始めに(特徴紹介)
RADWIMPSの音楽世界を彩る中心的存在、それが野田洋次郎さんのギターサウンドです。彼は単なるギタリストではなく、ボーカリストであり、作詞・作曲・編曲も担うマルチな才能の持ち主。そのため、彼のギタートーンは“ギターの音”という枠を越えて、楽曲全体の空気感や物語性に深く関与しています。繊細で浮遊感のあるアルペジオから、爆発力を持つディストーションサウンドまで、そのダイナミクスの幅広さは圧巻です。
代表曲「オーダーメイド」ではリバーブを強く効かせたアンビエントギターが印象的で、「会心の一撃」ではブリティッシュロック的なドライブサウンドが炸裂。「前前前世」では、タイトなテレキャスターのサウンドで疾走感を生み出しています。こうした変幻自在な音色は、ギター1本だけでなく、彼の選び抜かれたエフェクターやアンプとの組み合わせによって実現されています。
また、野田さんはOasisのノエル・ギャラガーから影響を受けており、Gibson ES-335などを愛用しています。しかし単なる模倣にとどまらず、日本語ロックとしての情緒や文学性を反映させた、唯一無二のギター表現に昇華させている点も注目すべきポイントです。
ライブにおいては、ギターサウンドだけでなくボーカルエフェクトの活用や、同期音源とのバランスなど、総合的な音像の構築を意識したセッティングが随所に見られます。そのため、PAやレコーディングエンジニアの視点から見ても、非常に構造的で戦略的な音作りを行っているギタリストだと言えるでしょう。
本記事では、そんな野田洋次郎さんの使用機材を徹底的に洗い出し、ギター・エフェクター・アンプごとに整理しながら、彼の音作りに迫っていきます。再現のヒントとなるEQや比較的安価な代替機材も含めて、ギター初心者から中級者まで、すぐに実践できる構成でお届けします。
使用アンプ一覧と特徴【RADWIMPS・野田洋次郎】
野田洋次郎さんのサウンドを語るうえで、使用アンプのバリエーションの広さは見逃せません。彼はクリーン〜クランチ〜ハイゲインに至るまで、曲ごとに最適なアンプを選択しており、そのこだわりはスタジオレコーディングでもライブセットでも一貫しています。以下に実際の使用が確認されている主要アンプと、それぞれの特徴を詳しく紹介します。
まず、最もよく使用されるのがMarshall JCM2000 DSL-100。これはロック系ギタリストの定番中の定番で、クリーンとドライブの2チャンネル構成により、RADWIMPSの楽曲で要求されるダイナミクスを自在に操れます。ライブでもレコーディングでも登場頻度が高く、パワフルでパンチのある中域を活かしたリフや、粘り気のあるソロが魅力です。
MATCHLESS DC-30もライブ映像や雑誌記事に登場する人気機材です。BUMP OF CHICKENの藤原基央氏も愛用することでも知られ、ピッキングのニュアンスを正確に反映し、きらびやかなクリーントーンから粘りあるクランチまで幅広くカバー可能。野田さんのセンシティブなアルペジオやバッキングプレイにフィットしています。
また、ROLAND JC-120も定番として外せません。スタジオ常設機材としてだけでなく、「有心論」など、透明感のあるコーラス・ディレイをかけたクリーントーンで登場。野田さんの内省的な楽曲に最適なアンプと言えます。
Hiwatt CUSTOM 100やCUSTOM 50といった、ヴィンテージ系UKアンプの使用も確認されており、無骨なクリーン〜ブリティッシュドライブに強みを持ちます。これにHiwatt SE4123やLOUD SPEAKERといった純正キャビネットを組み合わせることで、パンチ力と音の立ち上がりを重視したセットアップが実現されています。
そしてVOX系のアンプも一部セットアップに含まれている模様です。特にOasis好きの影響もあり、AC30系のきらびやかなトーンを求めたセレクトと推測されます。あくまで想定される使用ですが、テレキャスターなどとの相性も抜群です。
このように、野田洋次郎さんはアンプ単体の音色だけでなく、ペダルやギターとの組み合わせによって、毎回異なる楽曲の“顔”を丁寧に作り出しています。アンプヘッドとキャビの組み合わせ、マイキングやブーストの有無なども含め、音作りの深さを強く感じさせるセッティングです。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
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JCM2000 DSL-100 | Marshall | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | ライブ・スタジオで高頻度使用、パワフルなドライブが特徴 |
DC-30 | Matchless | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | 繊細なクリーン〜クランチ、アルペジオに最適 |
