始めに（特徴紹介）
凛として時雨のギタリストであり、ソロ名義「TK from 凛として時雨」でも知られるTK（北嶋徹）は、圧倒的なテクニカルプレイと感情表現を両立させた唯一無二のギタリストです。
彼のギタープレイの特徴は、超高速カッティング、変拍子リフ、独特なアルペジオ、そしてエモーショナルなギターソロです。音の粒立ちを極限まで追求し、曲ごとに音色の構成が緻密に計算されているため、多くのギタリストやエンジニアから高く評価されています。
代表曲としては、「abnormalize」「Enigmatic Feeling」「Fantastic Magic」「unravel（東京喰種 OP）」などが挙げられますが、いずれもそのサウンドデザインは極めて複雑かつ完成度が高く、クリーントーンから轟音ディストーション、付点ディレイやフェイザーを駆使した空間系まで縦横無尽に駆け巡ります。
ライブではエフェクターの多段構成に加え、H9などの高品位マルチエフェクトを裏方がリアルタイム制御するなど、現代的なデジタルアプローチとヴィンテージギアの融合が見られます。
その音作りは一見複雑ですが、セクションごとに整理していけば、サウンドの核が見えてきます。本記事では、TK氏の使用アンプ・ギター・エフェクター・セッティング・EQ・ミックスに至るまで徹底的に分析し、読者がその世界観に一歩近づけるよう解説していきます。
使用アンプ一覧と特徴【凛として時雨・TK】
TKのサウンドの中核を担うのが、こだわり抜かれたアンプ群です。彼の音色は、クリーンの透明感と歪みの繊細さを兼ね備えており、各アンプの特性を最大限に引き出すセッティングがなされています。
代表的なアンプのひとつが「Fender Twin Reverb」。真空管によるナチュラルなクリーンサウンドと艶やかなリバーブで、アルペジオやクリーンフレーズの輪郭を際立たせる用途で活躍しています。特にソロプロジェクトではTwin Reverbの音が多用されており、ライブ・レコーディング問わず中核的な存在です。
もうひとつ注目すべきは、「Fender Silverface Vibrosonic Head」。生産期間が短く珍しいアンプですが、Twin Reverbより中低域の厚みがあり、分離感の高いクランチや空間系との相性が非常に良いことから、TKが重視する透明感を損なわずに厚みを足す目的で使用されていると考えられます。
さらに「Universal Audio OX」はサイレントキャビネット／ロードボックスとして使用されており、ライブや宅録でのマイキング不要なセッティングを可能にしています。Kemper Profiling Amplifierも近年ではレコーディングやデジタルライブセットアップに導入されており、代表的なチューブアンプサウンドを再現する重要な機材です。
また、YAMAHA DG-Stompも宅録環境で活躍していたとの記録があり、インタビューなどでも「生音の緊張感を保ちつつ再現する手段」としてデジタルアンプの導入を語っているのが特徴です。
TKのアンプ選びの哲学は、「原音の透明感」「空間系との相性」「ギターとのトータルバランス」にあります。機材のスペックだけでなく、音楽的な文脈で選定されている点も非常に示唆的です。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| Fender Twin Reverb | Fender | Fender Twin ReverbをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | ライブ・レコーディングで使用されるクリーンの定番。空間系との相性が良好。 |
| Fender Silverface Vibrosonic Head | Fender | Fender Silverface VibrosonicをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | 中低域が豊かで、空間系エフェクトとの親和性が高い希少なモデル。 |
| Universal Audio OX | Universal Audio | Universal Audio OXをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | ロードボックス兼スピーカーシミュレーター。ライブ・宅録問わず使用。 |
| Kemper Profiling Amplifier | Kemper | Kemper Profiling AmplifierをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | レコーディングで使用。真空管アンプを高精度で再現可能なプロファイリングアンプ。 |
| Yamaha DG-Stomp | Yamaha | Yamaha DG-StompをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | 宅録用として活用。デジタルアンプシミュレートの先駆け的存在。 |
使用ギターの種類と特徴【凛として時雨・TK】
