がる、弦の音が前に出て分離感がよくなる→音にハリが出る?悪く言うと軽い音(歪み)。歪み感は弱め(軽め)で、抜けは良くなる?歪みのキメが細かくなりモダンな雰囲気や挙動。モダンなアンプのワイドレンジ感が出る感じ。
- 下げる:音の重心が下がる、弦の音が引っ込んで分離感がなくなる→音が太くなる?悪く言うとコモる、抜けの悪い音。歪み感は強め(多め)モダンな感じ。下げていくと歪みが荒くなり古いFenderアンプを無理やり歪ませたような雰囲気に。ヴィンテージアンプの解像度の低い雰囲気。
特長
・「GAIN」つまみに関連
Fender・Twinプロファイル時、DefinitionをMAXでGAINをUPにすると、歪み方がメサのレクチファイファーなど寄りになる。
逆にメサのレクチファイアー時、Definitionを最小にし、GAINあげると、古いアンプっぽく割れた感じの音に。
・強調する帯域を調整するパラメータ
サウンド全体のピークと明るさ・太さをディフィニションで調整し、EQ調整がおすすめ
(プロファイリング後、少し上げると良いと説明書に記載あり)
他、ゲインUP時、音が引っ込んだのをディフィニションで補正(逆もしかり)みたいな使い方も。
あまり大きく上げ下げすると似たような音になるので注意。
使い方など
元々のRIGがDefinitionがMAX→ライン出しするとHi-Fi→キャビの出音に近づける意味で真ん中寄りに調整など。
Power Sagging:パワーサギング
「Power Sagging」は、50%を超えたセッティングにすると、現実の真空管ではありえない挙動になりそう。
数値をあげると、ボリュームをあげる事無く、パワーやハイが上昇。
あと、アンプのコンプ感が薄くなる。
クリーン~クランチに力強さ、太さが追加。
ヴォリュームを絞った際のクリーンは変化が分かりやすい。
帯域の変化としては、公式の説明ではプレゼンスが増すと記載あり。
個人的にはローミッドが増す印象が強め。
少しだけ太さが欲しい時上げると良い?
上げ過ぎるとローミッドが重くなるのでご注意を。
ピッキング等への反応性も良くなる。
スタジオプロファイルのリグでは、反応性の甘い部分を補う意味で上げておいて良いかもしれません。ダイレクトプロファイルしたリグは、素の状態で反応性がより良くキャプチャー済みのため、あまり上げなくてもいい印象もありました。
Pick:ピック
「Pick」単純で、ディストーションな音色だと、ピックがあたってる音などが強調される。
要は音色全体のアタックが強調される感じに。下げるとレガートなどのなめらかに。
ピッキングのアタックを強調したいときや抑えたりしたいときに調整する。
アタックを強調したい時は0.1~0.3くらいなど上げるのを推奨。
Compressor:コンプレッサー
「Compressor」は、歪んだ音色では影響があまりない。アンプ回路内のコンプレッサー的挙動の調整のため、ペダルのコンプレッサーとは別物。
頭を押さえる普通のコンプではなく、ボリュームを絞った際のクリーン音量だけ上げるパラメータという認識。デジタルならではの強み。
1.5くらいまで上げると、ギターボリュームを下げても音量感が一定状態に。
マニュアルでも歪んでいる音に影響はないと記載。しかし1.5まで上げると音の奥行きが失われるので、0.8くらいまでが良いかもしれない。
上げるにつれ、音の中にクリーンの芯が出る様な効果を感じるようにも。
ライン録音時に、音の芯が欲しいという場合、~1.5くらいまで上げても良いのかなと。
Clarity:クラリティ
「Clarity」をあげると、ダーティー感から上品系に、雰囲気がかわっていきます。
上げるほど中域の歪み感が抑えられ、滑らかに。
歪みのブチブチした感じも減少。単純にミドルを抑えているとかではなさそう。
歪んだ音の中で、歪んだ部分と弦鳴り(クリーンっぽい要素)の前後関係を調整するツマミという認識。Clarityを上げるほど歪み感が奥行にいって、弦鳴りが前に出るイメージ。
歪みに埋もれ過ぎ時に上げてるツマミという認識。
若干レンジが狭まりミドル感があるので、2~くらいだとバンドで使用しやすい。きらびやかになる印象
Tube Shape:チューブシェイプ
「Tube Shape」も効き目がわかりやすい。
パワーアンプ部の挙動を調整という記載。(説明書)
あげると、パワーアンプで歪んだ感じが強まります。
歪みのキャラクターをプリチューブ↔パワー管の間で調整するツマミ。
上げるとハイ増加、若干歪みのキメが細かく。
上げると暑苦しさや暴力感が出ます。
倍音を調整しているかもしてないです。
迷った時は、デフォルトのままで良いです。
Tube Bias:チューブバイアス
「Tube Bias」は説明書では、より早めに歪み始める特性が付与される。と記載あり。
上げると小さい入力から歪み始めるようになるパラメータ。しかし感覚はクリーンと歪みの間を埋める印象。
ピッキング強弱時のクリーンと歪みの間が、急過ぎると感じる場合上げるとよさげ。若干音がふくよかに。上げすぎると立体感が減少。
弾き心地が固く弾きにくい時、0.6~1.8くらいで設定するとタッチが柔らかく弾きやすくなる。
Direct Mix:ダイレクトミックス
クリーンサウンドをミックスするパラメータ。
クリーンアンプを同時に鳴らした時の効果を狙っているよう。
ギターの生音がそのままミックスされるわけではない。
ちなみに、ミックスされるクリーンにもディフィニションは効果あり。
音に芯が欲しいというような際、クランチ0.2~0.6、ディストーション0.8前後に設定してみると良い。クリーンのアンプを同時に鳴らしている効果のようなので、上げ過ぎると違和感あり。
Slim Down
直訳で「痩せる」「細くする」
Definitionよりも解り難く、他パラメータとの干渉具合がありそう。
Definition・・・10、Slim Down・・・10とすると
音はスリムでブーミーなFuzzのような感じに。
結論音自体を太く~細く・・・ではなく、レンジを広く~狭くが合っている気がします。
数値が低い方がレンジが広く、高い方が狭め。
実際の設定の参考
有料リグでよく見るセッティングでは、下記が良くあります。
- Power Sagging:2~3
- Compressor:1.5
- Clarity:2~3
Definition→5(センター)くらい中心に若干の調整。
Slim Down→基本的に0・レンジを狭くしたい時は1前後で調整。
など。
曲調が重い曲はDefinition中間、Clarity低め、アップ目の激しめ曲はClarityを上げめが推奨。
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