【SUGIZO】LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)風サウンドの作り方+ギター機材音作りセッティングのまとめ【エフェクター・アンプ】

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始めに(特徴紹介)

LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)のギタリストとして、圧倒的な存在感を放つSUGIZOさんは、日本を代表するサウンド・アーティストの一人です。彼の音作りは単なるロックギターにとどまらず、バイオリンやエフェクトの重層的な構成、空間系の多彩な処理、さらには政治的・哲学的な思想までも含んだ「音の芸術表現」と言っても過言ではありません。

SUGIZOさんのプレイスタイルは、大胆な空間演出と繊細なフィードバックコントロールが特徴であり、特にディレイやリバーブを活かした広がりのあるサウンドが代表的です。LUNA SEAの楽曲では『I for You』『STORM』『ROSIER』などでその音世界が存分に発揮されており、モダンかつ壮大なサウンドに貢献しています。

また、ヴィンテージギターと最新デジタル技術を組み合わせたハイブリッドなセッティングは、多くのギタリストにとって憧れの対象です。例えば、Gibson ES-330やNavigatorのシグネチャーモデル、ESPのECLIPSEシリーズなどを楽曲に応じて使い分けており、それぞれの機材に合わせた個別のボードとアンプが用意されている点も非常に特異です。

さらに、エレクトリック・バイオリンや5弦のRealistカスタムバイオリン、トリプルネックギターといった個性的な楽器を導入し、それらを音楽的に自然に溶け込ませている点も唯一無二の存在といえるでしょう。まさに「音を視覚化するギタリスト」としてのSUGIZOさんの姿がそこにあります。

この記事では、そんなSUGIZOさんの機材構成、サウンドセッティング、EQの工夫、さらには再現に必要な機材までを詳細に解説していきます。あなたがLUNA SEAのサウンドを追体験したいなら、この情報はきっと大きな助けになるはずです。

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使用アンプ一覧と特徴【LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)・SUGIZO】

SUGIZOさんのアンプセッティングは、非常に多層的であり、役割ごとにヘッドアンプやキャビネットを切り分けて使うスタイルが特徴です。クリーン、クランチ、ハイゲインといった単純な区分けだけではなく、「ディレイの送り専用アンプ」や「バッキング専用のキャラクター重視アンプ」など、用途ごとに明確な目的をもった組み合わせがなされています。

まず、歪みの主軸としてはEVHの5150IIIが使用されており、ラウドかつ抜けの良いハイゲインサウンドを支えています。これに対し、クランチ補助やコード感を補強する目的で使われているのがDivided by 13のLDW 17/39。しっかりとした中域が得られ、EVH単体では得られない音の太さを補っている構成です。

SUGIZOのギターサウンドで特に有名なアンプは、2010年頃から使用されているEVH 5150 IIIです。このアンプは、クリーン、リード、クランチの3つのチャンネルがあり、SUGIZO自身が「質が高く、他のアンプとは格が違う」と評価しています。また、クランチサウンドの強化にはDivided by 13 LDW 17/39が併用され、歪みサウンドの際には芯のあるコード感を補っています。

また、リード用途にはBOGNER EXTACYが選ばれており、なめらかで艶やかなサステインをもつ特性がソロパートに活かされています。一方、バッキングではDIEZEL VH-4が用いられ、バンド全体を支える中低域とスピード感のある歪みが特徴です。LUNA SEAの重厚なアンサンブルにはこのような「キャラクター別役割分担」が不可欠です。

加えて、VHT Two/Fifty/Two Special Edition 6L6 Power Black Beautyは、ディレイ処理された音のみを出力するための専用パワーアンプ。Fractal Audio AXE-FX IIIとの併用で空間処理された音をこのアンプで拡声し、専用キャビネットから出力することで、空間系の明瞭さと立体感を損なわないセッティングを実現しています。

このように、SUGIZOさんのアンプセクションは単なる出音ではなく、「どうやってサウンドの層を作るか」というミックス的思考に基づいたシステム設計となっており、そのすべてがLUNA SEAの立体的なサウンドの屋台骨を支えています。