JC-120 | ROLAND | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | 定番クリーン、空間系との相性抜群 |
CUSTOM 100 | Hiwatt | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | ブリティッシュロック調のドライヴが得意 |
AC30(想定) | VOX | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | 推定使用。Oasis的な影響から選定の可能性高 |
使用ギターの種類と特徴【RADWIMPS・野田洋次郎】

野田洋次郎さんのギターコレクションは、ジャンルやサウンドキャラクターの違いに応じて多彩なモデルが揃えられており、各楽曲の雰囲気に合った音色を実現しています。彼のプレイスタイルは極端にテクニカルなものではありませんが、感情表現に重きを置いたストロークやアルペジオに適したギターセレクトが随所に見られます。
特に彼の代表的な使用ギターとして有名なのが、Gibson ES-335。Oasisのノエル・ギャラガーの影響を受けており、セミアコースティック特有の暖かく豊かな鳴りと、ロックに必要な力強さを両立したモデルです。RADWIMPSの中でもミドルレンジが支配する楽曲や、奥行きを求めるバラードに適しています。
次に、限定5本のみ製作されたPsychederhythm Standard T-type Blue Metallic。2007年以降のライブでは頻繁に使用され、「君と羊と青」などでのキレのあるリフを支えています。同型のブラックバージョンも存在し、テレキャスターに近いタイトなトーンが特徴です。
Fender TL ALL ROSE Telecasterも印象深い1本です。オールローズウッド製のテレキャスターで、「前前前世」のMVにて使用されたことからもファンの間で認知度が高く、硬質でエッジの効いたトーンが疾走感ある楽曲とマッチします。また、野田さんとフェンダーが共同開発したTelemaster “Ace”は、Jazzmasterのボディとテレキャスターのアッセンブリーを融合した異色のモデルで、ライブツアー「Human Bloom Tour 2017」で使用されました。
この他にも、野田さんはGibson SG StandardやFender Jazzmaster(’62ヴィンテージ)といったモデルも使い分けています。SGは軽量でアグレッシブなロックサウンドを、Jazzmasterは太く甘いトーンと独特のルックスで、セットリストに多様な彩りを加えます。Rickenbacker 330やSugi Rainmakerなど、コードの響きやボディバランスを重視したチョイスも多く、1曲1曲の個性に合わせたセレクションが徹底されています。
さらに、エレアコも重要な武器です。Taylor T5はエレキ感覚で使えるアコースティック・ハイブリッドモデルで、スムーズな持ち替えを可能にします。アコースティックでは定番のGibson J-45やJ-50、コンパクトなLG-0なども使用。温かみのあるアコースティックサウンドは「25コ目の染色体」など、静謐な場面において際立つ存在感を放っています。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
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ES-335 | Gibson | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | セミアコースティック | ノエル・ギャラガーの影響。バラードや中域中心の曲に最適。 |
Standard T-type (Blue Metallic) | Psychederhythm | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | テレキャスタータイプ | 2007年以降のライブで使用。「君と羊と青」など。 |
ALL ROSE Telecaster | Fender | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | テレキャスター | 「前前前世」MVで使用。ローズウッド製。 |
Telemaster “Ace” | Fender | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | ハイブリッドモデル | JazzmasterボディにTelecaster配線。「Human Bloom Tour」で使用。 |
J-45 | Gibson | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | アコースティック | 「25コ目の染色体」MVで使用。温かく深いサウンド。 |
