始めに（特徴紹介）
SIAM SHADEのギタリストDAITA（伊藤大太）は、日本のロック界において数少ないギター・ヒーローの一人として知られています。1990年代に活躍したSIAM SHADEでは、弱冠22〜23歳という若さでありながら、既に完成の域に達したテクニカルなギタープレイを披露し、バッキング・ギターソロともに縦横無尽に弾いていました。
DAITAのサウンドの最大の特徴は、変拍子・速弾き・タッピング・フィンガーピッキング・アーミングまで幅広いギターテクニックを駆使した演奏スタイルにあります。ボーカルの栄喜からは「スーパーギタリストの中のスーパーギタリスト」と評されるほどの技術力を持ち、メロディアスでありながらも攻撃的なサウンドを作り上げています。
代表楽曲「Dreams」「1/3の純情な感情」「HEART」などでは、クリーンなアルペジオから激しいディストーションサウンドまで、楽曲の展開に合わせて多彩な音色を使い分けています。現在では自身がプロデュースするG-Life Guitarsブランドを立ち上げ、ギターの製作から細部のエフェクター開発まで手がけるなど、音作りへのこだわりは並々ならぬものがあります。
使用アンプ一覧と特徴【SIAM SHADE・DAITA】
DAITAのアンプセッティングは、時代とともに大きく進化を遂げています。SIAM SHADE時代にはMesa Boogie Markシリーズを愛用しており、特にMesa Boogie Mark IIIをメインヘッドとして使用していました。このアンプは、クリーンからハイゲインまでの幅広いレンジと、独特の中域の抜けの良さが特徴で、DAITAの速弾きやタッピング奏法においても音の分離が良く、テクニカルなフレーズを明瞭に表現できる特性を持っています。
現在のステージセッティングでは、より複雑なシステムを構築しています。ステージ上には中央にOrange PPC412を1台、左右にOrange PPC212を3台配置し、すべてブラックトーレックス仕様という統一感のある見た目にこだわっています。中央の2台がドライサウンド用、左右の2台がステレオエフェクトサウンド用としてルーティングされており、楽曲に応じて使い分けが可能な構成となっています。
実際のパワーアンプには、ステージ袖に設置されたBogner Ecstasyヘッドを2台使用しています。これらは純粋にパワーアンプとしてのみ機能し、音作りの中核となるプリアンプは別途ラックシステム内に収められています。Mesa/Boogie Tri Axis（2台）、Soldano X-99 Caswell、Marshall JMP-1といった複数のプリアンプを楽曲やサウンドに応じて切り替えることで、クリーンからハイゲインまでの多彩な音色を実現しています。このような複雑なシステムは、ライブにおいて瞬時に異なるサウンドキャラクターを呼び出すためであり、DAITAの音楽的要求の高さを物語っています。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Mark III | Mesa Boogie | https://www.amazon.co.jp/s?k=Mesa+Boogie+Mark+III&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | SIAM SHADE時代のメインヘッド。ハイゲインでありながら音の分離が良く、速弾きに最適 |
| Tri Axis | Mesa Boogie | https://www.amazon.co.jp/s?k=Mesa+Boogie+Tri+Axis&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | 現在も使用しているラックマウントプリアンプ。2台使用している |
| Ecstasy Head | Bogner | https://www.amazon.co.jp/s?k=Bogner+Ecstasy+Head&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | 現在のライブでパワーアンプとして使用。2台体制 |
| X-99 Caswell | Soldano | https://www.amazon.co.jp/s?k=Soldano+X-99+Caswell&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | ラックシステム内のプリアンプの一つ |
| JMP-1 | Marshall | https://www.amazon.co.jp/s?k=Marshall+JMP-1&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | ラックシステム内のプリアンプの一つ |
| PPC412 | Orange | https://www.amazon.co.jp/s?k=Orange+PPC412&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | 現在のステージキャビネット。中央配置でドライサウンド用 |