TKのギタープレイは、音楽性と物理的な操作性を両立させた特別な機材構成に支えられています。特にギターに関しては、独自の改造や設計思想が色濃く反映されており、サウンドとプレイアビリティの両面でそのスタイルを支えています。
メインギターとして最も知られているのが、Schecter製のシグネイチャーモデル「AC-TK-TE-WH/SIG」。これはTK本人の監修のもと開発されたモデルで、ホワイトフィニッシュにローズ指板、蓄光ポジションマーク、ストラップピンの独特な配置など、ライブでの操作性を徹底的に考慮した仕様になっています。サウンド面では、ハイミッドが押し出された繊細かつ切れ味のあるトーンが得られ、TKのテクニカルなカッティングと絶妙にマッチしています。
バンド初期には、Fender Japan製の黄色いTelecaster（改造モデル）も使用。このテレキャスターは、ロック調のストレートなリフに特化したセッティングで、荒削りながらも芯の太いサウンドが得られるモデルとして知られています。
アコースティックギターでは、Taylor製の複数モデルを用途に応じて使い分けています。「314ce」はグランドオーディトリアムサイズの万能機で、ライブや宅録でのフィンガーピッキングに適した音像。「354ce」は12弦ギターとして、広がりのある幻想的なコードワークやレイヤーに対応。「NS24e」はナイロン弦仕様で、クラシカルなニュアンスやアコースティックな空気感を加える際に活用されており、楽曲の多様な表情づけに貢献しています。
ギター選定の観点で重要なのは、TKが1本のギターで完結するスタイルではなく、目的に応じて最適なサウンドとプレイフィールを追求する姿勢です。エレキとアコギ、6弦と12弦、ナイロンとスチールなど、多層的な音の構成を支えるギター選びがその鍵になっています。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | ギターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Schecter AC-TK-TE-WH/SIG | Schecter | Schecter AC-TK-TE-WH/SIGをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | エレキギター | シグネイチャーモデル。ライブ仕様の独自設計で、主にメインギターとして使用。 |
| Fender Japan Telecaster (改造モデル) | Fender | Fender Japan TelecasterをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | エレキギター | 初期使用の黄色テレキャスター。荒削りなロックサウンドが特徴。 |
| Taylor 314ce | Taylor | Taylor 314ceをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | エレアコ | 万能タイプのアコギ。フィンガーピッキングや歌モノのバッキングに最適。 |
| Taylor 354ce | Taylor | Taylor 354ceをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | 12弦エレアコ | 幻想的なコードアレンジや空間演出に活躍。楽曲の広がりを支える。 |
| Taylor NS24e | Taylor | Taylor NS24eをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | ナイロン弦エレアコ | クラシカルなアプローチや静的なパートで活用。独特なニュアンスを付加。 |
使用エフェクターとボード構成【凛として時雨・TK】
TKのサウンドの核心には、極めて緻密に設計されたエフェクターボードの構成があります。クリーントーンから爆発的なディストーション、空間系による深い広がり、さらにはハウリングを制御するソロ用歪みまで、多層的な音色の演出がエフェクターによって成り立っています。
基本的なエフェクトルーティングは、「クランチ(クリーン)用の歪み」→「空間系（付点ディレイやピッチシフター）」→「メイン歪み」→「ソロ用ディストーション＆ハウリング調整」→「ARION SPH-1（フェイザー）」→「DigiTech DIGIDELAY（空間系）」という順番で接続されていることが確認されています。
クランチ～クリーンサウンドの基礎には、Shigemori Ruby Stone、Muse、Vemuram Jan Rayといった上質なオーバードライブが用いられており、特に近年ではJan Rayが主軸として活躍しています。これにより、透明感のあるバッキングや、ニュアンス豊かなコードが表現されています。
メインの歪みセクションでは、BarbarossaやBoss製のオーバードライブ／ディストーションが導入され、SPI/WAXXモディファイを施したモデルが多数確認されます。たとえば、Boss OD-3（SPI mod）やDA-2（WAXX mod）は、通常モデルよりも解像度が高く、TKの高速カッティングや複雑なコードワークにも埋もれないトーンを提供します。