T5 | Taylor | Amazonで検索 | RADWIMPS | 野田洋次郎 | ハイブリッドエレアコ | エレキのような演奏感でアコースティック表現が可能。 |
使用エフェクターとボード構成【RADWIMPS・野田洋次郎】
RADWIMPSの楽曲には、繊細で透明感のあるクリーンや、情緒的に歪んだオーバードライブサウンドなど、多様なギターサウンドが求められます。その中で野田洋次郎さんは、使用エフェクターを適材適所で構成し、1曲ごとの表情を丁寧に演出しています。ボード内には、定番エフェクターからハンドメイドモデル、ギターテック製の特注機材までがぎっしり詰まっており、その構成はプロフェッショナルそのものです。
歪み系では、Ibanez TS808HWやTS9といったチューブスクリーマー系ペダルが中核を成し、Marshall The Guv’norやDrivemasterなど、UKアンプライクなブリティッシュドライブも併用。DOD Overdrive Preamp 250やMad Professor Sweet Honey Overdriveは、ミッドレンジを重視した滑らかなトーンを支えます。
さらに野田さんはファズ系にもこだわりを持ち、JHS Pedals Muffulettaのような多種ファズモード搭載モデルや、ギターテック自作の「渋谷ファズ」などを導入。これらは曲のクライマックスやアグレッシブなセクションで効果を発揮します。
空間系エフェクトも豊富に揃えており、One Control Prussian Blue ReverbやSea Turquoise Delayを筆頭に、BOSS DD-6やtc electronic Nova Delayなどの多機能ディレイを駆使。空間的な広がりを活かした楽曲構成を下支えします。また、オクターバーとしては定番のEHX POG2を使用しており、オルガン風のサウンドや分厚いコード感を得るために重宝されています。
コンプレッサーでは、Mad Professor Forest Green Compressorや、布袋寅泰の使用でも知られるGuyatone PS-021、さらにギターテック製の「三茶コンプ」など多彩なモデルを併用。ダイナミクスを整えることで、野田さんの繊細なピッキングを際立たせています。
スイッチャーとしては、Providence PEC-2や、Free The Tone ARC-3 / ARC-53Mが使用されており、ボード内の複雑なルーティングと音質維持を同時に実現。電源系も高品位なEx-pro PS-1やFREE THE TONE PT-1Dで安定供給を行っています。
加えて、TECH21 SANS AMP ClassicやCOUNTRYMAN TYPE85のようなアンプシミュレーターやDIも活用し、レコーディングやライン出力環境にも柔軟に対応。また、ボーカル用にT.C.Helicon Voice Liveを足元に組み込み、ライブ中の表現力をさらに引き上げています。
このように、野田洋次郎さんのボード構成は極めて多機能かつ戦略的で、演奏面・音質面の両方において洗練されています。以下に確認された使用機材を表形式でまとめます。
機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
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TS808HW | Ibanez | Amazonリンク | RADWIMPS | 野田洋次郎 | オーバードライブ | ハンドワイヤードモデル、最高級のTS系 |
Muffuletta | JHS Pedals | Amazonリンク | RADWIMPS | 野田洋次郎 | ファズ | 多機能ファズ、様々なキャラクターに対応 |
Prussian Blue Reverb | One Control | Amazonリンク | RADWIMPS | 野田洋次郎 | リバーブ | ナチュラルな残響でクリーントーンを補完 |
POG2 | Electro-Harmonix | Amazonリンク | RADWIMPS | 野田洋次郎 | オクターブ | 和音でも正確に追従するポリフォニック設計 |
ARC-3 | Free The Tone | Amazonリンク | RADWIMPS | 野田洋次郎 | スイッチングシステム | HTS回路搭載、音質と機能性を両立 |
Voice Live | T.C.Helicon | Amazonリンク | RADWIMPS | 野田洋次郎 | ボーカル用エフェクター | 歌声にもエフェクト処理を行うプロ仕様 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【RADWIMPS・野田洋次郎】