| PPC212 | Orange | https://www.amazon.co.jp/s?k=Orange+PPC212&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | 現在のステージキャビネット。左右3台でステレオエフェクト用 |
使用ギターの種類と特徴【SIAM SHADE・DAITA】
DAITAのギター選択は、キャリアを通じて一貫して高品質なものへのこだわりを見せています。SIAM SHADE時代はトム・アンダーソン、シェクター、ESP、PRSを使用していました。特に印象的だったのは、PVの「LOVE」に登場した赤い10topのPRS Custom 24や、ライブハウスツアーで使用された緑のPRS CE 22です。G3参加時にも赤のPRSを使用するなど、PRSに対する信頼は厚いものがありました。
現在の主要使用ギターは、自身がプロデュースするG-Life Guitarsブランドが中心となっています。特に愛用しているのは、G-Life Guitars DSG Life Ash Midnight Blue Moon、DSG Premium Bora Bora Ocean Blue、DSG Life Ash Royal Blue Turquoise、G-Phoenix Custom Stardust Blue Moon、G-Phoenix Royal Blue Turquoiseなど、青系のカラーリングが特徴的なモデル群です。これらのギターは、DAITAのこだわりが随所に見られ、木材から細かな設計まで、ありとあらゆる部分に最高のプレイアビリティへの拘りが込められています。
Tom Anderson Classicも現在でも愛用しており、Bora Bora Blueというカラーは特に美しく、ステージ映えも抜群です。また、アコースティック系の楽曲ではGodin ACS Slim Blackのエレガットを使用するなど、楽曲に応じた使い分けも巧妙です。G-Life Guitarsの開発においては、単なる見た目の美しさだけでなく、実際の演奏性能を重視しており、DAITAの長年の演奏経験から得られた知見が活かされています。特に速弾きやタッピング奏法において重要となるフレットの仕上げやネックの握り心地、ピックアップの音質バランスなどに徹底的にこだわった仕様となっています。これらのギターは国内外で高い評価を得ており、プロフェッショナルな要求に応える楽器として認知されています。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| DSG Life Ash Midnight Blue Moon | G-Life Guitars | https://www.amazon.co.jp/s?k=G-Life+Guitars+DSG&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | エレキギター | DAITA自身がプロデュースする現在のメインギター |
| DSG Premium Bora Bora Ocean Blue | G-Life Guitars | https://www.amazon.co.jp/s?k=G-Life+Guitars+DSG+Premium&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | エレキギター | プレミアムシリーズの代表的なモデル |
| G-Phoenix Custom Stardust Blue Moon | G-Life Guitars | https://www.amazon.co.jp/s?k=G-Life+Guitars+G-Phoenix&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | エレキギター | G-Phoenixシリーズのカスタムモデル |
| Classic Bora Bora Blue | Tom Anderson | https://www.amazon.co.jp/s?k=Tom+Anderson+Classic&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | エレキギター | SIAM SHADE時代から愛用し続けているトムアンダーソン |
| Custom24 | Paul Reed Smith | https://www.amazon.co.jp/s?k=PRS+Custom24&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | エレキギター | SIAM SHADE時代の代表的ギター。赤い10topモデルが印象的 |
| ACS Slim Black | Godin | https://www.amazon.co.jp/s?k=Godin+ACS+Slim&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | エレガット | アコースティック系楽曲で使用するエレクトリック・クラシックギター |
| Blue Life | G-Life Guitars | https://www.amazon.co.jp/s?k=G-Life+Guitars+Blue+Life&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | エレキギター | G-Lifeブランドの代表的モデルの一つ |