アンプ・キャビネット 名称メーカーAmazon最安値アーティスト①備考備考2
EVH 5150 IIIEVHhttps://amzn.to/4kg0caPLUNA SEAクリーン、リード、クランチの3チャンネルを備えた高品質アンプ。2010年頃から使用。
Divided by 13 LDW 17/39Divided by 13https://amzn.to/3SoNWctLUNA SEAクランチサウンドの強化に使用。EVH 5150 IIIと併用。
Kemper Profiling AmpKemperhttps://amzn.to/4mbiBaNLUNA SEAプロファイリングアンプ。ライブでの使用が確認されている。
機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
5150IIIEVHAmazon検索LUNA SEASUGIZOメインの歪みサウンドを支えるハイゲインアンプ
LDW 17/39Divided by 13Amazon検索LUNA SEASUGIZOクランチ補助としてEVHの歪みに音の芯を加える
EXTACYBOGNERAmazon検索LUNA SEASUGIZOリード用途の艶やかなサウンド
VH-4DIEZELAmazon検索LUNA SEASUGIZOバッキング用としてミックスしやすい音質
JVM410H (Communeモディファイ)MarshallAmazon検索LUNA SEASUGIZO超低音に対応するカスタム仕様のモディファイアンプ
TonemasterFenderAmazon検索LUNA SEASUGIZO主にキャビネット的役割で使用
Two/Fifty/Two Power AmpVHTAmazon検索LUNA SEASUGIZO空間処理専用のパワーアンプ

使用ギターの種類と特徴【LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)・SUGIZO】

brown acoustic guitar

SUGIZOさんのギターコレクションは、まさに多彩かつ多層的。時代ごとに進化してきた彼のサウンドビジョンを体現する存在です。ライブやレコーディングで実際に使用されたギターは、ヴィンテージモデルから最新のカスタムシグネチャーまで幅広く、1曲の中でも複数本の持ち替えが行われることも珍しくありません。

ヴィンテージ系の中でも特に注目すべきは、Gibson ES-330TD(1961年)とES-175(1963年)です。ES-330はP-90ピックアップを搭載したフルアコで、『KAMOGAWA』や『Rebellmusik』などのダウンチューニング曲で、非常に甘く分離の良いサウンドを響かせます。ES-175は半音下げで『MEGUROGAWA』『Love Is Everywhere』などのメロウなナンバーに使用されており、ジャズギター由来の美しいトーンが特徴です。

シグネチャーモデルとしては、Navigator N-ST SGZ Customシリーズが中心。-DII-は『FATIMA』や『THE CAGE』などでのレギュラーチューニングに使用され、-EDEN-はチャリティー目的で製作された特別モデルで、ES-175から持ち替えて使用されるなど、使用曲も明確に確認できます。さらにナチュラルフィニッシュの-FZ-は、DIIのサブとしてスタンバイされています。

ESP ECLIPSEシリーズも要注目で、S-Ⅷ BRILLIANT-MIXEDMEDIA-が2022年時点でのメイン。Seymour Duncan Antiquity II “Surfer”やLollar P-90を搭載し、アートピースのような仕上がりが話題になりました。SUGIZOさんのラウドな側面を支えています。

伝説的なESP PR-TRIPLE NECK(12弦、フレットレス、6弦フロイドローズ)も欠かせません。これは『LOVELESS』『GENESIS OF MIND』などで披露され、唯一無二の存在感を放ちます。また、土屋昌巳氏から譲り受けたFender Stratocaster 60’s “KIKUMARU”も『gravity』などで使われ、SUGIZOさんにとって非常に特別な存在となっています。

その“菊丸”からインスパイアされたNavigator N-ST-300カスタムは、LUNA SEA代表曲の『STORM』『DESIRE』『I for You』などで活躍。プレイヤビリティと音の透明感が非常に高く、ライブでの使用率も高いギターです。加えて、12弦ギターのRickenbacker 360/12(1964年)は『MOTHER』での使用が確認されており、多彩なアレンジに対応する一助となっています。