RADWIMPSのサウンドメイクにおいて、野田洋次郎さんはギターの音を単体で仕上げるというよりも、バンド全体のミックス内での“位置づけ”を非常に重視しています。ギターの役割が主旋律なのか、雰囲気づくりなのか、アンサンブルの厚みなのかを明確にした上で、それに応じたEQ・ゲイン・残響処理を行うのが彼のスタイルです。
まず、アンプ設定に関しては、Marshall DSL100を使用する際はGainを4〜5程度に抑え、中域をしっかり持ち上げたブリティッシュ寄りのセッティングが多く見られます。PresenceとTrebleは抑えめに設定され、特にライブ会場では高域が刺さらないよう配慮されていることが多いです。Midは5〜6以上で張り出させ、ギターの芯を保ちながらも他の楽器とマスキングしない帯域に落とし込む調整がなされています。
一方、空間系エフェクトの使い方も極めて特徴的です。たとえば「オーダーメイド」など静謐な楽曲では、One Control Prussian Blue Reverbでプリディレイを長めに設定し、リバーブの濁りを避けつつも空間感を演出。「いいんですか?」のような軽快な楽曲では、BOSS DD-6のショートディレイモードを使って、音の輪郭に厚みを持たせています。ディレイタイムは300〜400msが基準で、Feedbackは控えめ、Mixは20〜30%程度で使用されることが多いようです。
歪み系ペダルでは、Ibanez TS9などをBoostとして使用することが多く、これはアンプのゲインを押し上げるというより、中域の抜けを良くする目的が強いようです。TS系のMid Boostにより、バンドアンサンブルの中でもギターが埋もれず、しっかりと前に出てくるサウンドが得られます。
また、曲ごとのギター音色の差別化にも長けており、バラード系ではGibson系ギター+軽いリバーブで深みを出し、ロックナンバーではテレキャスター系+TS系オーバードライブで輪郭の強いサウンドを作る、という棲み分けが徹底されています。「有心論」や「おしゃかしゃま」などでは、スライドプレイやフィードバック奏法を取り入れた“間”の演出も行われており、ここでもコンプレッサーやボリューム操作による表現が加わります。
ボーカルとの干渉を避けるため、ギターの高域は通常よりも若干抑えめに設定されることが多く、また低域もキックやベースと被らないよう、アンプやEQで100Hz以下をカットしている可能性が高いです。このあたりはPA側でも積極的に処理されていると考えられます。
さらに、録音やライブではSANS AMP ClassicやCOUNTRYMAN TYPE85のようなラインアウト系機材を併用し、ラインとマイクのブレンドによる音の幅出しを狙っている点も、エンジニア視点から注目すべきポイントです。特にレコーディングではギター2本体制を活用し、左右で異なるアンプ・ギター・EQを組み合わせてステレオの広がりを演出しています。
このように、野田洋次郎さんの音作りは、ただ良い音を目指すのではなく「曲の世界観を具現化するためのサウンド設計」として徹底されており、ギタリストとしてだけでなく、総合的な音楽表現者としての力量が存分に発揮されているのです。
比較的安価に音を近づける機材【RADWIMPS・野田洋次郎】
野田洋次郎さんのような多彩で情緒的なギターサウンドを再現するには、プロ仕様の高価な機材が多用されていますが、初心者や中級者でも手が届きやすい価格帯の製品を使って、そのサウンドに近づけることは十分可能です。ここでは、比較的安価に音のニュアンスを再現できる代表的な機材を紹介します。
まず、アンプのクリーントーン〜クランチトーンにおいて定番のJC-120の代替としては、ROLAND JC-22が挙げられます。JC-120の透明感と立体感を引き継いだ小型モデルで、家庭練習や小規模ライブにぴったりのサイズ感ながら、しっかりとした立ち上がりの音質が得られます。
歪みに関しては、野田さんが愛用するTS9やTS808HWのような中域を押し出すオーバードライブの代替として、JHS 3 Series Overdriveや、BOSS SD-1 Super Overdriveが高い再現性を持ちます。特にBOSS SD-1はコンパクトながらTS系に似たミッドの盛り上がりがあり、バンド内での抜けも良く、コストパフォーマンスの高い一台です。
また、空間系ではBOSSの定番ディレイDD-3Tが優れた選択肢です。野田さんが使用するDD-6やNova Delayに比べると機能面ではややシンプルですが、基本的なディレイ処理としては十分で、自然なリピートと明瞭な音像が得られます。リバーブについてはTC Electronic Skysurferが初心者にも使いやすく、価格に対して非常に高品質なプレート/スプリング/ホールリバーブを搭載しています。
コンプレッサーの代替機としては、MXR Dyna Compが安価でありながらスムーズなサスティンを得られるためおすすめです。野田さんが使用するMad Professor Forest Green Compressorのようなナチュラルな圧縮とは異なりますが、アタック感と粒の揃ったトーンは十分再現可能です。