空間系では、DigiTech TimeBenderやDD-20 Giga Delay、Eventide H9 Max、ZOOM MS-100BTなどが代表的。特にEventide H9はライブ中に裏方スタッフがリアルタイム制御を行う重要なパートであり、付点ディレイやピッチシフター系の処理がこれに集約されています。
また、ブースターとしては、J Rockett DesignsのLennyやXotic EP Boosterを用い、クリーンな部分での音量補正や立ち上がりの強調に使われます。ダイナミクス系では、Boss CP-1XやKeeley Compressorが粒立ちと安定感を演出。
さらに、モジュレーションやルーティングにもこだわりがあり、Boss CE-2W（Chorus）やProvidence RX-S1などの多機能スイッチャーが導入され、複雑なエフェクトチェインの中でも正確な操作が可能になっています。
| 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | エフェクターの種類 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Shigemori Ruby Stone | Shigemori | Ruby StoneをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | オーバードライブ | クリーントーン基盤として長年愛用される定番。透明感ある歪み。 |
| Vemuram Jan Ray | Vemuram | Jan RayをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | オーバードライブ | 近年のライブでもメインに使用。ナチュラルな歪みとピッキングレスポンス。 |
| Boss OD-3 (SPI mod) | Boss | OD-3をAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | オーバードライブ | SPI modにより解像度を向上。コード感のあるディストーションにも対応。 |
| Barbarossa Gargoyle | Barbarossa | GargoyleをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | ディストーション | 深い歪みと鋭い抜けを両立する現代的ディストーション。 |
| Eventide H9 Max | Eventide | H9 MaxをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | 空間系マルチエフェクター | 裏方による制御で多彩な空間処理を実現。ディレイ/リバーブ/ピッチ全対応。 |
| ZOOM MS-100BT (WAXX mod) | ZOOM | MS-100BTをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | マルチエフェクター | 初段の空間処理用。H9と併用され、パラレル設定にも対応可能。 |
| Boss CE-2W Chorus | Boss | CE-2WをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | コーラス | CE-1/CE-2モード切替対応。空間に奥行きを加える要素として導入。 |
| Boss CP-1X Compressor | Boss | CP-1XをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | コンプレッサー | 粒立ちの良さと自然なかかり具合で全体の安定感を担う。 |
| Boss LS-2 Line Selector (WAXX mod) | Boss | LS-2をAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | スイッチングシステム | 多段構成の切り替え用。ライブ時の操作効率に寄与。 |
音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【凛として時雨・TK】
TKのサウンド構築は、単なるペダルやアンプの選定を超えて、楽曲の構造やプレイスタイルに深く根ざしたミックス的観点まで踏み込んだ設計がなされています。
まず、基本のセッティングとして特徴的なのは「原音を殺さない歪みのレイヤー化」です。クリーントーン／クランチとしてはShigemori Ruby Stone、Muse、Vemuram Jan Rayといった上質なオーバードライブを使用し、ピッキングニュアンスを保ちながらもエッジの効いた立体感ある音を実現しています。とくにVemuram Jan RayはTKの「現在の基軸トーン」であり、ゲインを抑えめに設定し、後段の歪みへとつなげるバッファー的役割も担っています。
メインの歪みでは、BarbarossaシリーズやBossのモディファイ機（OD-3、DA-2）などを使い分けており、それぞれをコンテキストごとに重ねる構成。メインディストーションでは中域にフォーカスを持たせ、ハウリング用の歪みは高域寄りにチューニングされており、曲ごとにEQが異なるのが大きな特徴です。