さらに、アコースティックではGibson J-160E(1969年)が『BREATHE』などで登場。ジョン・レノンに影響を受けたSUGIZOさんらしい選定です。これらのギターからも、SUGIZOさんが単に「音を出す」だけでなく、「楽器と対話しながらサウンドを構築する」アーティストであることが伝わってきます。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストギターの種類備考
ES-330TD 1961GibsonAmazon検索LUNA SEASUGIZOフルアコ(P-90)1音下げチューニングで『KAMOGAWA』『Rebellmusik』に使用
ES-175 1963GibsonAmazon検索LUNA SEASUGIZOフルアコ(ステッカードPU)『MEGUROGAWA』『Love Is Everywhere』で半音下げ
N-ST SGZ Custom -DII-NavigatorAmazon検索LUNA SEASUGIZOストラトタイプ『FATIMA』ソロや『THE CAGE』で使用
N-ST SGZ Custom -EDEN-NavigatorAmazon検索LUNA SEASUGIZOストラトタイプチャリティー用特別モデル、半音下げで『Love Is Everywhere』後半
ECLIPSE S-Ⅷ BRILLIANT-MIXEDMEDIA-ESPAmazon検索LUNA SEASUGIZOストラト派生モデル2022年メイン、Antiquity II+Lollar搭載
PR-TRIPLE NECKESPAmazon検索LUNA SEASUGIZO特殊ネック構成『LOVELESS』『GENESIS OF MIND』で使用
Stratocaster 60’s “KIKUMARU”FenderAmazon検索LUNA SEASUGIZOコンポーネントST土屋昌巳氏から譲渡、『gravity』で使用
N-ST-300 KIKUMARU CustomNavigatorAmazon検索LUNA SEASUGIZOストラトタイプ『STORM』『I for You』『DESIRE』で使用
Rickenbacker 360/12 1964RickenbackerAmazon検索LUNA SEASUGIZO12弦ギター『MOTHER』で使用
J-160E 1969GibsonAmazon検索LUNA SEASUGIZOエレアコ(P-90)『BREATHE』で使用、ジョン・レノンモデル

使用エフェクターとボード構成【LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)・SUGIZO】

SUGIZOさんのエフェクトシステムは、まさに「音の実験室」とも言える圧倒的スケールと構造を誇ります。複数のボードがステージ上、ラック内、ギターテック操作用に分かれ、それぞれが用途ごとに機能しています。その膨大な構成の中でも、特に音作りの中核を担っているのがFractal Audio Systems AXE-FX IIIです。

AXE-FX IIIは、プリアンプ、キャビネットシミュレーション、マルチエフェクトが統合されたフラッグシップ機であり、彼のデジタル・アーセナルの要です。SUGIZOさんはこのプロセッサーで空間系を中心にコントロールしつつ、外部エフェクトやアンプとの連携も駆使する複合構成を実現しています。

ラックにはapi 3124MV(プリアンプ/ミキサー)、Sherman Filterbank 2(アナログフィルター)、Jim Dunlop Crybaby Rack DCR-1SR(ラックワウ)、Eventide Eclipse(ハーモナイザー)、tc electronic TC2290(名機ディレイ)、Free The Tone製のルーティングシステムやレベリングアンプ、ミキサーなどが設置され、完全にステージ対応された高精度なルーティングが可能です。

ペダルボードも複数存在し、ステージ中央・バイオリン用・ギター用に分かれています。バイオリン用ボードにはStrymon Big Sky(リバーブ)、TIMELINE(ディレイ)、Eventide H9(マルチエフェクター)、FISHMAN Aura Spectrum DI(アコースティック用プリアンプ)などが並び、立体的なエフェクト処理が可能。ギター用ボードにはBOSS RE-20(スペース・エコー)、Maxon PDM1(モジュレーションディレイ)、Devi Ever: FX Shoegazer(ノイズ系ディストーション)、Providence Stampede OD(オーバードライブ)など、かなり攻めたペダル構成になっています。

注目すべきは、SUGIZOシグネチャーモデルであるFree The Tone RM-1S(リングモジュレーター)や、Masami Tsuchiya×Endroll Mazzy Fuzzy 2in1(ファズ+オクターバー)など、唯一無二のペダル群。彼のサウンドに欠かせない“非現実的トーン”の生成に大きく寄与しています。

また、ステージ上から直接操作できるVOX V845(ワウ)や、Free The Tone Direct Volume DVL-1L(ボリュームペダル)、Source Audio Zio(バッファ/ブースター)などもあり、リアルタイム操作によるダイナミクス表現の自由度も非常に高いです。ギターテック側でもDigitech Whammy DT、Eventide Time Factor、Maxon PDM1、iSP Decimatorなど多くのペダルを駆使し、完全に制御されています。