スイッチャーに関してはFree The Tone ARCシリーズは非常に高価ですが、ZOOM G6やBOSS GT-1のようなマルチエフェクターであれば、エフェクトチェーンの管理と簡易スイッチングが可能で、サウンドの切り替えにも柔軟に対応できます。
また、ギター面ではFender SquierシリーズやYAMAHAのPACIFICAシリーズがエントリー向けとして非常に優れており、野田さんが愛用するテレキャスター系やSG、セミアコを模した構造のモデルも存在します。特にPACIFICA 612Vはフロントハムバッカー仕様で、甘いクリーンと太いドライブを両立でき、幅広いジャンルに対応可能です。
以上のような比較的安価な機材を活用することで、野田洋次郎さんの音色に近づくことができます。もちろん、完全な再現には難しさもありますが、音作りの基本となる“中域の豊かさ”“空間処理の丁寧さ”“役割に応じたEQ設計”を意識すれば、機材のグレードに関係なくその“思想”を体現することは可能です。
種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーバードライブ | SD-1 Super OverDrive | BOSS | Amazonで探す | RADWIMPS | 野田洋次郎 | TS系の中域ブースト感が近く、コストパフォーマンスに優れる |
ディレイ | DD-3T | BOSS | Amazonで探す | RADWIMPS | 野田洋次郎 | Nova DelayやDD-6の代替に適したディレイエフェクト |
リバーブ | Skysurfer Reverb | TC Electronic | Amazonで探す | RADWIMPS | 野田洋次郎 | プリディレイ付きでナチュラルな残響を再現 |
コンプレッサー | Dyna Comp | MXR | Amazonで探す | RADWIMPS | 野田洋次郎 | ナチュラルで粒立ちの良いサウンドが得られる |
アンプ | JC-22 | ROLAND | Amazonで探す | RADWIMPS | 野田洋次郎 | JC-120の小型版。家庭練習や小規模ライブに最適 |
ギター | PACIFICA 612V | YAMAHA | Amazonで探す | RADWIMPS | 野田洋次郎 | テレキャスター的な構成で多彩なジャンルに対応 |
総括まとめ【RADWIMPS・野田洋次郎】

RADWIMPSの楽曲を聴くと、サウンドが非常に緻密に設計されていることが分かります。その中核にいるのが、作詞・作曲・ギター・ボーカルのすべてを担う野田洋次郎さんです。彼のギターサウンドは、単なる“音”としての存在ではなく、楽曲の意味や感情を直接的に伝える重要なファクターとなっています。
彼の音作りを理解する上で最も大切なのは、「多様性」と「意図性」です。テレキャスターからセミアコ、ジャズマスター、アコースティックギターまで、非常に幅広いモデルを曲によって使い分け、さらにアンプもMarshall、MATCHLESS、Hiwatt、JC-120など状況に応じて最適なものを選択。その全てに共通しているのは、「その曲で伝えたい世界観を最も効果的に表現するための選択」という一点です。
エフェクターボードに目を向けると、その緻密さはさらに際立ちます。歪み一つとっても複数のオーバードライブを曲によって使い分け、空間系ではディレイとリバーブを巧みに併用。さらにはボーカル用エフェクターまで足元に配置してライブ中もリアルタイムで操作することで、シームレスな表現が可能となっています。
また、彼のEQセッティングやアンプチャンネルの使い分け、PAとの連携を意識したミックスなどは、エンジニア視点から見ても非常に考え抜かれた構成です。ギターの帯域を無闇に広げるのではなく、他のパートとの共存を考え、あえて“余白”を作るアプローチ。こうした空間設計もまた、RADWIMPSの音の奥行きを生み出している理由のひとつでしょう。
つまり、野田洋次郎さんの音作りの本質は「表現ありきの設計」にあります。自身の内面と向き合い、それを最大限に伝える手段として機材を選び、組み合わせ、時に作り変えながら、その音に想いを宿していく。ギターやエフェクターは“目的”ではなく“手段”であるという姿勢が、結果として多くのリスナーに届くサウンドを生んでいるのです。
RADWIMPSのサウンドを再現したいと思ったとき、まずは「その曲が何を伝えたいのか」に向き合うことが大切です。そして、自分自身の想いを音に乗せられるような音作りを目指せば、たとえ同じ機材を使わずとも、精神的に近づくことは可能でしょう。それこそが、野田洋次郎という表現者から私たちが学ぶべき最大のポイントなのかもしれません。
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