空間系エフェクトにおいても、ZOOM MS-100BT（初段）→Eventide H9 Max（中間）→DigiTech DIGIDELAY（終端）という段階的配置がなされており、それぞれ異なる役割を持っています。MS-100BTはピッチシフトやフィルター、H9は付点ディレイやリバーブ、DIGIDELAYはリピート用のモジュレートディレイ。これらを掛け合わせることで、空間を操るようなTK特有の奥行きあるギターが作られます。
具体的なEQ設定としては、アンプ出力においては中域を少し持ち上げ、Presenceは控えめ。歪みの段階で明るすぎないよう抑える代わりに、空間系で高域成分を補う手法が採られています。Twin Reverb使用時などはTreble 3.5、Middle 5.5、Bass 4.0、Reverb 3.0程度の設定が目安です。
ライブ時にはFOH（フロントオブハウス）でギターをステレオ展開する際、片方のラインにはディレイを少し遅延させて定位の幅を広げる工夫が見られます。これはMS-100BTやH9のステレオアウトを使った処理とも関連しており、本人とPAが連携したライブセッティングの賜物といえるでしょう。
また、楽曲によってはハイパスフィルター（80〜100Hzカット）や、ナローバンドEQでのピーク調整（3.2kHz〜4.5kHz付近）などが使用されており、これによりボーカルやシンセとぶつからないミックスが成立しています。
自宅録音では、KemperやDG-Stompを利用することも多く、スピーカーシミュレーションやIRを通じたマイキング環境の再現にも力を入れています。特にUniversal Audio OXを使ったレコーディングでは、実アンプの質感を保ちつつ無駄な倍音を抑えたミックスに最適なサウンドが得られています。
総じて、TKの音作りは「構成的」「論理的」でありながら、非常に有機的です。すべての設定には意味があり、曲の世界観にフィットするよう細かくチューニングされているのです。これは単なる機材好きではなく、音響構築の職人芸とも言えるスタンスによるものでしょう。
比較的安価に音を近づける機材【凛として時雨・TK】
TKのような立体的かつ繊細なサウンドを完全に再現するには、ハイエンドなブティック系エフェクターや真空管アンプ、複雑なスイッチング環境などが必要です。しかしながら、初心者や中級者でも比較的手の届きやすい価格帯（1〜5万円程度）で再現度の高いセットアップを構築することは可能です。
ここでは、TK風サウンドを目指すギタリストに向けて、市販のコストパフォーマンスに優れた代替機材をピックアップし、なぜ似たサウンドが出せるのかを丁寧に解説していきます。
| 種類 | 機材名 | メーカー | Amazon最安値URL | アーティスト | ギタリスト | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| オーバードライブ | Boss BD-2 Blues Driver | Boss | BD-2をAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | ナチュラルな歪みとピッキングニュアンスの反映が得意。Jan Ray的な応答性を安価に再現。 |
| ディストーション | Boss DS-1X | Boss | DS-1XをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | Adaptive Distortion搭載で複雑なコードでも潰れない。TKの歪みに近い密度感。 |
| マルチエフェクター | ZOOM G3Xn | ZOOM | G3XnをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | MS-100BTやH9の代用として、空間系やモジュレーション、ブースターまで幅広くカバー可能。 |
| 空間系ディレイ | NUX Atlantic Delay & Reverb | NUX | AtlanticをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | ディレイとリバーブを一体化。H9的なセッティングを簡易的に再現可能。 |
| コンプレッサー | TC Electronic Forcefield Compressor | TC Electronic | Forcefield CompressorをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | 自然な圧縮感とレスポンスの良さが特徴。CP-1XやKeeleyの代用として導入しやすい。 |
| クリーンブースター | Joyo JF-38 Roll Boost | Joyo | Roll BoostをAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | Xotic EP BoosterやLennyのような抜けの良さを簡易に再現。低価格で導入可能。 |