このようにSUGIZOさんのエフェクター群は、単なる音色変化のための道具ではなく、「演奏空間そのものを設計するための機材」として機能しており、彼の音響美学の核を成しています。

機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリストエフェクターの種類備考
AXE-FX IIIFractal Audio SystemsAmazon検索LUNA SEASUGIZOギター用マルチエフェクター音作りの核。マルチエフェクト+キャビネットシミュレーター
RM-1SFree The ToneAmazon検索LUNA SEASUGIZOリングモジュレーターシグネチャーモデル。異次元的なサウンド演出に使用
Big SkyStrymonAmazon検索LUNA SEASUGIZOリバーブバイオリン・ギター両用。広がりある空間演出に最適
RE-20 Space EchoBOSSAmazon検索LUNA SEASUGIZOエコー高さ調整設置。アナログ風スペースエコー
ShoegazerDevi Ever: FXAmazon検索LUNA SEASUGIZOディストーションノイジーな音を演出。多くの曲でアクセント的に使用
Stampede ODProvidenceAmazon検索LUNA SEASUGIZOオーバードライブ主にセンター寄りのギター用ペダルボードに搭載
V845VOXAmazon検索LUNA SEASUGIZOワウペダルライブでのリアルタイム操作で使用
Polytunetc electronicAmazon検索LUNA SEASUGIZOチューナーバイオリン用ボードに搭載
Aura Spectrum DIFISHMANAmazon検索LUNA SEASUGIZOダイレクトボックスエレクトリック・バイオリン用プリアンプ兼DI
Time FactorEventideAmazon検索LUNA SEASUGIZOディレイギターテック操作ボードに設置、空間処理を担当

その他、SUGIZO氏のエフェクターボードは、楽曲やライブのシチュエーションに応じて、以下のエフェクターが使用されています。

エフェクター 名称メーカーエフェクターの種類Amazon最安値アーティスト①備考
Stampede OD SOV-2Providenceオーバードライブhttps://amzn.to/4m6DbJcLUNA SEA歪みの土台として多用。
GIGS BOSON GB-1VFree The Toneディストーションhttps://amzn.to/3GT4XJaLUNA SEA太くサステインのある歪み。
69 MKIIFulltoneファズhttps://amzn.to/4mfsW5vLUNA SEAヴィンテージ感のあるファズ。
SHOE GAZERDevi Everファズ+ブースターhttps://amzn.to/4jUtdcvLUNA SEAノイジーで攻撃的なファズサウンド。
MK.4.23Creation Audio Labsブースターhttps://amzn.to/43bbCG0LUNA SEAクリーンブーストに使用。
PD-2 Buffer BoosterProvidenceブースターhttps://amzn.to/439m80pLUNA SEAバッファ内蔵の高品位ブースター。
ModFactorEventideモジュレーションhttps://amzn.to/3GU7PpeLUNA SEAコーラス、フランジャーなど多機能。
TRI AVATAR TA-1HFree The Toneコーラスhttps://amzn.to/3FboofHLUNA SEAステレオ対応の高品位コーラス。
M101 Phase 90MXRフェイザーhttps://amzn.to/3Fbop3fLUNA SEA定番のフェイズシフター。
RM-1SFree The Toneリバーブhttps://amzn.to/4dej1sFLUNA SEAライブ定番の空間系。
MF-102 Ring ModulatorMoogerfooger(Moog)リングモジュレーターhttps://amzn.to/3GTJFehLUNA SEA特殊音色・揺らぎ効果用。
Ravish SitarElectro-Harmonixシタールシミュレーターhttps://amzn.to/3SzZjy5LUNA SEA楽曲「anagram」などに使用。
BigSkyStrymonリバーブhttps://amzn.to/4iZpSHXLUNA SEA高品質で幅広いリバーブ音色。
RE-20 Space EchoBOSSディレイhttps://amzn.to/3GVIlb6LUNA SEAテープエコー系の定番モデル。
DD-500BOSSデジタルディレイhttps://amzn.to/4ddpVhULUNA SEA複数メモリー搭載で多用途。
Time FactorEventideディレイhttps://amzn.to/457PtuKLUNA SEA高精度ディレイ、ステレオ対応。
Flight Time FT-1YFree The Toneディレイhttps://amzn.to/3S2KzHOLUNA SEAMIDI対応の高機能ディレイ。
PDM1Maxonアナログディレイhttps://amzn.to/4j67IV1LUNA SEA暖かい音色で馴染みやすい。
H9 HarmonizerEventideマルチエフェクターhttps://amzn.to/3S0vDtRLUNA SEA多機能、高品質アルゴリズム搭載。
SC-1 Silky CompFree The Toneコンプレッサーhttps://amzn.to/4dh5gtdLUNA SEA自然なかかり方が特徴。
GE-7BOSSイコライザーhttps://amzn.to/4317CJyLUNA SEA音域補正用。
DecimatorISP Technologiesノイズゲートhttps://amzn.to/44DBFIuLUNA SEAハイゲイン時のノイズ抑制。
PA-1QGFree The ToneグラフィックEQhttps://amzn.to/4deQweqLUNA SEA音作りの微調整に。
Whammy DTDigiTechピッチシフターhttps://amzn.to/43jUMVCLUNA SEAオクターブ上下・和音変化対応。
Polytune 3TC Electronicチューナーhttps://amzn.to/4knndZMLUNA SEAボード常駐型、ポリフォニック対応。