使用エフェクターとボード構成【SIAM SHADE・DAITA】
DAITAのエフェクターボード構成は、現在非常に複雑かつ精密なシステムとなっています。ステージ上には2つのペダルボードが配置されており、正面側のボードには右手前からFulltone CLYDE Standard wah、Sho-Bud Volume Pedal、Visual Sound Visual VOLUME、VooDooLab Ground Control Proが配置されています。このGround Control Proがシステム全体のコントロールハブとなっており、後列にはKORG Pitchblack+チューナー、VooDooLab Pedal Power 2 Plusパワーサプライ、ジャンクションボックスが設置されています。
左側のボードはより特殊なエフェクターが並んでおり、ERNIE BALL MVP MOST VALUABLE PEDALアクティブ・ボリュームペダル、MORLEY Bad Horsie 2ワウペダル、Digitech Whammy Ricochet、Digitech Whammy DTといったピッチ系エフェクターが充実しています。後列にはBBE Tremor、JAM Pedal Ripple（フェイザー）、JAM Pedal the BIG CHiLL（トレモロ）、そして自身が開発したG-Life Guitars DP-G1デガウス・プロセッサーが配置されています。
ステージ袖のラックシステムには、さらに多彩なエフェクターが収められています。ドロワー内には、G-Life Guitars Gemini Booster（2台）、xotic SP Compressor、BamBasic Effectribe Volume Upper、SONOMATIC Standard Ruby Booster、Bogner Ecstasy Blue、MXR distortion+、D3 Audio designs inc. Cream Crunch、G-Life Guitars Black Busterなど、ブースターからディストーションまで多様なエフェクターが整然と配置されています。これらはRJM Mini Effect Gizmoによってコントロールされており、瞬時に切り替えが可能です。また、t.c.electronic TC 2290ディレイ、Fractal Audio Systems AXE-FX III、Empirical Labs Distressorコンプレッサーなど、高級機材も惜しみなく投入されています。SIAM SHADE時代から使用しているBOSS VF-1やTC ELECTRONIC FIREWORXなども現在でも活用されており、長年のサウンドメイキングの積み重ねが感じられる構成となっています。
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【SIAM SHADE・DAITA】
DAITAの音作りにおける最大の特徴は、クリーンからハイゲインまでの極端な音色変化を瞬時に切り替えられるシステム構築にあります。これは単純にアンプのチャンネル切り替えだけでは実現できない複雑な音作りで、複数のプリアンプを組み合わせることで実現しています。Mesa/Boogie Tri Axisでは中域重視のクリーンサウンドと、タイトなリードトーンを作り、Soldano X-99 Caswellではより攻撃的なハイゲインサウンドを、Marshall JMP-1では定番のブリティッシュサウンドを担当させています。
EQ設定においては、DAITAの速弾きやタッピング奏法を活かすため、中域（500Hz〜2kHz）の抜けを重視した設定が基本となっています。特に1kHz前後をやや強調することで、複雑なフレーズでも一音一音がクリアに聞こえるよう調整されています。低域は100Hz以下をカットして余分な低音をタイトにし、高域は3kHz〜5kHzあたりにピークを作ることで、アタック感とブライトネスを確保しています。
楽曲によるサウンドの使い分けも非常に細かく設定されています。「Dreams」のようなバラード系楽曲では、クリーントーンにわずかなコンプレッションとリバーブを加え、温かみのあるサウンドを作り上げます。この際、TC 2290のディレイを活用して、空間の広がりを演出しています。一方、「1/3の純情な感情」のような激しい楽曲では、Mesa/Boogie Tri AxisとBogner Ecstasy Blueを組み合わせたハイゲインサウンドを使用し、MXR distortion+でさらにサステインを加えて、パワフルなリフサウンドを作り出しています。
ライブでのミックス処理においては、ドライサウンドとステレオエフェクトサウンドを完全に分離している点が特徴的です。中央のOrange PPC412からはドライなサウンドを出力し、左右のOrange PPC212からはディレイやリバーブ、コーラスなどの空間系エフェクトを含んだサウンドを出力することで、ステージ上での音の立体感を作り出しています。これにより、観客席のどの位置からでもDAITAのギターサウンドが明瞭に聞こえるよう配慮されています。