| スイッチャー | Rowin LEF-330 Loop Box | Rowin | LEF-330をAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | Providence RX-S1の代替として、複数ループ制御に。エフェクトのON/OFF整理に便利。 |
| アコースティックプリアンプ | Boss AD-2 Acoustic Preamp | Boss | AD-2をAmazonで探す | 凛として時雨 | TK | AD-10の簡易版ながら音質は秀逸。Taylor系のエレアコと好相性。 |
これらの機材は、いずれも1万円台〜5万円台に収まる市販品でありながら、TKサウンドに不可欠な要素である「繊細な歪み」「立体的な空間系」「表現力豊かなクリーン」「操作性の柔軟さ」を担保してくれます。
特にZOOM G3Xnのようなマルチは、H9のような多機能空間処理を1台で代用可能であり、初心者〜中級者にとって理想的な「TK風スターターキット」と言えるでしょう。
大切なのは、機材そのものよりも「どのような順序で」「どの役割として」使用するかという意識です。この記事で紹介したルーティングの考え方を踏襲すれば、安価な機材でも十分にTKの世界観へ近づくことが可能です。
総括まとめ【凛として時雨・TK】
TK（北嶋徹）のギターサウンドは、単なる「機材の組み合わせ」ではなく、「楽曲の情緒」と「構造美」を支えるための“設計された音”として成り立っています。
彼の音作りに共通しているのは、「明確な意図」と「細分化された音のレイヤー」。透明感のあるクリーンから怒涛のようなディストーション、さらに時間軸や空間の概念を拡張するディレイ／ピッチ処理まで、一つひとつのセッティングが曲の情景や感情と密接に結びついています。
そのため、ただ機材を真似るだけではTKのサウンドには届きません。重要なのは「何のためにその機材を使っているのか」「どのパートを担わせているのか」という“役割の設計”を理解することです。たとえば、Shigemori Ruby StoneやVemuram Jan Rayは「歪ませるため」でなく、「ピッキングやタッチの表現を支えるクリーンアンプ的な役割」を果たしています。
また、ライブではEventide H9などを外部操作で活用し、リアルタイムの音色遷移をサポート。これは「音の構成」だけでなく「演出」としての音作りを重視している証拠でもあります。
さらに、ミックスにおいても極めて戦略的。EQ処理では中域のマスキングを避けつつ、高域で空間感を確保。ディレイは付点8分設定を中心に、位相や反射を精密にコントロールしながら使われています。これらはすべて、「ギターが歌うための空間づくり」の一環といえるでしょう。
もしあなたがTKサウンドを再現したいなら、まず「音の構造」を読み解くことから始めるべきです。音は重なり、削られ、広がり、消える。その一つひとつの瞬間に、意図が宿っています。
そして大切なのは、“技術の先にある感情”。TKのギターは技巧的でありながら、人の心を激しく揺さぶる熱を持っています。それを実現するためには、EQやゲインの設定に加え、自身のフレーズの作り方やプレイスタイルまでも含めて向き合う必要があるのです。
本記事が、あなたのTKサウンド追求の第一歩となり、より深くギターの可能性に触れる機会となれば幸いです。
下記恐らく使用（所持）している機材のまとめです。参考までに！
ギター
Schecter AC-TK-TE-WH/SIG (シグネイチャーモデル): 独特のストラップピン位置や蓄光ポジションマーク、ローズウッド指板が特徴。
Fender Japan Telecaster (改造モデル): 黄色のテレキャスター。初期に使用。
Taylor 314ce: 弾きやすいグランドオーディトリウムタイプのエレクトリックアコースティックギター。
Taylor 354ce: 12弦のエレクトリックアコースティックギター。
Taylor NS24e: ナイロン弦モデル。
ベース
Schecter AC-345-PJ-WH/SIG (シグネイチャーモデル)
Yamaha SBV-500: バンド初期に使用。
アンプ
Fender Twin Reverb: 定番のギターアンプで、透き通るようなクリーンサウンドと美しいリバーブが特徴。
Universal Audio OX: プレミアム・リアクティブ・ロード・ボックス/ギター・レコーディング・システム。アッテネーターやサイレント・キャビネットとしても機能。
Fender Silverface Vibrosonic Head: 生産期間が短く珍しいアンプ。Twin Reverbと比較して中低域が豊か。
Kemper Profiling Amplifier: 数百種類のアンプモデルを搭載したアンプシミュレーター。レコーディングで使用。
DG-stomp: 宅録で使用。
エフェクター
歪み系
Barbarossa Gargoyle: ディストーション。深い歪みとクリアな音質。
Barbarossa Uranus: オーバードライブ。ナチュラルな歪みと豊かな表現力。
Shigemori Muse: オーバードライブ（クリーンブースト）。透明感のある音質。