音作りのセッティング・EQ・ミックスの工夫【LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)・SUGIZO】

A group of musical instruments sitting on top of a stage

SUGIZOさんの音作りは、単なるギターサウンドの範疇を超えており、空間を“構築する”という概念にまで踏み込んでいます。LUNA SEAにおける彼の役割は、リードギターでありながら、音響的には「空間の彫刻家」のような存在。エフェクトやEQの配置一つで、曲の世界観や感情がまったく異なるものになるため、その設計には精緻な戦略が存在します。

まず、基本の歪みサウンドはEVH 5150IIIによるハイゲイン設定が中核となりますが、これにDivided by 13 LDW 17/39をミックスすることで、コード感と音の芯を強化しています。このクランチ系アンプは低域がタイトで中域の膨らみも豊か。バンドアンサンブルの中で埋もれないトーンを形成する上で不可欠です。

そのうえで、リードパートではBOGNER EXTACYを使用。これはややコンプレッション感のある滑らかな歪みを持ち、ピッキングのニュアンスが細かく反映されるため、メロウなフレーズやファズ系サウンドとの対比で使われることもあります。サウンドのきらめきを強調したいときは、アンプ側のPresenceをやや上げ、Trebleを6.5〜7.0、Middleを5.5〜6.0、Bassをやや下げめの4.5程度に設定していると考えられます。

EQに関しては、Fractal Audio AXE-FX III内蔵のパラメトリックEQやGEQを活用し、アンプ直出しでは得られないレンジの整え方を行っています。特に2kHz〜3kHz周辺の「抜け感」は、ライブハウスの音響環境によって微調整されることが多く、PAチームと密接に連携しながら設定している点も特筆すべきです。

空間系の構成も彼ならでは。ディレイはtc electronic TC2290やEventide Time Factor、AXE-FX IIIのアルゴリズムを併用し、曲に合わせてマルチタップや逆再生、フィルター付きディレイを選択しています。タイム設定はBPM同期で使用されることも多く、例えば『STORM』ではリズムと同期したクォーターディレイ+ディフュージョン効果を狙ったプリセットを使用していると推察されます。

リバーブはStrymon Big Skyが中心で、HallやCloudモードを基調に、Pre-delayを深めに設定することで音の立ち上がりをコントロール。あくまで「残響が支配的にならない」ような設計思想がうかがえます。加えてEventide H9を多用途に活用し、音に厚みを与えるピッチシフト系エフェクト(Harmonizer、Crystalsなど)で倍音感や広がりを付加しています。

リングモジュレーターやFilterbankなど特殊系エフェクトも多用されており、特に『RA-SE-N』や『Pray for Mother Earth』などのアンビエント・ノイズパートでは、moogerfooger MF-102やFree The Tone RM-1Sが活躍。これらは単体の音というより「曲全体の世界観を形成する素材」として用いられています。