また、Fractal Audio Systems AXE-FX IIIの導入により、従来では困難だった複雑なエフェクトルーティングも可能になっています。例えば、タッピング奏法の際には特定の周波数帯域にのみディストーションを効かせ、ピッキングニュアンスを活かしながらもサステインを確保するといった、高度な音作りも実現しています。PAエンジニアとの連携においても、各プリアンプからの出力レベルを細かく調整し、会場の音響特性に合わせたファインチューニングを行っているため、どの会場でも一定の音質を保つことができています。
比較的安価に音を近づける機材【SIAM SHADE・DAITA】
DAITAのサウンドに近づくための比較的手頃な機材選択では、まずアンプ選びが重要になります。Mesa/Boogieの新品は高価ですが、中古市場では比較的入手しやすいMesa/Boogie Studio Caliber DC-2やF-30などがおすすめです。これらはDAITAが使用していたMark IIIと同様の中域の抜けと、クリーンからハイゲインまでの幅広いレンジを持っています。さらに予算を抑えたい場合は、BOSS KATANA-100 HeadやMarshall DSL40CRなど、現代的なモデリングアンプでも十分にDAITA風のサウンドを作ることが可能です。
エフェクターについては、BOSS製品を中心とした構成が非常に効果的です。まず必須となるのがBOSS DS-1 Distortionで、これはDAITAが使用しているMXR distortion+と非常に似た特性を持ちます。次にBOSS CH-1 Super Chorusは、SIAM SHADEの楽曲で頻繁に使用されるコーラスサウンドを再現できます。ディレイについては、BOSS DD-7 Digital DelayやDD-8 Digital Delayが、TC 2290の代替として優秀で、特にホールドファンクションを使った効果音的な使い方も可能です。
ワウペダルについては、MORLEY Bad Horsie 2の代替としてBOSS PW-3 Wah PedalやVOX V847-Aが手頃な価格で入手できます。特にVOX V847-Aは、Fulltone CLYDEに近いヴィンテージライクなワウサウンドを得ることができます。ピッチシフター系では、BOSS PS-6 Harmonic Pitch ShifterがDigitech Whammyシリーズの代替として機能し、オクターブアップやハーモニー効果を手軽に得ることができます。
マルチエフェクターを活用する方法も非常に有効です。BOSS GT-1000やGT-1000COREは、DAITAが使用しているFractal Audio AXE-FX IIIほどではありませんが、十分に複雑なエフェクトルーティングが可能で、アンプシミュレーションも含めてトータルでDAITAサウンドに近づけることができます。LINE6 POD Go Wirelessも同様に、ワイヤレス機能付きでライブでの使用にも適しています。
ギターについては、SIAM SHADE時代のPRSサウンドを再現するなら、PRS SE Custom 24が最も手頃でありながら、オリジナルのCustom 24に近いサウンドを得ることができます。ハムバッカーピックアップのタップ機能も付いており、クリーンからハイゲインまでの幅広い音作りが可能です。さらに予算を抑えたい場合は、Epiphone Les Paul Standardや、Ibanez RG550なども、適切なセッティングによりDAITA風のサウンドを作ることが可能です。重要なのは、HSH（ハム-シングル-ハム）ピックアップ配置のギターを選ぶことで、これによりDAITAの楽曲で使用される多彩な音色変化を再現できます。
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| アンプ | KATANA-100 Head | BOSS | https://www.amazon.co.jp/s?k=BOSS+KATANA-100+Head&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | Mesa/Boogieの代替として最適。クリーンからハイゲインまで幅広くカバー |
| アンプ | DSL40CR | Marshall | https://www.amazon.co.jp/s?k=Marshall+DSL40CR&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | Marshall JMP-1の代替として。ブリティッシュトーンを手軽に |
| ディストーション | DS-1 Distortion | BOSS | https://www.amazon.co.jp/s?k=BOSS+DS-1+Distortion&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | MXR distortion+の代替として。DAITAのハイゲインサウンドに近い特性 |