Shigemori Ruby Stone: オーバードライブ（クリーンブースト）。透明感のある音質。
Boss OD-3 OverDrive (SPI mod含む): ナチュラルな歪みと幅広い音作りが可能。
Boss DA-2 Adaptive Distortion (WAXX mod含む): 演奏のニュアンスに応じた歪み。
Boss OD-1 OverDrive: シンプルな操作とナチュラルな歪み。
Boss ST-2: スタックアンプのパワー感を再現したディストーション。
One Control TORNADO Fx TORNADO Drive Brass: オーバードライブ。
Fulltone OCD Obsessive Compulsive Drive: 透明感のあるトーンと幅広い音作りが可能。
Ibanez TSV808 Vemuram Tube Screamer: クリアでナチュラルなオーバードライブ。
Maxon OD-820 Overdrive Pro: 温かみのあるサウンドとレスポンスの良さ。
Vemuram Jan Ray: クリーンでナチュラルなトーンのオーバードライブ。
J Rockett Audio Designs Archer: オーバードライブ/クリーンブースター。
Cusack Music Screamer Fuzz: ファズ。
Xotic BB Plus: オーバードライブ。
Carl Martin Hot Drive´n Boost MKII: 2つのモードを持つオーバードライブ。
ブースター系
J Rockett Audio Designs Lenny: クリーンブースター。明瞭かつ力強いサウンド。
Xotic EP Booster: エコープレックスのプリアンプ効果をシミュレートしたクリーンブースター。
空間系
DigiTech TimeBender: 高機能ディレイ。
DigiTech X-Series DigiDelay (DIGIDELAY): 温かみのあるモジュレーションディレイ、6つのディレイパターンとルーパー機能搭載。
Boss DD-20 Giga Delay: 多彩なディレイモードと長いディレイタイム。
TC Electronic ND-1 Nova Delay: 多彩なディレイモードと直感的な操作性。
ZOOM MS-100BT (WAXX mod含む): マルチエフェクター。多様なエフェクトを内蔵。
Eventide H9 Max: マルチエフェクター。多彩なエフェクトと高い音質。
TC Electronic D2 Delay: ディレイ。
ダイナミクス系
Boss CP-1X Compressor: マルチバンド処理による自然なコンプレッション。
Arion SCO-1 Compressor: 音の粒を揃えたクリアな圧縮効果。
Keeley Compressor 2-Knob: シンプルな2ノブ設計と滑らかな圧縮。
DigiTech Main Squeeze: コンプレッサー。
Yamaha CO10M: コンプレッサー。
フィルター系
Arion SPH-1 Stereo Phaser (WAXX mod, SPI mod含む): 滑らかで暖かいフェイズシフト効果。
その他
Boss LS-2 Line Selector (WAXX mod含む): 複数のエフェクトループを切り替え。
Boss CE-2W Chorus Waza Craft: ヴィンテージのCE-2とCE-1モードを切り替え可能な高品質なコーラス。
Boss AD-10 Acoustic Preamp: アコースティックギター用プリアンプ。
Providence RX-S1 2Loop+A/B Routing Box (PRX-2S): 2ループとA/Bルーティングが可能なスイッチャー。
BOSS SL-20: スライスサウンドが特徴。
BOSS AC-2 (AC-3): アコースティックシミュレーター。
dbx イコライザー
チューナー
Korg DT-10 Digital Pedal Tuner: 視認性の高いディスプレイと耐久性のあるデザイン。
その他機材
弦: SIT Strings Power Wound S1046 Light
カポタスト: D’Addario NS Artist Drop Tune Capo
ピック: Schecter SPA-TK10 WH, Schecter SPA-TK10 WH/2
イヤーモニター: SHURE SE535 Special Edition
音作りに関する情報
エフェクターボードは「クランチ(クリーン)用の歪み」→「空間系(付点ディレイ等)」→「メイン歪み」→「歪み(ソロ及びハウリング等)」→「ARION SPH-1」→「DigiTech DIGIDELAY」の順に接続。
クランチ(クリーン)サウンドはShigemori Ruby Stone、Shigemori MUSE、Vemuram Jan Rayを使用。最近はJan Rayがメイン。
初段の空間系（付点ディレイやピッチシフター）にはZOOM MS-100BTとEventide H9を使用。ライブではH9は裏方が操作。
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