ミックス面では、ディレイ音や空間系はVHT Two/Fifty/Twoを通じて専用キャビネットに分離出力することで、原音と混ざらず明瞭な再現を実現。ギタリストでありながら「ミックスエンジニア的視点」でステージ設計している点も、SUGIZOさんの音作りの高度さを象徴しています。

また、近年ではSource Audio Zioなど高性能バッファーや、Free The Toneのジャンクションボックス、ルーティングユニットの導入により信号劣化を極限まで抑え、数十個のペダルが連携してもクリアなサウンドが得られるようになっています。

このように、SUGIZOさんの音作りは“音の物理構造”を踏まえたデザイン思考に近く、プレイヤーというよりもアーティスト=エンジニア的アプローチで成り立っていることがわかります。

アンプセッティング(EVH 5150 III):

  • クリーンチャンネル:クリーンなサウンドを重視。
  • クランチチャンネル:中程度の歪みで、リズムギターに適したサウンド。
  • リードチャンネル:高いゲインで、ソロやリードプレイに適したサウンド。

エフェクターセッティング:

ダイナミクス系やフィルター系エフェクターは、サウンドの細部を調整するために使用。

SUGIZOのディストーションやコンプレッサーの設定も、サウンドに大きな影響を与えます。主な設定の目安は以下の通りです:

歪み系エフェクターは、楽曲に応じてゲインやトーンを調整。モジュレーション系や空間系エフェクターは、楽曲の雰囲気やアレンジに応じて使用。

  • ディストーション:100
  • ディレイ:20~35
  • コンプレッサー:25~30
  • リバーブ:10~15

特にコンプレッサーの設定では、サスティンを効果的に出すために、アンプからハウリングが出ないギリギリのレベルまで上げています。これにより、長く響く持続音を保ちながら、安定したサウンドが得られるようになっています。

比較的安価に音を近づける機材【LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)・SUGIZO】

SUGIZOさんの使用機材は、ヴィンテージモデルやカスタムビルドされたシステムが中心で、プロフェッショナル向けの構成が多くを占めます。しかし、予算が限られている初心者〜中級者向けにも、再現性が高く、手に取りやすい価格帯の機材は存在します。ここでは、LUNA SEAのコピーやSUGIZOさんの音色を目指すうえで有効な、比較적安価で効果的なアイテムをピックアップしてご紹介します。

まず、歪みの基礎となるハイゲインサウンドについては、EVH 5150IIIの代替として「BOSS MT-2W Metal Zone Waza Craft」が有力です。ミッドの可変域が広く、SUGIZOさん特有の“スコープされた鋭い歪み”にも対応できます。コンパクトながら音作りの幅が広く、エフェクトループやA/B切替を駆使することで、曲によってセッティングを変えることも可能です。

空間系においては、「NUX Atlantic」が非常に優秀なマルチ空間系ペダル。リバーブとディレイを同時使用でき、特にHallリバーブとアナログディレイの組み合わせで『I for You』や『STORM』に近い質感を演出できます。ディレイのタイム設定も柔軟で、BPM同期も可能なためライブ使用にも最適です。

また、Strymon Big SkyやEventide H9の代替には、「Zoom MS-70CDR」もおすすめ。リバーブ・ディレイ・モジュレーションを一台で処理でき、内部エディットによって高級機並みの空間処理が実現できます。価格も1万円台と驚異的なコストパフォーマンスです。

さらに、ファズやノイズ系エフェクトに挑戦したい方には「Electro-Harmonix Big Muff Pi」が王道。SUGIZOさんのMazzy Fuzzy系統に近いサステイン感と暴れ方が特徴で、深く歪んだリードサウンドを安価に再現可能です。

SUGIZOさんのように多段構成を志す場合、「Mooer P1 Prime Preamps」や「Hotone AMPERO MINI」など、マルチエフェクター/IRローダーとしても使える製品をベースに据えるのも手です。AXE-FXほどではないものの、十分な音質で多彩な音色を組めるため、導入としては非常に現実的です。