| コーラス | CH-1 Super Chorus | BOSS | https://www.amazon.co.jp/s?k=BOSS+CH-1+Super+Chorus&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | SIAM SHADEの楽曲で多用されるコーラスサウンドを再現 |
| ディレイ | DD-8 Digital Delay | BOSS | https://www.amazon.co.jp/s?k=BOSS+DD-8+Digital+Delay&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | TC 2290の代替として。ホールド機能で効果音的使用も可能 |
| ワウペダル | V847-A | VOX | https://www.amazon.co.jp/s?k=VOX+V847-A&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | Fulltone CLYDEに近いヴィンテージライクなワウサウンド |
| ピッチシフター | PS-6 Harmonic Pitch Shifter | BOSS | https://www.amazon.co.jp/s?k=BOSS+PS-6+Harmonic+Pitch+Shifter&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | Digitech Whammyの代替として。オクターブアップやハーモニー効果 |
| マルチエフェクター | GT-1000CORE | BOSS | https://www.amazon.co.jp/s?k=BOSS+GT-1000CORE&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | Fractal AXE-FXの代替として。複雑なルーティングが可能 |
| ギター | SE Custom 24 | PRS | https://www.amazon.co.jp/s?k=PRS+SE+Custom+24&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | SIAM SHADE時代のPRS Custom 24に最も近いサウンド特性 |
| ギター | RG550 | Ibanez | https://www.amazon.co.jp/s?k=Ibanez+RG550&tag=aki1446-22 | SIAM SHADE | DAITA | HSHピックアップ配置でDAITAの多彩な音色変化を再現可能 |
総括まとめ【SIAM SHADE・DAITA】
DAITAのサウンドメイキングの本質を理解するためには、単なる機材の組み合わせを超えた、音楽的な必然性に基づいたシステム構築の思想を把握することが重要です。彼の音作りの根底にあるのは、「楽曲のメッセージを最大限に伝えるための手段としてのギターサウンド」という明確な哲学です。これは、SIAM SHADE時代の「Dreams」で聞かせる繊細なアルペジオから、「HEART」での力強いリフまで、すべてが楽曲の持つ感情を増幅させるために計算され尽くしていることからも明らかです。
彼の機材選択における特徴的な点は、妥協を許さない品質へのこだわりと、実用性の両立にあります。現在のG-Life Guitarsの開発においても、単なる見た目の美しさではなく、実際の演奏における操作性や音響特性を最優先に考えた設計思想が貫かれています。また、エフェクターやアンプにおいても、派手な機能よりも基本性能の高さを重視し、長年使い続けられる信頼性を求める姿勢が一貫しています。
技術的な観点から見ると、DAITAの音作りで最も注目すべきは、複数のプリアンプを使い分けることで実現している音色の多様性です。これは単純にエフェクターを足し算的に追加するのではなく、根本的な音の性格を楽曲に応じて変化させるという、より本質的なアプローチです。このような考え方は、現代のデジタル機器を使った音作りにおいても非常に参考になります。重要なのは、どの機材を使うかではなく、なぜその音が必要なのかという明確な意図を持つことです。
再現を目指す際の最も重要な視点は、DAITAの演奏スタイルと音作りが密接に連動している点を理解することです。彼の速弾きやタッピング奏法は、単なるテクニック披露ではなく、楽曲の感情表現の一部として機能しています。そのため、音作りも単に「太い音」や「歪んだ音」を作るのではなく、そのテクニックが活きる音色設定を心がける必要があります。特に中域の設定や、アタック感の調整は、DAITAサウンドの核心部分と言えるでしょう。
最終的に、DAITAのサウンドから学ぶべき最も重要な教訓は、機材は手段であり目的ではないということです。彼の音作りの変遷を見ても、時代とともに使用機材は変化していますが、一貫して「楽曲に最適な音を追求する」という姿勢は変わっていません。この思考法こそが、どのような機材や予算でも応用可能な、真のサウンドメイキングの極意と言えるでしょう。DAITAの音作りを参考にする際は、表面的な機材の模倣ではなく、その背景にある音楽的な意図を理解し、自分なりの解釈で実践することが最も重要なのです。
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