ワウペダルも非常に重要な要素。VOX V845の操作感に近い「Dunlop GCB95 Cry Baby Standard Wah」は、低価格ながら安定性が高く、SUGIZOさんのグリッサンドやノイズ奏法におけるトーン表現に適しています。加えて、モジュレーション系を導入したいなら「BOSS CH-1 Super Chorus」も定番。立体感のある音色がSUGIZOサウンドとの相性抜群です。

ケーブルや電源回りには、Free The Toneまでは手が届かなくても「CAJ製 DC-DC Station II」「One Control製パワーサプライ」などが高品質かつ安価で信頼性が高いです。これらを使うことでノイズ対策も含めて安定性が向上し、長く使えるシステムを構築することができます。

種類機材名メーカーAmazon最安値URLアーティストギタリスト備考
ディストーションMT-2W Metal Zone Waza CraftBOSSAmazon検索LUNA SEASUGIZO鋭いハイゲイン。中域の可変幅が広く、EVH5150風サウンドに対応
空間系マルチエフェクターAtlanticNUXAmazon検索LUNA SEASUGIZOリバーブとディレイを同時使用可能。BPM同期可
空間系マルチエフェクターMS-70CDRZoomAmazon検索LUNA SEASUGIZO1万円台でリバーブ・ディレイ・コーラス等を網羅
ファズBig Muff PiElectro-HarmonixAmazon検索LUNA SEASUGIZOMazzy Fuzzy系サウンド再現に向く。リードにも最適
ワウペダルGCB95 Cry BabyJim DunlopAmazon検索LUNA SEASUGIZO低価格帯で最も汎用性の高いワウペダル
マルチエフェクターAMPERO MINIHotoneAmazon検索LUNA SEASUGIZOAXE-FXの代用に適した小型マルチ。IR対応
モジュレーション系CH-1 Super ChorusBOSSAmazon検索LUNA SEASUGIZO立体感あるクリーントーン向けコーラス

総括まとめ【LUNA SEA(THE LAST ROCKSTARS)・SUGIZO】

まとめイメージ

SUGIZOさんのサウンドは、一言で表せば「空間と感情の共鳴装置」です。ただ単に“上手いギタリスト”ではなく、“音で世界観を語る表現者”として、多くのリスナーの心を掴んで離しません。その音作りは複雑かつ膨大な機材に支えられていますが、その根底にあるのは「楽曲と一体化する意志」だと言えるでしょう。

彼のセッティングは、ライブのステージ全体を1つの音響空間として設計することに注力されています。アンプの選定からエフェクターの配置、さらにはギターテックとの連携によるボード制御に至るまで、全てが“演奏者ではなく、空間設計者”としての哲学に貫かれています。

また、使用機材においても、ヴィンテージの風合いを大切にしつつ、最新のテクノロジーで整え直すアプローチが特徴的です。NavigatorやESPのシグネチャーモデルに象徴されるように、自身の美学に忠実な音を具現化するための“道具としてのギター”を、徹底してカスタマイズしていく姿勢も印象的です。

一方で、彼の「ディレイとディストーションがあれば、LUNA SEAのコピーはできる」という発言に象徴されるように、重要なのは高級機材の有無ではなく、「サウンドの本質をどう捉えるか」という感性です。実際、空間系と歪みの関係性、演奏ダイナミクス、センスの良いエフェクトのかけ方を掴めば、SUGIZOさんらしさにグッと近づくことができます。

この記事でご紹介したような安価な機材を活用し、彼のようなサウンドを目指していくプロセスは、プレイヤー自身の成長にもつながります。そして、何よりもSUGIZOさんのように「音で想いを伝える」ことを大切にして演奏することが、LUNA SEAの音楽を再現するために最も大切なマインドセットではないでしょうか。

その膨大な機材群の先にあるのは、ただのサウンドではなく、音楽という名の“祈り”であり、“宇宙”であり、“思想”です。機材を模倣するだけでは辿り着けないその境地を、自分なりの音で追いかけることこそ、ギタリストとしての成長に繋がる貴重な旅となるはずです。

SUGIZOさんの音作りは、「テクニック」ではなく「哲学」です。そしてその哲学に触れることは、あなた自身の音楽観や演奏スタイルを深める絶好のチャンスになることでしょう。

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ケンパー最安値
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ギター機材・虎の巻

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